ワールドトリガー -お兄ちゃん頑張ります!- 作:カボス太郎
イレギュラーゲート
それが現在ボーダー本部上層部を悩ませている事件だ。
ゲート誘導装置により、ボーダー本部周辺にしか開かないはずのゲートが
市街地で開きトリオン兵が暴れていた。
幸い非番隊員が対応し民間人に被害は出ていない。
なんでその事件について、僕が考えているかというと。
「木虎仄(ほのか)くん、君に特別任務について欲しい」
僕にそう告げるのは、ボーダーの長 本部司令・城戸正宗
その他にも、ボーダーの上層部主要メンバーが集まる会議室。
あまりの迫力に、つい黙ってしまう。
「おっと、そうだな、まだ内容を話していなかったな」
城戸司令が目線を送ると、鬼怒田さんが小さなリモコンを操作し
部屋のモニターに映像が流れだした。
「イレギュラーゲートについては、君も知っているだろう?
なぜか夕方になると、警戒区域外でゲートが出現している現象のことだ
君には通常の防衛任務から外れ、警戒区域外での防衛任務にあたってもらう」
なぜ自分が?考えていると
「そこで、チームを組んでおらず、夕方は暇な高校生であり
実力の確かなお前さんに白羽の矢が立ったというわけだな」
と鬼怒田さん。
「もちろん、君のサイドエフェクトにも期待している
何か見えたら報告して欲しい」
と忍田本部長。
わかりました、お受けします、と答えた。
「そうか、では詳細については、君の端末に送ろう、下がって良い」
指示に従い、会議室を退出した。
-仄が退出してから数分後-
入れ替わりに会議室に入って来た人物がいた。
「どうもー!実力派エリートでーす!」
彼の名は、迅悠一、ボーダーに数名しかいないS級隊員にして
未来視のサイドエフェクトを持っている。
「挨拶はいい、お前さんの指示通り木虎兄を特別任務につかせたぞ
これで解決に向かうんだろうな?」
フン!と鬼怒田さんが鼻を鳴らす。
「心配ないよ、確実にいい未来に向かってる」
「迅、前から聞こうと思っていたが彼にチームを組ませないのは、なぜなんだ?
お前が言うように彼が重要人物なら、チームを組ませA級を目指したほうが
いいじゃないか?」
忍田本部長は迅に質問する。
仄は、自分がチームに入れないのは、自身のサイドエフェクトを
気味悪がられていることが、原因だと思っているが。
最大の要因は、迅にあった。
上層部の力を借り、仄が隊に入ったり、作ったりするのを裏から糸を引き、阻止していたのだ。
ちなみに、仄を戦力として欲しがった隊は多かったが、自身のサイドエフェクトを
使い、未然に邪魔していた。
「あぁ、あいつのことは、俺が責任を持って導くつもりだから、心配いらないよ」
俺のサイドエフェクトがそう言ってる。
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特別防衛任務にも慣れた頃。
もうすぐ、同じく特別防衛任務についた隊がやって来て交代するそんな時間。
僕がソロだから選ばれたっていうのは、どこ行ったんだよ、なんて考えていると。
『緊急警報。緊急警報。ゲートが市街地に発生します。市民の皆様は直ちに避難してください。繰り返します――』
緊急警報とほぼ同時に、通信が入る。
「木虎隊員!嵐山隊の綾辻です!応答願います!」
藍がお世話にいる、嵐山隊オペレーターの綾辻 遥さんから通信が入る。
平常時は、同い年なので「仄くん」と呼んでくれるのだが、今は仕事モードらしい。
「三門第三中学校にゲート出現です!現在、嵐山隊が向かっていますが、木虎隊員も向かってください、最短ルート送ります」
視界に市街地のマップが表示され、最短ルートが表示される。
既にトリオン体を換装している彼は、猛スピードで走った。
仄が三門第三中学校についた時、レーダーに映った2つの影のうち1つが消えた。
気になったがそれよりも、残りの1体を補足した。
まだこちらに気づいていない。
周りに一般人がいないことを確認し、メインサブ両方のアステロイドを起動する。
アステロイド + アステロイド = ギムレット!
貫通力を増した光の弾丸が、トリオン兵の装甲ごとコアを貫く。
レーダーからトリオン兵の反応が消える。
「お疲れ様でした、仄くん、もうすぐ嵐山さんたちが現着します。被害の確認を先に始めてください」
綾辻の指示に従って、到着した時に反応が消えたポイントである校舎に入る。
「!? 木虎…仄先輩!?」
半壊した教室には、なぜか自分の事を知っているメガネの青年と白髪の少年がいた。
これが、木虎仄と三雲修、空閑遊真の出会いだった。
-ツヅク-
読んでいただき、ありがとうございました。