「お兄様、真実は全てカレンの頭の中なのですよ。そろそろ白状するときが来たのですっ!」
「白状? 一体何の話?」
学校からの帰宅後に早速お兄様に問い詰めました。しかし、お兄様は首を傾けてあくまでもとぼけるつもりなのです。でも、賢いカレンの前にはそんな小細工通用しないのです。
「しらを切っても無駄ですよ、お兄様。カレンには全て、お見通しなのです。」
「……ようやく理解してくれたか、俺がいじめられていることに」
お兄様は、まだその作り話をカレンが信じているつもりのようです。……これは、悔い改めさせる必要があるのです。
「……カレンは、お兄様の嘘が大嫌いなのです。それ以上嘘を続けるのなら、カレンは過激な手を使わなければならなくなるのです」
「過激な手……何するつもり?」
お兄様はようやく自分の置かれている状況を理解したのですよ。そうなのです、このままでは私は過激な行動に手を染めざるを得ないのです。
「ふふふふふ、このビラをばら撒くのですよ。あの金髪の顔写真、個人情報、そしてお兄様とのニセいじめシーンの動画のURL。これをばら撒かれたらお兄様のお友達が大変な目にあってしまうのです。……あ、安心してください。お兄様の顔にはモザイクを施しましたから」
「……勝手にしろ」
なっ、なのですよっ! カレンの目を欺くための芝居なんかの為に、友達を犠牲にするなんて。……お兄様は、間違ってるのです。
「お兄様、目を覚ますのです! 友達を大切にするのですよ」
「目を覚ますのはカレンの方。そんなことしても、ろくなことにならねえぞ」
「彼は、お兄様の闇を払うための尊い犠牲となるのです……」
可愛そうな金髪ボーイ。でも、彼の犠牲のおかげでお兄様はきっと自分の愚かさを自覚することになるでしょう。ふふふふふ、なのですよ。
「今日は若村頌平が休みだ。日直の須田、しっかりと日誌に記しておけよ」
「あいよ~」
……僕の名前は須田義。常に刺激を求めているけど、自分から動くようなことのない平凡な男子高校生だ。今日は僕が日直で、先生からの指示を受けたところだ。
今日は快適な日だ。何故ならあのうるさい金髪がいないからな。こんなに心地よいことはない。
「何リラックスしてるんだ須田! お前は日直としての責務を果たせ」
そういえば、この先生もうるさかったな。まあそんなことはどうでもいいけど。……あっ、筆箱忘れてた。これじゃ、何も書けないよ。
「ちょっとシャーペン貸してくれない?」
「え、あ、はい。どうぞ」
僕は、金髪にイジメられていた男子生徒からシャーペンを借りた。……正直、僕は彼のことを尊敬している。彼は金髪達の理不尽な仕打ちに対して、毎回毎回正論を突きつけるのだ。まあ、結果的にはクソみたいな教師や声のでかい金髪に怯えてあいつの言いなりになる僕たちクラスメイトによって押さえつけられはいたのだが。
顔では怯えながらも、言葉は弱気にならずに毎回冷静さを保っていた。これは普通の人間にはできない。尊敬すべきである。
それに比べて僕はどうだ。例え金髪がおかしなことを言っていたとしても、場の空気を壊さないように彼の言葉に従うしかなかった。反論なんて、とてもできなかった。金髪に従って、彼の事を傷つけてしまうことも何度かあった。
僕たちはなんてひどいやつなんだろう。どんなに彼が自分を突き通して金髪に抵抗しても、クラス全体で彼を否定してしまえば彼も折れざるを得なくなってしまう。ああ、凄い罪悪感。
……あれもこれも、全て金髪のせいだ。金髪さえいなければ、こんな思いをしなくてよかったのに。ああ、金髪が憎い、金髪が憎いっ!
ドン!!
僕は金髪への怒りのあまり、思い切り机をたたきつけてしまった。鋭い音が昼がるとともに、クラスのみんなが俺に注目してしまう。……とても、恥ずかしい。
チラッ
ああ、憧れの結城さんが僕のことを見ている。彼女に、変な形で注目されてしまうなんて。穴があったら入りたい。穴がないからスマホをやってごまかすしかない。スマホをやっている時間はほかの人の顔を見ないで済むので気が楽だ。
……お、SNSに大きな話題があるぞ。トレンド1位じゃん。なになに、『金髪いじめ、さらし事件』?
……これ、僕のクラスじゃん。
好きなキャラは?
-
カレン
-
結城さん
-
金髪
-
主人公