BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はバーナーゲット、そしてボス戦。楽しんでいただけると幸いです。
意気消沈しながらもダイニングルームを進む俺達。投げちゃったダメージはでかい。自爆だが。
『あ、イーサンなにかあるよ』
「見なかったことにしよう」
『でもなにか…』
「確認するために首を物理的に突っ込みたいか?」
『それは嫌だ』
「だろ」
なんか小さな虫の大群に覆われた棚と天井に巣があったがスルーしてダイニングルームを抜けて外の桟橋と思われるエリアに出る。
「何で窓枠にガンパウダーがあるんだ…」
『さあ?でも助かるね』
「まあな」
扉を開けてすぐ横、窓枠に置いてあったガンパウダーを拾ってバックパックに入れながら桟橋を渡ると、桟橋の途中にある巣からまた蟲が出てきたのでショットガンを構える。いやな、さすがに慣れた。
「いい加減にしろ蟲ども!」
『イーサンの心が死んでいくんだからもう出てくるな!』
いくらでも湧き出してくる蟲を吹き飛ばしながら進もうとすると、巣の横は行き止まりで四角い穴が柱にあった。クランクかなにかでも持って来いということか?
『イーサン、後ろ!』
「ふんぬっ!」
エヴリンの声に、咄嗟にショットガンの持ち手を両手で握ってフルスイング。背後にいた蟲を粉砕する。行き止まりに蟲の巣を設置するんじゃねえ!
「よし!」
『ホームラン決まったー!』
エヴリンがやけくそに叫んでいるのを見て冷静になる。巣の傍の横道の先に小屋があった。あそこになにかあるかもしれない。しかし巣が邪魔だ、周りは沼で何も…………桟橋の上、つまり沼の上?
「これなら、どうだあ!」
『えええええええっ!?』
巣の根元にショットガンをぶちかましてぐらつかせ、そのまま右足を振りかぶると思いっきり全力で蹴り上げた。
「キキィ!?」
「お前も死んでおけ」
それに驚いて顔を逸らした蟲の一匹を靴先で蹴り飛ばす。そして蹴り上げられた巣は綺麗な放物線を描いて沼に落ちると逃げ出そうとする蟲たちを粘液の様な水面で巻き込みながら沈んで行った。
「…よし!」
『よしじゃないよ!?いや、よしかな!?でもなあ……』
「沼なんかに設置してるからこうなるんだクソババアめ」
『まあそれはそう。巣を蹴り飛ばすなんて発想は普通でないけどね』
「いや蹴りやすそうな形してるけど下が邪魔だなあって」
『思わないよ!?』
そんなことをぼやきながら小屋に入る。ハーブに……おっ、これは?
『もしかしなくても』
「バーナーノズルだ。これで…」
机の上に置かれていたバーナーノズルを先に見つけていたバーナーグリップと組み合わせクラフトする。…よし、がらくただったが組み立てタイプでよかった。もっとバラバラだったら難しかったな。
「よし。バーナー、完成だ」
『念願のバーナーを手に入れた!!』
手にしたのはハンドメイドの火炎放射器。燃料は固形燃料と…薬液でいいのか?引き金を引いて炎を出して確認する。よし、いけるな。
『多分突っ切ってこれを手に入れるのが正解だったんだろうね』
「正解とかあるのかよ」
『ギャーきたぁああっ!?』
「燃えろっ!」
ダイニングルームまで戻るとまたもや蟲の大群が襲ってきて、天井の巣ごと焼き払う。いや爽快だなこれ。
『こんなボロボロなのに引火しないね、なんか防火剤でも塗ってるのかな?巣にも塗ればいいのにね』
「ありがたい限りだな」
とにかくこれで行けなかったところに行ける。戻るか。蟲の巣があって通れなかったエントランスの右側のリビングをまだ探索してなかったはずだ。
『だけどマーガレットいないね』
「いるって言ってたのおまえだろいい加減にしろ」
そんなことをぼやきながら一度、件の蝋燭をぶん投げた現場であるゲストルームを通ってエントランスに戻り、リビングに続く扉を開ける。中央の敷居に鎮座する巣が夥しい。無言でバーナーを構える。
『ヒャッハー!やっちゃえイーサン!』
「汚物は消毒だ!」
世紀末な台詞を吐きながら飛び出してきた蟲ごと火炎放射で燃やす。巣が炎上したので一度止めるも、原型が残ってたのでさらに燃やす。なんか奥から蟲の大群が現れたのでさらにさらに燃やす。……奥から?
「エヴリン、頼む」
『やだからね?』
恐る恐ると燃やした巣の裏側を見る。暖炉があってそれを塞ぐように巣がくっ付いてた。思わずエヴリンと顔を見合わせ、頷く。
「『いい加減にしろ!』」
尽きていたバーナーの燃料をあらかじめ移動中にクラフトしておいた固形燃料と薬液で作ったものと入れ替え、火炎放射。燃やし尽くすと、巣のあった後ろの壁に暖炉を改造したと思われる通路が現れた。
「こんなところに……」
『先に行って見てこようか?』
「頼んだ、なにがあるかわからんからな」
率先してふよふよと壁を擦り抜けて偵察してくれるエヴリン。蟲がいない時は便利だな。
『結構広いよー。地下室に続いてるみたい?蟲もババアもモールデッドもいないね』
離れているのにエヴリンの声が直接頭に響く。本当に便利だなお前。屈んで暖炉を通り抜けると白く輝く照明で照らされた下に続く通路と階段に出た。手すりまである。薄暗く蝋燭の灯りしかなかったのが嘘みたいだ。奥の部屋から擦り抜けて出てきたエヴリンが手招きした。
『多分、あの蜘蛛の影絵ギミックに使うものを見つけたよ』
「でかした。しかし、ここはなんか毛色が違うな」
『わかる』
地下室に入ると、フェンスで仕切られたまた薄暗い部屋に出て。机の上によくわからんものが置いてあるのを見て駆け寄ると、聞き慣れた声が聞こえた。
「イーサン?」
「なっ、ミア!?」
『え、嘘っ。ここで出るの!?』
フェンスの向こう側の通路から出てきてフェンスに駆け寄ったのは俺の妻、ミア・ウィンターズその人だった。慌てて俺も駆け寄る、フェンスが邪魔だな。
「イーサン!」
「待ってろミア!ちょっと離れてろ、こんなフェンス蹴破ってやる!」
「え、ええ…」
『ミアもドン引きで草』
ミアが離れたのを見計らって、勢いよく前蹴りを叩き込む。しかしビクともしない。ならばと後退し、勢いよくドロップキック。フェンスを固定していた留め金が外れて倒れ込んだ。
『ええー……フィジカルは最強だった?』
「イーサン!やっと、やっと会えた!」
エヴリンが呆けてる中で、飛び込んできたミアを受け止め、抱き合う。ああ、よかった!元のミアだ、あの廃屋で狂っていたのが嘘みたいに普通のミアだ。
「ミア。どうなっているんだよ、ちゃんと話してくれ」
『ちゃんと話せるかなあ…』
「わかってるわ。私だってずっと貴方に全部話したかったの。でも、私!本当に何も覚えてなくて!」
『ああ、やっぱり』
取り乱すミア。エヴリンお前なんか知ってるな。あとで話してもらうぞこの野郎。
「落ち着け。何も覚えてないことはないだろう?」
「本当にどうやっても思い出せないのよ!」
「おっと、そこまでだイーサン」
するといきなりミアの背後から現れ、ミアの手を取りナイフを首筋に突きつけた男がいた。ルーカス・ベイカー。この狂った家の長男だ。
「お前、ルーカス!」
「おおおおっ!?」
『これにはジャックもにっこり』
咄嗟にパンチ。ルーカスはまさか殴ってくるとは思わなかったのかたまらず避けて、ミアを解放。慌ててミアを抱き寄せて背後に回して俺もポケットナイフを取り出して構え、睨み合う。
「よう旦那、思ったよりクレイジーだな。カミさんを人質にしたのに容赦なしかよ怖いねえ」
「もうミアを失わない。お前もどうせジャックと同じですぐ治るんだろ、治らなくなるまで切り刻んでやるよ」
『こわいよイーサン』
「言ってることがサイコパスのそれだぜ?ほい!」
ナイフを突き出してくるルーカス。その一撃を避けて、奴の腕に突き立てる。しかし気にせずそのままエルボーを叩き込んできて殴り飛ばされる。
「俺がすぐ治るって言ったのはお前だぜ?なに突っ立ってんだよ、このマヌケが!」
「うるせえ、汚物は消毒だ!」
「ちょっ、おま!?」
『これはひどい』
俺のポケットナイフを腕から引き抜いて見せびらかして罵倒してきたので、怒りのままにバーナーを取り出して火炎放射。
「あづっ、あつっ、アァアアアッ!?」
火達磨になったルーカスは絶叫しながら後ろの扉に入って姿を消した。ポケットナイフを拾い上げ、刃を納めてポケットにしまう。
「マヌケはどっちだよクソッたれ」
まさかのボス、ルーカス戦。頑張ればフェンスを蹴り倒せたよねって。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
ルーカスとは……
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原作と異なりイーサンが決着をつける
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原作通りクリスが決着をつける