BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回は独自解釈があります(今更)。恐怖の子供部屋探索。楽しんでいただけると幸いです。
フューマーの首を掴み、万が一にも再生しない様に沼に投げ落としながら旧館に目を向ける。
「…ルーカスの言う通り解体室から戻るのも癪だし、まずは「腕」を探しにいくか」
『そうしようか。とことんアイツを怒らせよう』
「エヴリンの知らない敵ってのが気になるがな」
『あ、そうだ。ねえ、お願いしたいことがあるんだけど』
「?」
そう言ってエヴリンがお願いしてきたのは手紙を書くことだった。一度トレーラーハウスに入って紙とペンを探し言われるままに書き綴る。
「【ゾイが危ない。助けてくれ】……これでいいのか?誰に向けての手紙なんだ」
『これは一か八かの奥の手だからね。言っちゃうと上手く行かない気がするから言わない。とりあえずこれをビンか何かに入れて沼に流して』
「? まあいいが」
冷蔵庫を開けてみる。なんか入ってた。赤い✕が描かれた保安官補佐の写真だ。これ生きてるときのだろ何時撮ったんだよ。
「なんだこれ」
『後ろになんか書いてるよ』
「なになに?」
エヴリンに言われて写真の裏を見てみる。【地下の解体室でポリ公が待ってるぜ】さっきルーカスに言われた言葉がそこにあった。
「……もしかしてすぐ解体室にいけってのは」
『せっかく仕掛けたはいいけど無駄に終わったこれを見られたくなかったんだろうね』
「………ルーカス、ダサいな」
『ダサいね』
見なかったことにして適当なジャムの入った瓶を取り出して冷蔵庫の扉を閉めて、棚を漁って乾パンを見つけると皿に乗せ、ジャムを全部乗せていただく。腹ごしらえだ、家主がいないがまあ必要ってことで許してほしい。
「腹が減っては戦はできぬと言うしな」
『豪勢だね』
「最後の晩餐にならないことを祈るよ」
『そうはさせないから安心していいよ』
ジャムを乗せた乾パンを食べ終えた俺は空き瓶を水で洗浄し、手紙を入れて外に出ると振りかぶる。
「よくわからんがこれでいいんだな?」
『うん、割らない様にしてね』
「了解だ!」
そしてぶん投げたガラス瓶は放物線を描いて沼に落ち、プカプカと漂って行った。それを見届けた俺はバックパックを担ぎ直し、旧館に足を進めた。
『お願いだからあの人に届きますように』
「ところで聞きたいんだが、D型被験体ってのは?」
旧館の中を進みながらそう聞くと苦しそうな表情を浮かべるエヴリン。聞いちゃいけないことだったか?クランクを使った通路を通り、カラスの扉を抜けるとちょうど見えたので覗きこむ。左腕で膝を抱え込んだ赤ん坊のミイラが見えた。
『……D型被験体は私の姉だよ。あの子が赤ん坊の頃に死んだから遭ったことないけど。この赤ん坊のミイラがそれだよ。ミアが運んでたんだけど、流れ着いたのを回収させたの』
「このミイラが……そういや左腕は見えるが右腕は見えないな」
ってことは探している「右腕」はあのサイズの腕のミイラってことか。マーガレットの手記があったピアノの部屋の前を通る。なんかダーン!とピアノの音が聞こえたが気のせいか?
『…何今の?』
「さあな。どうでもいいだろ」
『どうでもよくないと思う。……他にもA型、B型、C型被験体もいたよ。名前をもらえたのは一番優秀な個体だった私だけだったけど。あの女の提供した胚のおかげなんだろうけど。私はE型被験体、エヴリン。それが私』
「その嫌な呼び方は忘れろ。お前はただのエヴリンだ、それでいい」
すぐネガティブになるんだよなエヴリン。全力でツッコんでたのが空元気じゃないと信じたい。
『前に言った「ローズ」の他にも姉妹みたいな子はいるんだけど……』
「へえ、それは誰なんだ?」
『私』
「は?」
『正確には老婆だった私。私は残留思念、簡単に言うと本物じゃなくて幽霊なの』
「???」
頼むからわかる言葉で行ってくれ。老婆だったエヴリンって改心してないってことだろ、なんで姉妹みたいな子って言えるんだ?
「お前優しいのは分かるが悪い自分まで姉妹扱いしない方が…」
『違うよ!?悪い子だったけど同じエヴリンってことでイーサンが……』
「俺が?」
どんな状況だ。未来の俺も数奇な奴だな。そんなことを話していると例の扉の前に出た。バックパックに入れておいたランタンを取り出そうと手を突っ込み漁る。
「っと、ここか。ランタンランタンっと」
『ランターンって強いよね。みずでんき』
「確かにちょっと思い出したけど何も言うことはないだろ」
そんな馬鹿なことを言いながら取り出したランタンを設置すると天秤が吊り合い、鍵が開いた音がした。
「よし。…どうした?」
『私、やだ。入りたくない』
「どうしたいきなり」
『過去の私が仕掛けたとはいえすごく怖いんだもん!』
言われて覗いてみる。真っ暗だ。…まあ確かに怖いッちゃ怖いが。
「正直マーガレットの蜘蛛みたいな姿を見た後だとな……」
『それはたしかに。見慣れちゃったけど』
そう言ってついてきたエヴリンと共に、暗闇に慣れた目で探索する。綿が飛び出たワニのぬいぐるみにボールにパーティーの飾りと思われるものがところどころに落ちている。子供部屋、なのか?
「これ、お前の絵か?」
『お恥ずかしながら……』
「MY FAMILY…いい絵じゃないか」
途中で落ちてた絵をからかいながら先に進むと、人影が現れて心底ビビる。
「おわああ!?」
『きゃああ!?』
渾身の蹴りを叩き込むと人影はバラバラに砕け散る。見てみたらマネキンだった。驚かせやがってからに。
『イーサンの感情ダイレクトに伝わるから私もビビったじゃん!』
「ごめんて」
プンスカ怒るエヴリンに平謝りしながら先に進む。途中、テディベアがあったので調べる。なんか黒カビが口から出てきた。きちゃない。
『それ私の渾身の驚かせだった記憶があるんだけど』
「汚いだけだぞ」
『…言われて見たら確かに』
「うん?これは…」
テディベアからそう離れてない場所にまた絵を見つけた。真っ二つに裂けた、船…?それにバラバラに吹き飛んだ人々、かこれ?
「なんだこれ?」
『私が運ばれていたタンカーだよ。…私が壊したんだ』
「お前がこうしたのか?凄いな?」
『そこは怒るところだと思うなあ!』
照れるエヴリン。まあ褒められないことだろうが、凄いとは思ったのは事実だしまあいいだろう。……いや待て、こんなことができるってことは幻影じゃないエヴリン滅茶苦茶強いんじゃないか…?
『お恥ずかしながらタンカーを真っ二つにするぐらいはできるよ』
「前言撤回、恐ろしいなおい。……うわあ」
『うわあ』
そんなことを言いながら奥の扉を潜ると、黒カビに塗れた部屋に出た。壁に巨大な塊ができている。思わずドン引きするとエヴリンもドン引きしていた。お前の仕業だろ。
『いやあ、別視点で見るとただただドン引き』
「だよなあ」
「『!』」
するとそんな声が聞こえて思わず顔を見合わせる。元気がないが聞き間違えるはずがない、エヴリンの声だ。老婆エヴリンが仕掛けてきたか…?
『私は自分に感染した人間に幻影を見せることができるから気を付けて!』
「なるほどな」
来ないでってことはつまり何かがあるってことだ。気にせず前に進むとベッドのある部屋に出た。部屋の隅にあるのは…ドールハウスか?
「生憎だが来るなと言われたら行きたくなる性分でな」
『ダニエラだったかカサンドラだったかベイラだったかにやったのと同じ手だなあ、私ワンパターンだなあ』
ベッドは調べてもなにもでなかったのでドールハウスを開くとメモを見つけた。簡単な絵で、ベッドの裏の壁に赤い〇が描かれている。なるほど、そのままに壁に触れると切れ目があり簡単に開いた。その先にあったのは、サイズの合ってない「右腕」を身に着けた隻腕の少女のミイラ。
「マジかよ。多分これなんだろうが、誰だ…?」
『聞かない方がいいかなあ』
気持ち悪いが無理やり「右腕」を引っこ抜く。…赤ん坊の腕にしてはでかいがどういうことだ。
D型被験体は双子だったんじゃないかな説。赤ん坊(生まれてすぐ亡くなった)と、少女(成長したけどそれが原因で死んだ)のミイラがそれってのが今回の解釈。その型の被験体が一体とは限らないものね。AからDはエヴリンの姉と考えてもいいはず。
エヴリンの秘策と共に腹ごしらえ。ヴィレッジで払拭されたけどバイオ主人公は乾パンなり食べるべきだと思う。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
ルーカスとは……
-
原作と異なりイーサンが決着をつける
-
原作通りクリスが決着をつける