ワールドトリガー -お兄ちゃん頑張ります!- 作:カボス太郎
-ボーダー本部-
試験後の面接での会話
「じゃあ、君は妹さんのために入隊したということかね?」
「はい」
「我々としては、同時に試験した君の妹さんよりも、君のトリオン能力を買っている、これからよろしく頼む、期待しているよ」
「はい、ありがとうございました」
ボーダー本部 ー廊下ー
なんだ?この感じ!?
気持ち悪い、甘ったるい感じ
頭のチャンネルをめちゃくちゃに切り替わってる感覚
うまく歩けず、壁に手をつき、膝をついてしまう。
「あ、あの君?大丈夫?」
女の人の声?
上を向いて、女の人の顔を見た瞬間
おうぇえええ!
俺は吐いてしまい、そのまま気絶した。
同じく ボーダー本部 -廊下-
「ねぇ?熊ちゃん?あの子どうしたんだろう?」
私は那須玲、ボーダー所属、那須隊のリーダーをしています。
今日は那須隊の反省会のあとチームメイトの熊ちゃんと飲み物の買い出しに来たら
廊下でうずくまってる男の子がいた、白い隊服を着てるからC級隊員だと思うけど
「ちょっと!玲!」
熊ちゃんの静止を聞かずに、男の子に近づいた。
「あ、あの君?大丈夫?」
男の子が、顔を上げた
おうぇえええ!
彼のトリオン体は解除され下を向いて、吐いてしまった。
「熊ちゃん!すぐに医療班の人を呼んで!私が運ぶ!トリガー!オン!」
数時間後 ボーダー本部 -医務室-
「・・・・」
知らない天井だ、って奴だ。
「目覚めた?」
気絶する前に聞いたのと同じ声がした。
「え?」
そこには、天使がいた。
でもなんでだ?サングラスをかけてるみたいに、視界が暗い。
「あ、それは取っちゃダメ、あなたの症状を抑える為のトリガーなの」
天使の言う通り、俺はゴーグル?みたいなものを顔につけていた。
「あのあなたは?」
まずは、天使の名前を聞くべきだ。
「あ、名乗ってなかったね、私は那須玲、B級の那須隊ってチームのリーダーをやってるの」
那須玲それが、天使の名前か。
「僕は、木虎仄(ほのか)です、最近入隊しました、あの助けて頂いてありがとうございます」
「そう、よろしくね!」
ウィーン!
医務室の扉が開く。
「お兄ちゃん!大丈夫?」
入ってきたのは、妹の木虎藍だった。
「妹さん?」
「はい、妹の木虎藍です」
「え?誰?ん!うん!兄さんその人は?」
「あ、言い直した」
「この人は、天、いや、那須玲さん、僕を助けてくれた人なんだ」
藍に、那須玲さんを紹介した。
「そうなんですね、那須さん、兄を助けていただきありがとうございます」
藍が那須さんにお礼を言ったすぐ後に、医務室の扉が開いた。
「目覚めたんですね、木虎さん、症状の説明を致しますのでご家族以外の方は退出してください」
「は、はい、またね仄くん藍ちゃん」
そういうと、那須さんは医務室を出ていった。
「それでは、説明に入ります」
医療班の人の説明をまとめるとこうだ。
僕にはトリオン使いが稀に発現する能力、サイドエフェクトが備わっているらしい
暫定的な名前は「過去視+追体験」
視線に捉えた人や、物の過去にした体験を見ることができる。
さらに、人物に限れば触れるまたは近づくことで過去の体験を追体験できる。
那須さんに声をかけられた時に、那須さんの人生を短時間で追体験して脳みそが処理落ちして気絶したそうだ。
脳の処理限界を超えてしまわないようにするため、視覚情報に制限をかけるのがこのゴーグル。
僕のサイドエフェクトの研究が進めば望んだ情報だけを読み取ることができるようになるらしい。
いろいろと説明を受けた僕たちは、医務室を後にして今日は帰ることにした。
「それにしても、サイドエフェクトなんてすごいじゃん、まるで超能力者みたい」
「気楽だな、僕は那須さんの前でゲロ吐いたんだぞ、あぁ消えてしまいたい」
すごい、すごいという妹に対して僕は今更ながらトラウマもの体験をしたことを思い出した。
「なに?もしかしてお兄ちゃん、那須さんに惚れちゃったの?無理無理あんな美人、お兄ちゃんになびくわけないよ」
そんな会話をしつつ、ボーダー本部の廊下を歩く僕たちだった。
-???-
「へぇー面白い未来をもってるやつがいるなー」
数週間後
正式入隊を果たした僕たちは、訓練の日々を送った。
妹の藍は、初期ポイント:2000
僕は、初期ポイント:3500だった。
このポイントは、訓練を受けるか、個人ランク戦で貯めることができ、4000ポイント貯めれば
正隊員になってお金を稼げるらしい。
最初は点数差に、ブーブー不満を漏らしていた藍だったが以外にまじめに訓練をしていた。
試しに、個人ランク戦をふたりでしてみたが、サバゲーをやってる感じだった、動画サイトに上がったやつを見たことしかないけど
使用率は、同じ武器だと五分五分、僕のお気に入りのスコーピオン、藍が銃を使うと僕が負け越した。
今のところ、僕が勝ってるのは、トリオン量だけ、サイドエフェクトはまだまだ実践じゃ使えない。
藍とのランク戦を終えて、ブースから出るとなんだか視線を感じた。
「見ろよ、あいつ那須先輩の前でゲロ吐いて、気絶した奴だぜ、よく顔出せるよな」
「ほんとよね、それに、さっきのランク戦みた?銃相手に剣で挑んで負け越してたし、全然ダメじゃん、受けるw」
同期か先輩か知らんが、なんか言ってんな、まあいいもうすぐ走破訓練ださっさと行こう。
「おいおい、逃げるのかよ、ゲロヤローw」
「そうよ、そうよ、このゲロヤローw」
はぁ、しょうがない少し脅かすか。
バカ2人組の目の前に移動し、ゴーグルをずらして2人を観る。
「な!なんだよ!文句あんのか!ゲロヤロー!」
「お母さんに爪切りしてもらってる」
「な、なぜそれを!」
「え?マジキモ!」
次に女の方を観る。
「こいつで三股目」
「な!な!何言ってんのあんた!」
「おい!どういうことだよ!そんな奴だとは思わなかった!」
「あんたこそ!マジキモいんですけど!」
2人で言い争いを始めたので、ゴーグルを付け直しその場を離れた。
さっきやったみたいに、相手の過去をざっくり見ることはできるようになったけど戦闘じゃ全然役に立たない能力だ。
「あー強くなりてぇなあー」なんてことを考えつつ訓練を重ねて、数か月後、僕たちは正隊員になった。
バカ2人組にしたことが広まったのか、ほかの隊員に避けられ、チームを組むことができずソロでの活動を続けた。
スコーピオンとアステロイドが9000ポイントを超えた頃
妹の藍が嵐山隊にスカウトされA級隊員になった。
その頃から藍は嵐山隊ばっかりに、かまけてかまってくれなくなった。
藍は嵐山隊の活動、僕はほかの部隊と合同で防衛任務に励む日々。
そんな中、ボーダー本部はイレギュラーゲートの対応に追われていた。
-ツヅク-