そのあとユキトが模擬戦の賭けに勝ったユキトの昼ご飯をおごる代表を決めようとしたらカナさんが
カナエ:「オキサキ君に賭けたあたいが3人分のお昼おごるよ。それに言いだしっぺの法則だしね。」
とあっさりユキトだけで無く俺やセンイチとの分まで出してくれた。さすがに大金つぎ込むような食事はしたくなかったので。カツカレーぐらいで収めておいた。
ここの食堂は設備の割に安価で大盛りの食事にありつけるだけでなく、地球人の料理や交流のある異星文化の料理も用意はしてくれるので他惑星の民からすれば至れり尽くせりである。テーブルについて食事を開始してすぐに
フェイ:「あれー、マサ君。なんのかんの言いつつパイロット科のメンバーと仲良く出来るね。」
そう言って整備用つなぎに身を包んだフェイ・リンシーが声をかけてきた。
「あっ、フェイ。ここあいているから一緒に飯食わない?」
「うんいいよ。」と返して俺の正面に座ってユキト達にフェイの紹介をした。
「この子はフェイ・リンシー。整備科所属のしている俺の幼馴染みで生粋の地球人だ。」
それを皮切りに各員が自己紹介をはじめた。
センイチ:「某はセンイチ・シノミヤと申す。グラップラー志望故、以後お見知りおきを。」
ユキト:「僕はユキト・フォールダートと言います。レーサー志望ですのでよろしくね。」
カナエ:「あたいはカナエ・ヒノムラよ。まぁ見てわかる通り、マサキ君と同じバーシストのハーフだけど、私はエアパイロット志望よ。」
フェイ:「フェイ・リンシーよ。マサ君と同じ整備士候補生よ。目標は僕の整備した最高のPGをどの分野でもいいから世界一にのし上げる事よ。」
その言葉を聞いた3人は固まっていた。
フェイ:「えっ?あれ?ぼ、僕何か変な事言ったかな?」
ユキト:「ううん、とんでもないよ。僕やセンイチ君には一緒にトップの取れる整備士に会えたことに喜んでいるのだよ。」
「おーいユキト君、それはまだ早いぞ。青田買いするにしても、もう少し育つのを待とうよ。」
フェイ:「ユキト君だっけ?僕の整備技術は高校生にしては抜きん出ているかもしれないけど、プロからすればまだまだ新芽同然だからここで勉強しないといけないのよ。」
フェイの奴はああ言っているが、フェイの実家の裏においてあった旧型のPGをリンシーPGファクトリーでおもちゃ同然に分解整備と改造を繰り返しFCSこそ積めないが農作業用に父が良く借りて使用しておりこんなことを言っていた。
(凄いな。リンシーさんとこの娘さん。旧型といえどもPGをここまで丁寧かつ高出力に仕上げるなんて天才だよ。)
と、かなりの才能が中学一年の時に片鱗を見ていた。
お昼を食べ終わってオキサキの模擬戦のあとアリーナ整備とメンバーチェンジの都合上、午後からの模擬戦を組まれており、成績が先行して専用機が配布されるメンバーはメーカーや軍からの推薦や入学試験の上位5人で入学した生徒のみに配布されるのである。授業で専用機持ちとして先生と模擬戦を行ったのはカナさんだった。
カナさんは入試試験で主席の成績だったため専用機が先行して配布された。
彼女の機体は、PGJX-C-2022 FUKOROU(梟)で元になった機体はPGJX-02FI KAGURA(神楽)である。この機体は空戦よりに設計された機体で、2脚式だが鳥獣類に見られる逆間接式を採用しており、フライトユニットをオプションで装備しなくても飛翔可能な数少ない機体であり、スラスターやブースター能力は通常間接に比べ1.6倍のあり、全長は6.30mと2脚式PGの平均全長と同じぐらいだが重量が6.28tとかなり軽めに作られている。
彼女のPGは、飛翔能力を駆使して善戦はしたけど相手が悪くKOTETUに両足首の関節を切られて白旗を揚げた。
他の専用機持ちは順をおって模擬戦が行われる事になった。ユナさんはPGAX-C-20221 DIAMOND FLOWER(ダイヤモンドフラワー)で元となった機体はPGAX-02B2 HONET SPEAR(ホーネットスピア)ではあるが、左肩にダイヤモンドで出来たバラがペイントされているぐらいで外見はどこをどうカスタムしたのか判らない。
元々HONET SPEARは格闘戦に重点を置いたパワード系のPGで重量も9tオーバーもザラである。彼女は教員模擬戦において唯一女子でゴトウ先生に勝利した生徒である。
最後にユキトの機体はPGJX-C-1061 GREEN TORNADO(グリーントルネード)であり、元になった機体は、PGJX-01FR SIPPUU(疾風)である。この機体は、外見だけならデータで見た彼の叔父ジョセフ・フォールダートの乗っていた機体PGJX-C-1005 BURST STREAM(バーストストリーム)と使用しているヘッドパーツを除けばほぼ一緒である。
先生との模擬戦は対戦相手のコバヤシ先生を速さで圧倒し勝利した。
先日コバヤシ先生にボコにされたオキサキはARCTから推薦らしくあいつに渡ったFOX TAILはかなり軍用強襲型にカスタムされていたのはそのためである。
ちなみにシルヴィアさんは成績こそ良いけど成績はベスト10ぐらいだったので専用機持ちではないけど皆と一緒にPGAX-01 SERC REIDを選択した。
あの事件から1週間経過し、何事もなく専用機を持っていない一般生徒各員にPGが配布されることとなった。
専用機を先行して受け取ったメンバー以外の生徒は、半日かけてフィッテイングやフォーマットやパーツ調整も行われる事となった。
次の日は早速届いたPGの基礎的な動きの学習とシミュレーターとの差分を実体験するなどして、PGになれていない大半の生徒がグロッキー状態だった。
その理由は単純でPGX-01シリーズは第2世代以降についているGキャンセラ-が未装備である為、何が起きたかと言えば単純にPG酔いである。
さすがにリバースしたメンバーは居なかったが、Gキャンセラ-を後ほど追加改修するまで我慢するか、慣れるかのどっちかをしなくてはいけないのである。
さすがにシミュレーターで120点以上たたき出している俺を含めた専用機を持っていないメンバーと、ユキトやユナさん達専用機持ちは平然としていた。
もちろんセンイチも126点をたたき出しているのでぴんぴんしておりそれどころか
センイチ:「大丈夫ですか?タオルと水です。」
学友A:「ああっ悪いな。」
センイチ:「お気になさらず」
学友B:「センイチ君優しいね。ありがとう。」
とつぶれているクラスメイト周辺に気を配りおしぼりや適度に冷たい水の入ったペットボトルを配布している。
それから、数日後・・・・
基礎的なPG操作も覚えてきたので、前もって申請しておいたアリーナ使用許可書とPG使用許可書を申請して、センイチとPGの格闘練習をするために専用機持ちのユキトとカナさんが立ち会ってくれた。
「このー!!パワーだけで押し切れると思うな。」
センイチ:『マサキ殿も、重量もパワーも劣る機体だからこそ良く粘りますね。』
俺はRAIUNだが、センイチはHONET SPEARと初期状態でも全長 6.87m重量 8.99tと俺のRAIUNが6.99mで8.02tと重量だけでも1t近くも差があるが、俺の出身地であるヒノモト諸島発祥の格闘技柔道の戦い方に(柔よく剛を制する)という言葉があるので、重量が下でも戦えるのである。
今の俺たちの状態は力比べで拮抗していた。
俺はセンイチのPG HONET SPEARの足払いをして力がゆるんで来たところで手を外し、少し距離を開けてからボディーチャージをかけた。
センイチ:『ぬおぉぉぉ!!足下が揺らぐ』HONET SPEARが思いっきりすっころび
「これで、終いだ。」
俺はコックピット寸前で寸止めして握った拳は開き、起こすためにHONET SPEARの左腕に手を近づけた。
「大丈夫か?センイチ。」
センイチ:『かたじけない。マサキ殿。』
HONET SPEARの左手が俺のRAIUN右手を握り彼の機体を起こした。
格闘練習と動きの復習がてらセンイチとPGで組み手をしたけど、辛うじて俺が勝利したけど、今のままだと10回戦って7回は負ける計算だ。どの分野に行くにしてももう少し強くなりたいと思った。
組み手終了後、俺たちはそれぞれのPGから降車するために片膝をついて胸部にあるコックピットハッチを開けてそこから降りた。
センイチ:「さすがですね、マサキ殿。無改造のRAIUNで某のHONET SPEARとここまで渡り合えるとは。」
「偶々だ、俺の見立てじゃ10戦したら3回しか勝てないと思うぜ。ところでよ、センイチ。今更だけどちょっと聞きたい事があるがいいか?」
センイチ:「某が答えられる範囲でなら何でも答えよう。」
「1年生の専用機持ち以外はSERC REIDかRAIUNを選んで支給されるはずなのに、何故HONET SPEARなのかなと思ってさ?」
センイチ:「マサキ殿、聞き及んではないのですか?今学年より専用機持ち以外で明確な目標のある生徒にはそれ相応に応じた量産機を配布する事になっているのですよ。」
俺は少しうつむきながら声のトーンを落として答えた
「聞き及んで無いも当然だよ。俺はPGのメカマンになる目的でこの学園の門を叩いたんだぜ。学校説明会でも整備科前提での話しか聞いてないから、知っているワケね-よ。」
センイチ:「ああっ、マサキ殿失礼仕った。某、とんだ失言をぉぉぉ。」
「いやっ、そこまで嘆かれるとこっちも申し訳ないから頭上げてくれ。」
センイチは己の失言を嘆き、己が拳を地面にたたきつけしばらくは悔やみ続けた。
それを見かねてユキトが少し前に出てきた。
ユキト:「マサキ君。センイチ君があんな感じだから僕の方で説明するね。」
「お、おう頼むよ。」
「実は今学年から入学時支給されるPGは従来のSERC REIDとRAIUNに加えて4種類に増えたのだよ。」
俺がほうほうと相づちし、その後も続けて
「建設や土木、更に言えば重量系のPG格闘大会を目指す生徒にはパワー系のPGAX-02B2 HONET SPEARを、地上レース系を目指している生徒にはPGJX-01FR SIPPUUが配布されるんだよ。」
「へー、そいつは知らなかったよ。」と返した後、ユキトは続けて語り出した。
「大丈夫だよ、マサキ君。SERC REIDとRAIUNのどちらかを選んだ生徒でも成績と方向性が決まった生徒には、さっき言った2機にプラスPGJX-02FI KAGURAか、PGAX-02S FOX TAILも選べるようになるんだよ。カナエさんが最初からKAKURAを愛機にできたのはそういうこと。」
「なるほどな、FOX TAILは機体で見ればいい物なんだけど・・・・あれは選びたくないな。」
俺たちが喋っているとアリーナに人影がありその人がこっちに向かって喋り出した。恐らくフェイだ。
フェイ:「マサ君センイチ君。あとでガレージに行ってレギュラーメンテナンスぐらいなら僕でも出来るから後で見せてね。」
センイチ:「フェイ殿、ご厚意痛み入る。ありがたくお願いする次第です。」
フェイ:「センイチ君ってしゃべりがずいぶん硬いけど、それじゃ後でガレージに行くから。」
そうしてガレージに戻した機体をレギュラーメンテナンスして今日は終了した。明日学園は休みだけど仲良くなってきたメンバーと街で過ごすのもありだと思いながら家路についたのであった。
三人称side
ここは地球某所・・・・そこは今時珍しいろうそくの灯でともったかなり暗い部屋に顔が分かりにくいが3人ほどが密談していた。2人は青年でもう1人は太り気味の中年男性だ。
その内の1人が計画の全容を聞いて中身を確認した。
???A:「なぁ―――さんよ。本当にそんなことやるのか?」
???B:「ふっ、当然だ。あの野郎に死んだ方がましなぐらいの苦しみを別けてやらなければ俺の怒りが収まらん。」
???A:「若。若の実力ならそんな青二才簡単に淘汰できるのに何もそこまでしなくても。」
???B:「あぁっ。おい、ヴァルド。てめー、この俺に意見しようって言うのか?」
???A:「も、申し訳ありません。出過ぎた発言でした。」
???C:「ヴァルドよ。若がこう言ったら意見具申は誰も出来ないよ。」
???B:「そうだ、ヴァルドにサイサリス俺がこうと決めたら意見を変えたか?」
???A:「そ、そうでしたね、若。では作戦決行時までしばしのお別れです。」
???B:「うむ、では頼んだぞ、お前達。」
それで行くと決まり密談が解散し、ヴァルドにサイサリスと呼ばれた2人は出て行き、そこに残った男に月明かりが入ってきて密談をしていた男の1人はマサキと同じくPG学園の制服を着ていた。
???B:「マサキ・ゴトウ。俺と最初の模擬戦がお前の最後だ。」