寫眞機の少女(しゃしんきのしょうじょ)   作:butai yukkuri

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 ※この文章は、ガールズアンドパンツァー本編、アンツィオ、劇場版、最終章、リボンの武者、ラノベ版ガールズ&パンツァー1~3巻を読んだ者が製作しております。時系列は本編が終わってすぐになっています。その事を踏まえてお楽しみください。


〜練習です!〜

  〜練習です!〜

 

 

 凪はバイク屋から運ばれてきたクーゲルパンツァーの後部ハッチをキィっと開けた。バイク屋に預ける前に試しに開けてみた時よりも断然静かになっている。油をさしてくれているようだ。

 ハッチの中を見ると、操縦に使う二本のレバーと、変速に使うレバーが一本あった。各レバーは、先端は握るためのグリップになっていて、その少し下に、踏んで操作する用の板が取り付けてあり、ペダルとしても使えるようにしてあった。各レバーの根本には金具でバネを付けることが出来るようになっている。その為、スイッチ一つで足での操作と手での操作を切り替えることができる。つまり、手で操作する時は他の戦車と変わらない操作方法で、足で操作する時は踏むとレバーが前へ、力を抜くとバネでレバーが元の位置に戻るようになっていた。その為足での操作に切り替えれば手が空くので、走りながらでも射撃できるようになっていた。

 クーゲルパンツァーを試しに走らせようとレバーを前に倒すと、凪は背もたれに叩きつけられた。バイク屋の店主がルール違反にならない程度に強化してあると言っていたので少し身構えてはいたのだが、それの比ではなかった。戦車道のルールは搭載予定だった部品である。だが、クーゲルパンツァーの資料はほとんどない。つまり、分かっている範囲の事にのみ従えば良い。そしてクーゲルパンツァーのエンジンについて分かっていることは、原付バイクのエンジンと同じ気筒数で、同じ方式であるということだけである。つまり、原付バイクと同じ気筒数、方式であれば問題ないということだ。その結果、元は最高速度8km/hだったものが、巡行20km/h、戦闘速度は30km/hで、数秒程度の短時間ならば40km/hを出せるようになってた。つまり最高速度が五倍にもなっていた。

 凪は一通り倉庫街の周辺を走らせると、カールグスタフpvg m/42を積んで牡丹が作ってくれた射撃演習場に向かった。

 射撃演習場は、短期間で作ったとは思えない程見事なものだった。ちゃんと距離ごとにマーカーがついており、いちいち測距儀を使わなくても的までの正確な距離が盛るようになっていた。

 初めての射撃なのでまずは30メートル離れたところにクーゲルパンツァーを止め、車体正面の穴から銃身を出す。穴は、スコープで狙えるようにする為にバイク屋の店主が広げてくれていた。銃を構え、スコープを覗くと、的がとても大きく見えた。対戦車ライフルは遠くからでも確実に相手の弱点に命中させる必要があるので、スナイパーライフルと同じ程の倍率のスコープが付いていた。

スコープの十字線に的の中心を合わせて引き金を引くと、弾丸はほぼ垂れる事なく的に着弾した。スコープが銃身の上に付いている分の若干の誤差はあるが、スコープ付き、単発撃ちの銃で30メートルというのは近すぎるという事だ。

その為、凪は一気に距離を離し、100メートルに変えた。100メートルというと、一般的な徒競走の距離である。その距離から見る的は、十分に小さく見えていた。初心者が練習として静止した状態で撃つにはちょうど良い距離のように思える。実際試しに撃ってみると的に当たりはしたが少し逸れてしまった。これは今の射撃が弱点を正確に狙撃しなくてはならない相手へのものだった場合、撃破できないとということを意味する。それに加え本番なら相手が動いている事の方が多い。静止している的にすら当てられないのでは困るのである。

しかし、実戦を想定するならば戦車戦での100メートルはまだ近距離の部類に入る。的を見ると小さく思えるが、それは弱点を狙いうつ事を想定した的だからであり、相手が大きい戦車ならば100メートル離れても十分大きく見える。つまり装甲5mmのこちらを狙う時、相手はどこに当てても撃破できる為、100メートルでは遠距離のうちに入らず、対戦車ライフルで何処を撃っても撃破できる相手でない限り凪は常に不利であるということだ。それでもこのカールグスタフpvg m/42以上の対戦車ライフルはほぼない。戦車道ショップの店長が対重戦車用の兵器を仕入れられればもう少し戦いやすくなるかもしれない。だが課外活動で試合をするならば、公欠で休めたとしても長引く可能性がある為望ましくない。フラッグ戦は別だが、殲滅戦ならそもそも制限時間がないからだ。その為長期休暇に試合をする学校が多い為だ。つまり夏休みは始まったばかりだが、練習で使い切ってしまう訳にはいかないし、対重戦車兵器が届くのを待っている暇もないということだ。

凪は猛練習を始めた。それでもただ撃ちまくるということはせずに、しっかり弾着確認をして微調整を繰り返していった。幸い操縦関係は変速レバーの動かし方さえ覚えれば後は感覚で操縦しても問題なかった。まだまだ練習する部分はあるのだろうが、後回しにしても問題ないレベルだ。

ある程度練習して静止状態からの射撃の命中率が100メートルで八割を超えると練習をを切り上げ、行進間射撃の練習に移った。クーゲルパンツァーの後部ハッチを開け、足での操縦に切り替え、ハッチから身を乗り出す。静止射撃ならば狙撃することが前提なので、車体全面の穴から射撃していたが、行進間射撃となるとクーゲルパンツァーが追いかけながら撃つという状況は考えづらい為正面への射撃を練習してもほぼ意味はない。凪が行進間射撃をするとしたら格闘戦中か、もしくは撤退中だからだ。

行進間射撃は思いの外簡単だった。走りながら姿勢を維持する体幹が必要だが、操縦の為にレバーを踏み踏ん張っている為あまり苦ではない。それに加えて、通常の戦車なら砲が車体に固定されているのに対し、固定されていない為車体の揺れの影響を受けにくい。それに加えターレットリングを使わず体を捻るだけの為、砲旋回速度が制限されない。これは、格闘戦ならば凪が有利だということを意味する。もし、相手に気付かれずに格闘戦ができる距離まで近づけば凪が有利だということだ。まあそもそもその距離まで近づくことが難しいのだが。だが遠距離で戦うことが不利であり、格闘戦の方が凪に都合がいいということは分かりきったことである為、極めるならば格闘戦だ。

それから凪は行進間射撃の練習をしまくった。だが、あくまで相手は動かない目標相手だ。偏差は凪が動かしているクーゲルパンツァーの速度を維持しようとする力が働いてずれる分だけだ。着弾までに相手が動くことは想定していない。だが偏差射撃で難しいのは相手の動きに合わせることだ。

そこで凪はオンラインの戦争ゲームを始めることにした。あの大洗のアリクイさんチームに見習う事にしたのだ。大洗女子学園のアリクイさんチームは戦車で戦うゲームで知り合ったゲーム仲間だったという。だが、アリクイさんチームの3人がしていたゲームを調べると、画面に走行すると大きくなり停車すると小さくなる円が表示され、その円の中に乱数で着弾するというもので、ゲームとして最適化されていた。それでは照準の練習にはならない。なので凪は他のゲームを探すと、すぐに別のゲームの名前が出てきた。そのゲームは、砲制度による着弾場所の乱数はあるものの、ある程度なら腕でカバーできるリアルに寄せたゲームだった。設定を変えれば照準器のカメラの位置が変わり、砲と照準器の位置関係からくるずれまで再現されていた。

凪はそのゲームをダウンロードすると、練習の合間にプレイし始めた。もしかすると初めから使える戦車は短砲身で砲弾の垂れが大きいかとも思ったが、機関砲搭載車がすぐに使えたので現状の凪と戦車の種類は違うものの似たような状況を再現できたのでさほど問題はなかった。

 

    ◇ ◇ ◇

 

約2週間が経った。凪の射撃の腕はある程度上達し、行進間射撃でも停止している目標相手なら八割型命中するようになっていた。一人では練習できない戦闘での立ち回りも、ドクトリンという程のものではないが、自己流の動き方ができ始めていた。凪は射撃練習をやめてカールグスタフpvg m/42を置くと一度深呼吸をし、決心した。今日までもう少し上手くなってからと後回しにしてきたがそろそろ始めなくてはならない。練習試合だ。そろそろ対戦相手を探し始めないと本当にまずい。凪は家に帰ったら相手校を本格的に探し始める事にした。




やっと戦車に乗りました。長かったですね。
これからの寫眞機の少女は、2週間後の定期テストの為もしかするとおやすみするかもしれません。最低でも来週分は書き上げられているので来週は確実に投稿できます。問題は地形が完成しないこととそれから戦術をゆっくり考えて投稿する時間がないってことなんですよね。どうなるかは分かりませんがとりあえず頑張りますのでよろしくお願いします。
ではまた来週。
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