BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はハイゼンベルクのショータイム。楽しんでいただけると幸いです。
「なんだ…ここは…」
「こいつを独り占めして何が面白いってんだ?居もしない誰かとくっちゃべって、こんな状況でも笑っていやがる異常者だぞ?この俺なら、こんなやつでも全員が楽しめるショーを見せてやれる」
「ハッ!何てくだらない。安っぽいサーカスなんて誰が見るの?この男が苦しむ様は私が保証しますわ」
「どうせ誰もいねえ城でこいつのナニを切り落とそうってんだろ?」
『ねえねえイーサン。ナニって、なに?』
俺の処遇を決めようとしているのか、言い争うマダオ(仮)とクソデカオバサン(仮)と無邪気に問いかけてくるエヴリン。下ネタはやめてくれ、小さな子供もいるんだぞ、見えてないんだろうけど。すると黙っていたマザーナントカ変態仮面ことマザー・ミランダと思われる人物が口を開いた。他の四人が真面目に聞き出したのを見るに、ミランダが親玉だと考えてよさそうだ。
「互いの言い分は分かった。かたや一方は理屈に及ばぬようだ。だが我が意を決したぞ。ハイゼンベルク。この狂人…じゃない、この男、お前に委ねよう」
『一番狂ってそうな敵の親玉に狂人言われてて草』
「喜んで。お母様」
「マザー・ミランダ!どういうことですか?ハイゼンベルクは幼稚な上、貴女への忠義も疑わしいと言うのに!」
ミランダにハイゼンベルクと呼ばれたマダオが優雅に帽子のつばに手をかけ一礼し、クソデカオバサン(仮)が憤慨して立ち上がりこちらを見下す様に歩いてくる。エヴリンの言う通り、身長がクソデカかった。何メートルあるんだ…?
「
「ガタガタ言ってねえで自分が負け犬だと認めちまえよ!餌が欲しけりゃ他あたれ」
『やーい負け犬クソデカオバサン』
「その口をお閉じ、坊や。今は大人が話してるの」
『こんなイケオジを坊やってどんな感性してるの?』
「坊やだあ?テメエこそミランダ様に楯突く気か?」
「お前は責任というものを全く理解できていないようね!」
「図体がデカいとエゴまでデカくなっちまうみてえだな!」
『いいぞー、マダオー、もっと言い負かしちゃえー』
『ケンカ!ケンカ!やっちゃえ!やっちゃえ!』
「ブフッ。…おい俺のことは無視かよ」
大の大人二人が大喧嘩し、それを煽るクソガキ二人に思わず笑ってしまうが慌てて取り繕う。すると矛先がこちらに向いた。
「てめーも笑ってんじゃねーよ!お前が死ぬかどうか決めてる最中だってのはわかってんだろ!?どんな根性してんだ、ああん?!」
『それはそう』
「それだけは同感よハイゼンベルク。こんな無礼者、ここで処してしまおうかしら。マザー・ミランダ、許可をいただけませんこと?」
「みんな、ママが怒るからその辺に…」
『ヴェェェイ!惨たらしく死んじゃえー!』
「鎮まれ!」
マザコンブサイクとやらまで口を開き、三人と一個がギャアギャア喚いていると、ミランダがよく響く声と共に、ローブだと思ってた六枚の黒い烏の様な翼をバサッと広げて威圧。喧騒が嘘の様にぴたりと鎮まった。見れば、ミランダの声に呼び寄せられたのか複数のライカンが集まり出していた。何て数だ、こいつらに一斉に襲われたらひとたまりもないぞ…!?
「我が
『異議あり!……部下を集めるのは卑怯だと思う!』
「どうも、「お母様」。では親愛なる…
そう手を広げてライカン達に宣言するハイゼンベルク。降りてきたライカン達に囲まれる形となり、その中心でハイゼンベルクは屈んで愉快そうに笑みを浮かべ、その手にしたハンマーを振り上げた。
「そんじゃ期待してるぜ。狂人、イーサン・ウィンターズ。準備はいいか?」
「誰が狂人だ…おい、よせ…!」
「10…9…8…7…」
『イーサン、こっち!』
「6…5…4…3…2…1…!」
目の前の床に叩きつけられるハンマーを合図とするようにカウントダウンが始まる。慌てて手錠をはめられた両手で何とか立ち上がり後退、目の前まで迫ったライカンたちが俺を威嚇する様に次々と咆哮を上げる。エヴリンの声に振り向くと、そこには床に開いた大きな穴があった。そこしかないか…!
「ショータイーム!!」
「マジかよ、クソッたれ!エヴリン、先導を頼む!」
『了解!イーサンは死なせない!』
ハイゼンベルクの声と共に慌てて飛び降り、なんとか着地。後ろから追いかけてくる気配を感じながら、全力疾走。道は幾重にも分かれているが、エヴリンが道の先を確認して行き止まりじゃない方向に案内してくれる。こういう時は本当に頼もしいなあ、お前は!
『えっへん。もっと褒めて褒めてー』
≪「いいぞ。そうだ走れ。その調子だ、イーサン」≫
「何で俺の名前を知っている!?」
どこからか聞こえるハイゼンベルクの声にうんざりしながらもバリケードを蹴り壊して、広い空間に出る。鍾乳洞の様だ。岩でできた天然の橋を渡ろうとすると、上から咆哮が聞こえ見上げると、村で俺を襲ってきたあの巨人が飛び降りて来ていた。着地と同時にハンマーをフルスイング、俺を叩き落としてきやがった。
「おい、やめろ!?おいおい、嘘だろマジかよ…!?」
『わはー!ねえ、これって噂に聞く滑り台!?たーのしー!』
「楽しんでる場合か、背中とケツが熱い!?」
『案外余裕だね』
そのまま滑り台の様に穴を滑り降りて行き、降り立った先は天然の独房の様な場所。側の鉄格子の扉にはライカンの群れが集い、棘が付いた天井が迫ってくる。痛みを我慢しながらも出口を探す。
≪「まだ生きてるのか?やるじゃねえか」≫
『イーサン、こっちこっち!』
「クソッたれ!まだかよ!」
≪「まったくよぉ…噂通りのしぶとさだな」≫
「噂ってなんだこの野郎!」
エヴリンの誘導で壊せそうな板の壁を見つけた俺は蹴り壊して這い進み、吊り天井を回避。したかと思えば通路の天井にまで棘が付いてゆっくり降りて来ていたので、全力で走る。一々なんか言ってくるハイゼンベルクがルーカスの野郎を思い出して腹が立つ!また広い空間に出ると、今度は奥から世にも悍ましい回転する凶器の様な機械が迫ってきた。出口は機械の向こう側だ、クソッたれ!
≪「おい。まさか俺がお前を逃がすとでも思っていたのか?ドナとモローが退屈しちまってるからな」≫
『イーサン、こっち!隙間開いてる!』
≪「そんじゃあ派手に内臓ぶちまけて盛大なフィナーレの幕開けと行こうじゃねえか!アメリカ産ミンチのできあがりってか!」≫
「アメリカ産ミンチが食いたいならいいところ知ってるぞ!ベイカー家っていうんだがな!」
『って私がミンチになる――――!?』
隅に開いてた穴に潜り込んで、目の前まで迫った回転凶器に手錠がギャリギャリ削られて破壊された。結果オーライ。どうやらこれでショータイムとやらは終わりらしい。助かった…なんかエヴリンは回転凶器に巻き込まれたみたいで姿は見えないが。
「危なかった…まさか、あいつらがローズを?エヴリン、エヴリン!どこに行った?」
止まった回転凶器の下に開いた隙間に潜り、何とか反対側に出ると、顔と全身が滅茶苦茶のミンチみたいになったエヴリンがいた。一瞬ビクッとなる。
『前が見えねえ』
「…お前、触れられないくせにふざけるなよ?」
『ひどい。ちょっとは心配してくれてもいいじゃん』
そう言って瞬時に元の姿に戻るエヴリン。自由に姿を変えれるのか…俺にしか見えないから便利かどうかも分からんな。するとクルクル回ってみるみるうちに成長するエヴリン。
『大人の姿になることもできるよー』
体に合わせる様に大きくなった黒い服のスカートをヒラヒラ舞わせながら18歳ぐらいの美少女になったエヴリンが舞い踊る。お前は順調に成長する権利すら与えられなかったんだったな。
『ねえねえ、可愛い?』
「…ああ、現実でお前のその姿が見れなくて残念だよ」
『でもおばあちゃんの私も可愛くなかった?』
「…まあ、あの狂気に満ちたベイカー家で会うたび癒しにはなったな」
『なにそれ嬉しいこと言ってくれるじゃん、パパ。大好き!』
「はいはい」
成長した姿のエヴリンに引っ付かれながら奥に進む。…そういや武器奪われたけど、どうしたものか。
原作と違って地味に喋ってるモロー君。ピクシブで見つけた成長エヴリンは本当にいいぞ…!子供の人格まんまで体が成長するのいいよね。おばあちゃんエヴリンを癒しに感じたのはいっぱいいるはず。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
ハイゼンベルクとはどうする?
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原作通り敵対する