翌日。いつもと変わらない昼下がり、おれは弓親に無茶振りをして遊んでいた。
「ゆみちゃん、あそこのケーキ屋さんもう行ったぁ?」
「キモ……。急に何?」
「聞こえてんぞコラ!! あーあーノリ悪いなー弓親は」
「突然振ってきてその態度、いっそ尊敬するよ」
「いいか、ちゃんと見とけよ。おい一角!」
「あ?」
冷めた目の弓親をよそに、一般通過斑目一角に声をかける。一角のアドリブ力をあなどるなかれ。
「ねえねえカクさん、この前できたパフェ専門店行ったぁ?」
「行った行った! ちょー美味しかったよ、今度行こうねスケさん」
「ほらな光圀公」
「よくわかったよ、君たちがノリでしか喋っていないことだけは」
「わかりゃいいんだわかりゃ」
「それでいいの……?」
なぜ弓親くんは全力で困惑しているんだい?
僕たちにはわからない。一角のほうを見ても首を傾げている。つまりおかしいのは弓親。
「あ、綾瀬川五席! あの、少しお話が……」
「へ? 僕?」
十一番隊の一般隊士が弓親を呼ぶ。役職もないし稽古つけてほしいとかか?
しかし弓親のほうもよくわからない顔をしている。どうやら思い当たる節はないようだ。
「行ってこい行ってこい、で怒られてこい」
「いや君たちと違って心当たりないから大丈夫」
「「んだとコラ!!」」
「君たちって付き合ってたの?」
戻った弓親が開口一番そう言った。
「急にどうした」
「どっかに頭ぶつけたのか?」
「さっきの子が言ってたんだよ、『お付き合いされている斑目三席と高槻書記のお邪魔になるかもしれないので、あまり間に入られるのは避けた方が……』って」
「おれたち付き合ってたの?」
「初耳だな」
「「………………ハア!?!?」」
「なにそれなにそれ、どこ情報だよ!?」
「なんでそんなことになってんの!?」
「瀞霊廷通信の号外に載ってるよ、ほら」
『「嫁に来ないか」「やぶさかでない」驚きの組み合わせが婚姻関係に!?』という見出し。
プライバシーに配慮したのか個人名は書かれていないが、十一番隊三席は一角だけだし書記に至っては何番隊と明記されてなくてもおれ1人なんだよふざけんな。
「なんとかして誤解を解かねえと……」
「ああ。キッモい噂流されちゃたまったもんじゃねえぜ」
「なんだぁ? テメェ……」
「いやこれは共通の意見だろうが」
「あれ、あそこにいるの檜佐木副隊長じゃない?」
いつものように胸ぐらを掴まれそうになったとき、弓親がふと声を上げる。その目線を辿るとそこには本当におもしろ刺青の副隊長がいた。あ、おもしろ刺青副隊長ってだけだとおもしろ刺青眉毛副隊長と被ってしまうから、これからはシックスティナイン先生とお呼びすることにしよう。
いやなんでおもしろ刺青副隊長って特別な個性で二人該当することになるんだよ。唯一無二のハゲゴリラ斑目一角とおかっぱ謎羽飾りゴリラ綾瀬川弓親を見習え。
「それにしてもちょうどいいところに。やっちゃってください一角さん!」
「よしきた」
「え、ちょ!? なんだ急に!」
「この二人が付き合ってるっていう話、デマなんです。だから誤解を解いてほしいんですって」
「そうなのか……。悪かったな、裏も取らずに勝手に載せちまって。じゃあこれから二人に詳しく話を聞いて、それをまた瀞霊廷通信に掲載するってのでどうだ?」
「え、いいんすか?」
「男に二言はねえ! 早速話を聞かせてくれ」
「「あざっす!!」」
このおかっぱ謎羽飾りゴリラ、腕っ節が強い上にこの要素過多、さらに言いたいことを全部理解して代わりに言ってくれるなんて非の打ち所がないな。これからは万能ゴリラと呼ぼう。
しかし、檜佐木副隊長がこんなにすぐ言うことを聞いてくれるとは思わなかった。ネタになるものがあればなんでも使うイメージだったけど……。あれ、もしかして誤解を解く話もネタになると思ってる?
まあどっちだっていい、キモいデマが消せるならおれはネタ扱いも耐えられる。こんな根も葉もないデマ、普通に説明したら一瞬で終わるはず。たかがそれまでの辛抱なのだから。
どれ好き?(参考までに。ネタ集め用:興味本位=5:5)
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いつメン(一角、弓親)との遠慮ない暴言
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いつメンとの男子高校生的やりとり
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やちるとのトムジェリ
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やちるとのほのぼの(広義)
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更木隊長との勝手に緊張する会話
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他隊長格とのほのぼの
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他隊長格との失言説教
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その他の要素
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全部または複数あり決められない
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別にどれが好きとかではない