BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。戦隊やライダーのてんこ盛り形態っていいよね。そんなわけで今回のを思いついたのもしょうがないと思うんだ。

今回は再び加工場探索。予想外の人物の警告と共に現れる脅威。楽しんでいただけると幸いです。


♯26‐【予想外な警告】‐

「で、これからどうするんだ?」

 

『ラッパ飲みは身体に悪いよ』

 

 

 冷蔵庫に入っていたぶどうジュースの瓶を豪快に飲み干しながらジョーが訪ねてくる。俺は道具箱の中から使えそうな弾を補充する作業を続けながら答える。グレネードランチャーの弾まであるのは助かる。

 

 

「ルーカスの指示に従うのは癪だが、本館地下の解体室に向かう。ミアとゾイの元に向かうにはそこに行く必要があるらしい。あとエヴリンがラッパ飲みは身体に悪いと言ってるぞ」

 

「うるせえ。文句があるなら直に言えってんだ」

 

『ええ…』

 

 

 冷蔵庫の中にあったルーカスの手紙をピッと弾いてジョーに渡す。ほう、薬液(強)を使えば強装弾とかいうのが作れるのか。三発しか作れないが作ってみるか。

 

 

「おいイーサン。何か手はないのか?」

 

「手ってのは?」

 

「エヴリンと俺も会話できねえのかって言ってるんだ」

 

「ああ、あるらしいが教えられてない」

 

「なんでだ?」

 

「なんか嫌だそうだ」

 

 

 そう言ってエヴリンを見つめる。ジョーも見えてないんだろうが俺に合わせて虚空を見つめる。おい、ちょっとずれてるぞ。

 

 

『うーん。嫌だけど、連携に隙ができるのも嫌だな、せっかく強いのに私が弱点になりたくない……わかったよ、教えるよ』

 

「おお、教えてくれるってさ。ありがたい」

 

「話が分かるじゃねえかクソガキ」

 

『クソガキ言うなー!』

 

 

 ジョーに笑って言われてぷんすか怒るエヴリン。すると無言で俺の腰のナイフを指差してきた。

 

 

「ナイフがどうかしたか?」

 

『それで掌を薄く切って』

 

「は?」

 

「なんだ?どうした?なんだって?」

 

『私が見えるのはイーサンの細胞を条件にしてるから。だから未来でイーサンの血肉を取り込んだ奴は全員見えてたよ』

 

「それどういう状況だよ!?」

 

「お前がどうした」

 

 

 思わずツッコむ。未来の俺なにに巻き込まれてるんだ。まあいいか、と落ち着きナイフを構えた俺に目を白黒させるジョー。そのままスパッと右手の平を軽く切る。

 

 

「おいおいどうした!?気でも狂ったか!?」

 

「俺の血肉を取り込めば見えるんだと。飲むか?」

 

「……他に方法はないのか?」

 

『ないね。多分感染しないからだいじょーぶ!……うん、今はまだ!置換されてない筈!』

 

「不安でしょうがないなお前は!?」

 

 

 言いながら血を数滴、適当な皿に移す。どうするかはジョーに任せよう。とか思ってると鞄から見慣れないどす黒い赤い液体の入った小瓶を取り出す。何故か自慢げだ。

 

 

「なんだそれは?」

 

「知らねえのか。ワニの血だよ、こいつがうめえんだ」

 

「へ、へえ…」

 

『イーサン。隠すならもう少し取り繕うよ』

 

 

 そうしてワニの血を皿に入れた俺の血数滴と混ぜて一気飲みするジョー。そして目を開けると、エヴリンと目を合わせてにやりと笑う。

 

 

「よう、ようやく会えたなクソガキ」

 

『クソガキはやめてよ……』

 

「俺の弟とその妻を化け物にしてゾイを孤独にした奴なんかクソガキで十分だ」

 

『ぐうの音も出ない……』

 

 

 落ち込むエヴリンとガッハッハと豪快に笑うジョー。仲良くなってくれるといいが。

 

 

「よし、問題も解決したことだしその解体室に行くぞ。……何を解体する部屋なんだ?」

 

「行くのはいいが、聞かない方がいいと思うぞ」

 

『隣が死体保管庫だからね……』

 

「……胸糞わりぃなそりゃ」

 

 

 言いながら外に出て辺りを警戒する。モールデッドはいないな。本当に諦めたのか?

 

 

『多分だけど息切れしてるんだと思う』

 

「息切れ?」

 

『素体が無いモールデッドを作るのは疲れるんだよ』

 

「そうなのか」

 

「じゃあ今がチャンスだな」

 

 

 武器を確認する。前のショットガンは嵩張るのでジョーに渡した。ポケットナイフ、ハンドガン、ダブルバレルショットガン、バーナー、グレネードランチャー。過剰かもしれんが持てるだけ持って来たぞ。ハンドガンを構えて警戒しながら本館に入り、蠍の扉から地下・加工場へ続く廊下に入る。なんか黒カビの塊が広がってる気がする。

 

 

『気のせいじゃないよ。浸食が広がってる』

 

「猶更急がないとな」

 

「先導は任せるぜ。殿(しんがり)は任せろ」

 

「頼もしいよ」

 

『本当にね』

 

 

 加工場の入り口である階段までやってくると、妙なところが一つあった。入り口の扉が不自然に開いているのだ。

 

 

「…なあ、俺、前に来た時は閉めたよな?」

 

『モールデッドに来てほしくないから入念に戸締りしたね』

 

「なんだ、なんかがいるのか?」

 

 

 ありえるとしたらルーカスかあいつぐらいだが。前に来たときより黒カビの浸食が広がっている加工場を進んでいく。やっぱり不自然に途中の扉も開いている。ここであの大群に襲われなくてよかったな、本当に。そのまま進んでボイラー室に入ると、あの老婆が車椅子に座ってそこにいた。

 

 

「エヴリン……!?」

 

『暗闇の中にいきなり出てくるとさすがに怖いな』

 

「こいつがこのクソガキのなれの果てだってのか!?」

 

「……そうだよ。今回は警告しにきてあげたの」

 

 

 そう(しわが)れた声で喋る老婆エヴリン。すると遠慮なく突撃するジョー。

 

 

「そうかい、こっちはお前を捕まえれば目的のひとつ達成なんだけどよ!」

 

「私に勝つつもり?」

 

 

 すると老婆エヴリンから衝撃波が放たれボイラーに背中から叩きつけられるジョー。あのジョーが初めて短い悲鳴を上げる。俺もいきなりのことで転倒してしまった。

 

 

『我ながら卑怯だなこの衝撃波!』

 

「私がその気になればお前らなんか簡単に殺せるんだからね」

 

「……その割に疲れてるようだが?」

 

 

 ゼーハーと荒い呼吸を上げていることを指摘すると睨み付けられる。そこらへんはこっちのエヴリンとよく似てるな、さすが同一人物。

 

 

『私に向けられてじゃないけどすごくムカついたよイーサン』

 

「…壁に埋められて死にたいの?」

 

「そいつは勘弁だ、俺はお前も助けたい」

 

 

 両手を上げて害意はないと主張する。すると張りつめていた老婆エヴリンの肩が降りたのを見て、俺も首を竦める。

 

 

「私は助けられたくないけど。助けたいなら家族になってよ。私のパパになって」

 

「お前次第だなそれは。それで、警告ってなんだ?」

 

「…私から離反したルーカスが、私が回収してこの先に置いておいた保安官の……」

 

「保安官補佐な」

 

「……保安官補佐の死体を使って何かを作ってた。得体のしれない何かを」

 

「おい指摘してやるなよイーサン、しわくちゃの顔が真っ赤だぞ」

 

「うるさい!」

 

「うがああ!?」

 

『馬鹿なのかな』

 

 

 ジョーが軽口叩いてまた衝撃波でボイラーに叩きつけられた。今のところあっちが強いんだから刺激しないでほしい。

 

 

「そこのおじいちゃんはどうでもいいけど、イーサンはルーカスなんかに殺されて欲しくないからせいぜい頑張ってね。…どいてくれる?」

 

「ああ、すまない」

 

 

 キコキコと車椅子を動かして、どいた俺の横を通り過ぎて行く老婆エヴリンを見送る。…今は無理だがそのうち、なんとか助ける方法を見つけてみせる。

 

 

「おおいてえ。思ったよりバケモンだったなエヴリン」

 

『珍しくあの私が優しさ見せたのに自業自得だよジョー』

 

「それより、ルーカスが保安官補佐の死体で何か作ってたってのが気になる。警戒しながら向かうぞ」

 

「おうよ」

 

 

 ボイラー室を抜け、解体室に来ると棚の隙間から向こう側を見る。なにか黒いものの目がこちらを睨んだ。なんだ、でかいぞ…?擦り抜けて向こう側を見たエヴリンが顔を青くする。

 

 

『え、なにこれ。ルーカスの奴、とんでもないものを……』

 

「よーし、こんな棚ぶっ壊してやる」

 

「いや待て、ジョー……!?」

 

 

 瞬間、意気揚々と拳を振りかぶっていたジョーが殴る前に棚が吹き飛んだ。そこにいたのは、部屋を埋め尽くすほどの巨体のモールデッド。ファット・モールデッドの胴体に、クイック・モールデッドの脚、ブレード・モールデッドの両腕、そして二つの頭部を持つ異形。片方はモールデッドの頭部だがもう片方は頭部が潰れた見覚えのある顎なのと、腰にはベルトらしきものが見え、そこからヘビが模られた鍵が吊るされているのが保安官補佐だったという証か。

 

 

「デカブツか、骨がありそう、だ…!?」

 

「『ジョー!?』」

 

 

 ジョーが薙ぎ払われ、刃の腹で殴られて向こうの扉から先に吹き飛ばされる。なんだこの化け物は……!?すると天井に仕掛けられた監視カメラにくっついたスピーカーからムカつく声が聞こえてきた。

 

 

≪「ようやく来たか、イーサーン。そいつは俺の自信作、アサルト・モールデッドだ。ジョーおじさんがいるのは想定外だがちょうどいい。そいつの持つ鍵があれば二枚の基板を探すのに役に立つぞ。んで基板があれば楽しいパーティーに参加でぇきるってぇわけよぉ!」≫

 

『アサルト・モールデッドって何!?それになにその発音!』

 

 

 ムカつく発音で最後の方を述べたルーカスにいらっとくるがそれどころじゃない。このアサルト・モールデッドは…ヤバい!?

 

 

≪「まあせいぜい頑張んなイーサン!」≫

 

「くそっ!」

 

 

 振るわれた刃をスライディングで避けてジョーが吹っ飛ばされて開いている扉から死体保管庫に出て、ジャックと戦った下にジョーがいたのでそこまで降りる。…ジャックの下半身がない?いや、それも気になるが、壁をぶち抜いて現れた怪物に向けて構える。

 

 

「動けるか、ジョー!」

 

「もちろんだ。くそっ、油断したぜ」

 

「ギアアアアアアアッ!」

 

 

 再びこの場所での、デスマッチが始まった。




本編のハイゼンベルクと同じ方法で見えるようになったジョー。今のイーサンはまだ完全にカビの身体じゃないから大丈夫、とはエヴリンの談。

意外と強い老婆エヴリン。弱体化してるけどタンカーを破壊できた衝撃波の弱体化版を出せます。強い。

そして登場、マーガレット・スパイダーに続くオリジナルクリーチャー、アサルト・モールデッド。保安官補佐を素体に、ルーカスが全種モールデッドの細胞を埋め込んだ狂気の怪物です。ジョーを吹き飛ばすと言う、今作というかエヴリンレムナンツに登場するクリーチャーでもトップクラスの強さを誇る怪物です。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

ルーカスとは……

  • 原作と異なりイーサンが決着をつける
  • 原作通りクリスが決着をつける
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