国立PG学園    作:hitosi

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授業とお昼

三人称side

 

―土星衛星軌道上にある特殊犯罪刑務所―

 

この刑務所は太陽系近辺で軍紀違反やPGがらみの犯罪者を収容する刑務所である。

広さはサッカースタジアム6つ分の広さであり、20階建ての刑務所となっており、1階は宇宙港との接続エントランスで唯一の出入り口となっている。2階から5階までは囚人労働所となっており、6階から10階までは100年以内の懲役囚が多くいる。

11階から150年以上の懲役囚で上に行くほど罪は重い囚人が、15階以上は看守や獄卒も限られたメンバー以外は何重ものセキュリティーをクリアしないと進入することは不可能である。

そのなかでも特級秘匿事項犯罪者に指定された囚人を収監する設備16階B-78フロア(通称サイレントプリズンエリア)は懲役に関係なく世間に公表出来ない犯罪者を収監するエリアにクウヤ・オキサキは拘束されていた。

 

そんなクウヤを監視カメラ越しにみている看守達は、16階看守室第4分室、16階B-78フロア専用看守となっておりセキュリティーも20階以上に厳しいとも言われている。

 

モニターを見ながら勤務中の看守二人はモニターのクウヤ・オキサキをみながら

 

シャンロン:「なぁリック知っているか?」

 

リック:「なんだ、シャンロン?」

 

シャンロン:「この囚人番号D―6825 クウヤ・オキサキは少し前まで地球にあるPG学園の新入生で鮮血の狼に所属している先兵だったみたいだぜ。」

 

リック:「それは知っているけど、俺はこいつの身体検査の時に遺伝子情報みて驚いたぜ。」

 

シャンロン「それは確かに言えているな。何しろこいつの遺伝子はかの有名なあの提督の――」

 

この二人が談話していた時に異変は起きた。外の警備もかなり厳重なのにもかかわらず、警報が響いたと同時にここは宇宙空間なので地震は起きるはず無いのに揺れた。

 

シャンロン:「おわっ!!なんだ。」

 

リック:「外部監視棟、何があった?」

 

館内放送『各看守並びに獄卒員に連絡、何者かによる襲撃を確認。防衛部隊は緊急発進。各階のセキュリティーシステムは現状のグリーンからブラッドレッドに変更。看守各員はこの機に乗じて脱獄にしようとする者は拘束と鎮圧武装の発砲を許可する。』

 

シャンロン「こちら16階第4分室シャンロン・ゼンバー。了解しました。セキュリティーシステムブラッドレッドに変更します。」

 

 

16階看守室第4分室でセキュリティーシステムを変更している同時刻、所変わってここは16階B-78フロアを巡回中の獄卒ラギラ・ノス。表向きはこのサイレントプリズンエリアの獄卒ではあるが、実際は鮮血の狼5等星になる潜入兵でコードネーム(ペルギス)がことの状況を確認して

 

ペルギス:「よし、作戦開始だな。Let’s show thyme。」

 

そう言って彼はカメラの死角に入りあらかじめ用意していたハッキング用の回線を壁からだし、この16階エリアのみにコンピューターにハッキングを開始。開始数秒でプログラムが作動し、監視カメラやセキュリティーシステムは他の階から異常なしに見えるようなダミーシステムプログラムを流した。

もちろんここのシステムもそんなダミー映像は通常なら15分、レベルブラッドレッドでも5分もあれば回復するが、ペルギスからすれば5分あればこのエリアに催眠ガスを充満させてクウヤ・オキサキに看守服を着させて脱出出来るのである。

ハッキングしガスマスクを装備したペルギスはこのエリアのみたどっているエアダクトを介して即効性の催眠ガスを充満させた。

 

再び16階看守室第4分室。

シャンロンは通信を切ったら即座に

 

シャンロン:「聞いたとおりだ、リック!!急いでセキュリティーレベルを・・・」

 

リック:「大丈夫!!もうグリーンからブラッドレッドに変更開始している。」

 

リックとシャンロンは巡回中の監視や獄卒にブラッドレッド発令したことを伝達し武装許可の指示を出していたとき、二人揃ってエアダクトから入ってきた睡眠ガスを嗅ぎ昏倒した。そのせいもあり16階B-78フロアはブラッドレッドにセキュリティーシステムを変更する直前までプログラムは来ていたがキーを差し込んで作動させる前だった。

 

クウヤ・オキサキの収監されているエリアにペルギスは到着し、電子錠なので扉は簡単に開くが、もちろん電源か切断されても対応出来る物理的に施錠しているそれも予備の鍵を持ち出し簡単に開けた。

そこにいたクウヤ・オキサキはもちろんガスマスクを事前に渡されていたので昏倒していなかった。

 

ペルギス:「坊ちゃんご無事で?」

 

クウヤ:「親父の使いか?おいてめぇ、もっと速く俺を助けに来れなかったのかよ?」

 

ペルギス:「すみません、ここの警備網の把握に時間がかかりまして。まぁ、坊ちゃんのぼやきは後で聞きますけどとりあえずコレを来て下さい。さっさと脱出しますよ。」

そう言ってペルギスはクウヤ・オキサキにサイズの合う看守服を渡した後、クウヤは着替えだした。

 

クウヤ:「けっ、こんなゲス臭い服を着るのは耐えがたいが、まぁいいだろう。ルートは任せるから、俺をさっさとこんなゲス臭い場所から連れ出せ。俺はあのヤローに死ぬ方がましな苦しみをまだ与えてねーからな、さっさと外に戻ってあのやローに復讐だけじゃねー。PG学園の連中もそうだ。俺をこんなゲス共の掃きだめに送り込んだことを死んで後悔させてやるぜ。」

 

ペルギスは「判りました、早速脱出しますのでこちらへ。」と短く返したが彼の心の中ではこう思っていた。(どっちにしてもお前はここから脱出した後は、人格は消されて感情のない兵士にはなるのさ。それはお前が親父と慕っている副社長ではなくプレジデントの指示だぜ。)

 

ペルギスとクウヤは看守服と獄卒服に身を包んで警備の薄い4階まで一気に降りた後、一般的な服装に着替えて観光客に紛れて脱出した。

 

クウヤとペルギスが脱出して10分後、17階看守室が16階B-78フロアの異常に気づいて看守と獄卒を派遣した時にはB-78フロアは看守20人、囚人79人が催眠ガスにより眠らされていた。看守や獄卒達を起こして回った。

 

 

 

 

看守長:「まずはB-78フロアの被害は?」

 

看守A:「はっ報告します。まずB-78フロアは即効性の催眠ガスをエアダクトから噴出され囚人並びに看守もガスで眠らされました。その隙に、脱走したのは囚人番号D―6825 クウヤ・オキサキ1名で、それと同時にB-78フロア担当の獄卒1名ラギラ・ノスが行方不明。恐らく人質になったか、彼自身が鮮血の狼の潜入兵と思われます。看守並びに獄卒は負傷者なしです。」

 

看守長:「B-78フロアの負傷者はなしなら良かった。次に外部襲撃の被害を聞こう。」

 

看守B:「報告します。囚人番号D―6825 クウヤ・オキサキが脱獄する10分前ぐらい起きた爆撃ですが、爆弾は地球で陸海輸送に使われる一般的なコンテナ一杯に詰まれた時限式のプラスチック爆弾となります。飛来した爆弾は全部で70コですがその内2つほど不発により爆破物が判明しました。

こちらの警備網をかいくぐり7階フロアA-36エリアに到達した飛来爆弾は全部で15コ直撃し、空いた穴は即座にエアーウォール作動により宇宙空間に放り出された者はおりませんが、その爆撃に巻き込まれた職員15名死亡、負傷者25名となっています。」

 

看守長「囚人の死傷者は?」

 

看守B:「はっ?囚人の死傷者ですか?」

 

「そうだ。囚人の負傷者の報告は省いていいが、死亡者は報告しろ。」

 

看守B:「何故ですか?囚人はここに収監された時点でそれ相応の犯罪をしているのですよその時点で生死を気にする様な輩はいないはずですが。」

 

「馬鹿者っ!!収容囚人だろうと一般職員だろうと関係ない!!職員は当然として、この刑務所内で囚人は生きている内は囚人だが、死ねば皆同じ仏だ。敵味方関係なく対等に弔ってやるのが筋だろうが。」

 

看守B:「はっ失礼しました。改めて死亡者報告は、職員15名、囚人22名合わせて37名になります。」

 

「そうか、後で職員達の家族には死亡通知を出しておくが囚人の方はこちらで内々で処理しておこう。」

 

看守A:「ところで看守長?何故善人悪人を問わずに死んだら平等に弔うことにこだわるのでしょう?」

 

看守長:「ああそれか。私は地球の中世ヒノモトの人物に清水の次郎長という男の生き様を書いた本を読んだことがあってね。ヤクザ者ではあるが戦争のさなか死人となったら敵味方問わずに平等に弔う姿に感動してな。私もその考えでこの仕事を選んだのさ。まぁ、罪を憎んで人を憎まずという考え方は看守や処刑人には相反するがね。」

 

 

翌日の新聞には爆破事件のことは報道されなかったが、虚偽を書くことに定評のある週刊誌が珍しくこの事を嘘偽り無く報じた。

 

 

三人称side 終了

 

 

メリッサさんの突然の告白には驚いた。休校日にメリッサさんが俺の家に遊びに来てお茶を飲みながら雑談をしていたら突然しおらしくなって

 

(なぁマサキ。俺、いや・・・・あたし、・・・センイチ、いやセンイチ君のことが好きになったみたいだ。)

 

そんな風に言われてセンイチが料理の出来る女性が好みと伝えると完全に乙女モード。その後、家にあるシミュレーターで操縦技能磨いた後に一応大丈夫だけどメリッサさんを駅まで送るついでに買い出しに出かけた。

メリッサさんをとさっき言ったとおり和風物の料理本を中心にお買い上げした後、彼女は意気揚々と電車に乗り込み学生寮に帰って行った。

 

その翌日は終日座学の授業で一般的な数学、地球語学、地球史、今回歴史で習った事は、とある事情により南北に別れた半島の南側にある国の船舶が安全性より貨幣獲得に走って沈没させ、大量の死者をだした大惨事の沈没事件のことを習った。次の授業はPG基礎操作と授業の内容は一般教養が多めの日であった。

 

午前中の授業が終了し俺はユキトとセンイチといつもの3人で食堂に向かおうとしたときに、

 

メリッサ:「あ、マサキ、センイチにユキトお前らこれから飯か?」

 

ユキト:「そうだよ。メリッサさんも食堂に行く?」

 

メリッサ:「いいや、弁当持ってきたから。そ、それでさお前らいつも食堂飯だろ?た、たまにはさ、あたしとおまえらでさ、弁当食べないか?俺、い、いや、あたし自分の食べられる量考えないで多めに作ったからさ出来ればお前達に食べてもらった方がいいかなぁって思っただけで、無理にとは言わないけどな。」

 

ユキト:「珍しいね、メリッサさんが自分の食べられる量を見誤って多めに作るなんて。」

 

メリッサ:「あ、アタシだって人間だ、間違いぐらいするってーの。」

 

メリッサさんは顔を真っ赤にしてユキトに反論している。

センイチ1人にお弁当を食べさせるのはまだ恥ずかしいらしく、俺とユキトは二人きりをごまかすカモフラージュだろうけど、ここでメリッサさんのとこを思ってあえてパスするのも一手だけど・・・・・

 

メリッサ:「(ボソッ)マサキお前はいてくれ。センイチ君と二人きりだと、あたしまともにしゃべれない気がするから。橋渡しを頼みたい。」

 

などとぼそっと言われてしまった。元々作ってくれたお弁当を無駄にする気は無かったので

 

「俺はご馳走になるぜ。多めに作ったのを無駄にしたくないから。」

 

メリッサ:「(ぼそっ)マサキ、感謝するぜ。」

 

センイチ:「某もご相伴にあずかる。」

 

メリッサ:「ほ、ほんとかお前ら。いやー助かったぜ。」

 

ユキト:「僕はいいや、僕までご馳走になるとメリッサさんの分までなくなりそうだから気持ちだけ頂くね。」

 

メリッサ:「そうか、無理強いはしないよ。それじゃ屋上に行こうぜ。あそこなら風が気持ちいいから飯もうまいぜ。」

 

ユキト:「ぼそっ(マサキうまくやれよ。彼女、君のこと好きみたいだからセンイチ君をだしに二人っきりでお昼はまだ出来ないみたいだから。)それじゃ僕はケンでも誘ってごはん食べてくるよ。」

 

ユキト。悪いけど、だしにされたのは俺の方だと思ったが声に出さずにいた。

 

俺達は屋上に移動した。そこには委員長とカナさんが手招きしてくれた。

 

ユウコ:「メリッサ、こっち、こっち。一緒にお昼食べよ。・・・ってセンイチ君にマサキ君?なんでメリッサと一緒に来たの?」

 

「よっす、委員長。俺達はメリッサさんがお昼一緒に食べないかって誘われて。」

 

センイチ:「某も同上。」

 

「女子会込みのお昼なら俺達は退散するけど。」

 

ユウコ:「女の子同士でなきゃ話せない内容はないけど。」

 

カナエ:「あたいは全然問題ないよ。(ところで、マサキ君。コレってどう言うこと?)」

 

カナさんがバーシスト語に切り替えて俺に話しかけてきた。けど俺は地球語で返した。

 

「どうもこうも、俺達二人とも食事誘われただけだよ。」

 

カナ:「(ふーん、わかったわ。そういうことにしてあげるから、その代わりセンイチ君とメリッサがうまくいったら私に教えなさい。)」

 

「(えっ、ちょ・・・・おまっ、何で判った?あっしまった!!)」

 

カナ:「(やっぱり、カマかけて正解だったわね。メリッサの態度観てればバレバレよ、センイチのことが好きなのは。気付かないふりしてあげるからうまく離れるわよ。)」

 

「(ぜ、善処する。)」

 

ユウコ:「ちょっとカナちゃんマサキ君ここは地球なのだからバーシスト語で隠語使用は禁止よ。」

 

カナ:「ごめん」

 

「何で俺まで」

 

そうしてそれぞれが弁当箱を開けると、ユウコさんは卵焼きにミートボール野菜炒めに海苔弁当とスタンダードな弁当であった。

カナさんは焼き肉弁当に申し訳程度の野菜サラダとウサギカットしたリンゴが別容器に入っていた。メリッサさんはきんぴらごぼうやおひたしといったおかずに豚のショウガ焼きが上に乗った弁当が4人分の弁当箱が用意されていた。

 

ユウコ:「メリッサ、誰かに弁当上げるにしてもその弁当の量おかしくない?」

 

メリッサ:「そうか?あたしは普通に2~3人前だべるけど4人前作ったのは只作りすぎただけだぜ。」

 

カナ:「ふーん、誰かにあげるためにわざと多く作った訳じゃじゃないのね、まぁいいわ。普通にお昼食べましょうか。」

 

そうして俺達は普通に食事を開始した。

 

センイチ:「メリッサ殿が作ったこのきんぴら良く味がしみて美味ですぞ。」

 

メリッサ:「そ、そうか、よ、良かった。きんぴらごぼうはこないだ料理本買って初めて作ってみたから味は自信ねーけどな。」

 

センイチ:「とんでもない。手ほどき書を片手にとはいえ、これほどの味を出せるのはなかなか腕がある証、メリッサ殿に毎日食事を作って貰える殿方が羨ましいぞ。」

 

こいつメリッサさんが誰を好きなのかは気づいていないな。あーあメリッサさんが若干悲しい眼になっちゃったよ。

 

「メリッサさんごめんね。何かメリッサさんの弁当とったみたいで。」

 

メリッサ:「いいや気にするな、マサキ。今日のあたしは2人前でいいぐらいだったから。」

 

「このショウガ焼きもうめー」

 

ユウコ:「(ぼそっ)ねぇカナちゃん。メリッサってセンイチ君の事が・・・・・」

 

カナ:「(ぼそっ)さ、さぁ私には判らないな(震え声)。」

 

ユウコ:「(ぼそっ)マサキ君は何か知っているの?」

 

委員長が俺らバーシストと地球のハーフである特徴を活かしてかなり小声で問いかけたけど隣にセンイチがいるので、言葉には出せず否定の方向に首を振るしか出来なかった。

このお昼でメリッサさんがセンイチのこと好きなのをカナさんはお昼前に感づいて、委員長はうすうす気づいたと思うがセンイチはあまり気づいていないと思う。

 

午後はPGのシミュレーターで基礎行動を行った後、本日整備部はお休みなので俺はそのまま帰宅した。

 

 

三人称side

 

 

ここはとある地球にあるPGファクトリーでPG学園からのPG本体やカスタムパーツもちろん学生で手に負えない重度の整備が必要になるとここで製造、整備、重傷修理を行う工房である。

 

ファクトリー社員A:「しっかしこのRAIUN KAIGATAのパイロット、学生なのにどうやったらここまでひどく壊せるのさ?」

 

そこにはマサキ・ゴトウのこれから毎日動かして癖やワークパターンを覚えさせるはずだったPG RAIUN KAIGATAがクレーンとワイヤーにつるされていた。

 

そこに来たのはフェイ・リンシーと顔はよく似ているがフェイより身長が高く170後半はある男性だった。彼はコウ・リンシーでフェイの3つ上の兄である。

 

コウ:「まぁそう言ってやんな。テロに巻き込まれてパイロットは軽傷で済んだみたいだし、この機体のデーターの抜き取りは終わっているし、廃棄が決まっているからジャンクPG作っているお前からすれば取り放題じゃないかイチロウ?」

 

イチロウと呼ばれた整備士:「まぁそうなんだけどさ、それはいいけどあっちのFOXTAILカスタムタイプはどうなるのかね?」

 

コウ:「それは俺にも判らん、何でもPG学園を退学になった奴の機体で確か機体は、おーでん・・・・・いやオードブル・・・・・あっ、そうだODINだ。」

 

イチロウ:「こいつは解体許可一向に降りないから僕たちはアレには触れないでおこうよ。」

 

コウ:「そうだな。よしPGJX-C-01のデーターはこっちのPGJX-02CC SIMAKAZA(島風)に移すから手伝ってくれ。」

 

イチロウ:「おう任せろ。」

 

三人称side END

 


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