十一番隊書記の日常   作:わさび醤油

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第二十話:総隊長は食べさせたい

「総隊長こんにちはー」

「おお来たな」

「ヒーなんか問題でs……おれなんかやっちゃいました?」

「わざわざなろう小説のテンプレートに言い換えずともよい」

 

一番隊隊舎。なぜかおれにとっては結構お世話になる場所である。もちろんおれが頻繁に悪いことをしているというわけではなく、隊首会や書類提出、他の隊士の書類不備などのせいである。

そして、今日は総隊長にしては珍しく「昼食後でいいから一番隊隊舎に来い」という緩めの呼び出しだった。普段なら「早く来いとにかく来い今すぐ来い」なのに。なので少しならふざけてもいいと思っての発言だったのだが……まさか総隊長が素人の書いたネット小説を読み込んでいたなんて。

 

それから総隊長は咳払いをして、おれに向き直した。ふざけた空気から真面目な空気に切り替わる瞬間である。

 

「実はの……とその前に、儂のことをおじいちゃんと呼んでみてくれんかの?

 

未だふざけた空気だった。

 

「エッ……やまじい?」

「誰がそんな色ボケ弟子のような呼び方をしろと言った」

「沸点が海抜じゃねえか!!!」

 

こちらもふざけねば不作法かと思ってふざけ返したのに刀を向けられた。総隊長ともあろう人がこんなことで刀を人に向けないでほしい。

それにしても京楽隊長、なんでこんな嫌がられてるんだろう……。

 

「よいか? 『おじいちゃん』じゃ」

「いやいやなんでですか」

「『おじいちゃん』」

「お、おじいちゃん……」

 

向けられた刀と総隊長の表情、そして霊圧に負けておじいちゃんと呼んでしまった。我が家は先祖代々女系なので祖父のことはおじいちゃん、祖母のことは当主様あるいは御隠居様と呼んでいたのを思い出す。

おれが祖母のことをおばあちゃんと呼ぶたびに姉さんや母さんからしばかれまくったおかげで、祖父母の住んでいるエリアにはほとんど遊びに行かなくなったものだ。

 

「儂の弟子はマセガキと人生5周目しかおらんかったからの……。お主はずっと孫々しくあってくれ。はいお茶とお菓子、好きなだけ食べるんじゃぞ」

 

痛し懐かしの記憶に想いを馳せていたのだが、気づいたら目の前にありとあらゆるお菓子と総隊長が淹れたであろうお茶が出されていた。何?

わけもわからずとりあえずお菓子を食べてお茶を飲むと、満足そうに頷いてまたお茶を出した。

 

お菓子を食べお茶を飲んでは新しいのを出され、を繰り返すこと5回。浮竹隊長でもこんなには出さないくらいのお菓子を食べて普通に満腹になってしまったころ、やっと総隊長が口を開いた。

 

「さて本題に移ろう」

「エーン怖い怖い怖い! なんだったのこれ!? 儀式!? 儀式なの!?!?」

 

 

 

「実は、お主が始解できるとの噂が出回っとるんじゃ」

「どこでそれおれがぁ〜〜???んなわけないじゃないですかぁ〜〜〜〜

「それでよく誤魔化せると思ったもんじゃな。そこだけは評価してやる」

「できればはちゃめちゃの激務をこなしていることについて評価をしてほしいんですけど……。で、もし万が一いや絶対あり得ないけどどこかの世界線でおれがまさか始解を使えるかもしれないことで何かあるんですか?」

「誤魔化すのを諦めなさすぎじゃろ」

 

思いもよらない方向から攻撃を受けて動揺してしまった。あんなわけのわからん始解を見せたら厄介なことになるに違いないから隠せと弓親に言われているのだ。

そうでなくても他人には知られたくない。絶対涅隊長に目つけられる未来が8Kの高画質で見える。

 

「始解ができるということでな、席官になってはどうかと思っての」

「席官?」

「ひとまずは二十席から挑戦してみんか?」

「ホ〜〜〜?? やってやろうじゃないですか!」

 

席官になれるなら話は別だ。給料が上がるし、何より『十一番隊最弱』の汚名を払拭できる。高槻葉月は雑魚ではないと瀞霊廷に知らしめるのだ。

 

「よしよし。ならば二十席のモブヶ崎を呼んでくるとしよう」

「へ? なんで?」

「決闘してもらうからじゃが?」

「知らない間にデスゲームに巻き込まれそうになっているんですが?」

「席官になるには元いた席官を倒さねばならんことを知らんかったとは言わんじゃろうな」

「知らんかっ総隊長直々のグーパン!!!

 

老いを感じさせない俊敏さで放たれるグーをなんとか避ける。

おれが避けられるレベルなのだから当てるつもりはない手加減されたものだとは思うが、元々おれがいた場所を見るとミシとかパラとか言っていて逃げなければ軽い怪我ではすまなかったことが伺える。

 

「まあ一回くらい経験しておくがよい。負けても命までは取られんじゃろう」

「ほんとですか……?」

「ああそうかそういえば十一番隊じゃったな。……大丈夫じゃ、50%ならばSRを引くよりもたやすい

「五分五分ってことじゃねえか!!」

 

 

 

後日、更木隊長立ち合いのもと、モブヶ崎二十席と俺こと高槻葉月書記の試合が行われた。

もちろん負けた。




連載する前の構想段階では、主人公は十二席くらいになる予定でした。そりゃ無理だよお前……。

どれ好き?(参考までに。ネタ集め用:興味本位=5:5)

  • いつメン(一角、弓親)との遠慮ない暴言
  • いつメンとの男子高校生的やりとり
  • やちるとのトムジェリ
  • やちるとのほのぼの(広義)
  • 更木隊長との勝手に緊張する会話
  • 他隊長格とのほのぼの
  • 他隊長格との失言説教
  • その他の要素
  • 全部または複数あり決められない
  • 別にどれが好きとかではない
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