十一番隊書記の日常   作:わさび醤油

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第十三話:嵐の前の静けさ(当社比)

既にハムやネギ、キャベツ、卵が入ったフライパンにアツアツの白米を入れようとしたとき、給湯室の後ろの扉が開いた。

 

「あ? 葉月かあ?」

 

現れたのは十一番隊屈指のハゲ、斑目一角。眠そうに腹を掻くとかいう知性のかけらもない動きをしている。

何がしたいんだと思い観察していると、うーんだの不明瞭な独り言を言いながらその辺の棚をがちゃがちゃやり始めた。

 

「なに、お前も夜食?」

「おー。つかお前メシ作れんの? 美味そうじゃねえか」

 

結局なんの成果も得られなかったのだろう一角は、匂いにつられてかこちらのフライパンを覗き込んできた。やめろやめろ、火のついたコンロの周りに来るんじゃない猿! 怒らせて技かけられるときとかに危ねえじゃねえか!!

しかし特製チャーハン『ふんだんに卵を使ったピリ辛チャーハン〜冷蔵庫にあった適当な野菜を添えて〜』が褒められるのはやぶさかではない。ヘッもっと褒めな!

 

「まーな。姉ちゃんと母さんが『お前ごときの嫁になる女はいないんだからせめて一人になる努力でもしとけ』って」

「まじか……うま」

「おいこらこれはおれの飯だっつの」

 

おれの処遇に顔を渋くさせたままサッとフライパンからおたま一掬い分チャーハンをくすねた。くっ器用なやつめ。

しかし、基本的に姑もびっくりのペースでいがみ合っているのにこういうときは素直に褒めるなんて。これからさらに一人分追加では作らないよ? いやまあ? ちょっとつまみ食いしながら作ってたし、思ったよりキャベツとか多くて一人じゃ食い切れないからちょっとなら食べてもいいけど?

……誰がチョロ槻だって?

 

「あ? そういやお前んち貴族だったよな。いいのかよ今のうちからそんなんで」

「おれんちは女系なんだよ。代々女が継ぐっていう」

「そうだったのか」

「だからおれは自由にさせてもらってるってワケ。どうだ、羨ましいだろ」

「でもカースト最下位なんだろ」

「な、なんでそれを!?!?」

 

そう、高槻家は由緒正しき家ではあるが、女性の血を重んじるタイプの貴族なのである。高槻という名字も母親のものだし、おれが誰と結婚しようと特に何も気にしない。

そのぶん当主である姉ちゃんにこき使われるが、放任主義なのはおれの性格にも合っているのであまり気にしていない。嘘。こき使われるのは普通にやめてほしい。

 

「自分が嫁になれば? そっちのがはえーぞ」

「婿入り自体はやぶさかじゃないけど好きなタイプの女の子は婿なんてとらない」

「面倒くせえな……」

「うるせえよ」

 

話している間にもうまうまとおれのチャーハンを食べ進めている一角に真顔で答える。おれのタイプは雛森さんみたいに優しくて小動物のような年下の子なのだ。どう考えても姉ちゃんに影響されている。

……いや、雛森さんは年上だけど。物の例えってやつだ。

 

「と、とんでもないことを聞いてしまった……!」

 

このときおれたちは、こんななんでもない雑談が誰かに聞かれているなんて思いもしなかった。

どれ好き?(参考までに。ネタ集め用:興味本位=5:5)

  • いつメン(一角、弓親)との遠慮ない暴言
  • いつメンとの男子高校生的やりとり
  • やちるとのトムジェリ
  • やちるとのほのぼの(広義)
  • 更木隊長との勝手に緊張する会話
  • 他隊長格とのほのぼの
  • 他隊長格との失言説教
  • その他の要素
  • 全部または複数あり決められない
  • 別にどれが好きとかではない
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