outwardの世界に異世界転生   作:越波

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第9話 ルーン魔法

 前回森の宝箱ツアーをやった結果、装備はこうなった。

 

 俺(おじさん) ★→前回との差異

  近接武器:★残忍な斧 ★大理石の盾

  間接武器:リカーブボウ

  頭:麦わら帽子

  胴:★ギャンベゾン

  脚:厚手のブーツ

  近接耐性:★22→25

  近接攻撃力:★18→24

  間接攻撃力:31

 

 ミカ

  近接武器:マチェーテ、★語彙目録

  間接武器:木の弓

  頭:パールバードの仮面

  胴:★神秘的なローブ

  脚:★学者のブーツ

  近接耐性:★7→18

  近接攻撃力:12

  間接攻撃力:26

 

 それなりに揃ってきた感じだと思う。特にミカの変化が目覚ましい。

 

 しかしそれだけに確保した装備が多い分、稼ぎは少なかった。銀貨300枚余りなのだが、これはスキルに費やした。

 

 俺(おじさん)

  スキル:★ハンターの目、★スナイパーショット

 

 ミカ

  スキル:★ルーン[ファル]、★ルーン[デズ]、

      ★ルーン[シム]

 

 俺のスキルは弓矢用で、遠距離からのターゲットロックを可能としつつ、大ダメージを与えるスキルである。しばらくはこれで稼がせてもらう予定だ。

 

 で、ミカのスキルは待望の[ルーン魔法]である。

 

 [スパーク]と[火のシギル]の時と同様、組み合わせて使用しなければ効果が出ないのだが、[ルーン魔法]は更に極端に単体では何の効果もないという仕様になっている。

 

 今回手に入れたのは、組み合わせで[ルーントラップ]と[ルーンランタン]を使える3つだ。下位スキルには後一つルーンがあるが、中でも最も俺の印象に残っているコンボから優先で取得する事にした。

 

「その[ルーントラップ]ってのが、強いんだよね?」

 

 俺はクラフトでアイテムを作成しながら頷いた。

 

 [ルーントラップ]は文字通り、魔法で罠――地雷を設置するスキルである。属性的に純魔力系の[エーテル]属性で70のダメージを与えるので非常に強力だ。

 

 何せ、[エーテル]の耐性を持つ敵は少ないし、70となると今の俺が4-5発殴るのと同じぐらいのダメージである。しかも地雷型で味方に当たらない為、設置後は俺がターゲットを誘導して当てたり、俺が殴っている背後からミカが近付いて相手の足元に出せば即時に爆発させる事も出来る。

 

 そして何より――このスキルのダメージは、設置者のミカにヘイトが向かないのである。

 

 前衛役をやると言ってはいるが、このゲームにMMORPGのようなタンク役向けのヘイト管理スキルは存在しない。なので後衛が高火力でバカスカ魔法を連打すると、すぐに敵のヘイトが奪われてしまい、紙装甲の魔法使いが瞬殺されるような事態に陥ってしまう。

 

 しかし相方が[ルーン魔法]で遊んでいる際に気付いたのだが、[ルーントラップ]はヘイトが設置者に向かないので敵の背後でひたすらトラップを連打出来てしまうのだ。

 

「これ、上位コンボの[電撃弾]よりある意味強いかもしれん」

 

 とは彼の素直な感想だが、目の当たりにした前衛の俺も同意見だった。

 

 今はまだ最大MPと消費軽減率が釣り合っていないので連打が効かないが、その片鱗は掴めたのではないだろうか。

 

「えっと‥‥[シム]、[ファル]でトラップ‥‥」

 

 ミカは懸命にスキルスロットに設定した[ルーン魔法]を組み合わせながらコンボを発動させようと苦心している。そもそもゲームに慣れていない彼女に取っては、脳内コントローラーを操作する感覚自体がよくわからないらしい。

 

 ややあって、紫色の光が地面に眩く刻み込まれる。

 

「やった! おじさん、多分これだよね!?」

 

「おう、出来てる出来てる!」

 

 残念ながらoutwardのNPCに干渉する事は出来ないので、せっかく作った[ルーントラップ]は往来の人々に踏まれ続けてながら、ただキラキラ光っているだけだが。

 

 それでもミカは嬉しそうに飛び跳ねながら、MPの続く限り[ルーン魔法]を組み合わせて魔法の光を振りまくのだった。

 

 

 

 

 

 数日後、小さなダンジョンを攻略してみたり復活した[コパル]や[桂化木]、鉱石類を集めては売り捌きながら、やっとの事で俺たちは最後の下位スキルルーンと、[ルーン魔法]のブレイクスルースキルである[マナの保護]と、上位スキルである[秘儀の構文]までギリギリ金額が届いた。

 

 ダンジョンの宝箱から高く売れる大理石装備と[板金鎧]が出なかったら上位スキルまでは手に入らなかっただろう。

 

 これでミカは一通り全ての[ルーン魔法]コンボが使えるようになった。

 

「よし。じゃあ森の宝箱が復活するまで、[ケルネソス]に戻るぞ」

 

 俺がそう告げると、ミカは小首を傾げた。

 

「向こうで何するの? 儲からないって言ってたような‥‥」

 

 確かに前までの俺たちなら、そうだったかもしれない。だがミカも俺も大ダメージを与えるソースが手に入ったのだ。

 

「‥‥砦を攻め落とすぞ!」

 

 俺の宣言にミカはいつもの如く「ワケがわからない」といったジト目を向けるのだった。

 

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