十一番隊書記の日常   作:わさび醤油

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前回の続きです。今回で終わり。


第二十五話:VS変態仮面泥棒野郎(後編)

「ここでいいんだよな?」

 

おれたちがこそこそ隠れて見ているのは、変態窃盗集団が言っていたポスト。そこに『闇鍋にはシュークリーム』と書きハートのシールで封をした手紙を出せば、あの組織に入団できるという話だ。

無論おれもくっだらねえなと思いながらも懐に手紙を用意してあるが、どうやら先客がいるらしい。

4……いや、6人くらいいるだろうか。全員が全員パンツを頭に着用した前衛的な服装である。そんな人たちが門番のようにポストの周囲を巡回しているのだが、逆に目立つからやめたほうがいい気がするのはおれだけなのか。

 

「よし、じゃあ手紙出してこい」

「無理だわ状況見ろ」

「姿を隠して渡せる方法があればいいんだけど」

「そんなまどろっこしいことせず正面突破しようぜ」

「うん、やっぱり正面突破だよね」

 

脳筋たちは頭を回転させることなく適当なことを言い合っている。

君たち、おれの背中を尋常じゃない力でぐいぐい押してくるけどね。君たちならまだしも常識的なおれに正面突破ができると思うのかい?

……そして、この策士・高槻葉月に策がないと思うのかい?

 

「いいや、ある! 姿を隠して手紙を渡す方法が……!」

「「なに!?」」

「はーっはっはっは! 頭が残念な君たちと違って、おれは曲光を使えるのだよ!」

「なん……だと……!? お前でも鬼道使えたんだな……

鬼道すら使えない系雑魚なのかと思ってた、ごめんね」

「謝る気ねーだろ!!」

 

なんだったらおれが一番鬼道が使えると言っても過言ではない。なぜなら十一番隊隊士はほとんどみんな、鬼道を使うやつはダサいと鬼道を全く使わないからである。

使わなければ忘れていく。鬼道は特にイメージが重要となるものだから、学生時代が一番近いという点から見ても鬼道に関してはおれが実質一番優秀だということだ。……戦闘の現場に出たことはないので例外はいるかもしれないが、そんなのは無視だ無視。

 

「そんで、詠唱覚えてんのか?」

「んなわけないだろ」

「じゃあどうすんのさ」

「ハ〜〜〜〜これだから老害どもは! 時代は既にオンライン。おれの入る一年前から、鬼道の詠唱内容は学校のホームページで生徒向けに公開されてんだよ!」

「へー、すごいね」

「そんなことになったのか……」

「ん?」

「どうしたの?」

「生徒にしか見えないようになってんだこれヤッベ」

「とっとと教科書取ってこいアホ!」

「ごめんなさい行ってきまーす!」

 

 

 

少々の手違いはあったものの、誰にもバレずに手紙を出すことは成功した。

さて、潜入はここから。いつものヘアピンを外し、髪型を大きく変える。死覇装をちゃんと着込み眼鏡までつければ、普段のおれしか知らないやつなら全員騙せるはずだ。

まずは指定場所にいるパンツ装備の男に話しかける。

 

「はじめまして! 四番隊の──」

「あー、名前はいいよ。個人情報はなるべく明かさないのがうちの流儀だから」

「そ、そうなんですね! すみませんでした、よろしくお願いします」

「はいはいよろしくー。つか四番隊なんだ、ぽいわ

「そ゛……そう、ですか?」

「めっちゃぽい。俺は十一番隊なー。いいだろ、三席とか五席とか有名人だからさぁ」

「あ、えっと、書記もいますよね! なんでも書記は十一番隊にしかいないとか」

「あーあのヒョロいやつ? でも正直優遇されててムカつくし顔もパッとしねえよな

「な゛ん゛だとそうですよね!

 

いくら温厚なおれでも許せない。あんな仕事量で優遇だと? 一度やってみろあれを! お前も十一番隊ならおれのありがたみを感じるべきなのだ。

パッとしないと言うのがパッとしすぎなやつというところも腹の立つ原因である。

 

「そういやなんか質問ある? わかる範囲なら答えるけど」

「あ、ならこの集団のトップが誰か知りたいですけど……教えてもらえるものなんですかね?」

「実はね……俺なの」

「えっ」

「パンツって、素敵じゃん」

「そー……う、ですかね」

「うん。俺は特に、柄が凝ってる女性用のパンツが好きなんだけどさ。ああいうのってもう芸術作品じゃん? それを日常的に、しかも服で隠れるところに着用するエロさがたまらないんだよ。脱がす前提で履いてるみたいなもんだろ? ありえないよな……。でもシンプルなのはシンプルなので見られることを考えてない気の抜けた隙だらけなエロさもあるし、甲乙つけがたいけどさ」

「はあ……」

「お前はどんなのが好き?」

「え、っとお……あの、紐ついたやつとかですかね……?」

「うっわベタだなあ。ま、これから素晴らしさを知っていけばいいよ」

 

おれには到底理解できない熱い語りを聞いていると、持っている端末に通知が来た。どうやらLINEに何か来たらしい。

 

『紐パンw』

『経験値ないのが丸わかりだね、かわいそうに』

 

「うるせえよ!」

「あ? 何が?」

「あいやなんでもないです!」

「んじゃ、斬っていい?

「は!?!?」

「『は?』じゃなくて。俺の斬魄刀で斬っていい?」

「な、なんで!?」

「いや、俺の斬魄刀で斬ったらその人の理想のパンツが現れるから」

「理想のパンツが現れる!?!?」

「始解の効果な。そろそろ卍解習得してもいいころなんだけどなー」

「へ、へえ……人それぞれ効果が全然違うんですねぇ……」

「というか知らないって、持参してる感じ?」

「持参OKなんだ!?」

「ま、来週の会議のときまでに用意してくれたらいいから。頼むよ新人くん」

「アッハイ……」

 

こうして衝撃の事実を知ったおれは、トップの人とLINE交換して解散した。アイコンもパンツだった。

 

 

 

さて。

日は変わって本日、変態組織のメンバーが全員集まる会議の日である。LINEグループに入っているのは42名。これを全員摘発するのがおれたちの目標だ。

まずはおれが入る。そして動揺して逃げ惑うところを一角と弓親がボコす。完璧な作戦である。

大きく深呼吸し、緊張をほぐす。大丈夫だ。おれは大丈夫。よし。

 

「動くな! 変態仮面ども!!」

「十一番隊書記!? 貴様どうやってここを!」

「いや慌てるな。噂によるとこいつはどうしようもない雑魚らしいじゃないか」

「ハッ、その雑魚にまんまと侵入を許してるのはどこのどなたかないや雑魚じゃねえわ!! 平均だわ!

「ごちゃごちゃとうるせぇんだよ! 相手は雑魚一人なんだ、とっととやっちまえ!!」

「だっから雑魚言うな!!」

「ごめんね、雑魚一人じゃなくて」

 

おれにとってだけでなく、大抵の人にとっても聞き馴染みのある声が響く。おれの後ろには弓親、もう一つの出入り口のおれがいない方には一角。

二人とも刀を抜いて構えた状態だ。

 

「テメェらも弱そうだなァ? こりゃ5分でカタつきそうだぜ」

「へ、おせーよ二人とも。……今、テメェら『も』って言ったか!?

「斑目三席と綾瀬川五席!?」

「あばよ、変態ども」

 

 

 

こうして、瀞霊廷を震撼させた変態軍団は解散。団員たちはその行いに合わせた程度の罰を食らった。そしておれたちはというと。

 

「いやだから違うんすって!」

「必要な犠牲だったんですよ」

「だからといって、建物一つ粉々に壊した罰は受けてもらわなければならぬ」

「だとしてもおれは関係ないでしょ!?」

「いやあれはお前の案だから、何だったらお前が一番関係あるぞ」

「ハア!? ふざけんなこんなやつのこと聞いちゃダメっすよ!」

「よくわかった。三人を当分の間減給処分とする!」

「結局こんなオチかよチクショーーーー!!」




間に合った! 良いお年を!

どれ好き?(参考までに。ネタ集め用:興味本位=5:5)

  • いつメン(一角、弓親)との遠慮ない暴言
  • いつメンとの男子高校生的やりとり
  • やちるとのトムジェリ
  • やちるとのほのぼの(広義)
  • 更木隊長との勝手に緊張する会話
  • 他隊長格とのほのぼの
  • 他隊長格との失言説教
  • その他の要素
  • 全部または複数あり決められない
  • 別にどれが好きとかではない
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