BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はオリジナルボス登場。楽しんでいただけると幸いです。
マーガレットを倒し、戻ってきたミアを伴ってエヴリンと共にカラス…よく見れば双頭のカラスの扉の鍵を開けて潜り抜けるも、両手に激痛が走って思わず立ち止まる。
「うう…」
『さっきの蟲に刺された箇所が腫れてる…』
「イーサン、大丈夫?その手・・・」
「ああ、大丈夫だ。回復薬をかければ…」
そう言って回復薬を取り出すも、取りこぼしてしまう。首を絞められたダメージもかなり来ている、か。床をコロコロと転がる回復薬を拾おうとすると先に拾い上げてくれた手があった。ミアだ。回復薬を俺の両手にかけてくれながら悲しそうな視線を向けてきた。
「イーサン……私のために、こんなに傷付いたの?」
「軽いもんさ。お前を救うために俺はここに来たんだ。…これが、目的の物か…?」
治癒された手を握って調子を確かめ、前を向く。そこにはマーガレットの言っていた祭壇、だろうものがあり、その中央には重厚そうな箱が置かれていた。…吊り下げられている複数の人形も不気味だが……何で自転車があるんだ?と思いながらも開けようとすると鳴り響く甲高い音。
「なんだ?」
『あ、イーサン。コデックス!反応してる?』
「イーサンそれは?」
「コデックスって言うんだが……TARGET?」
コデックスにそんな文字が浮かぶとひとりでに鍵が開いて蓋が開く。中にあったのは丸まった赤ん坊もしくは小人のミイラの様なもの。そして蓋に貼られた一枚の紙。
「なんなの、これは……」
「わからない。だが……【資料 : 型 体 の「血清」について 以下の を ことで「血清」を精製 が可能である。1.D型被験体 脳神経 2.D型被験体 末梢神経】……?多分これが血清について書かれているんだな」
『…D型被験体、か』
ふよふよと浮いて俺と一緒に紙に書かれた内容を見ていたエヴリンは悲しそうな顔でそう復唱した。なんだろう、もう会えない誰かを思い返しているような……。っと、プルルルルルッ!と電話の音が鳴り響く。慌てて周囲を探すと、入り口の横の机に蝋燭の燭台と共に置いてあったので電話に出る。
「もしもし?ゾイか?」
≪「どう?血清は見つかった?」≫
電話の相手は協力者ことゾイ・ベイカー。コデックスでこちらの情報が伝わっているのか?
「ああ。ミアと合流して、お前の兄と母親と一戦交えてからそれっぽいのを見つけた所だ。蟲は聞いてないぞ」
『本当に聞いてないよ!』
≪「それは悪かったよ、警告はしておくべきだった。ミア、見つかったんだね。…ちょっと複雑だけどおめでとう」≫
「ルーカスは燃やしたら逃げたがマーガレットの方は倒せたはずだ」
『イーサン、人を燃やしたって平然と言うのやめよう?』
≪「燃やしたって……ルーカスも災難だね。で、血清は?」≫
「いや、まだだ。でも作る材料は分かった。ゾイ、お前確か材料になりそうなものを手に入れたって言ってたな。それはD型被験体とかいうやつの脳神経…「頭」か?それとも末梢神経…「腕」か?」
『………』
ゾイにそう尋ねると無言で不機嫌になるエヴリン。どうしたんだお前、さっきから変だぞ。
≪「やっぱりね。「頭」なら推察通り、手に入れた奴がそれさ。でも「腕」の方は分からない。旧館は全部調べた?」≫
「いや。まだ一階だけだ。二階を調べてみるよ」
≪「それじゃあ探してみて。こっちも心当たりを探してみるよ。見つけたらトレーラーで会おう。ああ、あとひとつ。……ミアに背中を任せるのはやめといた方がいいかも」≫
そう言ってゾイは電話を切った。ミアに気を付けた方がいいだって?その言葉で思い出すのは廃屋での死闘。豹変したミア。…大丈夫だ、今は落ち着いている。あんなことは二度と起きない、大丈夫だイーサン。
『自分で言い聞かせるのは大丈夫じゃないよ。私が見ておくからまあ安心して』
「電話の相手、なんだって?」
「このまま旧館を探して「腕」を見つけて欲しいとのことだ。二階に行こう」
「なら……これ、武器になりそうだし一応持っておくわ」
そう言って祭壇に置かれていた金属バットを手に取るミア。ちょっと怖いが武器があるに越したことはない。
「ハンドガン渡そうか?」
「私に扱える気がしないから遠慮しておくわ」
『むしろシステムエンジニアなのに拳銃使えるイーサンがおかしいんだよ』
うるさいわ。等間隔で階段が続く通路を進む。途中の部屋ではマーガレットの日記らしきものを見つけた。ミアとエヴリンを何かあれば俺を呼ぶように言って先に行かせ、読んでみる。時間が惜しい。
「【10/11 一日じゅう、ひどい耳鳴り 夜も眠れない あの子が来てからだ ゾイの言うとおり あの子はどこかおかしい 一緒に来た女も】………あの子に、女?」
あの子というのが元凶なのはわかるが女だと?
「【10/15 幻覚 幻聴 吐き気が止まらない 町の医者に行ったらレントゲンを撮られた どうなってるの? 10/23 あの子がプレゼントをくれた 10/ 2階の一番奥 プレゼントは秘密の部屋に 誰にも渡さない あの「腕」はあの子の信頼のしるし 私たちを幸福に導いてくれる この幸せを汚す者は 誰も生かしておかない】…ついに日付すら書かなくなったか。2階の一番奥の秘密の部屋か」
そこに「腕」がある事は間違いなさそうだな。
「イーサン!ちょっと来てくれない?」
「なんだ、どうしたミア」
通路の奥まで進むと、扉の前で立ち往生するミアの姿。エヴリンは見当たらない、と思っていたら扉からヒョコッと出てきた。涙目で。
「イーサン、この扉どうやっても開かないの」
『様子を見に行ったんだけど……我ながら怖すぎて無理だったよぉ』
「我ながら?」
引っかかりながらも扉を見る。重厚な鍵が仕掛けられていて、そこから伸びた糸…ワイヤーか?が扉横にある天秤に繋がっている。そしてそれには、どこかで見た様なランタンがかけられていて釣り合ってなくなっていた。ランタンを外してみようと試みるが天秤に固定されているのかビクともしない。
「……つまりランタンを持って来いということか?」
「ランタンって、あのバケモノが持っていた……」
『倒されたマーガレットの横に転がってたね』
「いったん戻るぞ」
来た道を戻り、カラスの扉の前まで出る。するとそこに転がっていたはずのマーガレットがいなくなっていて。ハンドガンを手にして、バットを構えたミアと共に警戒する。
「エヴリン、索敵!」
『なんか嫌な音がする!わしゃわしゃって!』
「嫌な音?」
耳をすませる。何かが高速で動く音。この感じは……蜘蛛か?
「アッハッハッハッハ!」
すると笑い声と共に天井から蟲の大群が襲ってきて、咄嗟にハンドガンを仕舞ってはバーナーで迎撃。同時にバーナーで天井を照らすと、それはいた。
「マーガレット、なのか?」
『ぎゃああああっ!?人面蜘蛛ぉおおおおお!?』
「アハハハハハハッ!イーサン、感謝するよ!あんたのおかげであたしは可愛い蟲たちと一体になれた!」
わしゃわしゃと動いて姿を現したのは、真っ黒な流動体で構成された三メートルはあろう巨大な蜘蛛。しかし節足の先は人間の手の形になっていて、巨大な腹部は蟲の巣の様になっていてそこから蟲を出し入れしてるらしい。胴体にはランタンが流動体に埋め込まれていて蟲を操っている。そして何より、その頭部。マーガレットの頭部が、360度ぐるりと回って顔面の位置を変えながらくっ付いていた。
「どうせカンテラが欲しいんだろう?あげないよ!じっくりと嬲り殺してやる!」
『マーガレット、そんな姿私知らない……運命を変えちゃったから?』
「そいつは勘弁願いたいな!」
バーナーを放つが炎は届かず、マーガレットは天井を突き破って穴を開けながら姿を消し、次の瞬間横の壁を突き破って飛び出してきて押し倒される。8つの手に首を、顔を、腕を、足を、腹部を、全部封じられてしまい身動きが取れない。
「オアアアアアッ!お前にはあたしの子たちを浴びせてやるよ!」
「うおおおおおおおおっ!?」
『うう、今の私じゃ何も手助けできない……お願い、聞こえてないだろうけど……助けて!』
するとその口から溢れだす百足や蜘蛛や芋虫が群がってくる。身動きが取れない中それが口や鼻や耳から入ってきそうだったその時。マーガレットが横に吹っ飛んだ。ミアがバットを叩き込んだのだ。手を差し出されて、それを掴んで立ち上がる。
「大丈夫、イーサン?」
「ああ、助かったよミア」
『…やっぱりお似合いだね二人とも』
「くそっ、ここじゃ分が悪いね!」
わしゃわしゃと板張りだった穴に飛び込み、横穴に入って逃げて行くマーガレットを、ミアと共に追いかける。横穴を抜けた先にあったのは、旧館と繋がってるらしき古びた建物だった。
オリジナルボス、変異マーガレット・スパイダー。ジャックやルーカスみたいに菌が溢れだして巨大化したタイプのボスです。モチーフは某山の神。
エヴリンの情緒が大変な今回でした。レムナンツ本編みたいに武装させたりと手出しできないのは辛い模様。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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