BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はイーサン&ジョーVSアサルト・モールデッドその三。楽しんでいただけると幸いです。
「ギアアアアッ!」
燃え盛る全身を捻り、体格に見合わない細い足で前進しながら上半身を回転させて回転ノコギリか独楽の様に突撃してくるアサルト・モールデッド。巻き込んだテーブルが切り刻まれて木片の残骸と化して回転に巻き込まれて宙に打ち上げられる様はハリケーンかなにかだ。
『ベイカー邸に来たあの日を思い出すなあ…』
「しみじみとしてる場合じゃないぞ!?」
「足元ががら空きだぜ!」
するとジョーは拳を勢いよく床に叩き付け、振動でベイカー邸を揺らすと回転するアサルト・モールデッドは軌道がずれて振り子時計に激突、長針や短針やらネジやらが吹っ飛び床を転がり、俺も無様に転倒する中でジョーは突撃。
『やっちゃえ、ジョー!』
「いけ、決めろ!」
「ふんっ!オラ、オラオラ、オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラッ!」
顔面に拳を叩き込み、起き上がろうとしていたのが腰から倒れた所に両腕のブレードを両足で踏みつけ、身動きが取れないアサルト・モールデッドの大きな腹部に連続で拳を叩き込んでいくジョー。
「ギッ、ギアッギギギアアアッ!?」
衝撃を全部受け止めたアサルト・モールデッドが声にならない悲鳴を上げる。片方の頭部が口からあの熱々の黒カビの濁流を吐き出そうとするもアッパーで頭部を打ち上げられて天井を焼き、飛沫が降り注ぐ中でもジョーは猛ラッシュを叩き込んでいく。
「ギアアアアアアアッ!」
「うぐおっ!?」
するとたまらず引き絞って蹴り込んだ右足がジョーの腹部に炸裂。ブレードの上から蹴り飛ばして廊下に突き飛ばすと、自由を取り戻すアサルト・モールデッド。両腕を振り上げて自由を宣言するかの様に咆哮を上げようとしたその頭部に焼夷弾を叩き込む。
「どうだ、効いただろ!?」
『汚い、さすがイーサン汚い』
「ギアアアアッ!?」
炎上していた巨体がさらに炎上し、保安官補佐の顔をしていた片方の頭部がバシンッと音を立てて破裂。片方だけになった首をブレードの腕の腹で殴ってずらし、中央に
「な、なんだ…?」
『まるでお荷物が無くなったみたいな動きけど………イーサン、避けて!』
「あぶなっ!?」
すると突如現れた謎の触手が俺の真下の床から伸びて、エヴリンの声に咄嗟に引いた俺の眼前スレスレを伸びて上の連絡通路に突き刺さり大穴を開ける。シュルシュルシュルと戻って行く触手。見てみれば、床に突き刺していたブレードを引き抜くアサルト・モールデッドが右腕を振りかぶる姿が見えた。
「おいおい、マジかよ!?」
『なんとかのピストルだねそれ!?』
よく見ればブレードの先端がモールデッドの手の形に変形していて、拳を握った右腕が背後に向けて振りかぶられたかと思えば、突きだした瞬間伸びてきて俺が飛び退いた空間を打ち抜く。外れればシュルルルと戻っていってブレードに戻った。伸縮自在だと…!?
「もしかして保安官補佐の頭部と一緒に力のセーブが外れたって言うのか…!?」
『何そのゲームみたいな特性!?』
「ギアッギアアアッ!」
両腕を交差し、勢いよく振り抜くと同時にブレードを伸ばしてホール一帯を薙ぎ払うアサルト・モールデッドの攻撃を避けてスライディングで接近、懐に潜り込んでショットガンを腹部に叩き込む。ボコボコと腹部が泡立つとまるで鞭の様にしなるブレードの連撃が俺の飛び退いた箇所に炸裂。次々と打ち付けてきて、なんとか転がって回避していく。
『いくらなんでも強すぎるよ、ルーカス何を仕掛けたの!?』
「どうせ非人道的な加減を知らない実験だろうな。こいつも力に振り回されているように見える」
なんとか猛攻を避け終えると、シュシュシュシュシュッと連続で拳を振るい、加速させていくアサルト・モールデッド。某ガトリングみたいな攻撃が来るかと思いきや、充分に加速がついたところで両手を叩き付けるように突き出してきた。
「はっや……!?」
『キャノン!?イーサーン!?』
あまりの速さに避けきれず、腕に掠ってグルグルと空中をきりもみ回転して奥の扉に叩きつけられる。見上げれば、ポールハンガーを改造した槍を手にした銅像が。
『イーサン、大丈夫!?来るよ!』
「いてて……これならどうだ!」
銅像からポールハンガーの槍を奪い取ると、シャッターが閉じられてアサルト・モールデッドの追撃を受け止める。しかしドドドドドドッ!と音を立ててシャッターがひしゃげて行き、扉ごとブレードについた拳がぶち破り、扉の遥か向こう、というか部屋の反対側で拳を振りかぶる姿が見えた。
『それも破られたら防ぐ術がないよー!?』
「ギアアアアッ!」
「その攻撃力、利用させてもらう!」
伸びてくる右腕のブレードの拳に合わせて、手にしていた槍を突き出すと先端が手の甲を貫き肘まで貫くことに成功。
「ギアアアアッ!?」
「調子に乗ってるんじゃ、ねえ!」
『ジョーが来た!これで勝つる!』
右腕を戻して槍を引き抜こうとした明らかな隙を突いて戻ってきたジョーの右ストレートが左肩に炸裂。ゴキャンと音を立てて吹き飛ばされホールを転がって行く。
「あの槍はお前が作ったのか、イーサン?いい腕だ」
「そいつはどうも」
『ポールハンガーなんだけどねあれ』
駆け寄ってくるジョーの称賛に照れながら奴の動向を見守る。しっちゃかめっちゃかになっていたアサルト・モールデッドだったが牙で噛み付き槍を引き抜いて吐き捨て、外れた左肩を伸ばした右拳でゴンッボゴンッと叩いて元に戻してゴリラの様な体勢でこちらを睨みつけてくる。背中に炎を燃やして嗤っている姿は悪魔そのものだ。
「俺が動きを止める、ジョーは渾身の一撃を叩き込んでくれ」
「よし任せろ。とっておきを喰らわせてやる。ジャックの歯をへし折ってやった一撃だ」
『ジョーの渾身の一撃で殴られて歯がへし折れるで済むならそりゃあ頑丈だよねジャック』
ドンッと音を立てて天井に跳躍、飛び付くアサルト・モールデッド。そのまま急降下して来て天井に向けて伸ばした右腕のブレードを戻る勢いのままに叩きつけてきたので、ジョーと共に左右に避け、右に転がりながらグレネードランチャーを発射。
「ギアアッ!」
「まあ効かないよな!」
左腕のブレードで弾いたそれが天井で爆発するとともに突撃し、その頭部に左からナイフを突き立てるも殴り飛ばされるが、アサルト・モールデッドの動きが止まった。
「ゲホッ、ゴホッ……その視界で動けるか?」
「ギアアアッ!?」
ナイフを、刃で左目を塞ぐように突き立ててやった。左側が見えずジョーを見失ったのかアサルト・モールデッドは口から高熱の黒カビの濁流を吐いて巻き散らかし、両腕を伸ばして辺り一帯を殴りつけブレードで薙ぎ払って行く。
「お生憎様だな、上だ!」
「ギアッ!?」
『強かったけど、経験不足だったね!』
しかし階段から上の通路に向かっていたジョーには当たらず、アサルト・モールデッドの無防備な背後に着地。アサルト・モールデッドの左肩を左手で掴み、右腕を振りかぶる。その瞬間、この屋敷に来る直前の出来事、ジャックに殴られた瞬間がフラッシュバックする。
「ベイカー家直伝、
「ギアアアアアアッ!?」
無理やり振り返されたアサルト・モールデッドの顔面に、ググググググッと溜められていた渾身の一撃が炸裂。その巨体が吹き飛び、壁に激突して崩れ落ち、沈黙。アサルト・モールデッドはピクリとも動かなくなった。無言でジョーに歩み寄り、笑顔で上げられた掌に、掌を打ち付けて応える。
「お疲れ様だイーサン!」
「お前もな、ジョー」
『男の友情、いいなあ』
これにてホールと地下を滅茶苦茶にしたアサルト・モールデッドとの対決、決着です。思いっきり某少年漫画のアレでした。かなり合理的だよねあの攻撃。
頭部を一つ失ったことで強くなるアサルト・モールデッド。もしかしたら理性が残っていたのかも?
やはり決め技はファミリーパンチ。あれの正式名称知りたい。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
ルーカスとは……
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原作と異なりイーサンが決着をつける
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原作通りクリスが決着をつける