BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はイーサン&ジョーVSアサルト・モールデッドその二。楽しんでいただけると幸いです。
「ギアアァアアアアアッ!!」
ドゴンドゴンと音を立てながら机を粉砕し、威嚇して咆哮を上げるアサルト・モールデッド。俺達は近くの物を投げつけながら後退する。
「とにかく狭い地下じゃ不利だ。一階に出よう。ホールなら十分な広さがある、相手できるはずだ」
「そいつはいいな、広けりゃやりようはある」
『来るよ!』
俺の投げた鉄籠を斬り払い、ジョーの投げつけた棚を頭突きで粉砕したアサルト・モールデッドは天井に跳躍、からのボディプレスを仕掛けてきて、俺達は回避するも地響きが起きて扉を開けて進んだところを転がる。くそっ、出口はすぐそこだってのに。
「おいイーサン。ここはさっきのバスタブの部屋にも行けたな。つまり一周してきたわけだ」
「それがどうした?」
「少しは弱らせて足止めする方法は思いついたぜ。起死回生ってやつだ。ボイラー室に行くぞ」
背中のショットガン(アサルト・モールデッドの濁流はパリィしたのか表面がちょっと融解しているだけ)を引き抜きながら豪快に笑うジョー。
「…一か八かか、だが地下の加工場をもう一度一周する必要があるぞ。なんならタイミングが合わなきゃもう一周、それでもできなきゃもう一周だ」
『それは、血を吐きながら続ける悲しいマラソンになるかもだよ?』
「上等だ。一発で弱らせてやる」
その笑みに頷いた俺は方向転換、バスタブの部屋への廊下へ進むとアサルト・モールデッドは邪魔な壁を切り刻みながら追いかけてきた。狭いからか動きが鈍い。…狭い所で鈍くなったものの攻撃力と防御力も秀でたアイツと接近戦するか、広い所で縦横無尽に動き回れるアイツと戦うかだったら圧倒的後者を選ぶ。それほどにアサルト・モールデッド相手に接近戦は自殺行為だ。
「ギアアアアアアアッ!」
「こっちだ、こい!」
「狭いとノロマだな!とろいぜ!」
「ギアアアアアアッ!」
『怒ってるから言葉は通じるみたいだね』
俺のハンドガンとジョーのショットガンで牽制し誘き寄せながらバスタブの部屋に入ろうとするが、アサルト・モールデッドの吐いてきた高熱のカビの濁流で進路を塞がれる。こりゃ冷めるまで通れないな。
「こっちだ、一度こっちから一周する!」
「アイツ学習しやがったみてえだ、気を付けろ!」
『なんでモールデッドなのに能なしじゃないの!?』
焼却炉の部屋もある一本道の廊下の先に走ろうと試みながらジョーの言葉に振り返ると、両腕を合掌する様に刃を合わせてグググッと腰を引いて脚を引き絞るアサルト・モールデッドの姿があった。それはまるで槍を投げる時に引き絞るフォームの様で。
「おいおいマジかよ…!?」
「あれはやばいぞ!」
『え、はや……』
開かない扉がある曲がり角へ急ぐ俺達目掛けて、ドゴンッという床を蹴り砕いた爆音と共に放たれるはミサイルが如き音速の突撃。ギリギリ曲がり角に到達した俺だったが間に合わないと踏んでジョーを突き飛ばす。俺なら少しの四肢が吹き飛んだぐらいなら回復できるがジョーはそうじゃない。すまん、エヴリン。もし駄目ならまた頼む。
『イーサン!』
「っ、馬鹿野郎が!」
瞬間、俺は突き飛ばされながらも俺の手を掴んだジョーに引っ張られて一緒に廊下を転がっていた。直後、開かなかった扉に突っ込みドンガラガッシャンと轟音を鳴らすアサルト・モールデッド。扉ごとぶち破った壁からコンクリート片が転がる。い、今なら…!
「まだ冷めてないだろうけどいくしかない!」
「お前、後で説教だからな馬鹿イーサン!」
『私からも説教だからね!馬鹿イーサン!』
「ああもう、悪かったよ!?」
まだ熱いが出された直後ほどではない湯気が立ち込める入り口からバスタブの部屋に入り、ボイラー室に入るとボイラーの裏に隠れ、弾を確認する。
「焼夷弾は?」
「ある。後はタイミングだ」
『イーサンは裏を突いて来た道に戻って、ジョーが引きつけて合図を出したら扉を閉めて解体室に退避、イーサンが撃ち込むってのはどう?咄嗟の逃げ道がなくなるはずだよ』
「それでいこう。異論はないなジョー」
「引き付ければいいんだろ?任せろ」
ボイラーの影に身を潜めていると、ジャキンジャキンジャキンジャキンとブレードで床を貫く音を立てながら壁を破壊して四つん這いで突入してくるアサルト・モールデッド。キョロキョロと二つの顔で辺りを見渡し、俺達を探し始めた。
「ギアアアアアアッ」
『こわいこわいこわいこわいこわい』
アサルト・モールデッドが歩いて行く先から見えない角度にジョーと共に息を潜めながら移動する。解体室への扉前で首を傾げるアサルト・モールデッド。可愛げがあるように見えるが、さっきの突撃を見た後だと恐ろしい事この上ない。入り口側の影に来れた所でそそくさとエヴリンと共にバスタブの部屋に転がり込んでグレネードランチャーを構える。
「探し物はこっちだぜ!ドラアアアアアアアアッ!」
「ギアアアアアアッ!?」
瞬間、ボイラーの影から飛び出したジョーの渾身の拳の一撃がアサルト・モールデッドの右の顔……保安官補佐によく似た頭部の頬に炸裂。完全に油断していたアサルト・モールデッドを壁まで殴り飛ばして激突させる。いや気を引けばいいんだが!?
『油断してればあの巨体を殴り飛ばせるってどういうことなの……』
「それな」
「やっと一発決めれたぜ、イーサン今だ!」
「おうよ!」
そのままそそくさと奥の扉を開けて解体室に入り扉を閉めたジョーの声を聞き、叩きつけられた壁から起き上がろうとするアサルト・モールデッド……ではなく、その横のボイラー目掛けて引き金を引くと同時に壁の向こうに逃れて頭を抱えて蹲る。
『はい、ドッカ―ン!!』
「ギアアアアアアアアアッ!?」
アサルト・モールデッドの目と鼻の先で焼夷弾は爆ぜて大爆発。ボイラー室を覆う大爆発が地下室を揺らす。…これ下手したら倒壊まであったな、ここを改造したと言うトレヴァーとかいうゾイの言ってた建築家が頑丈にしてくれたであろうことに感謝だ。
「死ぬかと思った」
『死んだら困るよ。私、敵がいないか周りを見てくるね』
「よう、無事だったかイーサン」
厨房らしき部屋まで戻ると、ヘビの扉を通ってきたのであろうジョーと合流。改めて地下の出口を目指そうと思ったが、周囲を見てきたらしいエヴリンが引きとめた。
『さっきアイツが壊した扉の先の部屋に変なものがあったよ』
「なんだと?」
「せっかくだ、行ってみるか」
さっきアサルト・モールデッドが破壊した開かずの扉の部屋に入ると、バラバラに破片が転がってる何かの機械があった。ここは、何かの作業場か?
「おいこれ、基板って奴じゃないのか。ルーカスの馬鹿が言ってた」
『ああ、ここに繋がるんだ』
「本当だ。それに、奥に道があるな」
隅っこに転がっている赤い基板を発見、壊れてなさそうなので鞄に入れると、奥の扉を進み階段を上ると行き止まりに到達した。当たり前の様にエヴリンが上を確認する。
『上は夫婦の寝室だよ』
「もしかして二階の行けなかったヘビの扉の先か?こっちから来るんじゃないのか」
「おっ、ここに隠しスイッチがあるぜ」
『いや殴らなくても』
壁の一部を殴りつけるジョー。するとゴゴゴゴッとスライドする音がしてカチッと鍵が開く音が鳴ったので開いてみると、不自然にずれているベッドが目立つ部屋に出た。
「横の倉庫にバックパックあるけどもらってく?」
「そういうことなら俺がもらうぜ」
「ああ。二個も使わないからな。バーナーとか持ってもらうと助かる」
そう言って扉を潜り、バックパックを手に入れて戻ってくるジョーと共に、鍵を開けて外に出る。ホールの上に出た。やっぱりここか。
「地下から二階に出るとはな」
「目的の場所じゃねえか、迎え撃つぞイーサン」
とか言っているうちに地響きが襲い、慌てて手すりを掴む。そしてあの影絵ギミックの真下が吹き飛んで、全身燃えているアサルト・モールデッドが這い出してきたのが見えた。あんな状態でも生きているのか、なんてしぶとさだ。だが弱っているのが目に見える。
「いくぞ!」
「いやそれは無理だ」
『いくじなし』
当たり前の如く手すりを飛び越えて一階に着地するジョーに続いて階段を下りて合流、ダブルバレルショットガンを構える。さあ決着をつけようか化け物。
ボイラーの爆発って割と洒落にならないらしいです。ベイカー邸全体を舞台にしたバトル、完全にタイラント系ですね。
逆走で赤い基盤をゲット。めんどくさい時計の仕掛けもスキップです。アレ裏側からだとどうなってるんだろうね。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
ルーカスとは……
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原作と異なりイーサンが決着をつける
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原作通りクリスが決着をつける