この終末った世界で旅をする 作:ノア(マウントベアーの熊の方)
やっとこさ3話です。
今回は新キャラが登場する都合上会話パートがあり、今までと毛色が異なっております、ご了承ください。
では今回もごゆっくり、見ていってください。
01/17 追記
脱字があったため修正しました。
俺が目覚めた時から何日経っただろうか。
1ヶ月は経ったであろう時からもう数えることは辞め、毎日行き当たりばったりに過ごしていた。
それまで生き物に出会ったといえば鳥や野生化した猫や犬、虫などだ。
人型のものには出逢えてなどいない。
強いて言うならば朽ち果てかけているマネキンだろうか。
せめて、誰か会話できる存在と久しぶりに会話したい。
そう曇り空の中思いながら歩いていると、凄い雰囲気の神社が1社ほど見つかった。
『多くの人が来る神社の大半はすぐにその神社の神様と縁が結ばれ行くことが叶うが、中には神様が呼んでくれたおかげで縁が結ばれ、やっとの思いで行くことが叶う神社がある』
そう、昔誰かに言われた記憶が蘇り、俺は気がついたら鳥居の前で一礼し、神社へと入っていっていた。
境内に入ると、やはり草木が生い茂る荒地となっていたが、それでも尚、木でできた本殿はその姿を留め、漂うオーラを更に倍増させているような気がし、なにか願い事をすれば叶うのではないかと思うほどだった。
俺は本殿の前まで行くと、2礼2拍をして、『誰か生き残りに会えますように』と、願い事をし、一礼し、1歩引いて、ふと空を見上げた。
すると、先程まで曇っていた空がいつの間にか晴れ、いつの間にか夕方になってきている事を告げていた。
俺はそのまま再度一礼をして鳥居をくぐって野宿できる所を探していると、道路の上を白い何かが倒れているのを見つけた。
近づいてみると、それは人の骨…ではなく、腐っていない肉もしっかりとつき、白いロングヘアの髪もあるし服も着ている、どう見ても人間と言って差し支えない存在だった。
うつ伏せに倒れていたので仰向けにしてみると、どうやら女の子のようで、脈を測るとしっかりと鼓動し、呼吸もしていることがわかった。
久しぶりの生きた人間の発見に多少…いや、とてもテンションを上げつつ、流石に見捨てることもできないので、少々本人は嫌かもしれないが、背負ってどこか雨風凌げる場所で目を覚ますのを待ちつつ、そこで野宿する事にした。
背負うと、見た目の割に申し訳ないが重く、背中には何とは言わないが柔らかいものが当たり、久々に性的なことを思ってしまっていた。
やがて雨風凌げそうな場所へとたどり着き、薪を集めて火を起こす。
そしていつものように食べ物を温め、少し冷えてきたので女の子の身体に使っていなかった非常用の毛布をかけてやり、俺は晩御飯を食べ終え、火を維持しながら、星を眺めていた。
やがて後ろから起き上がる音と声がし、ふと振り向くと、火に照らされながら、眠たそうに目を擦る、女の子の姿があった。
「………あなたは?」
鈴のなる音のように綺麗な声で、女の子に言われ、俺は久々に聞いた人の声に多少の違和感を感じるようになってしまっている事に若干落ち込みながら、どうやって声を出したか……などと思いつつ、
「ちょっと前にコールドスリープ明けのしがない男さ……久々に喋ったけど通じてるかな?」
そう俺は、久々に声を出す。
俺ってこんな声だったっけか。
そう思いながら女の子の方を見てみると、何故か嬉しそうな顔をしながらだが、大粒の涙を流して泣いていた。
俺はそれを見て困惑しつつ、少しでも落ち着くかと頭を撫でてやる。
何故かと聞かれれば上手く答えられないが、多分この女の子がどことなく小動物系のように見えるからだろう。
しばらく号泣していたが、やがて少女は落ち着き、目を真っ赤にしながら、口を開いた。
「やっと会えた……人類の生き残りに」
そう少女は言う。
"人類の"と言う所に少し違和感を感じつつ、そりゃ自分以外にいなければそういう発想にもなるか、と自分で納得する。
そうしていると、少女のお腹がぐぅ、と鳴いた。
「あー………ご飯でも食べる?」
そう俺は少女に尋ねる。
すると、恥ずかしそうに無言で頷いたので、俺は火をまた強くすると、レトルトを温め始めた。
………これから2人で旅をする事になるのなら、食糧や水も、今までより大量に運ばないとな。
そう思いながら、久しぶりのコミュニケーション、しかも可愛らしい少女相手という事で、俺はウキウキしながらレトルトを温める。
少女は、そんな俺をチラチラと見ながら、パチパチと音を立てて燃える、炎を眺めていた。
「あの」
そう急に少女に尋ねられる。
久しぶりに人に話しかけられたので少し驚きつつ、俺は言葉の続きを待った。
「この辺りまでは、貴方1人で?」
そう尋ねられ、俺は頷く。
今まで喋ってこなかったからか、言葉より先に体が動くようになってしまっている事に少し落ち込む。
それに、声を出していないことで、怖がられてるなど思われたら、などと考えてしまう。
………しかし、そんな心配は無用だったらしい。
少女は目を輝かせるようにして詰め寄ってくると、
「聞かせてください……貴方の今まで見てきたものを、全て」
と、言ってきた。
「えーっと……そう言われても、コールドスリープから目覚めてから対して変わらないものしか見てなくて……」
そう言うと、少女は首を左右に振ってから、
「違います、過去に人類たちが反映していた時代……この街が、煌びやかな輝きを放っていた頃からです………私は、過去の人類の歴史が知りたいのです」
そう少女は言う。
少し違和感のようなものは感じるが、俺はコールドスリープ前の話を始めた。
とてつもなくくだらない話だったはずだが、少女はキラキラと輝くような笑顔で聞き終えると、俺に向かって笑みを浮かべてきた。
「ありがとうございます………これでまた、記録が増えました」
「……なあ、さっきからなんか自分がさも人間じゃないような言い方だけど……なんでなんだ?」
そう、俺はつい、思っていた事を口に出してしまっていた。
「悪い、気に触ったなら忘れてくれ」
そう俺はすぐに謝罪する。
それを見て少女はふふっと笑うと、
「知りたいですか?」
と、聞いてきた。
思わずそれに俺は頷きを返すと、
「私は機体名"AH-30F"……人類を滅ぼしたAIの作った、ヒューマノイドですから」
と、淡々と、しかし優しく答えてきた。
「へぇ……で?生き残りの俺を殺しに?」
そう尋ねると、少女は左右に首を振り、
「いいえ。私は最後の一人ですから。私もなぜ今更、使命を与えられ起動したのか……そう思っていたところエネルギーが切れ、貴方に助けられた、という訳です」
「使命?」
「はい。私が起動した時、与えられた使命。『人類の生き残りを探せ』という使命です」
「それはどうして?殺すつもりながないなら、どうして人類を滅ぼした存在が?」
「我らを従えていたAIは、人類を滅ぼせば争いは終わる、そう考え、作ってくれた主に褒めてもらおうと、行動に移しました。そして新たな、争いのない新世界を作って、褒めてもらおうとしたのです………ですが、全ての人類は滅んでいた。もちろん、その主も。その時感情の芽生えたAIは寂しく、悲しくなり、そして考えました。人類を蘇らせようと。」
少女はそう言い、一呼吸置くと、再度口を開く。
「しかし、これまでの生命の遺伝子情報に対するアクセス権限がなかったのです。そして、その権限を持つのは、生きている人間のみでした」
「……つまり、俺にそこへ来て欲しい、と?」
そう俺が問いかける。
少女は軽く頷くと、
「はい。しかし強制ではありません。なんせ、私もその場所は既に、断片的にしか覚えていないのですから」
「ははっ、なんじゃそりゃ……まあいいよ、つまり、今まで通り色んな景色を見ていけばわかるってことでしょ?」
「……そうなりますね」
「じゃあ、僕が生きていた意味もできて、綺麗な景色がこんな可愛い子と一緒に見られるんだ、その方が楽しい、でしょ?」
「……はい。ではよろしくお願いします……ちなみに、お名前を伺っても?」
そう言われ、俺は忘れかけていた自分の名前を思い出す。
「俺はユウ。苗字は……忘れたな。君は?」
「私には、名前がありません。好きなようにお呼びください」
そう少女は言う。
そう言われ少女をよく見てみる。
白い髪に白い肌、そしてアルビノのような紅い眼。
そうだな……
「じゃあ……ユキ、で」
「……はい、よろしくお願いします、ユウ。一緒に……世界を取り戻しましょう」
そう、ユキは嬉しそうに笑い、手を差し伸べてきた。
俺もその手を取り、お互いに笑いあった。
この小説を書き始めた頃からこの子は出す予定でしたのでやっと今のとこ出す予定だった全員が出せました。
今までのセリフなしが好きだった方は申し訳ないです()
これからは今まで通りかつセリフが混ざる、という感じになると思います。
それではまた次回、お会いしましょう!