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「ご主人さまから誘っておいてぇ、自分からはできないとか弱音を吐くんですかぁ?」
俺といつもの眼帯ビキニスタイルのむかつく表情をしたメスガキメイドがいるのは俺の部屋。窓の外にはお月様がこんにちはしており、メスガキは目の前で俺のベッドの上にちょこんと腰掛けていた。
その小さな座り方は遠慮しているつもりなのか、それとも俺にはできないと挑発をしているのか。
「……そこまで言うならやってやンよ」
「きゃっ」
ベッドに生意気なメスガキを押し倒してうつ伏せになった彼女の上に俺は馬乗りで乗った。
日頃の罵詈雑言による鬱憤が溜まっていて、ちょうどいい機会だ。このメスガキメイドをわからせてやる!
「メイドにこんなことして、いいと思ってるんですかぁ?」
「うるせぇ、ここまできたらやるしかないだろ!」
「っんぐぅ」
彼女の全身を素手で弄る。体が小っこくても人間の体つきのモチモチとした肌触りは殆ど変わりはない。
何分も彼女を指で軽くほぐしていると、彼女の太ももから汗が大量に出てくる。
「っ動物さんみたいに知性の欠片もない触り方ですねぇ」
煽られるが無視をする。いつものことで、俺も慣れたもんだ。
それに俺ら人間も動物である。なんの罵倒にもなっていない。
「あっ、失礼しましたぁ。それだと、動物さんに失礼でしたねぇ。ミドリムシさん以下ですかぁ?」
「お゛ま゛え゛ぇぇ」
ミドリムシさんを馬鹿にするんじゃねぇ!
「はぁ……今度は厭らしく触るなんて……ご主人さまは……はぁ……本当に……はぁ……ヘンタイさまですねぇ」
「お前は黙ってろ」
「あっ、あっ」
メスガキメイドの言葉にならないで叫ぶ姿を見ると、どちらが獣か分からない。
ぐちょぐちょに、水分で濡れきった布を脱がすと、そこには蒸れきったものが出てくる。体に見合ったその大きさのものを丁寧に柔らかくするために指を入れた。
「……ふっー、ふっー」
指を絡ませた瞬間、これまでも全身に汗を滲ませたのに、顔を高揚させてより全身から溢れ出た。
浅い息をただ繰り返すのとよだれをだらしなくベッドの上に垂らすだけで、お得意の暴言が一言も出ない。
若干の涙を浮かべて珍しく彼女の弱り切った、だらしない表情に強い欲を抱いてしまう。
――もっと、いじめたいと。
今まで一番力を込めて押し込む。
「だめです! だめです! これ以上は本当にらめぇ」
「おらっ、ここが効くだろ! テレビでやっていた足の裏で一番辛いツボだってテレビで言っていたもんなぁ!」
「あぅぅぅっ」
そう、俺らはベッドの上でマッサージをしていた。
「というか、何で俺がメスガキメイドにマッサージしているんだよ!」
近くに置いてあったティッシュの箱をお笑いでやっているような感じで乱暴に投げた。
もちろん、その先には誰もいないし、クッションがあったので傷つく物も一切ない。
「んっ、いいじゃないですかぁ」
「しかも、俺はバイト帰りだぞ?」
足の裏から、念入りに上を目指して指を進める。後で適当だと文句を言われそうだったから仕方なく。
「ご主人さま、やばい、やばい。わたしおかしく、おかしくなっちゃいますぅ」
今マッサージをしているのはふくらはぎだ。
ふくらはぎは、人間の部位の中で第二の心臓と言われるくらいには、大切な箇所である。寝るときも枕を頭じゃなくて足の下にやった方が健康にいいだとか昔ばあちゃんが言っていた。
「ちょっと、触り方がえっちですぅ」
「腰をマッサージしているだけだろ! 変な言いがかりはよせ」
「それでもぉ。……あっ、だめぇ!」
体をくねくねとさせて、彼女は本当に気持ちよかったのか触る度にびくんびくん体を弾ませた。
しかも、メスガキはそのまま俺の枕で勝手に顔を押しつけやがった。
「おいっ、俺の枕だろ」
「だって、だってぇ」
意外と肩がこっているようで、がちがちにこっている箇所が多い。
そこを初見でピンポイントにほぐせるなんて流石は俺と、自画自賛をしながらマッサージを続ける。
「あ、そこいいですぅ。……バイトって言っても近所の図書館で読み聞かせに行っただけでしたよね」
「精神的に疲れるからいいんだよっ」
ベッドに横たわっている女性が、もしもぼっきゅぼんのの金髪蒼目の巨乳美女だったらどれだけよかったことか。
「ご主人さまは、マッサージだけは上手いんですねぇ」
「褒められるのは嬉しいが、だけが余計だ」
布団に潰れた二つのメロンを眺めれば、こんなのも苦じゃないどころか、いくらでもやってやるのに。
「これ以外にご主人さまは何かできるんですかぁ」
「……料理とか?」
「ご主人さまが料理を作っている所なんてわたし見たことないですけど」
「……お前が寝込んだら作ってやるよ」
「わたしが寝込むことなんてありえないとは思いますけどぉ。まあ、期待しないで待ってますよ」
あー、本当にこのメスガキはむかつく。
「というか、何でマッサージする流になったんだよ」
「そりゃ、ご主人さまがわたしに重たい物を持たせようとしたから」
雨の日。俺は家電量販店に欲しかった物があった。
日々の疲れを癒す魔法の家電、その名もマッサージチェア。
マッサージチェアは昔から俺の憧れだった。田舎にいた頃はその大きさゆえに家のスペースを占領されると、文句を言われてしぶしぶ購入を諦めたけどその夢は上京して叶うことになるはずだった。
あの日は二人だし雨の日で持って帰るのあれだったけど、ちょうど晴れたしいいかなっと思っていた。
それなのに――
『重い物を女の子に持たせるんですかぁ? 流石は貧弱なご主人さま。体も精神も幼すぎますぅ』
『……まあ、どうしてもお体が辛いようでしたら。このわたしが特別にマッサージをしてあげますよぉ』
と、いった感じで俺はマッサージチェアを諦めて、スーパーに寄って食材を買ってから暑い太陽の下で二人でアイスを食べながら帰った。
そうしたら、メスガキメイドは今日は疲れたから、また今度にしませんかとか、言いやがって日が延びて今日になった。
そういえば、このやりとりも懐かしい。俺が欲しいって言って、それを隣で却下されて。
昔も■と一緒にこんな感じで駄菓子屋に行ってから家に帰――
「――ちょっとぉ、だめだめなご主人さま。かわいいメイドの話をしっかり聞いていますかぁ?」
「……えっと、悪い。聞いてなかった」
「もう、わたしの話くらいはしっかり聞いてくださいよ。そんなんじゃ社会に出てから後悔しますよぉ」
「お前に言われなくても分かっとるわ」
まだ高校生だから社会人なんて当分先の話だけど。
「それより、これで大分体も軽くなったろ」
勉強机の上のデジタル時計がかなり時間が進んでいた。何分も真面目にマッサージやってい
てせいか、二人とも汗だくになっている。
「まあ、ご主人さまにしては上出来ですねぇ。気持ちよくなりました」
ぐぐっと、気持ちよさそうに体を縦に伸ばしてリラックスしている。
「じゃあ、選手交代だ。俺にマッサージしろ」
「マッサージのやりかたは任せて貰っていいんですよね?」
「……ああ、任せるが」
服をまくり俺はうつ伏せになった。怖くなって顔を少しだけ上げるとニヤリと、下品に笑う夜を反射した窓ガラスから写ったメスガキメイドの顔が偶然見える。
「失礼しますよ」
「なっ、お前まさか」
嫌な予感というのは、的中するもので彼女のひんやりとした足が俺の服をまくった背中にのしかかる。
「ほらほら、いじめていた美少女に見下されてその足で踏まれる気持ちはどうですかぁ」
「ぐっ」
心は正直になりたくないけど、体は正直である。
蒸し暑い季節の夜。適度に冷たい彼女の足が気持ちよく、俺に快楽を与える。
「か弱い女の子相手に抵抗できないなんて情けなーい。くすくす」
「ぐぬぬ」
ふみ
ふみ
ふみ
ふみ
ふみ
と、彼女が踏みつけるのは田舎の頃にいた野良猫が甘えてくるそれに似ている。
もしも、彼女が靴下を履いていたなここまで気持ちよくなかっただろうけど、彼女は今素足だ。しかも俺が脱がした足で。
「あれれー、どうしたんですかぁ気持ちよさ過ぎて言葉になりませんか? もしかして、興奮してるんですかぁ」
「誰がお前なんかにっ!」
「わー、怖い。そんなに睨まないでくださいよぉ。ほらほら」
「ひゃぁ」
「可愛らしい声を出して、ご主人さまどうしたんですかぁ。……もしかしてこんな、か弱い女の子に高校生男子が負けるんです?」
「ま、負けるはずない。年上が年下に負ける――」
「えいっ」
ぐりぃっと、彼女の足の裏がくい込む。
しかも、一番気持ちがいい場所に。
「ふぉ」
堪らずに、押し殺していた声が出た。我慢していたはずなのに体は正直でしかない。
「あはは、情けなーい」
初見のやつが、こんなにも俺の体に詳しいはずはないメスガキメイドは知り尽くしていたんだ。俺の体が悲鳴をあげる箇所を。
きっと、俺が寝ている間に起きないようにこそこそと開発をしていた。
だから、こいつは日を改めマッサージをすると言ったんだ。
このバトル、初めから俺の負けは決まっていた!
「こんなの、卑怯だ!」
「やっと、気づきましたぁ? 寝ている間に体を弄られているのに全く気づかないなんで、すやすやと眠って、やっぱりまぬけですねぇ。ご主人さまは」
「あぁぁぁぁ」
「うふふっ」
脱力しきってベッドの上で体の自由がきかない俺と、笑って見下している彼女。勝者は誰がどう見ても明らかだっった。
「あーあ、楽しかったぁ」
「俺はちっとも楽しくなかったよ」
ボコボコに遊ばれただけだから、楽しいはずがない。
体は軽くなったけど、勝負には負けて試合にも負けた、とても落ち込んだ気分になった。
「わたしは楽しかったんですぅ。それよりも美少女の素肌に触れて嬉しくなかったんですかぁ?」
「……嬉しいはずないだろ」
「あ、今の間ちょっと怪しぃ」
くすくすと、静かに俺のことをせせら笑う。
「だっー、怪しくない! 普通、いつも通りだ!」
「また、マッサージやります?」
「やんねぇよ、馬鹿!」
この流れでやる馬鹿がどこにいる!
「えー、つまんないのー」
唇を尖らせて、いかにも機嫌が悪そうな態度になった。
お前はまた、俺がボコボコにしたいだけだろとは、力なき今言っても彼女による無慈悲なエクストラターンが始まるだけだから言わないけど。
こんなことにならないように今度こそ自分だけのマッサージチェアを買ってやる。
「……そういえばさ、今度友人が来ることになったからまた、服を買いに行こうぜ」
ちょうど外に出るきっかけがあるし、早めに言っとかないと、この格好で出られまら学校中に噂が広がって俺が軽蔑されるからな。
そうすると、俺の理想の普通の高校生の生活から遠く離れてしまう。
「傘を貸してくださるご友人はいらっしゃらなかったのに」
「いや、あれはたまたまだから」
そう、あれはたまたま。実は嫌われていて傘を貸してくれなかったってことはないはずだ。……多分。
「男性の方ですよね?」
「いや、女」
「……はぁ?」
「イダいっ」
冷たい言葉と共にうつ伏せの無抵抗な俺に対して放たれたメスガキメイドの卑劣な攻撃による痛みは、次の日の夜まで俺の背中に残った。
ご主人さま
年下にマッサージされて喘ぐヘンタイ。
マッサージチェアなんて、場所をとるものは絶対に買わせたくない。買うくらいならメイドがマッサージする。もちろん足の裏で。
メイド
服は記念日などに着る。それ以外は基本的に眼帯ビキニと紐パンツ。
ご主人さまに言葉責めだけじゃなくて、体の方でも責めるのは楽しいのかもしれない。