BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はウィンターズ夫妻無双。楽しんでいただけると幸いです。
ルーカスを撃退し、救出したミアとお互いの無事を喜ぶ。俺の場合腕とか足が何回か斬り飛ばされているが言わない方がいいだろう。
「ああ、よかった……イーサン、これからどうするの?」
「そうだな……エヴリン、なんかあるか?」
『ミアをこの時点で救出はさすがに想定外なんだけど』
「エヴリン?」
思わずエヴリンに問いかけると、ミアが首を傾げる。そうだった、この幽霊は俺にしか見えてないんだった。
「俺を助けてくれる幽霊の少女だ。俺にしか見えないらしいから気にするな」
「えっ、ええ……イーサン、頭大丈夫?」
『いや草』
おでこにミアの冷たい手を触られて熱を確認された。なんか恥ずかしい。エヴリンが腹を抱えて爆笑している。おいコラ笑うな。
『ひーっひーっ、笑った笑った。とりあえずそこの石でできてる…えーと、すたちゅえっと?を持ってギャラリーに戻ったら?これが“蜘蛛”でしょ』
「ああ、これか。重いな…」
『そりゃ石だからね。イーサンは戦わないとだしミアに持ってもらえば?』
「それは名案だ。俺が守ればいいんだな」
「…とりあえず、私に見えない誰かがいるのは分かったわ」
ミアも納得してくれたようだ。机の上の石のスタチュエットを拾い上げてミアに視線を向ける。頷いて受け取ってくれた。
「よし、ミアは俺の後ろで警戒してくれ。ここにはミアを救うために必要なものがあるらしいんだ。それを回収する」
「わかったわ。…できれば危険な目に遭ってほしくはないけど、貴方は止めても聞かないわよね」
『大丈夫かなあ。一応私も見とくけど。二人になったらカバーも難しいよ』
「頑張れお前を信じてるぞ」
『ミアの前だからっていい顔するのやめない?』
あからさまに不機嫌になるエヴリン。そういやミアに育てられたかもしれないって話だったな。
「面識あるのか?」
『面識はあるよ。ミアは忘れてるみたいだけど』
「俺以外にお前を見せる方法は何か思いつかないのか?」
『……ある、かもだけど言わない』
「なんで言わない?見えたり聞こえた方がやりやすいだろ」
『私が嫌なの!』
膨れるエヴリンにどうしたものかと考える。ミアにも伝われば意思疎通が楽になっていいんだがなあ。
「わかった、無理強いはしない。偵察は頼んだぞ」
『あ、うん。任せて!』
「ミア、行こう。あいつが安全なルートを教えてくれる」
「わかったわ」
地下室から通路を通って暖炉から一階に戻る。やっぱり空気が変わるな。
「こんなところに繋がってたのね……」
「そうか、ミアはここに来たことがあるんだったな。ビデオ、見たぞ」
『あのビデオ機材、どこで手に入れたの?』
「って、エヴリンが聞いてきてるが……実際どうなんだ?」
そう尋ねるとミアは思い出したくもないのか嫌そうな顔をした。
「あのハゲた男……ルーカスが渡して私を逃がしたのよ。何が狙いなのか……」
「『ブフッ!?』」
「イーサン?」
思わずエヴリンと一緒に笑ってしまった。ハゲって、ハゲって……いやたしかにフードで隠していたが薄毛だったな。特徴は他にいくらでもあるだろうに、ミア、いいセンスだ。
『っひ、ふひひひっ!ハゲ、あのルーカスをハゲ呼ばわり!アッハハハハハハハッ!今なら恐くないかも!フヒヒハハハハッ!』
「笑いすぎだぞエヴリン、気持ちは分かるが」
馬鹿笑いしながらダイニングルームに擦り抜けて行くエヴリン。ツボに入ったのかまだ笑ってる。…幽霊にもツボはあるのか?と思いながらギャラリーに一番近いダイニングルームへの扉に手をかけようとすると。
『っふひひひっ!あ、駄目イーサン!こっちは……』
「私の可愛い蟲たちばかりかルーカスまで燃やしやがって!!バカ息子だけどあたしの可愛い息子なんだよ!?とっとと、ここから、出て行きな!」
「マーガレット…!?」
「ふざけるのもいい加減におし!あたしを怒らせるんじゃないよ……ギャアアアアアアッ!?」
扉がちょっとだけ開いて顔を出したのはマーガレット。思わず手にしていたバーナーから火炎放射を噴き付け、炎上したマーガレットはじたばたと暴れてランタンを振り回し、足元から小さな蜘蛛の群れを、空中から羽虫の大群を向かわせてきたのでバーナーで応戦する。
「エヴリン!お前、偵察したならちゃんと報告しろ!驚いただろうが!」
『驚いただけなのちょっと引くんだけど。あ、後ろ』
「危ないイーサン!」
「おわっ。助かった、ありがとうミア」
『この夫にしてこの妻だった』
足元の蟲を炎で薙ぎ払っていると、背後に回って襲ってきたらしい羽虫をミアが石のスタチュエットで殴り飛ばしてくれたらしい。なんて狙いのよさだ、頼もしいさすが我が最愛の妻!
『惚気てないでとりあえず逃げよう?マーガレット怒り狂ってるよ』
「だろうな。とりあえずギャラリーになんとか向かうぞ。鍵閉めたか、小癪な。オラア!」
『知ってた』
ミア共々後退し、勢いをつけてドロップキック。内鍵を閉めただけであろう扉はあっさり蹴り飛ばされ、机に激突して粉砕された。
「よしっ!」
「さすがイーサン!」
『駄目だコイツら、早く何とかしないと……私がしっかりしないと……』
ダイニングルームに突入すると、手で払って鎮火していたものの度肝を抜いた様子のマーガレットが。俺はお手製ブラックジャック(子供用リュックIN適当なボロ本を三冊)を取り出し右手の手首のひねりで回転。勢いよく叩きつける。
「よくもミアを怖がらせてくれたなあ!」
「どこまでふざけて……ギャアアアッ!?」
「あのときのドアップ本当に怖かったんだから!」
「あ、あたしの顔を見て勝手にちびったのアンタじゃないか……ギャアアアッ!?」
『なにこの夫婦怖いやだ』
俺のブラックジャックの一撃を受けて床に叩きつけられたマーガレットに、怒りのミアが振り上げた渾身の石のスタチュエットによる一撃が後頭部に炸裂。マーガレットはランタンを手放して白目を剥いた。ピクピクと手足が蟲みたいに動いてるから生きてるだろ、多分。まあジャックといいこいつらはいくら殺しても死なないからこれぐらいしても足りないだろ。
「よし、今のうちだ!さすがにとどめを刺すのに時間を割いている余裕はない!」
「わかったわ!」
『えっと、うん。ミアのちょっと濡れてるズボンは気にしないことにするね?』
どかどかと走ってギャラリーに向かい、蜘蛛の様なシルエットがある、蜘蛛の巣に囚われた蝶が描かれた絵画とそれを照らす照明の前に置かれた机の透明な台にミアから受け取った石のスタチュエットを設置して一分ぐらい三人で話し合いながら試行錯誤。
「ここ、私が前来た時は開いてた…たしかそのときは、こうだったかしら?」
「いや、ビデオで見たときはこうだったような…」
『そこをこう回転させるんじゃない?』
絵のシルエットに合うように蜘蛛の影を作り、隠し扉を開くことに成功した、が。
「おい嘘だろマジかよ!?」
「…ねえイーサン、ここ通るの?」
「………燃やすか」
『無慈悲に行こう』
隠し扉の向こうの隙間の道は大量の百足がひしめきあっていて思わず寒気が走る。ミアの不安げな顔を見て決意、ためらうことなくバーナーを隙間に突っ込んで火炎放射。焼き払う。
「よし、ちょっと熱いが進もう」
「先導をお願い、イーサン」
『ちょっとじゃないけどね』
荷物を手に持って盾にしつつ横に隙間の道を進んでいく。そして穴の様な出口から出れたのは、エントランスの左側から見えた足場が壊れた大部屋の向こう側だった。
「向こう側に出たのか」
『ってことはこっち側に探し物はあるのかな?』
エヴリン、ミアと向き合い頷く。進むしかない、前進だ。
まさかのマーガレットも一蹴。ミアも案外脳筋だと思うの。じゃないとエヴリンを逃がすようなことなかったはず。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
ルーカスとは……
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原作と異なりイーサンが決着をつける
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原作通りクリスが決着をつける