おれがいつものように隊首会に参加したある日。大抵の場合ちょっとした注意(「建物を壊すな」「無闇に施設を破壊するな」「掃除だけで喧嘩になって壁などにヒビを入れるな」など)しかないのに、この日は珍しい類の注意喚起をされた。
「最近、瀞霊廷内で盗難事件が多発しておる。各隊でも犯人逮捕に尽力するように」
曰く、下着だけを盗む泥棒がいるらしい。それも下着を頭に被ってである。
目撃された下着は女性用のパンツからなんと男性用のトランクスまで。犯人は幅広いご趣味をお持ちのようだ。
……しかもそれが死覇装を着ての犯行。
これでは死神みんなが男女問わない下着を被って悪事をはたらく集団というとんでもない風評被害が広がってしまう。全く迷惑極まりない話だ。
しかし、おれに言われても……というのが本音だ。
なぜならおれはそういう純粋な犯罪に一度も巻き込まれたことがないからである。もうびっくりするくらい縁がない。学生時代の全員危険ドラッグや万引きの勧誘に遭っているのに、おれだけかすりもしなかった。
宗教勧誘と美人局は両手で数えられないくらいあるが、何が違うのだろう。バカですぐバレるからでは断じてない。
「……え」
十一番隊隊舎に戻るまでの探検と称していつも違う道を通って帰っているのだが、その道中細い路地で──例の下着をつけた男が三人集まって何か話していたのだ。
いやいやいやいや、こんなすぐフラグ回収する!? 考えててちょっとフラグっぽいなとは思ってたけど!
というか変態仮面犯罪者野郎、複数いんのかよ! いやそりゃそうか。被害はかなりの数出てるらしいし、逆に一人だと忙しすぎるもんな。
「でよ、新しく入りたいやついるんだってさ」
「またか、すごい人気だな。ちゃんと手紙のことは説明しろよ?」
「したした。『闇鍋にはシュークリーム』って書いてハートのシールで封をして、それから○○○のポストに入れるんだよな?」
「バッカ聞こえたらどうすんだよ。合ってるけどさ」
「いやーちょっと不安になって。ま、こんなとこ誰も通らねえから大丈夫だろ」
「それもそうだな。じゃあ俺はこれから仕事あるから」
「おー、じゃあな」
男二人はそう言ってそれぞれ用事のある方向に歩き去っていった。……下着を頭に被ったまま。
………………ツッコミどころが多すぎて、危うく大声でツッコんでしまいそうだった。口を押さえててよかった……。
「ってことがあったんだ」
「急に部屋に入ってきてそう言われても微塵もわかんねえからな?」
伝わらなかった。
仕方がないから一部始終を説明すると、流石の一角と弓親も真剣な表情になった。
やはり、犯罪をするような心の弱いやつに対しては食指は動かないらしい。これが『表でたくさん筋骨隆々な男どもがめちゃくちゃの喧嘩してる』ならウキウキで駆けつけたんだろうけど。
そしておれたちは、十一番隊隊士としては珍しく作戦会議を開き、結局おれが手紙を出して潜入、一角と弓親が壊滅に追い込むということになったのだった。
おまけ
「結構な人数いるみたいだからなんか作戦立てるぞ」
「そうだね。僕たちがいかに強いといっても、複数人を蹴散らすのは面倒だし」
「じゃあわかった。まず、葉月が手紙を出すだろ?」
「……聞くだけ聞こう」
「それで葉月が潜入して」
「ほうほう」
「葉月がなんとかする」
「バカは今すぐ口を閉じろ作戦会議に口出すな!!!」
私から読者の皆様へのクリスマスプレゼントは変態仮面泥棒野郎です。
次話もしかしたら来年になるかもしれないので、そのときはクリスマスと新年を変態仮面泥棒野郎でオセロして良い年にしましょう。
どれ好き?(参考までに。ネタ集め用:興味本位=5:5)
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いつメン(一角、弓親)との遠慮ない暴言
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いつメンとの男子高校生的やりとり
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やちるとのトムジェリ
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やちるとのほのぼの(広義)
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更木隊長との勝手に緊張する会話
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他隊長格とのほのぼの
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他隊長格との失言説教
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その他の要素
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全部または複数あり決められない
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別にどれが好きとかではない