広い空間に二人きり。これが可愛い年下の女の子ならいざ知らず、相手はおばさまに人気そうな背の高いハンサムの男、藍染惣右介だ。
しかも周りは瓦礫ばかりで、お互い殺し合うために向かい合っているなんて。憂鬱以外の何者でもない。
「まさか君と闘うことになるとはね。すぐに死ぬ役回りだとばかり思っていたのだが」
切り出したのは藍染さん。揺さぶりでもなんでもなく、本心なのが見てとれた。
「ナチュラルに失礼っすね、前の仕返しですか?」
「ふふ、あれは面白かった。こんなにしぶといなんて、やはりあのとき『こちら側』に勧誘すべきだったかな」
「じゃ、存分に後悔しててください。──卍解」
「……ッ!?」
「『
「ぐ、身体が重い……何かに押さえつけられているのか?」
「
「互角だと? この程度で互角とは、舐められたものだな。破道の一『衝』」
「破道の四『白雷』」
藍染さんの放った鬼道は、おれの放ったそれに完全に打ち消される。それどころか、消えきらない白雷が藍染さんに当たり軽くよろけさせた。
「なん……だと……?」
「おれの卍解『審判ノ天秤』の能力は、二人のうち弱い方に合わせるってものなんです。藍染さんならこの意味、わかりますよね?」
「……つまり、私の霊圧や身体能力は今、高槻葉月のものになっている、と」
「はい。効果は半径1キロ、おれと一番近い人だけに効くって制限もありますけどね」
だから、隊長の中でも強い藍染さんの鬼道が、おれの鬼道で相殺できた。
あっちがおれに油断せずおれの使えるギリギリのものを放ってきたらやばかったが、破道でも一番弱い衝を使ってくれてよかった。
「これは厄介だな、弱者の闘い方を私は知らない」
「悪かったな弱者で」
「では、本気で挑もうじゃないか。砕けろ『鏡花水月』」
「これが話に聞く……!」
始解に合わせて目の前が光る。鏡花水月の完全催眠、聞いたことはあり散々注意しろと言われたが、こうして見るのは初めてだ。どんな姿になるのやら。
……催眠だから見ようと思っても意味がないのでは?
光に包まれていた藍染さんが見えてきた。既に催眠にかかっているのかすらわからないが、どうやら姿は変わっているらしい。しかしおれ程度の実力ならほぼ互角! さあ来い、叩きのめしてやる!
ビチビチビチ
「「……え?」」
目の前にいたのは、マグロだった。一本で軽く100万円を超えそうな、立派なマグロである。
これが完全催眠……? いやでも藍染さん(仮)も混乱してるっぽい。催眠で己をマグロに見せようとしているわけではないようだ。そんなことしてたらびっくりだしそんな藍染さんは嫌だからよかった。
しかしどうして? どう見てもおれの斬魄刀『究極剣』のそれではあるのだが、藍染さんが持っているのはおれの斬魄刀ではないはず……?
「なん……だと……????」
「あ、力をおれに合わせるって斬魄刀も含まれるのか。知らなかった」
「私は今どうなっているんだ」
「マグロになってますね……」
「マグロ」
「はい。珍しいですよ、一番出やすいのは竹刀とかですから」
「竹刀の方がまだマシだったんだが?」
ビチビチと音を立てて若干動く陸上にいるマグロいや藍染さんがそう言い切った。それはそれでなんかそれでいいのか? と思わざるを得ない。
というか藍染さん、IQ落ちてる気がする。まさかそれもおれに合わせられているっていうのか。誰がIQ低いじゃボケ。
「……ん? もしかしてこれはラスボスを倒すチャンスでは??」
「不覚……!」
しばらくマグロを眺めていたら、天才の発想が降ってきた。
藍染さんのIQはきっと元からのやつだな。間違いない。バカと天才は紙一重って言うし、藍染さんは天才ではあるがバカの面も持ち合わせてるってことだ。
……うん? おれは天才の面しかないよ?
「フハハハ、お命頂戴致す!! 姿成せ『究極剣』!」
ビチビチビチ
「は?」
現れたのは、多分マグロ。
この湿った音と伝わるひたひたの感覚はこれしかない。
始解が成功してからおれは音や感覚だけで何に変身したかわかるようになっていたのだ。
「おれの斬魄刀は元から一人じゃ闘えないんでした」
「馬鹿なのか?」
「そうなりますね」
「よくやった葉月! これで勝ったも同然だぜ!!」
膠着状態になってはや数十分。今は、どこからともなく現れた声のでかいハゲがおれではないほうのマグロに話しかけている。
「葉月はこっち。そっちは僕たちの敵だよ」
「おおそうか、よくやった葉月!」
「嬉しかねえよ!!!」
「…………」
どれ好き?(参考までに。ネタ集め用:興味本位=5:5)
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いつメンとの男子高校生的やりとり
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やちるとのほのぼの(広義)
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更木隊長との勝手に緊張する会話
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その他の要素
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全部または複数あり決められない
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別にどれが好きとかではない