寫眞機の少女(しゃしんきのしょうじょ)   作:butai yukkuri

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 ※この文章は、ガールズアンドパンツァー本編、アンツィオ、劇場版、最終章、リボンの武者、ラノベ版ガールズ&パンツァー1~3巻を読んだ者が製作しております。時系列は本編が終わってすぐになっています。その事を踏まえてお楽しみください。


〜作戦会議です!〜

  〜作戦会議です!〜

 

 

 生徒会室に行くと牡丹と、黒髪でもじゃもじゃ頭の生徒会女子役員が待っていた。言葉にするとあまり良い印象は受けないが、顔と合っていて意外に可愛かった。

「凪さん。椿原学園から試合場所が来ましたよ。敵戦車もある程度調べ終わっています。」

 試合場所も大切だが、凪にとっては敵戦車の方が大切だった為先に聞く。

「敵戦車は何だったんですか。」

 そう聞くと、牡丹ではなく偵察をしてくれていた役員が答えた。いちいち長いので余裕ができて名前を聞くまではモジャ子とでも呼んでおこう。試合が終わって余裕ができる頃には忘れ去ってそうだが。

「直接見に行く時間はなかったのでインターネットを漁って分かる範囲の事しか分からないのですが、強敵のようです。授業で戦車道をしている学校には及びませんが、課外活動界隈ではなかなかの実力校だったようです・編成は中戦車4両に自走砲1両で、その内訳は二式砲戦車ホイが1両に四式中戦車チトが1両。五式中戦車チリが2両に三式砲戦車ホニ3が1両というものでした。」

 モジャ子は言い切ったという顔をしているが、どんな戦車なのか全く分からなかった。

「すみません。その戦車がどんな戦車なのか全く分からないので説明してもらえませんか。」

「あ、はい。すみません。二式砲戦車ホイは日本の中戦車で形と大きさは知波単学園が使っているチハ改と殆ど変わりません。ただ、砲は強化されてるようで口径は7.5ミリメートル。二式穿甲榴弾という砲弾を使用していて装甲貫徹力は、クーゲルパンツァーからすれば関係ないですが90ミリメートルです。ただ、砲弾初速は350メートル毎秒と遅いので避けやすいですね。狙撃には向かない戦車なので接近戦にさえ注意していれば問題ないでしょう。」

 ひと段落したのかモジャ子が一旦喋るのを中断する。牡丹はいつの間にか居なくなっていたが、気にせず1番大切な事を聞く。

「で、装甲はどうなんでしょう。」

「あ、装甲ですね。ホイのの装甲は50ミリメートルの部分と25ミリメートルの部分があります。天馬さんのカールグスタフpvg m/42では50ミリの部分は貫徹できませんが正面からでも一応撃破はできるようです。他の戦車はチトとチリが75ミリメートル。これは正面から貫徹できる部分はなく、側面からでないと撃破できません。ホニ3が25ミリメートルで正面の何処を撃っても貫徹できます。火力に関してはこちらの装甲を考えるとどの戦車の砲弾を受けても一発アウトということになります。砲弾初速はホニ、チト、チリの3両全て650メートル毎秒を超えていて、チトに関しては865メートル毎秒なので避けるのはなかなか大変でしょう。あとは機動力ですね。どの戦車も最高速度は速いですが加速は遅いというザ日本戦車という性能をしています。こんなところでしょうか。」

 思っていたより厳しい状況だった。日本戦車が全てホイやホニ3のレベルだと思っていた凪からすれば75ミリメートルの装甲は分厚すぎた。戦車道ショップの店長に話を聞いて覚悟はしていたつもりだったが、それでも予想以上だった。

 どうやって攻略しようか考えていると牡丹が帰ってきた。

「あら、終わったんですね。では試合場所の話に移りましょうか。今回の試合会場は凪さんからの報告通り初心者向けの会場になっていました。手書きで申し訳ないですがこれが地図になります。」

 そう言うとコピー用紙に急いで書いたと分かる少し汚い地図を手渡してきた。地図を見たところによると神社と町が半分半分になっているようだ。

【挿絵表示】

 

 しばらく眺めていると牡丹が説明を始めた。

「提示されてきた試合会場は例によって試合用に造られた偽物の町のようです。駅と線路を挟んで北側には神社、南側が工場や住宅街と色々な立ち回りが一度に練習できる仕様になっています。北側の神社は伏見稲荷大社を模していて見た目は本物と変わりませんが千本鳥居も本殿も全て偽物なので壊してしまって構いません。南側も同様に住宅街も工場も全て偽物になってます。私も衛星写真と地図を見ただけなので細かい部分は凪さんの方でお願いしますね。」

 牡丹はこう言っているが、とてもありがたかった。敵戦車の把握と地形を全て1人でまとめた場合、戦略を考える時間を取れなかっただろう。

「いえいえ。本来なら自分でやるべきことを生徒会の皆さんに手伝ってもらったわけですから。ありがとうございます。」

 そう言うと、これ以上生徒会に迷惑をかける訳にはいかないので生徒会役員達に一言挨拶すると戦略を考える為に帰路についた。

 帰り道でどう立ち回ろうかある程度考えたが、特に何も思い浮かばなかった。戦車げーむである程度戦える気になっていたが、できるだけ平等な条件で戦えるゲームと違って戦力差が想定外すぎて経験が役に立たなかった。

 だが一つだけ確定的に明らかなことがある。伏見稲荷大社に行くのは最終手段だということだ。伏見稲荷大社に行けさえすれば小さい車体でマズルフラッシュも少ないこちらが有利だが、クーゲルパンツァーの履帯は他の戦車のように地形に沿わずにただ回転するだけだ。バイク屋の店主に性能を向上させてあるとはいえ、不整地性能はそこまで良くない。つまり全敵車が違う方向に行くのを確認するなどで隠れるまで見つからないとある程度の確信が持てるまでは隠れるまでに撃破される可能性が高い。だがそもそも隠れても敵車が来ないと意味がない。

ならば整地された場所で戦うのが1番クーゲルパンツァーに合っているだろう。

よって南側を使うとだけ決めて後の時間は術を磨く事に当てることにした。




 2週間ぶりの寫眞機の少女です!
 今回は少し分量が少なめですが、来週からはもう少し増えると思います。ただ、椿原と戦った後どのような経緯で話を進めるかは決まっているのですが、戦闘の地形が全くと言っていいほど決まっておりません。このままでは椿原との戦いが終わったら失踪してしまいそうな気さえしています。
 うp主も進級と進学がかかっている以上このネット小説よりも勉強を優先します。できるだけ投稿できるように頑張るので応援よろしくお願いします。
 それでばまた次回。

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