ワールドトリガー -お兄ちゃん頑張ります!- 作:カボス太郎
よろしくお願いいたします。
-三門第三中学校 教室-
「!? 木虎…仄(ほのか)先輩!?」
なぜか自分を知っている彼は誰だったか、思い出すついでに仄は、1つのトリガーを起動した。
- 如月(きさらぎ) オン -
木虎仄専用トリガー 如月
ボーダー本部開発室が開発したこのトリガーは
視覚情報を極限まで削り、脳の処理落ちを防いでいたプロトタイプとは違い。
視覚、聴覚、嗅覚の情報を精密に制限し、仄のサイドエフェクトを補助している。
オペレーターのサポートがあれば、仄の観た情報をボーダー本部データベースに共有が可能な優れものである。
しかし、個人情報保護の観点から、2名以上の上層部主要メンバーの許可と仄自身の了承がなければ、ボーダー本部データベースへの送信は行われない。
因みに、如月という名前は、開発室での一般公募で決まった。
- 仄 思考内 -
まずは、メガネの学生、名前は三雲修、C級隊員なのか?じゃあ彼がトリオン兵を?
最近の過去ではなく、数か月前から観た仄はそう考えた。
さてついでだが、白髪の少年は数十分前を見させてもらおう、ケガをしてるかもしれない。
- 仄 思考終了 -
サイドエフェクトの対象を白髪の少年に変えようとして、仄は眉をひそめた。
白髪の少年の前に、三雲修が割って入るように移動したのだ。
仄のサイドエフェクトは、直接本人を見なければ、過去を観ることはできない。
サイドエフェクトから友達を守った?そうだよなこんな気持ち悪い能力
普通いやだよな。
と如月を通常モードに戻し、三雲修に話かけた。
「えーと、初めましてだよね?、僕は木虎仄、B級隊員だ」
「あ、はい初めまして、C級の三雲修です」
「C級?なら訓練用のトリガーしか支給されてないはず、それでよくトリオン兵を倒せたね」
「そ、それは…」
仄がその気になれば、この教室で起こった事を事細かに確認できるのだが、如月のサポートがあるとはいえ、トリオンと精神をもっていかれるのだ
長時間の使用はきつい。
「そうなんだよ!いやーオサムはすごいやつだ!」
三雲修の背後からひょこっと顔出した白髪の少年が、トリオン兵を倒したのは、三雲修だと言っていた。
「申し遅れました、空閑遊真と申します、ただものです」
「ん?まぁいいか、僕は木虎仄よろしく」
自己紹介を終えた仄たちは、学校の職員と協力し、校舎に残ってた生徒たちを校庭に避難させた。
-三門第三中学校 校庭-
「あ!仄くん!こっち!こっち!」
自身の弟たちにじゃれていた嵐山が、仄に気付き手を振る。
「・・・・」
その隣には、仄の妹、木虎藍がいたが不愛想な顔をしている。
「藍、久しぶり」
「・・・・そうね、兄さん」
木虎兄妹を中心に変な空気が流れていた。
「本当に兄妹なの?」
「そうなんだが、ちょっと事情があってね」
嵐山に質問する遊真。
「そうそう、仄くん校舎のトリオン兵の事なんだが」
嵐山と仄は情報共有をした。
「すごい!訓練用トリガーでトリオン兵を倒すなんて!」
「・・・・」
「お前なら、できるか?藍?」
「・・・・」
その場にいた全員が藍を見た。
「スコーピオン!」
アタッカー用トリガー スコーピオンを起動し
動かなくなったトリオン兵の装甲を切り刻む。
「できますけど、私はC級のトリガーで戦うバカな真似はしません、あと兄さんもできます」
「・・・・くっ!」
「(なにあいつ?、なんで自分の兄貴もついでにアピールしてんの?)」
「(相変わらず、素直じゃないな、兄も妹も)」
その後、修の隊務規定違反が指摘され、本部に出頭することで
その場は解散となった。
仄も帰ろうとした時
「兄さん」
「ん?藍?どうした?」
妹の藍に呼び止められた。
「この後、暇でしょ?三雲くんを本部まで連れていくわ、手伝って」
「えーと」
「なに?嫌なの?」
「別に嫌じゃないけど」
最近話せてなかったしなと、自分を納得させ、一緒に校門で修を待ち構えることになった。
-三門第三中学校 校門-
「・・・・」
「・・・・」
また変な空気が流れていた。
周りの生徒は男子は藍を、女子は仄を見ていた。
この空気を動かしたのは、藍だった。
「兄さんは、どう思ってるの?」
「なにが?」
「なにがって、私がA級の嵐山隊で、兄さんがB級でソロなことよ」
「そりゃあ、妹が優秀で僕は嬉しいよ」
「そ!そうじゃなくて!」
藍がたまらず大きな声を出す。
「お?三雲くん来たみたいだぞ」
修に事情を説明し、木虎兄妹、修、遊真の4人でボーダー本部に
向かうことになった。
藍がふたりに、イレギュラーゲートについて説明をしていると。
「なんで、妹のアイはA級で、兄ちゃんのホノカ先輩はB級なの?」
「こら!空閑!」
いきなり遊真は、切り込んだ質問をした。
「それはっ!」
藍が回答に困っていると。
「俺が平凡で、藍には実力があったってことだよ」
仄が先に答えた。
「(ふーん、噓は言ってないみたいだね)」
「そんなことない!兄さんは!・・・・」
『緊急警報。緊急警報。ゲートが市街地に発生します。市民の皆様は直ちに避難してください。繰り返します――』
上空にゲートが開き、巨大なトリオン兵が姿を現す。
「「「トリガー!オン!」」」
3人はトリガーを起動した。
「三雲くんは、市民の救助と非難を!僕と藍があのデカブツを落とす!」
「はい、了解しました!」
修は、爆撃された市街地へ走り出した。
「一緒にやるぞ、藍」
「いやよ」
いきなりの拒絶だった。
「あんな奴、A級の私1人で十分だわ、兄さんも三雲くんと一緒に、市民の救助に向かいなさい、これはA級としての命令です」
そういうと、藍は1人でトリオン兵に向かって行った。
「なんでだよ、藍」
「(ほんとうに、複雑みたいだなこの兄妹)」
数分後
- トリオン兵 イルガーの背中 -
「(硬い、私のトリオン量じゃ、破壊できない!)」
スコーピオンで何度も切りつける。
「(ダメ!こんな時兄さんなら!)」
そんな時、通信が入る。
「藍!今すぐそこから降りろ!」
橋の上にいる、仄に視線を送る。
仄の周りに漂うキューブを見て、とっさにイルガーから飛び降りる。
メテオラ!
メテオラがイルガーに命中し、装甲に無数のひび割れを起こす。
「硬いな」
イルガーの降下するスピードが減速したのを確認し、メインサブ両方のアステロイドを起動する。
アステロイド + アステロイド = ギムレット!
飛距離が必要な為、分割なしの光の弾丸がイルガーのコアを貫き、市街地に被害を出さずイルガーは爆発した。
「また、兄さんに助けられた、このままじゃダメなのに!」
川に落ちた藍は、岸に上がりながらつぶやいた。
その後、ボーダー本部から応援が到着し、事態を収めた。
木虎兄妹、修はボーダー本部に到着し、木虎兄妹は解散、修は会議室に通された。
-ツヅク-