俺と暴走妹   作:Atlantis

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結びつく

 

 窮屈な世界だった。皆はグループを作り、その中の人とだけ仲良くする。狭い交友関係。みんな他のグループの人とは出来る限り関わろうとはしなかった。

 

  窮屈な世界に、私はうんざりしていた

 

 そんな私の世界を変えてくれたのがカレンちゃんだった。

 

  私の名前はヒマリ。カレンちゃんの大親友。

 

 

「ディスクを入手してきたのです。さあ、今からこの機械をつかって……ふふふふふっなのですよ」

 

 いつの間にか彼女の机の上には変な機械が置かれていました。カレンちゃんはその中にディスクをぶちこみます。

 

「......これで! お兄様にマル秘映像を届けることが出来るのです。カレンの優しさを、思い知れ! なのですよ」

 

 いつも自分の世界に入りこんで、奇妙なことをしてばかり。本当に困った存在です。

 

 

「素晴らしいことだと思いませんか? ヒマリちゃん、そして高木くん!」

 

 カレンちゃんは突然、私と私の近くにいた男子生徒に話をふってきました。

「え? あ、そうだな………………ぷっはははっは!」

「え、そ、そうだね………………ふふふ、はははっ!」

 

高木くんと視線があい、思わず二人で笑いあってしまう。とつぜん無茶な話題をふられても。

 

 カレンちゃんには、不思議な力があります。いろんな人を結びつける力です。彼女と一緒にいると、いろんな人と関わるようになります。男の子、女の子、上級生、先生。普通では関われないような人とだって、カレンちゃんと一緒にいると話すようになるのです。

 

 前の学校にいたときにはこんなに多くの人と関わることはなかった。カレンちゃんと同じクラスになれたことで、私は救われたのだ。

 

 

「やはり、ヒマリちゃんたちにも分かるのですね。結城様の素晴らしさが。結城様の圧倒的なカリスマ性。カレンはもう、メロメロなのです。……このバッグを見て下さい。黄色いラインが素敵な美しいバッグなのです。結城様と同じものを選んだんですよ」

 

 机の横を指さすカレンちゃん。……けれど、そこには何もない。

 

 

「……カレンちゃん、バッグが見つからないんだけれど」

「な、無くなっているのですよ! 一体誰がこんなことを……あっ! なのです!」

 

 何かを思い出した様子のカレンちゃん。

 

「ディスクを買いに行く途中で、財布だけあれば十分なことに気づいたのですよ。なので、バッグを学校のどこかに投げ捨ててしまったみたいなのです。これは、まずいのです。ヒマリちゃん、カレンは今からダッシュでバッグを探しに行くのです。大丈夫なのです、一限までには戻ってくるのですよ」

 

 そう言い残し、教室から飛び出していくカレンちゃん。……本当に、メチャクチャな人なんだから。

 

 こんなにハチャメチャな妹を持つカレンちゃんのお兄さんは、きっと大変なんだろうな。

 

 でも、きっと毎日が楽しそう。

 

 カレンちゃんの話を聞く限り、二人は友好的な関係のはず。カレンちゃんと仲良く一緒に暮らしているんだろうな。……ちょっと、羨ましいかも。

 

 カレンちゃんに、カレンちゃんそっくりの素敵なお兄さん。私も、カレンちゃんの家に生まれてきたかったな。

 

 キーンコーンカーンコーン……

 

 色々考えていると、授業の始まりの鐘が鳴りました。

 

 

「え、では、これから一時間目の授業を始め……」

「セーフっ、セーフなのですよ。何とか間に合ったのです!」

 

 先生が授業を始めようとした時、カレンちゃんが教室へと滑り込んできました。

 

「ま~たお前か。授業中はあまりうるさくするなよ」

「はいなのです!」

 

 先生たちもカレンちゃんの行動に慣れてきたのか、特に怒る事もなく授業へと移行するようになりました。

 

「ようやく愛しのマイバッグが戻ってきました。とても素敵なバッグなのです」

 

 カレンちゃんはバッグに頬ずりし始めてしまいます。……そんなに大切なら、その辺にポイしなければ良かったんじゃないのかな。

 

「見て下さい、この収納ゾーンを。何と、ここにはディスクをケースごと収納することが出来るのです! 革新的ではありませんか、なのです。早速朝の会中に作成したディスクをここに収納するのです!」

 

 うきうきした様子でディスクをバッグに入れるカレンちゃん。楽しそうで何よりです。

 

「……ヒマリちゃん、一時間目の科目はなんでしたっけ、なのです」

「数学だよ」

 

 突然笑顔を消し、嫌いなものを食べている時のような渋い顔で今日の一限を聞いてくるカレンちゃん。一体どうしたのでしょうか。

 

「そうですか。では、教科書の色は何色なのですか?」

「オレンジ色だけど。ほら」

 

 カレンちゃんに、自分の教科書を見せます。……何故か、カレンちゃんの顔が青くなってきました。今日のカレンちゃんは、ちょっとだけおかしいです。

 

「そ、そうなのですか。へ、へぇ~なのです。でも、カレンのは青色なのですよ。凄いでしょ、なのです」

「それ多分、結城さんのだよぉっ……」

 

 どうやらバッグを勘違いしてしまったようです。

 

「やはりっ、なのですよ。それじゃ、取り替えてくるのです」

 

 授業中にもかかわらず、教室を飛び出してしまうカレンちゃん。私だったら、マネできないな。 

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  • カレン
  • 結城さん
  • 金髪
  • 主人公
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