BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。旧館編は作者である放仮ごがマーガレットを大の苦手としているので早く抜けたい所存。怖すぎるよあの人……。

今回は蟲対策会議。楽しんでいただけると幸いです。


♯14‐【掴もうよ未来】‐

「他に行ける道を探したがあの二つの道しかないことが分かった」

 

『どうするの?』

 

 

 旧館最初の部屋で立ち往生する俺達。いや本当にどうしよう。

 

 

「…本館に暖炉かなにか」

 

『あるけど火は付いてなかったよ』

 

「バーナーを探す」

 

『今まで見た所全部、そんなものなかったよね?』

 

「ホールの扇風機持ってきて叩きつけるか…」

 

『そんなんであの巣が壊れるわけないじゃん!』

 

「突っ切るしか…ないのか……」

 

『退かなきゃ(精神が)死ぬけど、退けば未来は掴めない。なら掴もうよ、未来!』

 

「飛び込むの俺なんだがな。粋の境地で裸で行くかこの野郎」

 

『やめて、私の心が死ぬ』

 

「そうだな、俺も嫌だ」

 

 

 ゼノでブレイドなRPG知ってるのなお前。ルーカスのやつ、よほど多趣味なんだな。なんだろうこの会話とは思うが、現実逃避だ、しょうがない。

 

 

「はあ……行くかあ」

 

『かつてないほどイーサンのやる気がない!』

 

「ところでお前、ちゃんとついてこないと蟲とか巣とか擦り抜けて嫌な感触だと思うぞ」

 

『それはやだ!!!!!!!』

 

 

 耳元でクソデカボイスやめろ。鼓膜…というか頭痛がする。左の扉をゆっくりと開けて、ショットガンを手に様子を窺う。巣の横が少しだけ開いていた。あそこを突っ切るしかないか。もし行き止まりなら死だ。蟲の群れが巣に引っ込んだ瞬間………ここ!

 

 

『今だ、突っ込め猪!』

 

「どこまでそのネタ引っ張るんだよ!?」

 

 

 ツッコミながら突撃。驚いた蟲の群れが迎撃しようと飛び込んでくるが、ショットガンをぶちかまして散らし、巣の横を通り抜けると扉があったので蹴り開けて入るなり扉を閉めるとズドドドド!と蟲の群れがぶつかる音が聞こえた。あ、危なかった……。

 

 

『やだ、掠った。やだやだやだ!』

 

「それは俺にはどうしようもない、我慢しろ」

 

『嫌な感触がするぅう』

 

 

 エヴリンはどうやら避けられなかったらしく青ざめた顔で体中を掻いている。それ、意味あるのか?

 

 

「廊下か……ミアのビデオで見た場所だな。おっ、見取り図だ。ありがたい」

 

『どこいけばいいのかわかる?』

 

「まるでわからん」

 

『だよねー』

 

 

 さっきまでいた入り口の場所がエントランス。通り抜けた部屋がゲストルーム。行かなかった右の部屋がリビング。見る影もないな。リビングとこの廊下からダイニングルームに行けて、もう片方の扉からはギャラリーにいけるらしい。

 

 

「とりあえずギャラリーにいくか」

 

『蟲の巣、ないといいね』

 

「嫌なこと言うなよ…」

 

 

 言いながら開けると、不気味な黒猫を抱えた少女絵や誰かの肖像画などが飾られた部屋に出る。

 

 

『あ、これ!』

 

「出たな謎の影絵ギミック」

 

 

 エヴリンが指差した方向を見ると、ホールにあったものと同じような、蜘蛛の様なシルエットがある、蜘蛛の巣に囚われた蝶が描かれた絵画とそれを照らす照明があった。たしかミアはここに置かれていたのを使って開けていたが、それがなくなってる。マーガレットが隠したのか。

 

 

「タイトルは猛毒の捕食者、か」

 

『蜘蛛かあ。巣が完成したら世界が滅びるんだっけ』

 

「それはアトラク=ナクアだ。クトゥルフ神話に登場する架空の神性だな」

 

『詳しいね?』

 

「男だからな。かっこいいのには惹かれるんだよ。お前こそなんで知ってるんだ?」

 

『イ……知り合いと同じような会話をしたときに聞いた』

 

「物好きな奴だな」

 

『ほんとにね』

 

 

 たしかミアのビデオによるとこの部屋から外の通路に出られたはずだ。扉を開けて外に出る。沼が広がっているからか嫌な空気だ。

 

 

『あ、イーサン!見つけたよ、バーナー!』

 

「なに、でかした……おい」

 

 

 エヴリンがゴミ箱に置かれていたそれを見つけたので嬉々として拾うも、バーナーグリップしかない。これじゃ炎は出せない。

 

 

『いや一部しか見えなかったし勘弁してよ…』

 

「期待させてこれはひどいぞ」

 

『じゃあ他のごみ箱も探してみるよ、匂いは感じないし』

 

「便利だな」

 

 

 蓋が付いているゴミ箱に首を突っ込んで中を見るエヴリン。……何がとは言わないが丸見えだがいいのか。

 

 

『イーサンのえっち』

 

「ナチュラルに俺の頭を覗くな。俺にそんな趣味はない」

 

 

 顔を赤らめながら振り返るエヴリンにツッコむ。俺の頭の中も読めるのか、幽霊は何でもアリだな。

 

 

『こんな可愛い子供を連れ回しといて言う台詞?それより中にショットガンの弾があったよ』

 

「可愛い子供ってのがどこにいるのかは知らないがそれはナイス情報だ」

 

『なんだとー!ってこの感じ前にもあった!!』

 

「そうか?こんなことあったら覚えてそうなもんだが」

 

『あ、そっか。こっちの話』

 

「エヴリンお前、時々本当に変なこと言うよな」

 

 

 勝手に納得したエヴリンに首を傾げながらゴミ箱の蓋を開けてショットガンの弾を手に取る。ありがたい。横に薬液もあるな、これももらっとこう。…さすがに子供用のリュックじゃきつくなってきたな。

 

 

「エヴリン、一応マーガレットがいないか先を偵察して来てくれ」

 

『りょーかいー。あ、イーサンいいものがあるよ!』

 

「なんだって?これは……!」

 

 

 ふよふよと浮かんで先導するエヴリンを追って先に進み小部屋に入ると、机の上に大人用のリュックサックがあった。助かる、本当に助かる…!

 

 

「これでもっと物が持てるぞ…!」

 

『子供用のリュックどうする?』

 

「ここにある本やら入れてブラックジャックでも作るか」

 

21(twenty one)天才外科医の闇医者(間黒男)?どっち?』

 

「どっちでもない。殴打用の武器だ。サップともいう。革袋とかに砂や金属片等を詰め込んで固く絞ってかなりの重量で、頭部に叩きつければ脳にダメージを与えることができる。更には表面が布や革だから打撃音も少ないという点もある、お手軽に作れる便利な武器だ」

 

 

 そう説明すると訝しむ様な視線を向けてくるエヴリン。なんだよ?

 

 

『イーサン、本当にシステムエンジニアなの………?』

 

「護身用の武器ぐらい知っててもいいだろ」

 

『いや教えられたならともかく……』

 

「教えられるって誰にだ」

 

『そりゃあクr……………おっと失礼。ここから先はまだイーサンにとっては未来の出来事……でしたね?』

 

「いや本当に誰だ」

 

『あ、まだ放送してないんだった。私が預言者みたいだ』

 

「???」

 

 

 蟲への恐怖からかエヴリンがいつにも増して変だな。そっとしておこう。

 

 

『変とはなんだ変とは!失礼な!』

 

「あ、心が読めるんだったな。そっとしておくから好きなだけほざいていいぞ」

 

『私の失言とはいえ悲しいからやめて!?あ、それとさあ』

 

 

 これからどうしようか考えているとエヴリンが何かに気付いたのか指を指す。見てみると、そこには小部屋を照らす火が灯った蝋燭が。

 

 

「なんだ、ただの蝋燭じゃないか。……………蝋燭!?」

 

『今頃気付いたの?』

 

「よしあの巣を燃やすぞ」

 

『いつもなら止めるけどさんせーい!』

 

 

 蝋燭を手にして、来た道を戻る。エヴリンも乗り気だ。相当鬱憤が溜まっていたらしい。俺もだ。

 

 

『ギャアアアアっ!?きたー!?』

 

「邪魔をするな…!」

 

 

 ギャラリーを抜けてさっきの廊下に戻ると、窓をぶち破って虫どもが入ってきたので蝋燭を振るう。炎上して消えて行く蟲たち。行ける…!

 

 

「飛んで火に入る夏の蟲だ!」

 

『あ、イーサンここに固形燃料があるよ!』

 

「でかした、そいつで燃やすぞ!」

 

 

 廊下からダイニングルームに抜けると、エヴリンが棚の中から固形燃料……メタノールを主成分とする可燃液を凝固させた、着火すると激しく燃焼する代物を見つけてくれたのでそれを拾い、ダイニングルームから行ける、エントランスから右の部屋であるリビングにあった巣に急ぐ。

 

 

「ここであったが百年目だクソ虫ども!」

 

『わーい、イーサンの口が悪い!絶好調!』

 

 

 固形燃料と一緒に蝋燭をぶん投げて叩きつけると巣は炎上。中にいた蟲たちも飛び出すが焼けて悶えて崩れて行き、俺とエヴリンは思わずガッツポーズした。

 

 

『…ところでイーサン』

 

「なんだエヴリン」

 

『勢いに任せて投げちゃったはいいけどこれからどうするの?』

 

「あ」

 

 

 言われて冷や汗がダラダラと流れる。対抗策を自分から投げ捨ててしまった、やばい。

 

 

『イーサンの馬鹿!脳筋!』

 

「否定できん…」

 

 

 二人して五分ほど落ち込む羽目となった。




作者はゼノブレイドシリーズが大好きです!(クソデカボイス)

本編二話の懐かしいネタ回収。この会話も絵にしてもらったんですよね、ピクシブで見れるのでよければぜひ。

原作見ながら蝋燭あるしこれ使えばいいんじゃねと思ったことをそのままやった結果。この物語のイーサンは脳筋です(今更)

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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