「おや、高槻くん」
「藍染隊長! こんちは」
曲がり角を曲がったら、知った顔。
柔らかそうな焦げ茶の髪の毛に、知的というよりもっさりしたような黒縁眼鏡。奥の垂れ目は穏やかな本人の性質が表れている。
五番隊隊長、藍染惣右介さんだ。
「君は見るたびに働いているね。ちゃんと休んでいるかい?」
「いやそれが、休みの日も大騒ぎで全然休めないんすよ〜……」
「それは大変だ!あ、そうだ。僕の隊もちょうどデスクワークが少し手薄でね。給与も休日も保証するよ」
ぱちくり。
僕の隊もちょうどデスクワークが少し手薄でね?
給与も休日も保証するよ?
なんだこいつ、自分の隊の自慢か? 休暇もまともに取れない十一番隊と違ってうちはデスクワークの手薄さも少しで留まってるし、給与も休日もちゃんとあるってか。喧嘩なら買うぞ、一角が。
「それはつまり、五番隊と十一番隊とでやりあいたいってことですか?」
「どういう思考回路かな?」
「違うんですか!?」
「違うよ。君を五番隊へ勧誘しているのさ」
「勧誘!?」
「いやかい?」
「やじゃないんですけど、藍染隊長ってなんか優しすぎて怖いっていうか……裏がありそうな感じしません?ゲームならラスボスそうな感じですよね」
「ほう……どのあたりがかな?」
えっと、まずその目が━━と言いかけて気づく。
あれ? 目の前の人、藍染隊長じゃね?
やっべ!! 完全にイヅルさんとかに言ってるつもりになってた!
「ア゜ッッッいや違くて!!!! 本人に言うつもりじゃなくて、あっちげえ、その、本心じゃなくて!!」
「何してんだ、葉月」
背中から聞こえる渋い声。振り返るとめちゃめちゃになった白い羽織の袖が見えた。我らが更木隊長である。
おれは素早く隊長の後ろに回り、その巨躯を盾にするように隠れた。その速さは今までで間違いなく一番で、これをお世話になった学術院の先生が見たらあのときは手を抜いていたのかと怒られそうだ。いや見てんなら怒る前に助けろや。
「た、たたた隊長! 助けてください〜!!!」
「あ?」
「おれ、藍染隊長に腹黒そうとか言っちゃって! ど、どうしよう殺される」
「腹黒は初耳だけどね」
「ギャーーーーまたやっちゃった!!!!」
墓穴を掘り進めすぎて地球を貫く勢いのおれに、更木隊長がめんどくさそうにばりばり頭を搔いた。あ、そのヘアスタイルでも掻けるんすね……。
それからため息をついた。え? これもしかして面倒なおれを売り飛ばそうとしてる?
「やめて! 売り飛ばさないで!!」
「何言ってんだテメェ。ハア……勘弁してやってくれ、こいつはいつもこんななんだ。失礼が服を着て歩いてるって言われててよォ」
「なんだそれ! 初耳すけど!?」
「ふ、ふふ……あははは!」
「ヒィッ!?」
誰に言われてんの!? と大騒ぎするおれに、藍染隊長が声をあげて笑う。この人こんな風に笑うんだ。てっきりおれは髪をかきあげて『フ……』って静かに笑うタイプだと思ってた。
……ダメだ、一度ラスボスっぽいと思い始めたらどうしてもイメージが抜けない。だってしょうがないじゃん! なんでもそつなくこなせるやつが中身ろくでもないのは同期に昔見せられた小説で実証済みなんだもんよ!
借りた本の全部いいやつそうなキャラが悪役だったのは多分あいつの趣味だろうけど。
「……っと、すまない。やっぱり高槻くんは面白いな。あの話、冗談じゃなくて真剣に考えてもらっていいかい?」
「え、え?」
「では、また会おう」
「消えちゃった……。許された、のか? おれ……」
あれが瞬歩というやつか。恐らく、おれにはまだ満足にできない技術を使ってどこかに行ったのだろう。
おれはというと、一気に力が抜けてしまって意識しないと座り込むくらいになっていた。失言したからというだけではないだろう。未だに隊長という肩書きを持つ人と話すのはかなり緊張するらしかった。
「おい」
「ビャッ!? なななななななんですか」
忘れていた。後ろにも隊長がいた!
というか、もしかしなくともおれのこの脱力感は更木隊長の霊圧に当てられてるのでは? そろそろ抑えることを学んだほうがいいなこのチカラisパワータイプ。
「あの話ってなんだ」
「ああ、五番隊に来ない? みたいな話です」
「どうすんだ」
「え? そりゃ断りますよ〜」
「そうか」
「だっておれが抜けたら一角あたりが寂しがるでしょ?」
「ハッ、それもそうだな」
どれ好き?(参考までに。ネタ集め用:興味本位=5:5)
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いつメン(一角、弓親)との遠慮ない暴言
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いつメンとの男子高校生的やりとり
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やちるとのトムジェリ
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やちるとのほのぼの(広義)
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更木隊長との勝手に緊張する会話
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他隊長格とのほのぼの
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他隊長格との失言説教
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その他の要素
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全部または複数あり決められない
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別にどれが好きとかではない