BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回は最強の兄弟喧嘩。何気にバイオの兄弟、兄妹は仲良しが多いので兄弟喧嘩するベイカー兄弟は珍しい部類なんですよね。エヴリン視点です。楽しんでいただけると幸いです。
私の偵察とジョーのごり押し。ルーカスを完全に出し抜いたはずだった。なのに、そこにいたのはルーカスではなく、もはや人型でもない黒く巨大なオレンジ色の目が異様に多い異形の化け物。手を伸ばしてイーサンとジョーを掴み屋根上まで引っ張り上げて桟橋までぶん投げる。
「なんだあ?ジョーの野郎までいるじゃねえか……イーサンと一緒になにしてやがる?」
「その顔…その声、お前まさかジャックか!?」
「マジかよ、倒したはずだぞ…!?」
『嘘、ここで来るの…!?』
そこにいたのは巨大な漆黒の化け物と化したジャックだ。本来ならこの先、桟橋でゾイを捕まえるべく執念だけで現れる自我の無い怪物。それがこのタイミングで出てきた。全身が黒い泥の様な物で出来ていて、膨れ上がった胴体から生えた複数の手と全身がアンバランスであり、伸びた首の先にある逆さ顔面にある大きな右目と小さな左目がこちらを睨みつけながら大量の腕で屋根を這って胴体を引き摺り、桟橋まで降りてくるジャックに向けて構えるイーサンとジョー。
「おいしつこいぞジャックお前!上半身吹っ飛ばしたはずだぞ!?」
「イーサンの話によりゃあ何度も致命傷を受けて、おっ
「エヴリンの力がありゃあ関係ねえさ!復活するなりルーカスがマーガレットがやられた、ゾイも攫われた、助けてくれと泣きつくから何事かと来て見りゃ……イーサン、イーサン!イーサァアアアアアンン!!お前だな!どこまで俺達家族を害すれば気が済む!?」
激昂し桟橋を破壊しながら迫るジャック。追い詰めていたと思いきや裏を返してみれば出し抜かれたのはこっちだった。あの男は凡人な私とは違う天才な部類だ。不測の事態すら見越して一の手、二の手、三の手と先を見越した策を考え用意できる、頭脳と技術。完全にしてやられた。
「ジョー!イーサンに味方をするならお前も同じだ!思えば何度も殴られたなあ!?」
『来るよ!』
「うわああっ!?」
「イーサン!?」
下から伸びてきた細い腕に掴まれ、空中に持ち上げられ弄ばれるイーサン。ジョーは拳で殴りつけてイーサンを解放させようとするが、イーサンを捕らえた細い腕はくねくねと動いて当たらせない。
「まったくちっぽけな奴らめ……まるで、
「ジョー、避け……がああっ!?」
「ぐううっ!?」
『二人とも!』
そのままイーサンを振り回し、ハンマーの様にイーサンを振り抜いてジョーに叩き付け、イーサンを持つ手を離して一緒に吹き飛ばすジャック。桟橋をゴロゴロと転がる二人を追いかけ、次々と複数の腕を叩きつけて行く。
「イーサン!お前はここに来るべきじゃなかった!ジョー!お前もだ!俺たち家族を滅茶苦茶にして!ベイカー家の大黒柱として殺してやる、殺してやるぞ!」
「がっ、くそっ、息つく暇が……!」
「くそがああっ!」
アサルト・モールデッドにも負けない猛攻に、二人は防戦一方。さっきのダメージから回復しようにもその隙を与えない。イーサンが今まで、ジャックが隙を見せれば致命的な一撃を与えてきたせいだ。このジャックに油断はない。ジョーが殴りつけるもしなる腕に弾き飛ばされ、その隙を突かれて一番太い腕が振り被られる。
「じっとしてろ!」
「うおおおおおおっ!?」
「ぬうううううううっ!?」
ジャックの長い腕に殴り飛ばされ、なんとか腕やショットガンでガードする物の吹き飛ばされ桟橋をゴロゴロと転がるイーサンとジョー。イーサンが桟橋から落ちそうになり、ジョーが咄嗟に腕を掴んで何とか難を逃れる。
『ふぁいおー!いっぱーちゅ!…舌、噛んじゃった』
「気の抜けるような掛け声やめろ!?」
「というか実体ないのに舌噛むのかお前!?」
「なにをごちゃごちゃ言ってやがる?」
ジョーが何とかイーサンを引き上げていると、沼の中に手を突っ込みガシリと何かを掴んで持ち上げるジャック。それを見て青ざめる。そんなものを投げる気!?
「ジョー!ワニが好きだったよな!受け取れ、プレゼントだ!」
「ふざっ…ふざけんなジャックてめえ!?」
『クロコ、ポーイ!?』
「それは死ぬ、マジで死ぬ!?」
爬虫綱ワニ目に属する爬虫類。ワニ。鰐。クロコダイル。アリゲーター。色んな呼び方あるけどとりあえずワニと呼ぶそれを、わざわざ胴体を握りしめてガバッと開いた大口を向けてミサイルの如く投擲してくるジャック。しかも、複数の腕で連投だ。
「イーサン、下がってろ!うおおおおおっ!」
『ええ……』
するとイーサンを下がらせてから一瞬で両拳をシュンシュンと連続で振り抜き加速させていくジョー。そして、次々とワニの顎を殴りつけて空中に殴り飛ばしていく。放物線を描いて跳ね返されてきたワニに大きく怯んでいくジャックの巨体。あの巨体が怯む質量をノータイムで殴り飛ばしたジョー、本当になんなの。
「
「思えば兄弟喧嘩は久しぶりだなあ?!…なあ、
「うわあああっ!?」
ボコボコと一番大きな腕が泡立って、胴体がしぼむ代わりに二倍に肥大化し、振り抜かれるジャックの拳に合わせてジョーの拳が激突。衝撃波でイーサンがゴロゴロと転がって行く。
「
「そうかい、確かに威力は桁違いだ!だがなあ!」
そのままもう一本、同じサイズの腕を生やして胴体はかなりしぼみ、巨大な両腕を振りかざして連続でパンチを叩き込んでいくジャックと、それに合わせて拳を打つけていくジョー。そのまま双方猛ラッシュを繰り出していき、ジョーはじわじわと懐に進んで行って拳を胴体、それも全身に複数ある眼に当て始めた。
「なにぃ!?そんな、馬鹿な!?」
「俺がテメエとの喧嘩で本気を出してたなんて何時言ったあ!」
ドゴゴゴゴゴゴゴゴッ!と、ジャックの拳を弾き飛ばしながら猛ラッシュを胴体に叩き込んでいくジョーに、たまらず腕を元に戻し胴体にカビを集めて防御を試みるジャックだったが、衝撃を殺しきれず押されていく。
「いい加減にしろおおおおおおっ!」
「ぐあっ!?」
『ジョー、横!』
「しまっ…があっ!?」
するとジャックは口からアサルト・モールデッドと同じような灼熱のカビの濁流を吐き出し、焼かれて怯むジョーはその隙を突いて横から迫った拳を受けて沼まで殴り飛ばされてしまった。
「ジョー!?今、助け……」
『イーサン、駄目!逃げて!』
沈んでいくジョーを助けようと駆け寄ったイーサンに、ジャックの視線が向かいにやりと笑みを浮かべた。
「イーサン。イーサン!マーガレットの仇!捕まえるぞ!捕まえてるぁああああっ!」
『感触気持ち悪い!?』
残り一つだけになった頭部の瞳を喜悦に歪ませ、弄ぶように複数の手を伸ばしてイーサンを拘束するジャック。そのまま灼熱の濁流を浴びせんと思ったのか顔に近づけて行く。私は私で腕が体を突きぬけてぞわわあ!と全身を貫いた嫌な感触に悶えていた。こんなことしている場合じゃ、ないのに!
「イーサン!可哀そうになあ!この世に生まれなければよかったと……悔やむぞ。早く死ねばよかったと、あとで後悔することになる!」
「ああ、かもな!だがそれは、今じゃない!」
そう言ってイーサンが取り出し構えたのは、グレネードランチャー。
「なにっ、ぐ、ぎゃあああああああっ!?」
零距離で叩き込まれた焼夷弾は確かに、ジャックの顔に炸裂して爆ぜたのだった。
ジョー、ワニが沢山いる沼に落とされて脱落…?相変わらず拳でB.O.W.(正確には違うけど)と張り合うやべーやつでした。ジェイク(バイオ6)もびっくりじゃないかな。
何枚も上手だったルーカスの策、まさかの親父へ泣きつき。ジョーに対抗できるのジャックしかいないから妥当。他にも策は用意してる模様。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
ルーカスとは……
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原作と異なりイーサンが決着をつける
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原作通りクリスが決着をつける