「ここは?」
「おっ!やっと起きたか裕士。」
「ああ・・・って!そんなのんきにしていていいのかよ!」
「そんなことを言われてもなぁ。俺が目を覚ましたときからこんな場所なんだし、まわりでおまえらも倒れていたから下手に動くこともできなかったしな~。」
そうなのだ、俺たちの状況を簡潔に説明するなら『宇宙に漂っている』と表現するのが適切であろう。
そして俺たちの目の前には巨大な扉がそびえたっている。なんというか・・・ものすごく神々しい感じを全面に押し出したようなデザインで・・・正直、ビビる。
なんかこの扉から三極神とか出てきそうな感じだな。
そのとき、今まで目の前の扉のせいで忘却の彼方に存在を置いてきてしまっていた奏が目を覚ました。
「んん~。・・・えっ・・・・・・。」
気を失って、目を覚ましたら宇宙とかこの反応が正しいだろうな。というか、篤が冷静すぎなんだよ。
「何言ってんだ裕士。俺もテンパっているにきまってんだろ、こんな状況にいきなり説明もなく放り出されてテンパりが一周回って冷静に見えるだけだから。」
そうか篤もこの状況に混乱してたんだな。・・・あれ?俺、声に出してた?
「何年ダチやってきてると思ってんだよ。お前の考えなんて見え見えなんだよ。」
「まじか。俺の心のプライバシーオワタ。」
「いや、さすがになんでもかんでもお見通しなわけじゃないぞ。今のお前は顔に動揺がもろに出ているからわかるだけであって普段はわからんから安心しろ。」
そんなことを話している間に、奏の再起動が完了したようだ。
「あんたたち、こんな状況でよくそんなのんきでいられるわね?」
「いやいや、俺らも結構テンパってんだって。・・・あれ?さっきこれと似たくだりやらなかった?」
「俺と裕士の会話とそっくりだな(笑)」
「笑ってんじゃないわよ、篤!」
「「ははははははははははは!」」
「裕士も一緒になって笑うな!!!!」
さて、おふざけはここら辺にしておいて・・・
「なあ、ここどこ?」
「知らん。」
「知らないわよ。」
「デスヨネー。」
「ただ、このなんかやけに神々しさを全面に押し出した扉が俺たちがここにいることと関係しているのではないかと俺はおもってんだけど。二人はどう思う?」
「確かにそうよね~。」
「なあ、この扉開けてみね?」
空気が凍った・・・
「裕士、あんたはバカだけどもっとまともなバカだと思ってたんだけど、どうやら私が間違ってたようだわ。」
「裕士、こんな状況でいかにもな死亡フラグを全力で回収するとか、お前はバカか、バカなのか?」
「2人してひでぇwwwなにもそこまで言わなくていいだろwww・・・でもよ正直な話、なにか行動しないとこの状況はいつまでも変わらないんじゃねぇかな?」
「確かに・・・裕士の言葉にも一理ある。膠着したこの状況を打開するには何か行動しなければいけないのも事実だ。」
「そうね。このまま考えてたって仕方ないし、いっちょやってみますか!」
「んじゃ、俺扉の右押すから、篤左な。」
「あいよ。んじゃあせーのっ。」
2人によって神々しい扉は、重々しい音を響かせながら開かれていった。
扉の隙間から眩いほどの光があふれ出て宇宙を白く染め上げていった。
その光の先で彼らが見たものとは?
「あふぇ?お客ふぁんでふか?おかひいな~ほんな予定はふぁいって・・・ゴクン・・・なかったはずなんだけどな~。」
彼らが見たのは、こたつで暖をとりながらみかんをほおばっている女の子なのであった。