機動戦士ガンダムSEED 青き稲妻と呼ばれた女性   作:桐野 ユウ

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アメリアとミゲル

ナスカ級ヴェサリウスのモビルスーツ格納庫、緑服のパイロットスーツを着ている人物、ミゲル・アイマンはイライラしていた。自分がナチュラルなんかに後れを取るとは思ってもいなかったからだ。

 

ラスティが失敗して残された一機のGを奪取をするために、ミゲルはジンのスラスターを全開にして腰につけているMAーM3 重斬刀を抜いて振り下ろす。

 

するとストライクはフェイズシフト装甲を展開させて、ジンの重斬刀を両手でガードした。ミゲルは一度後ろに下がると、アスランが搭乗をするイージスのところへと行き、そのままアスランに帰投するように指示してから、ストライクに攻撃した。

 

「そんな動きで!!」

 

ミゲルが操縦をするジンが重斬刀でストライクの肩部に攻撃した。体勢を崩したストライクは後ろのビルに倒れて倒壊させた。そのままとどめを刺そうとジンが接近したが、突然ストライクがタックルをしてきて倒された。

 

ミゲルは突如としてストライクの動きが変わったことに驚いた。その隙を突かれ、ストライクが腰部から取り出したナイフにジン両肩部を突き刺されたので、彼は機体を自爆させて脱出してきた。

 

「・・・・・・俺がナチュラルに・・・・・・ん?」

 

彼が見ていると青いシグーが帰投してきた。アメリア・レイナが搭乗をするシグーアサルトカスタムだ。だがその様子に、その場に居る全員が驚いていた。

 

彼女の愛機の右手が融け落ちて、損失する程のダメージを受けていたことに。そうしているとコクピットが開いてアメリアが降りてきた。それを合図にするかのように、作業員たちは彼女のシグーアサルトの修理をし始めた。

 

「アメリアさん!!」

 

「あらミゲル。無事だったのね?」

 

「はい、ですがアメリアさんがやられるなんて・・・・・・」

 

「油断したわ。あの最後の一機・・・・・・高エネルギー砲を持っていたのよ。おかげで愛機の右手を持っていかれたわ。」

 

彼女は作業員からもらったジュースを飲んでいた。パイロットスーツを緩めたために、彼女の豊満な胸の谷間が解放されていたのでミゲルは顔を赤くしていた。すると赤服の四人がやってきた。

 

「アメリア副隊長!!大丈夫ですか!!」

 

「落ち着けってイザーク・・・・・・(やっぱり大きいなーーーあの胸。)」

 

ディアッカは親友のイザークを止めようとしているが、同時に彼女の豊満な胸をじーっと見ていたのだ。それに気づいたイザークの裏拳が彼の顔面に命中する。

 

「いってえええええええええ!!」

 

「どうしたのディアッカ、大丈夫かしら?」

 

「は、はい!!大丈夫であります!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

彼女は悲しい顔になっていた。赤服の五人だったのに四人になっていたので。戦争だからわかっていたが、大事な部下が死ぬってのは悲しいものである。

 

「・・・・・・本当だったらラスティがいたのに。あなたたちはよくやったわ。」

 

「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」

 

四人はアメリアのことは母のように思っていた。それと同時に彼女自身は誰とも付き合っていないことを知っているので、密かに狙っているのだが、そのことをアメリア自身は知らない。彼女はパイロットスーツから軍服に着替えてブリッジに行った。

 

「やられたみたいだねアメリア。」

 

「最後の一機、ストライクって言うのね。まさか高エネルギー砲をもっているなんて知らなかったわ。おかげで愛機の右手が融解したわ。」

 

彼女の言葉にブリッジの全員が驚いている。青い稲妻を被弾させるほどのパイロットとはと・・・・・・彼女はそのまま格納庫へと行き、奪取してきた四機のガンダムを見ていた。

 

「どうかしら?四機のガンダム。」

 

「えぇすごい出力ですよ。ジンよりも圧倒的な加速力に馬力を持っています。これがナチュラルが開発をしていたなんて・・・・・・おまけにビーム兵器を搭載してますからね。」

 

「・・・・・・GAT-X102デュエル、GAT-X103バスター、GATー207ブリッツ、GAT-X303イージスか。」

 

「えぇデュエルがスタンダートならバスターは遠距離支援型、ブリッツは隠密型、イージスは高機動変形型ですね。」

 

「そして最後の一機、ストライク・・・・・・まってあれ?D装備が出されているけど・・・・・・」

 

「はい、クルーゼ隊長からの指示で次の戦闘ではD装備をするようにと・・・・・・」

 

「本気でコロニーを壊すつもりね、クルーゼ・・・・・・」

 

彼女はD装備がジンに装備されて行くのを横目に、右手が融解している愛機を見ていた。数十分後、D装備のジンたちが出撃していく中、イージスガンダムのツインアイが突如起動してカタパルトの方へと向かった。

 

「おい!!イージスが勝手に出撃しようとしているぞ!!」

 

「誰だ乗っているのは!!」

 

イージスはそのまま発進カタパルトへと行き、先行するミゲル達を追いかける。アメリアはアスランねと思い、まだ修理が終わっていないシグーアサルトに搭乗する。

 

「ちょ!?」

 

「ごめんね、ちょっと悪い子を連れ戻してくるわ」

 

シグーアサルトのモノアイがつき、左手にM68キャットゥス500mm無反動砲を装備して発進カタパルトの方へと行き、そのまま出撃した。

 

ブリッジではイージスが出撃したのと、それを追ってシグーアサルトも出撃したのが報告された。

 

「・・・・・・やれやれ」

 

クルーゼは仮面の奥で苦笑いをしながら、同期の彼女が大人しくするはずがないなと思い、ため息をついた。

 

「仕方があるまい、彼女はどう言っても聞かないのだからな」

 

「よろしいのですか?」

 

「お前が彼女を止めれるか?」

 

「無理です」

 

「だろ?」

 

一方でミゲル達に合流したアメリアの方では、ミゲルが彼女が中破したまま完全に修理されていない機体で、出撃してきたことに驚いていた。

 

『アメリア副隊長!?なぜ出撃を!?』

 

『本当だったらそこの悪い子を、お尻ペンペンしてやろうと思ったけど・・・・・・』

 

『うぐ・・・・・・』

 

『まぁ、出てしまったのはしょうがないわ。』

 

五機はヘリオポリス内に突入した。アメリアが片手のないシグーアサルトの動きを調整しながらいると、ミゲルが指示を出していた。

 

『オロールとマシューは船を!!アメリアさんと俺であいつをやります!!アスラン!!無理やりついてきたのだから戦果をあげろよ?』

 

『了解した。(キラ・・・・・・)』

 

アスランは現れたストライクに自分の親友が乗っているかと考えていたが、ミゲルとアメリアが先行していったので自分も向かった。一方ストライクに乗るキラは、三機の機体が自分の方へと向かっているのを確認した。

 

「あの青いシグーは前にやってきた!!」

 

「今度は対艦刀装備の形態なのね。いったいどれだけあるのかしら?」

 

アメリアはストライクの戦闘データをとるために、左手に持っているキャットゥスを発砲した。ストライクがこれを交わすと、続けざまにミゲルが搭乗するジンがバルルス改を発砲する。

 

スラスターを全開にしてストライクは回避するが、流れ弾がヘリオポリスに命中した。

 

「これじゃコロニーが!!」

 

シグーアサルトは両肩部と左手のガトリングを放つが、ストライクは回避して持っている対艦刀をふるってきた。彼女は回避しようとしたが、避けきれずに左手のシールドガトリングが切られたので即座にパージした。

 

「当てた?」

 

「アメリアさんこのおおおおおおおおおおおお!!」

 

ジンはトリガーを引きビームを放つ。それをストライクは左手の盾で防いだ。

 

「あの動きはナチュラルなの!?」

 

ストライクは左肩のマイダスメッサーを投げつけた。ミゲルは回避してとどめを刺そうとしたが、反転したブーメランがジンの脚部を切り裂いた。

 

「何!?」

 

「うああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

「させないわよ!!」

 

キャットゥスを撃ちストライクに命中させると、彼女は中破したミゲルのジンを引っ張り撤退をすることにした。すでにほかの二機のジンの反応がロストしているのでやられたと判断し、アメリアはアスランに声をかける。

 

「アスラン!!」

 

『殿は自分がします!!副隊長はミゲルを連れて撤退を!!』

 

「わかったわ。」

 

シグーアサルトは左手で脚部を失ったミゲルのジンを連れて、ヴェサリウスの方へと撤退した。撤退する時にモニターでヘリオポリスが崩壊をしていくのを見た。彼女は連合軍がG兵器を作るからと自業自得だなと思いつつ、ヴェサリウスの方へ帰還した。アメリアは近くに中破したジンを降ろすと、シグーアサルトが置かれる場所に移動させて機能停止させる。

 

コクピットが開かれてアメリアが降りたった。

 

「副隊長やりすぎですよ。まだ修理をしていないのに・・・・・・」

 

「ごめんなさいね」

 

アメリアはボロボロになった愛機を見て、少しは修理をした方がいいわねと判断してお願いをする。そうしてブリッジに戻った彼女を、クルーゼは苦笑いをしながら待っていた。

 

「ようやくお姫さまが戻ってきたね」

 

「ごめんなさいねクルーゼ、ほら最後の一機のGの戦闘データよ」

 

彼女は先ほどのソードストライクとの戦闘データを彼に渡した。彼が内容を確認すると、まるで動きがナチュラルではないことに気づいた。

 

「君はどう思っているのかね、アメリア?」

 

「どうとは?あの最後の一機のGがナチュラルが運用をしているのかって?そんなわけないわよ。あんな動きをナチュラルにできるわけないわ。とりあえず私は休ませてもらうわ」

 

彼女はブリッジを後にして自分の部屋に移動しようとした時、そこにミゲルがいた。

 

「どうしたのミゲル?」

 

「・・・・・・すまねぇアメリアさん、俺はあんたに助けてもらったな・・・・・・」

 

「気にする必要はないわよ。それにあなたのジン、まもなく修理が終わるそうじゃない。あなたまで死んだらあの子達を纏める人がいなくなるわ」

 

「アメリアさん・・・・・・」

 

「『黄昏の魔弾』さんごきげんよう」

 

アメリアが自分の部屋の方へと移動をしていくのを、ミゲルは顔を赤くしながら自分の胸を抑えていた。

 

(そ、そうか・・・・・・俺はあんたのことが好きになっちまったってことか。青い稲妻じゃなくて青いサキュバスだよあんたは)

 

ミゲルはそう呟きながら格納庫の方へと行った。




次回「イザーク、ディアッカ、ニコル、アスラン」

現在のシグーアサルトの状態 右手が破損
              左手の内蔵型ガトリングシールドをパージ

アメリアの彼氏は誰がいいのか?

  • ギルバード・デュランダル
  • ラウ・ル・クルーゼ
  • シン・アスカ
  • イザーク・ジュール
  • ディアッカ・エルスマン
  • ニコル・アマルフィ
  • スティング・オークレー
  • アウル・ニーダ
  • ハイネ・ヴェステンフルス
  • ???(SEEDFREEDOM)

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