配達中に追われてたんだけどwww 作:とどころ
タグ要素に変えようかなと考える私であった。
律儀にも、掲示板から得たデータが出る。
だが、それが役に立つかどうかは分からない。
いや、分かりたくない。というか死にたくない。
眼前のモノの正体は…13区執行官補佐:断頭台
『最も安全な区』を収める者の一人。
噂程度に、何遍も聞いた事がある。
担当区のみならず、隣接区にまで影響を及ぼす『潔癖じみた治安維持の専念』は、毎年数多の屍を積み上げ、その上で屍を例外なく全て弔っている。
そしてその『潔癖』の対象は、彼の上司たる『執行官』本人であろうと、例外ではない。事実13区の執行官は『代替わり』が最も激しい。
ふざけた程に『死』を齎しながら、しかし平等に『死』を取り扱うが故に、その者の刃から逃れられぬが故に、自ら名乗った名が『断頭台』であると。
最悪だ。何が最悪って、眼前の存在には、たとえ万全な状態でもどうにもならない事が確信出来る事が最悪だ。
それは俺とフォーの『詰み』を決定したも同然だ。
絶望する俺をよそに、黒い外套をピクリとも動かさないまま「断頭台」は此方に声を通す。
『汝、此方の質問にのみ答えよ。質疑応答が終わらぬ内、其処より一歩でも動けば汝の四肢と首を即刻切り落とす』
元から動けねぇよクソッタレ。
『…どう、すれば…どう…』
どうしようもありません。助けて奇跡。
『二つ、先に明言する。此方の行いは越権という蛮行である。此方の目的は捕縛では無く、回収である。
───汝、我が蛮行に憤りを持つならば、抵抗せよ。此方は敬意を持ってそれを踏み砕く』
律儀ですね畜生。怒るなら抵抗しろ?
馬鹿言うな、怒りなんてこれっぽっちも湧かない。絶望感と恐怖だけしか残ってねぇんだよ。
こちとら涙が止まらないし膝だって笑ってるし、視界なんかほぼ霞んでは圧力で矯正が繰り返されてんだよ。
死にたくねぇ、何だってこんなにも運が悪い。
ああ、口から嗚咽が嫌でも漏れやがる。
けど向こうはそんな事お構いなしだクソが。
『第一、貴様は今己を覆うモノについて、どれ程の知識を持つ?』
「な、ん、にも、知らな、い」
『彼は巻き込まれただけです! 本当です!』
震える声で必死な返答。
フォーは俺よりハキハキ返答出来ている。喉から手が出そうな程には、その冷静さ…なのかどうかは分からないが、ともかく羨ましかった。
ああ、違う。今考えるのはそうじゃなくて、クソ、どうすればいい。どうすれば俺とフォーは生き残れる?
いや、最悪フォーはどうとでもなる…じゃあ今此処で一番危ないのは俺だってまたかよ! ピンポイントで俺ばっか死へ直行ばっかじゃねーかふざけんなクソ!!
『此方は少女よ、貴様に問うているのではない。第二、装着者よ、貴様は此処23区の執行官とその補佐が持つ謀略をどれ程把握している?』
「し、りっま、ぇ…っん」
やばい、やばいやばいやばい。
吐きそうだ。目もぐるぐるして来ている。
下手な返答ができない緊張感も相まって、死んだ方が楽なんじゃないかと思う。
ああ、けれど───どうして俺は、必死に生還する術を探しているのだろうか?
そんな思考にたどり着いた時、三つ目の問いが来た。
『最後、貴様は何故に潜む事無くこの場へと躍り出た?』
「そ、れは…」
思考がぱん、と弾けたような気がした。
視界は広まり、震えが止まり、そして驚く程に頭が冷えた。曲がっていた膝は伸び、へっぴり腰は終わり、二の足で俺は凛と立っている。
馬鹿じゃねぇの? 最初からその通りだ。
どのみち死ぬぜ? それでも曲げてはならない。
報われないんだぞ? なら俺はいままで何のために、報酬なんて知るかと馬鹿正直に生きて来たのだ。
…確かに死ぬのは、断頭台は怖い。
けど、いま俺がここで怯えで答えを捻じ曲げたら、それよりももっと怖い何かが、きっと俺を飲み込んでしまうだろう。
嫌だ、そんなのはもっと嫌だ。
一番怖いことは、死ぬことだけで良い。
それよりも恐ろしいものが、これから先に付き纏うなんて───考えたくもない。
「……たすけてって、言われたからだ」
『……………あ』
かちゃり、とE3を解除して腕輪の形に戻す。
今の俺は正しく生身、一撃でも貰えば地獄へ直行する状態。何か言わんとするフォーを黙殺し、首輪型の端末に腕輪を接続する。
どう考えても何らかの予備動作。
けれど、断頭台は首を刎ねず、答えを待つ。
…ああ、やっぱりか。と俺は溜息を吐いた。
そうだ、目の前の執行官補佐は、現時点では俺に危害を加えるつもりは一切無いのだ。
「フォーの時だって、そうだ」
だって、ほら、余りにも無駄が多いんだ。
私兵を向かわせる事なく、当人が出張り、明らかな異常を切る事なく対話さえ行なっている。
断頭台が行っているのは、ただの最終確認で、それさえ済めばあいつは武器を振るうのだろう。
「ただ、助けてって頼まれたから、俺はやっただけだ」
だから、俺は馬鹿正直に答える。
馬鹿正直に、やりたい事をやってやる。
後悔は、しないつもりだ。
けれど、
『解なりや。此方は現時刻を待って23区の暗部、その少女「のみ」を回収する』
それは同時に、どうしようもない「詰み」と相対する事を決定づけた。
「…嫌だなぁ…、ああ、嫌だ。
怖い、怖いけど───泣くのも嘆くのも後回しだ。
そんなの、今やらないといけないことじゃない」
───俺は、まだフォーを助けてなんかない。
まだこいつには、知らないといけないことがいっぱいある。それに、俺は顔も知らない誰かから頼まれた仕事をやり切ってない。それなのに、ここで手放すことなんて出来ない。
なら、やらないといけない事は決まってる。
首輪と腕輪の接続を切る。
…フォーを、首輪に移したままで。
これで、首輪から他の端末かネットワーク上に移動すれば、フォーの命だけは助かる。
あとはフォーが逃げさえしてくれれば、俺の「敗北」はまず無いけど…今の彼女には、まだそれがきっと出来ない。
だから、俺も逃げなくちゃいけない。
なのに、何故E3からフォーを離したのか。
…俺の中に、ただ一つの小さな勝算があったからだ。
そして、俺の行動を反意と受け取ったのか、単に行動するべき時が来たからなのか───断頭台が、数多の命を絶ってきたであろう一振りを抜刀する。
そして、ほんの瞬きの合間、断頭台が間近に迫った。
おかしいだろうと、俺とあんたに二メートルくらいの距離があっただろうと、困惑はすれど戸惑いこそしない。
俺は叫んだ。恐怖からだけど、それは死に対してではない。いや、見栄を張った。死ぬのは怖いままだ。
けど口にしたのは、情けない「死にたくない」なんかじゃない。
「逃げろや!!!!!早く!!!走れ!!飛べ!!じゃねぇと巻き込みでぶっ殺されるぞ!!!」
今度はちゃんと、逃げろと叫べたんだ。
───相対事項:単独極限戦/撤退戦 特筆項目:実力差大 検索結果:一件該当 代償超過-限界破壊───
俺は即座にフォーの居ないE3を起動する。
ばしゃん! と腕輪から四方八方に広がるのは、血のように赤い幾つものライン。
それは俺と断頭台の間に距離を作り、しかしすぐに収束し全てが俺の体に纏わりつく。
一つ一つが装甲となる。装着される都度に激痛が走る。苦しい。痛い。泣きたい。夥しいほどの負荷が、俺の頭から何かを取っ払って行くのを感じる。
そうして姿が象られて行く。先の青い隼、青い狼の様な姿は無い。腰元より四角形のバーニアが生成され、肩や四肢を牙の様な造形の装甲とブースターが覆う。
全身を隈なく走る赤いライン。五指は尖り、背中には2本のチューブの様なものが伸びている。
そして顔を覆うのは、やはりドス黒いV字のバイザー。
最後に、基点となる腕輪が嘲る様に叫ぶ。
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これが、今の俺がやらねばならない事。
あらゆる代償、あらゆる対価、その全てを払う事。
届く必要はなく、打ち砕く必要もない。
───今の自分の持ちうる最大で〝生き延びる〟事!!
断頭台さん翻訳
・三つの質問→君23区とズブズブだったりする? するなら君は此処で首と胴体をずんばらりんなんだけど…
・こっちがやってる事正直違反だから君に抵抗する権利はあるよ!でもこっちも仕事だから全力で対応するね!
そんな彼の出現理由はまた後ほど
断頭台:13区執行補佐官。度を超えた治安維持への注力は、13区を「最も安全な区」と言わしめる程。悪を捌き、死を与え、弔いを施す公平。その矛先は立場など関係なく、その人の行いによって変わる。
他区への干渉は行っていないとされているが実際は不明。しかし影響力は確かであり、隣接区の内11区、9区、12区の治安は悪化した試しがないだとか。12区執行官(俗称:アイドル)は「環境を変えようと行動するタイプ」「それ故に妥協と容赦に納得出来ない可哀想な人」と語る。
リベリオン:ツバサ(イッチ)が手にした奇妙なE3の変化形態の一つ。内部にフォーが存在しない場合、この形態の装着が行われる。
身体に限界以上の負荷をかけ、装着者の脳から身体全てのリミッターを解除し、更にスーツによる過剰なまでの強化を行う。
変身すれば確実に命に支障をきたすが、絶対の成果を約束する。
二度目の変身でイッチの体はもうボロボロ。フォーも自責の念でボロボロ。誰も幸せに出来ない「殺す」力。
スレ住民とかキャラの紹介いる?
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いる
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いらない
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設定も込みでいる
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設定だけで良いよ