寫眞機の少女(しゃしんきのしょうじょ)   作:butai yukkuri

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※このシナリオは、ガールズアンドパンツァー本編、アンツィオ、劇場版、最終章、リボンの武者、ラノベ版ガールズ&パンツァー1~3巻を読んだ者が製作しております。時系列は本編が終わってすぐになっています。その事を踏まえてお楽しみください。


〜戦車道ショップです!〜

  〜戦車道ショップです!〜

 

 

 インターネットで対戦車ライフルについて調べていると、戦車道競技の画像が目についた。戦車道競技のルールである10トン以下の戦車相手にはとても有効な為、改造して付けられているようだった。

 ということは戦車道競技の為の部品がどこで買えるのかを調べれば良い。凪は戦車道競技用の部品を取り扱っている店の情報を探した。だがいくら探しても見つけることができなかった。どうやら表層ウェブに戦車道競技の情報は無いようだ。普通のソフトで見つけられない情報を見つける手段。それば一つしかない。Torブラウザだ。アメリカ軍が開発したIPアドレスを隠してインターネットにアクセスする手段である。いくつかのパソコンを経由して一枚ずつ暗号化したり、解読したりする為、少々重くなるのがネックだが、裏の取引をしたり、よくないとされる情報を調べたりするにはもってこいな代物だ。凪にはそんな知識がある程度あった。長年一人で写真を撮り、パソコンを使いネットで生きていたおかげだ。

 Torブラウザを使うと案外すぐに戦車道競技の部品ショップ一覧を見つけることができた。表層ウェブに情報がないのはどうやら戦車道競技が野蛮なものと位置付けられている為、世間の目につかないようにする措置らしい。

 一覧によると、どうやら戦車道ショップの地下に戦車道競技ショップが併設されているらしい。戦車道ショップの店員ではなく、店長に戦車道競技の部品が欲しいと言えば連れて行ってもらえるらしい。間違って入ってしまう人もいるのではないかとも思ったが、Torブラウザを使っている人がそんなにいるわけがない。いつ行こうかとカレンダーを見ると、今週末の金曜日に終業式と書かれていた。気にもとめていなかったが、どうやら今週末から夏休みらしい。終業式の日は基本的に午前中で終わるので、金曜日に戦車道ショップへ行くことにした。

 

    ◇ ◇ ◇

 

 終業式が終わり、ホームルームで成績を配られると、成績になど見向きもせずに凪は戦車道ショップへと向かった。

 私立川跡学園高校の戦車道ショップは狭かった。この学園艦内で戦車道をしている人といえば最近ゲートボールの代わりにと始めた老人会くらいしかいないという事を踏まえると当たり前のことだ。だが、狭いと言っても商品はある程度充実していた。商品のほとんどはアメリカ戦車、ドイツ戦車、ソヴィエト戦車とメジャーなものだっだが、念の為かイギリス戦車や日本戦車、フランス戦車などマイナーなものも置いてあった。

 その狭い店内で店長を見つけることは容易だった。中々に良い体格をしたその男は、容姿に見合わず鼻歌を歌いながら店内の掃除をしていた。

 店長は掃除がひと段落でもしたのかふと顔を上げると、こちらに気付いて話しかけてきた。

「いらっしゃいお嬢ちゃん。あの婆さん達のお使いかな。今日はどんな部品をお探しなんだい。大きな部品となると在庫は少ないが転輪の予備とかならいくらでもいけるぜ。」

 どうやら凪のことを老人会のお使いだと勘違いしたらしい。それも仕方ないことだろう。先にも述べた通りこの学園艦内で戦車道の部品を買いに来る人なんてそれくらいしかいないのだから。

「いえ、私は老人会のお使いとかではなくて。あの、サイトを見てきました。戦車道競技用の部品を買いたいんです。」

 店長の目が一瞬にして真剣な目に変わった。

「そうか。で、何が欲しいんだい。いや、地下へ案内する方が先か。着いてきな。」

 先導する店長に着いて行くと、戦車道ショップのバックヤードに金属製の無骨なエレベーターが現れた。移動することしか考えられていない昔のエレベーターのイメージに似ているかもしれない。

 そのエレベーターで戦車道ショップの地下へ降りると、とても広大な空間が広がっていた。どうやら近隣の民家の地下室より深く掘ることでスペースを確保しているらしい。その為、崩れないように太いコンクリート製の何本もの柱で支えられていた。

「ここがうちのタンカスロン用部品売り場だ。売り物はそこまで多い方ではないが、中身にか期待して貰ってもいいぜ。」

 店長がドヤ顔をして話してくる。売り場を一通り自慢し終わると、ハッとした顔をして聞いてきた。

「で、今日はあんた何の部品を買いに来たんだい。」

 とても真面目な声だった。自慢していた声とは全く違う声に少し戸惑ったが、気を取り直して答える。

「今日は対戦車ライフルを探しに来たんです。」

「対戦車ライフルだって。使ってる戦車の改造かな。それなら砲塔外に付けられるリモート操作のものがいいかな。」

「いえ、主武装です。ついでに言うとタンカスロン用でもありません。戦車道用です。」

 店長が驚いたような顔をする。それもそうだろう。対戦車ライフルを主武装に、しかも戦車道で使う人なんて殆どいない。

「戦車道で対戦車ライフルか。戦車道は搭載予定だった武装しか使えないから積んで行っても使えないぜ。」

「それについては大丈夫です。戦車道連盟並びに文科省から認可を得ています。」

 店長は慣れたのか、今度は驚かなかった。

「そうか。ということは、中戦車や重戦車でも相手できる物じゃないといけないな。いや、中戦車は対戦車でも相手可能かもしれないが、重戦車はきついぞ。対戦車ライフルの両分じゃない。」

 対戦車ライフルとは歩兵が持ち運びできるように開発された対戦車兵器である。迫撃砲や高射砲ではない小口径のものの為、重戦車の相手ができないのは当たり前のことだ。

「そうですか。ならば重戦車でも相手可能な兵器はありますか。」

 店長は少し考えたあ後、凪が戦車道に持ち込める兵器の範囲を確認すると、また考え出した。

 しばらく考え込むと、店長は喋り出した。

「対重戦車ができる歩兵携帯用の対戦中兵器か。一応あるぞ。だが在庫はない。数週間か1ヶ月はかかるかもしれないが仕入れておいてやる。あ、対戦車ライフルの方は任せておけ。ちょうどいいのがある。」

 そう言うと、店長は商品の山を漁り出した。

「そうそうこれだ。カールグスタフ pvg m/42。スウェーデンで開発された対戦車ライフルだ。いや、厳密にいえば無反動砲と同じ方式を採用したが便宜上対戦車ライフルと呼ばれるようになったものだ。Slpprj m/42っていう弾薬で100メートル離れたところから均質圧延鋼装甲で40ミリメートル貫徹する対戦車ライフルの中ではピカイチの性能だ。軽戦車なら正面からでも楽勝に打ち抜けるし、中戦車相手でも物によれば正面から貫徹できると思うぜ。重戦車なら側面でも厳しいかもしれんが。まあ戦車が使われ出した初期に頃の戦車の砲と同じくらいの貫徹力だな。最低でもあの大洗が使ってた八九式中戦車よりも貫徹力があることは断言できるぜ。それに弾丸初速がとても速いんだ。秒速950メートルで発射するから弾丸があまり垂れないし風にもあまり流されない。そこらの戦車砲よりも断然扱いやすい。だが弱点がないわけじゃない。いくら初速が速くて遠距離で当てやすくったって有効射程が300メートルしかないんだ。つまり近距離戦しかできない。遠距離戦に持ち込まれたらこっちは手出しできなくなるんだ。でもこれ以上の対戦車ライフルとなると戦後になっちまうからなあ。」

 有効射程が短い。それは忍び寄って撃つ歩兵なら苦にならない欠点だが、こちらも大きい戦車戦では致命的と言っていい。なんせこちらのクーゲルパンツァーの装甲は5ミリメートルしかない。相手は射程内ならどれだけ遠くから撃ったとしても貫徹できるだろう。それに加え店長の言っていた対重戦車用の歩兵携帯兵器となれば遠距離はまず無理だろう。つまり凪に遠距離戦をするという選択肢はない。確かに遠距離戦ができないのは致命的ではあるが、凪の環境ではそこまで問題にはならなかった。

「いえ、大丈夫です。私なんかが狙撃してもそもそも当たらないでしょうし。それに近距離でしっかり狙ったところに飛んでいく。そんな初速の速さの方が重要だと思います。」

「そうか。そうだな。嬢ちゃんの言う通りかもしれん。よし。今回は特別に本体料金を半額にしてやろう。これから弾薬を買いに来てくれる客ができたんだしな。あ、でも弾代はしっかり全額もらうからな。とりあえず今回は本体と練習用弾薬だけでいいか。試合用弾薬は湿度にやられたら使えなくなるし、試合ん時に買いに来るのがいいと思うが。この店の売り場はその点ちゃんと湿度管理してあるからな。」

 正直ありがたい。凪の使っている倉庫街の部室は湿度を調整する機材なんていいものはないからだ。

「はい。お願いします。ではとりあえず二週間分ほどの弾薬をいただけますか。」

 そう言って牡丹から事前に受け取っておいた戦車道同好会の部費からエンジンの修理回収の予算を抜いたものを渡す。

「ほう。これが同好会の部費かあ。国からの補助金があるとはいえなかなかあるんもんだな。」

「いえ、戦車道は弾薬という消耗品があるので他の同好会よりは多く予算をもらえました。もしかしたら人数が少なめの部よりかは予算が出ているかもしれません。」

 店長は少し考えると納得したようで、すぐに話を戻した。

「そうか。これで一年間だよな。なら対重戦車用の兵器はちょっとばかしいいものを仕入れられると思うぞ。ただし、このカールグスタフ pvg m/42の本体を壊さなければ、だけどな。あ、二週間分の弾薬だが、後でトラックで本体と一緒に運んでおくよ。学園の倉庫街だったっけ。とりあえず千五百発くらいかな。ちゃんと撃つだけじゃなくて着弾場所確認を挟むんだぞ。そうしないと上達が遅い上に弾薬もたくさん使用しちまうからな。」

「はい。本当にありがとうございます。では私は駆動系を依頼したバイク屋さんに行かなくてはなりませんので。」

「そうか。じゃあな、嬢ちゃん。頑張れよ。」

「はい。」

 そう言って凪はバイク屋に向かった。




今日は長くなってしまいました。書き直しってこともあってこんなセリフ追加した方が面白いかなとか色々考えてついついどんどん文章を伸ばしてしまいました。あと一文字で4000字なんだからあと一文字増やせよと自分で思いましたが、まあ終わってしまいました。
来週も書き直しなので今日と同じくらいに膨れ上がるかもしれませんね。
中二病の方は書き直しの為全然進んでいません。まあ気長に待ってください。
ではまた来週。
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