BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はジョーとイーサンの大暴れ。楽しんでいただけると幸いです。
「俺の知ってる限りのことは伝える。とにかくゾイと、俺の妻が危ない、力を貸してくれ」
そう言いながらジョー・ベイカーに歩み寄ると、旧館の出入り口や窓からモールデッドが溢れ出てきた。モールデッドの洪水かなにかか。旧館の中がモールデッドでひしめき合っているのは想像に難くない。
「おおっ、わらわら出てきやがった。いいぜ、ワニばかりで退屈してたんだ。相手してやるよ」
すると桟橋に立って素手でファイティングポーズをとるジョー・ベイカー。俺も援護すべくハンドガンを構える。
「こいつらはモールデッド、カビの化け物だ!あんた、武器は?!」
「いらねえ、
『マジでいらないからねこの人』
瞬間、突進してきたモールデッドにアッパーカットが炸裂。天井に叩きつけられ突き刺さる。続けて突進してきたモールデッドの引っ掻きを拳で弾き、頭部を両手で掴むと捻ってもぎとり残った体を蹴って後ろの奴等に叩きつける。強すぎて引くんだが。援護する必要すら感じない。
『イーサン、後ろ!』
「取り囲むつもりか!」
後ろから迫っていたモールデッドの口にハンドガンの銃口を突っ込み引き金を引いて頭部を粉砕する。続けざまに迫っていたモールデッドを蹴り飛ばしナイフを構える。このまま付き合ってたら弾が切れる!
「おっ、いい蹴りするじゃねえかおめえ!なんて名前だ!」
「イーサン!イーサン・ウィンターズ!」
「そうか、イーサン。いい名前じゃねえか。知っているみたいだが改めて名乗るぜ。俺はジョー!ジョー・ベイカーだ!」
そう言って旧館から溢れだしてくるモールデッドを殴り飛ばし、千切って投げ、首を捻ってもいでは捨てて行くジョー・ベイカー。さらに腰に下げた鞄からガラクタと木材を取り出すと組み合わせて槍を形成、ぶん投げてモールデッド三体まとめて貫通し、壁に磔にすると突進。三体纏めて頭部を壁と拳でサンドイッチにして殴り潰した。
「喧嘩で負けなしの俺をなめんじゃねえよ!」
『それな。感染もしてない筈なんだけど』
ボソッとエヴリン(老婆)がドン引きしている声にエヴリンが頷いているが同感だ。感染もしてないでこれってマジかよ。
『イーサンも人の事を言えないからね』
「そりゃ心外、だ!」
右膝を撃って転倒させたモールデッドをサッカーボールキックで蹴り飛ばし迫ってくるモールデッド軍団に激突させる。これぐらいしかできないぞ。
『ツッコんだら負けだと思ってる』
「どうしたどうした!もっと骨のある奴はいないのかあ!」
その叫びに呼応する様に飛びかかってきたクイック・モールデッドの顔面にジョー・ベイカーのジャブが炸裂。クイック・モールデッドの顔面が吹き飛び残った体が吹っ飛んでブレード・モールデッドに切り裂かれる。さすがに刃物相手を素手は不味いぞ…!?
「ふんっ!そんなものかあ?興冷めだぜ!」
「ええ……」
『峰打ちならわかるんだけどなんでそんなことできるの…?』
するとジョー・ベイカーはなんと、振り下ろされた刃のすれすれ外側横に腕を伸ばして、刀身の峰を掴むことで顔面ギリギリで刃を受け止めた。そんな方法で防がれるとは思わなかったのか度肝を抜いたブレード・モールデッドはそのままブレードの右腕をもぎ取られて頭部を串刺しにされ転倒、沈黙した。
「おいイーサン、手が止まってるぞ!」
「あ、ああ!すまない!」
『完全にバイオハザード無双だよ。ゲームだと言われた方がまだ納得するよ?』
エヴリンがゲームみたいだというが冗談じゃない、現実だ。ジョーと背中合わせになり、前後から襲いくるモールデッドを迎え撃つ。ナイフを逆手から順手持ちに持ち替えて刺突。モールデッドの胸に突き刺さったのを確認すると勢いよく振り下ろして斜めに斬り捨て、さらに逆手に持ち替えて返す勢いで斬撃。ブレード・モールデッドの刃とかち合って弾き飛ばすとハンドガンを手に取り乱射。右肩、左目、右膝、鳩尾を撃ち抜かれたブレード・モールデッドは崩れ落ちる。
『イーサン、ナイフの使い方なんて何時覚えたの…?』
「いや、適当だ。誰にも習ってない我流だぞ」
「適当でそこまで使えるとはな!軍人のジャックにも負けてねえぞおめえ!」
「いやさすがに軍人には負けるぞ」
『持ち方を変えるのを我流でやるのすごくない?素人考えと言えばそうなんだけどさ』
そうして拳を振るうジョー・ベイカーと共にハンドガンとナイフで応戦をし続けると、俺の方に隙ができてきた。ああ、もしかしてジョー・ベイカーの方に人員を割きすぎてこっちに回す余裕がなくなって来たな。その証拠にブレード・モールデッドやクイック・モールデッドみたいな特殊型が出てくる頻度が減ってきた。逆に言えばそれでも普通に対処しているジョー・ベイカーがヤバいんだが。
「ジョー・ベイカー!こっちに隙ができた!一度拠点に逃げるぞ!」
『ゾイのだけどまあ拠点だね』
「おお、そんなところがあるのか!?それと、ジョーでいいぞ!」
「そこなら戸締りすればなんとかなるはずだ!ジョー、合図を出したら
『Switch?ゲーム?』
「了解だ!俺は殴る以外、能が無いからな!作戦はおめえに任せたぜ!イーサン!」
傍のエヴリンがポカンとしているのを見て確信する。こういう用語ならエヴリン(老婆)もわからないはずだ。意味が分からないなら旧館に戻ると思うはず。そのままモールデッドの大群の対処を続け、後ろのジョー側の様子も探りつつ隙を窺う。目の前の庭側からモールデッドたちを押しのけてクイック・モールデッドが飛びかかってくる。背後、旧館からはモールデッドの一団が蠢く塊になっていた。
「ここだ!」
「おうよ!」
瞬間、俺達はくるりと回ってポジションを入れ替える。同時に俺はグレネードランチャーを構え、最後の焼夷弾を発射。後ろではジョーがクイック・モールデッドに拳を叩き込んで粉砕していた。
『虎の子、決まったあ!』
「モールデッドを蹴散らしながら走れ!」
「邪魔だ、どきやがれ!ジョー様のお通りだ!」
ドコンバコンと、数が少なくなったモールデッドを殴り飛ばしながら先導するジョーに、拳銃を撃って遠くから向かってくるモールデッドを怯ませ援護しながら続く。見えてきた、トレーラーハウス!入り口に回り込み、ジョーに無言で指だけで指し示しつつ中に入ると鍵を閉める。ドンドンドンドンと叩く音が聞こえたが、しばらくすると諦めたのか去って行った。
「ふう、なんとかなった…」
『諦めたのは多分ジョーの存在もあるからだと思う』
「なるほど、ここが拠点か。いいじゃねえか」
「ゾイが隠れていた場所だ。…とりあえず状況を話す」
俺は妻のミアを探して訪れたこと、ゾイが助けてくれたこと、三年前からこの家はエヴリンという悪魔に支配されていること、その支配から逃れてなお元々狂人だったルーカスがゾイとミアを攫って行ったことなどを始めに知ってること全部話した。俺の傍にいるエヴリンについてもだ。
「そして俺はミアもゾイはもちろん、エヴリンも助けたい。手伝ってくれないか」
「話を聞くにイーサン。お前が狂っていなきゃその憑いている幽霊エヴリンは改心してるんだろうが、俺の家族を支配した張本人のエヴリンは悪意に染まってんだろ。どうやって助ける?方法は考えてるのか?」
「ない。説得する。それしかないが、それでも俺は救うと決めた」
『イーサン…』
問いかけに真摯に答えると腕を組んで考え込むジョーは、少しの間考え込んでから口を開いた。
「………俺にとっちゃそのエヴリンとかいうのは俺の弟とその妻を化け物に変えて、ゾイを三年間も苦しめた張本人だ。そのミアとかいう連れてきた女も許せねえが、こいつを許すことはできねえ。だから軽いお仕置きですましてやる」
その言葉に伏せていた顔を上げる。ジョーは不敵な笑みを作って物理的にも懐の大きい胸を叩いた。
「許しはしねえが、化け物にされちまった二人とルーカスの馬鹿はしょうがねえ。残ったゾイを助けられさえすりゃあ、俺はいい。ルーカスの馬鹿野郎は殴るが。約束しろ。ゾイを絶対助けるとな」
「ああ、ああ!約束する!だから力を貸してくれ、ジョー!」
『…言葉を伝えられるようになったら、真っ先に謝りたいな。この人、すごい』
差し出された手をガッシリと掴む。こうして俺達の共闘は成立した。
クラフトってつまり槍も一瞬で作ってるんだよねって。
Wエヴリンもドン引き2人の大暴れ。イーサンも地味に強くなってきました。
そんなわけで原作なら絶許なのは承知の上ですが、「ゾイを本来より早く助け出せる」という恩に報いてエヴリンの事を許しはしなくても軽いお仕置きですませることにしたジョーでした。ルーカスは殴る。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
ルーカスとは……
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原作と異なりイーサンが決着をつける
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原作通りクリスが決着をつける