BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
15~22話のルーカス視点。楽しんでいただけると幸いです。
あーくそっ、あちい、くそったれ!ただでさえ薄い髪の毛とパーカーに燃え移った炎を必死で手を叩いて鎮火しつつ通路を通って牛舎跡の建物に入り自室のパソコンの前に立つ。
「くそっ、なんなんだよあいつは!?普通人間に向けて放火するか!?」
鎮火を終え、椅子に座ってキーボードを叩く。こうなったら予定変更だ。パーティーに招待するのはそのままだが、ミアも奪い取って商品にしてやる。その手段としてまだ実験途中だったが奴を引っ張り出す。どうやっても殺せない絶望というのを奴に教えてやるよ。
「フューマー、出てこい。お前は切札だ」
本拠地である坑道に隠しておいた実験体を入れている格納庫の扉を開けて指示を出す。脳まで改造したこいつは従順だ。次に、外に出てフューマーを草陰に隠しつつ、庭を通り本館にやってくると階段を上り、自分の部屋の施錠をヘビの鍵で開けてトロフィーを改造したリモコンのスイッチを押し、落ちてきた梯子を登って屋根裏部屋に入る。
「あーくせえくせえ、うすのろオリバーの臭いがまだ残ってやがる」
消臭剤を使っても染み込んだ臭いは落ちない。ここはもう使ってなかったが隠し場所としてここまで最適なのもない。イーサンの野郎、何らかの手段で見えない場所を探れるようだしこれぐらいハンデだろうよ。影絵ギミックの仕掛けを作動させ、青い基板を仕込む。まあこいつでいいだろ。
「次は親父とおふくろの部屋か……急がねえとな」
おふくろは親父ほど強くねえ。時間を稼げればいい方だ、急がねえと。夫婦の寝室をヘビの鍵で開いて時計の仕掛けを動かし、以前クランシーの野郎と
「おん?ミアとゾイをトレーラーハウスに残すのか?」
思わぬチャンスがやってきた。スマホで特定の電話番号を打ちこみ、モールデッドを格納していた部屋から出して指示を送り呼び出す。モールデッドの脳とも言うべき器官は改造してある。数は限られるが自在に扱える手駒だ。イーサンがおふくろの相手に気を取られている今がチャンスだ。「腕」を取る必要もあるしかなりの時間、隙ができるはずだ。
「よう、来たな」
本館から出ると同時に合流したモールデッドどもを引き連れ、トレーラーハウスに向かう。ゾイは隠れていたつもりだったんだろうが生憎と既に把握済みだ、おふくろたちには教えなかったがな?ちょっとした兄心のつもりだったんだが話は変わった。イーサンの野郎を苦しめるために利用させてもらうぜ。
「よう、邪魔するぜゾイ。それにミア」
「あ、あなたは…!」
「ルーカス!?」
扉を開けて挨拶すると、咄嗟に構えたマグナム銃を容赦なくぶちかましてくるゾイと、バットを手に外に飛び出して殴りかかってくるミア。銃弾を頭部に受け、バットで右腕を殴り飛ばされて無様に転がる。おーいてえ。さっきも親父に手首斬られたし厄日か?頭部と、へし折られた右腕が治って行き立ち上がる。
「はあ、容赦ねえな。こうじゃなかったら死んでたぞ」
「ちっ……化け物め!」
「おいおい、実の兄に向かってなんて言い分だよゾイ」
「はああっ!」
「ごっふ!?」
舌打ちするゾイに向かって嗤っていると、後頭部を思いっきりぶん殴られて地面を舐める羽目になる。こ、このアマ……大人しくしておけば付け上がりやがってからに。
「モールデッド!」
「え?しまっ……」
俺が指示を出すとミアの背後から襲いかかったモールデッドがバットを奪い取り、羽交い絞めにしたところにファット・モールデッドが腹部を殴って気絶させる。仕事のできる奴等だ。
「ミア!?ルーカス、いったいなにを……」
「イーサンを楽しませる手伝いをしてもらうのさ。やれ」
「くっ、がっ、あああああっ!?」
瞬間、屋根から壁を這って駆け込んで行ったクイック・モールデッドに襲われて気絶したゾイもファット・モールデッドに担がせて去ろうとしたところにイーサンがやってきて飛び蹴りを叩き込まれる。おいおいマジかよ、早過ぎるだろ。
「ここで会ったが百年目だルーカスこの野郎!ミアとゾイを返せ!」
「ぐわっ!?こんなに早く来るはずないだろう、てめえイーサン!」
転がったところを殴られ、さらに襟を掴まれ殴ってきたので殴り返す。そう何度も負けてたまるかってんだ。
「てめえ、「腕」はどうした!?」
「んなもんよりミアとゾイの安否の方が大事だ!」
「てめえ!段取りは守りやがれ!吐き散らせ、ファット・モールデッド!」
「なっ!?」
ファット・モールデッドに溶解液を吐かせて攻撃させる。初見殺しに弱いのは知っているぞ!
「喰らえ!」
するとイーサンが手にしたのは恐らくゾイのものと思われる子供用リュックに本を詰めたブラックジャックらしき武器。付け焼刃かと思いきやヌンチャクの様に振り回して下からファット・モールデッドの腕を弾いてミアとゾイを解放させると顎を打ち上げ溶解液の軌道を逸らす。こいつ格闘技の達人かなにかか!?
「めいっぱい吐いてお腹空いてるだろ、これでも食っとけ!」
さらに隙だらけのファット・モールデッドの口に見覚えのあるグレネードランチャーを突っ込んでぶちかまし、ファット・モールデッドを炎上させて撃破するイーサンにドン引きしつつも立ち上がり、笑ってやる。やはり初見殺しには弱いな?
「俺お手製のグレネードランチャーか。それで勝ったつもりかよ、イーサァン」
「があっ!?」
瞬間、ファット・モールデッドが死に間際に爆発してイーサンの背中を酸で焼き、それでも立ち上がってブラックジャックを振るってくるも先程の勢いはなく簡単に避けてやる。
「くそっ……」
「油断したなあ?スーパーマンみたいに強くても足元はいくらでも掬えるんだぜ?それに俺は親父やおふくろと違って、モールデッドを操れる。来いよお前ら、新鮮な獲物だぜ」
嘲笑を浮かべて両腕を広げ、モールデッド二体に、ブレード・モールデッド、クイック・モールデッドを並べて嗾ける。すると右手でブラックジャックを振り回してダブルバレルショットガンを構え、応戦するイーサン。だからどこのアクション映画だよ。しかし見えない誰かと受け答えしてるな。エヴリンが裏切ったか?それしか考えられねえ。
「ちっ、普通のモールデッドは通用しねえか。なら使う気はなかったがしょうがねえ、念のため連れてきた切札を使ってやるよ。来い、フューマー」
そう言って指を鳴らす。かっこつけただけだったがそれを合図にフューマーが草むらから現れる。すると目に見えて狼狽えるイーサン。だろうな。こいつはエヴリンも知らない。
「…エヴリン、あれはどんなやつだ。……なに?」
「どういうわけだか知らねえがエヴリンを味方につけたようだがな?こいつは俺がカスタムした特殊なモールデッドだ。エヴリンの支配下からも外してある。今までと一緒だと思うなよ?」
「撃てば死ぬのは変わらないだろ!」
馬鹿正直で結構結構。ダブルバレルショットガンに弾込めしてぶちかますイーサンだったが、フューマーに与えた傷は即座に再生、そのままイーサンの首を掴み持ち上げる。さすが俺の傑作だ。
「なんだと!?ぐうっ!?」
「いい様だなあ、なあ相棒?そう焦るな、ゆっくり楽しませてやる。面白いゲームを用意してやるってんだ。まあ心配するな。この二人は大事な大事な
「ふざ、けるなあ…」
もがくイーサン。いい気味だ。口笛で新たにファット・モールデッドを呼び出してゾイとミアを改めて担がせて、顔を覗き込み笑みを浮かべてやる。悔しいよなあ?さて、帰るか。エヴリンから離反しないといけないしな。
「こいつは俺達「家族」の問題だ。「家族」でもないお前が首を突っ込んでくるなよ、なあ分かんだろ?いいか?ミアとゾイを返してほしかったら「腕」を持って俺んところまで来てみろよ。そしたらくれてやってもいいぜ!ただ俺を燃やした罰だ。お前にやってもらうぞ、ちょっとしたゲームをな?お前のために考えてやったんだよ!ワクワクするだろ?いや、今のお前は心臓バクバクか?上手くもねえし面白くねえな、ギャハハハッ!」
「クソ、野郎が……」
「悪態吐けるぐらい元気があるなら、まず最初に地下の解体室に行くんだ相棒!ポリ公が待ってるぜ!」
いや確かにそうは言ったがな?ジョーおじさんを呼んでくるのはさすがに聞いてねえぞイーサンこの野郎。
本作随一の苦労人、ルーカス。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
ルーカスとは……
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原作と異なりイーサンが決着をつける
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原作通りクリスが決着をつける