PGの操作も一通りの基礎の基礎をたたき込まれた。5月下旬にもなりPGにエクステンションパーツの授業も追加された。
ミヤコ:「いいか、お前達。エクステンションパーツ(以後EXP)とは腕部、腰部、脚部に装着できるユニットシステムであり、片手武器用のマガジンをセットして弾数を増やす為や、背面ブースター以外のサブブースター、ショベルアームや工業用パイルバンカー、キャタピラータイプランドスピーダ等と多岐にわたりスタンダードタイプ代表格のRAIUNやSERC REIDでもパーツ交換やEXP次第では如何様な行動も可能であると言う事を覚えておけ。」
今日一時間目授業はEXP基礎である。この授業で教鞭に立っているのは家の姉貴である。
ミヤコ:「EXPは元々従来から有る重機と共同で作業できるように設計されたパーツが初めてで、それの始祖とも言えるパワーアームは現在でもバージョンが変わってもその利便性は変わらずある。」
姉の授業は要点をまとめてわかりやすく授業を進めてくれるので、こちらもNOTE padにそれを書き上げてメモリーチップに記憶させていく。
え?NOTE pad ?あえて言うなら通信機能の無いタブレットだと思ってくれればいい。
まぁ話が思いっきりそれましたな。数日かけてEXPの講習とトレーニングをするのは6月の上旬に入るとPG学園の体育祭が催されるので、どうしてもPGのEXP講習が必要になるのである。
いくらここ国立PG学園が人類の進出した星と、交友のある惑星の生徒がパワード・ギャリーのノウハウ学ぶための学校だからと言っても、ここは国立の高等学校の為、体育祭、文化祭に修学旅行、更に部活動と高校生としてのお楽しみは充実しているのである。
体育祭は普通に100m走や400mトラック走×4周の1600m走、障害走、綱引き、騎馬戦と言った普通の人間のみで行う競技だけでなく、そこはやはりPG学園。PGを使用した競技もあるのでEXPを使用したパワーアームを使ってクラス対抗棒倒しなる競技がある為である。
それ以外にPGを使った射撃と生コン運びレースのみであるので、人とPG両方の訓練成果がでるのである。
きりの良いところで授業終了のチャイムが鳴り家の姉貴は
ミヤコ:「次の授業が始まったらSHRをはじめて体育祭に出る競技を決めるぞ。今のうちにどれに出るか考えておけよ。」
そう言って教室を出て行った後、各自がどの競技に出るかを思考している。ユキトとセンイチが俺の机に近づいて来た。
センイチ:「マサキ殿とユキト殿は何にでる予定でしょうか?」
ユキト:「僕はそうだね、100m走は全員参加だから仕方ないとして、100m障害とレーシングPG対抗ハードトラックレースにでてみようかな。」
センイチ:「某も400mトラック1600m走と生コン運びにでてみようと想う。」
「せっかくだから俺はクラス対抗PG棒倒しと騎馬戦に出ようと想う。それにシミュレーター実践にも出ることになりそうだ。」
ユキト:「それは確かにそうだね。シミュレーター成績上位者のメンバーはその競技は強制だからね。」
二時間目は予告通りSHRから始まり全員参加の100m走、100m障害走、綱引きを除いて各員がそれぞれの出たい競技を自ら手を上げてどの競技に出るかを明確にした。
その後の授業は普通に行われて、次の20分休憩に入り男女共にそれぞれの更衣室に向かって着替える事になっている。
3、4時間目は先ほど決まった体育祭の練習をするための体育だ。ストレッチや軽くランニングをして今日はトラック競技を中心に進んでいった。
各自が自身のペースでトラックを走り最低でも15周するようにと言われたので、俺はある程度スピードを出しつつもバテないように調整しながら、トラック17周で終了した。
他のメンバーはと言うと、ユキトはレーサー志願と言う事で、ジョギングペース17周で終了し、カナさんは同じくジョギングペースとして15周にてフィニッシュ。
アノ馬鹿こと、クウヤ・オキサキは短距離ランナー並みのスピードで20周して終了したが自分と同じペースではしって15周で止めた連中に無言で見下していた。
こいつ、一般生徒にすら見下す野郎なのは知っていたが、ここまで露骨に見下すのかよ。
俺が彼女の近くを通るとあの野郎からの視線を感じて
「あぁオキサキ君に見下されている。今日もご飯が美味しく頂けるわ。」とぼやいていた。
ちなみのこのドMお嬢さんはミレール・セルバスと言って生粋の地球人であり、茶髪で肩先までウェ-ブの掛かった髪で今時珍しいそばかすがチャームポイントにしているお嬢さんである。
しかし、それ以上にランニングでなく完全に全力疾走でトラックを走っている奴が居た。
「「ぬぉぉぉまぁーけぇ-るぅぅかぁぁぁ!!」」
と咆哮を上げながら走ってくる2人は、まるでギャグマンガなら膨大な土煙を上げて横並びで走ってきたのは、センイチと内のクラスのメンバー、メリッサ・リードである。
彼女は生粋地球人ではなく、地球人とベルガー星人のハーフで、彼女の特徴は男と間違えるほどのがっしりとした筋肉質の体型に褐色の肌で有るけど、女性らしい体つきと体型のわりに大きすぎず、小さすぎずの胸囲はある。自然なブロンドヘヤーにショートボブの髪型で右横に白と青のツートンカラーリボンをつけてはいるけど、下手な男より高身長で筋肉質なので女性とわかっていても女性ファンが多いのである。
ちなみに彼女の趣味は可愛い物を愛でる事と花を育てる事だ。
俺が運動後の軽いストレッチをしていたら、あの2人は400mトラックを25周してやっとゴールしたけど、二人とも大きく息を切らしていた。まぁ無理もないあれだけプロの短距離ランナー並みのスピードで400mトラックを25周もすれば、よほど走り慣れている人間なら息を切らさずに済むのだ。
センイチ:「はぁ・・・はぁ・・・そ、某と同じ持久力を持っている女人が居るとは驚いたぞ。」
メリッサ:「お、俺の方も驚いたよ。体力や持久力じゃ、はぁ・・・はぁ・・・右に出る者が少ないベルガー星人と同等の身体能力で対等に渡り合うなんて。」
「おいおい、センイチにメリッサさん。二人揃ってあそこまで馬鹿みたいに走らなくても良かったのに。」
メリッサ:「マサキ君にはわからないかもね。あそこまで来ると俺とセンイチ君との意地と意地のぶつかり合いだから引くに引けなくて、あははっ。」
「だからといってそこまでしなくてもいい気がするけど・・・・。」
シルヴィー:「まぁまぁマサキさん、良いではありませんか。わたくしは、メリッサさんほど体力はございませんけど、センイチさんの体力は地球人の身体能力を大きく凌駕しているように見えますわ。」
センイチとメリッサさんがトラックで全力疾走していた時に俺のとなりでストレッチしていたシルヴィアさんが二人に声をかけた。
メリッサ:「そうかもしれないけどよぅ、シルヴィア。俺にだって男女不問で譲りたくないモノがあるのでね。」
シルヴィー:「ベルガー星人の身体能力は女性といえども、鍛え上げた地球人の殿方以上に優れているのですからそちらは誇ってよろしいのですわ。」
メリッサ:「ま、まぁシルヴィアがそこまで言うならいいけど、それじゃセンイチ、この後一緒に飯食うか?」
センイチ:「某だけでなくマサキ殿達と一緒ならそのお誘い喜んでお受け致す。」
そうして体育の授業が終了し各自着替え終わって俺、カナさん、シルヴィアさん、ユキトにセンイチ、メリッサさん揃って食堂に向かって昼食を済ませた。
今日は体育の後は本日の授業はお終いなのだが、昼食を食べ終わって掃除の無い人は体育祭用に開放された第2アリーナでPG競技の練習ができるため、そこに集まってきた。
俺やカナさんも練習の為に第2アリーナに自分のPGを持ち込んで練習に来て見ると、ユナさんの専用機DIAMOND FLOWERが生コン運びの練習をしていた。
ユナ:『あら?マサキさんにカナエさんではありませんか。貴方たちも練習を?』
カナエ:『そうゆうこと。あたいだって専用機持ちの端くれなんだから練習しないと。』
「俺だってそうだよ。PG操作の復習も兼ねてね。と、言ってもEXP訓練は明日からだけど他の操作もしてみたいからね。」
ユナ:『それでしたら、わたくしとこちらの生コン運びなる競技の練習にお付き合い頂きたいのですがよろしくて?』
「ああ、いいですよ。俺で良ければユナさんの練習付き合いますよ。」
生コン運びはPGの建設業界に進むのに不可欠なスキルの一つであり、用意された生コン精製機からPG用の猫車に一定量の生コンを排出してゴールまで運ぶレースである。
ただし、練習や体育祭では軟化剤や硬化遅延剤を混ぜてはあるけど、一般的な生コンと同比重のため、猫車の扱いは人同様に繊細であるが、人以上にあちらこちらに神経を使うためランドスピーダを使用してのスピードレースではないのでいかにこぼさずに運ぶが重要である。
まずはPG用の猫車を空荷で押してみるとバランスは問題なく取れて楽にゴールは出来た。
カナエ:『それじゃマサキ君。今度は生コンいれて動かしてみようか?』
「おう」と短く返して精製機から生コンを3000kgほどいれて猫車の持ち手をあげて押してみたら
「あ、あれ?持ち上がるけど、バランスとるのが難しいぞ。」
ユナ:『気をつけて、マサキさん。この生コン運びは人間の一輪車と扱いは同じですが、生身以上にバランスコントロールが繊細ですから。』
「こ、これは・・・・・おととっ・・・・あぶねー。ふぃー、危うく生コン地面にぶちまけるかと思った。」
危うくバランスを崩して生コンを路面にぶちまけるのは回避できた。精製機から生コンを投入するバレットまで1000mは有るので、これをランドスピーダありなら楽に進めるが、この競技は逆にランドスピーダを使うとバランスが悪くなる為使えない、使うと猫車ごと転倒してしまうからである。
ユナ:『マサキさん大丈夫ですか?』
「おう、大丈夫。猫車持ったままころんだワケじゃないから。ユナさん心配してくれてありがとな。」
ユナ:『い、いえわたくしの練習にお付き合いしてもらっていますから、当然ですわ。』
四苦八苦しながらバレットに生コンを投入できたけど普通にPG操作しているより神経が削られた。
「ふぃー。これ難しいぞ、こんなのが建設業界には最低必須だなんてすげーなおい。」
ユナ:『マサキさんはこの後、どのPG業界に進むかは存じ上げませんけど、わたくし同様あらゆる物を吸収して自分の物に出来れば万能ですわ。』
「そうかもな、何でも挑んでみるか。」
ユナ:『そうですわ。何事も挑戦しなければ自分に何が適合しているのか判りませんからね。』
俺とユナさんがPGに乗車したまま何気ない話をしていると、掃除を終えてユキトとセンイチが、PGに乗り込んでアリーナに進入した。それぞれのPGはGREEN TORNADOと左肩に「鬼」と書かれた兜飾りのエンブレムを付けたHONET SPEARが近づいて来た。
センイチ:『マサキ殿。某達も自主練のために参上仕った。』
ユキト:『ヤッホー、マサキ君。僕も練習に参加するよ。』
「ユキトにセンイチも来たか。それにしてもセンイチ、お前らしいエンブレムをペイントしたな。」
ユキト:『某もこれが板につくと思いお願いしたのです。』
「俺は一端降りるぜ。」
その後俺はPGを降りて待機していた所にトラックを数周した後にユキトも降車してランドスピーダレースのため俺にデルタエッジターンのやり方を聞いてきたが俺も口下手で有る事を説明して
「今度家に来たら俺が父さんからたたき込まれたシミュレーター体験してもらうか、俺のランディング見て独学で学ぶかで勘弁してくれない?」
ユキト:「うーん、それじゃマサキ君のランディングを一度見てテクニック学ぶしかないのかな?」
???「ほほぅお前はデルタエッジターンをゴトウから学びたいのか?止めておけとは言わないが、ランディングも私に比べれば未熟だからな。」
そう言ってパイロットスーツを着て近づいて来たのは家の姉貴だった。
「あねk・・・いや、ゴトウ先生何か用でしょうか?」
ミヤコ:「ゴトウよ、一応公私をわきまえているようだな、関心関心。だが、フォールダートよ。デルタエッジターンに関して言えば一朝一夕で体得出来るモノではないが、コツはお前ぐらいなら数回見ただけで体得は出来ると思うが、楽な道ではないぞ。」
ユキト:「ゴトウ先生。何故パイロットスーツでここに?」
ミヤコ:「お前らの目は節穴か?あそこに私のKOTETUが降車待機状態にあるのを。」
「「あっ」」と俺とユキトがユニゾンで声を上げた後も続けて
ミヤコ:「PG競技の放課後練習は教員が3~4名専属アリーナに指導並びに監視が仕事だからな。それと贔屓してお前だけにデルタエッジターンを教え込む訳にはいかないからな」
そう言って家の姉貴はここから離れてKOTETUに再乗車して生徒達を指導するのであった。
その後、俺たちは体育祭の自主練習をアリーナ閉鎖時間まで行った。
三人称side
ここは地球某所。
明かり一つも灯っていない廊下をパイロットスーツと暗視スコープのみ付けて歩いている男1人が歩き、ある個室に暗号と合い言葉を言いあげてそこに入った。そこには通信モニターと監視員1人だけの殆ど何も無い部屋だった。
その部屋に入ってきたのは学園の制服を着た男と密談していた、コードネーム(サイサリス)と呼ばれ、ここでは別の人間とモニター越しに密談をしていた。
???『どうだった?サイサリス。アノ馬鹿がウンと言ったか?』
サイサリス:「ああ、上出来だよ。PG学園に襲撃するにはこの手のイベントが丁度いいからな。」
???『この1件が成功失敗問わずに終わったら、アノ馬鹿の元を離れて本来の任務に戻る事を許す。ただし生きて戻る事だ。いいな?』
サイサリス:「やっとアノ馬鹿のおもりから開放されるのか。それでは予定通り体育祭2日目に決行でいいですね?」
???『無論だ。‘’あのお方‘’のお気に入りとはいえ我々のおもりはもう不要だ。我々に栄光を。』
サイサリス:「我々に栄光を。」
とサイサリスが返した後に、モニターの電源は切れた。