「腹が減った。」
深夜の12時を回った頃、布団から出て起きる。
「なんじゃマスター、戦でもないのに飯か、」
呆れた顔で、霊体から実体化してセイバーが出てくる。
「仕方ないだろう、朝に食った牛乳に当たって、腹下してたんだから昼間」
実は今日の朝に飲んだ牛乳の賞味期限が7ヶ月近く過ぎており、それに気づかずに飲んでしまったのだ。そのおかげで飲んでからすぐに、トイレへと直行し約、9時間にも渡る決闘が開幕したのだ。
そしてその決闘を制してから死んだ様に今の今まで寝ていたと言う訳である。
「うーん、今ならコンビニはやってるからそこ行くか」
着替えながら、財布の中身と相談し決めた。
「セイバーさんも来ます?」
ふと質問してみると。
「行く!」
と0.1秒も掛からずに持っていたりお茶をすぐに冷蔵庫へとしまい飛んできた。
「それじゃ、いきましょうか。」
隠れ家にしている、アパートから出て徒歩5分ほどの場所にある。コンビニへと足を進めた。
△
正直言って俺の住んでいる場所は悪い。職業柄、金のかかる物なので仕方なく、妥協できる範囲ギリギリの場所が此処だったのだ。
うちから出て一番近い場所にあるコンビニは商店街を抜けた先にあり、途中に必ず商店街を通らなければならないのだ。
商店街といっても、前にセイバーさんといったカツ丼屋もここにあるが流石に閉まっていた。
すると商店街の入り口の方から光が見える。
何故入り口なのかは俺の位置的に出口から入っていかなければならないため不自然ながら出口から出ると言う変な状態へとなっていた。
「なんじゃ、あれ。蕎麦か?」
いつの間にか、灰色の着物を雑に着て、サンダルを履いたセイバーさんが光の方向へと指を指す。よく見ると、その光は提灯であり、何かの屋台の様だった。
「そばではないと思いますが、ラーメン?か、おでん?、いやここらでは一度も見たことがないが、、、」
少し不気味ではあるが、此処からコンビニへと行くくらいなら、あそこで食事を済ましてしまった方が楽だ。
「セイバーさん、あそこで食べます?」
この人も食べる気だろうし、聞いてみると。
「あぁどうせだ、あそこにするか。」
セイバーさんも行く気な様なのでその光の方へと足を進めた。
その屋台はおそらくは軽トラックを改造して荷台に屋台が置いてあった。暖簾にはでっかく[麻婆豆腐】と書かれており少し不穏だかが、好奇心に逆らえず暖簾を潜る。
「タイショー、やってる?」
そこには、黒い服を着て、その堅いとは裏腹にわざわざエプロンと三角巾を身につけて鍋を混ぜている死んだ魚の目をした男がいた。
「あぁ、よくぞ来た」
そう言うと、カウンターに置いてある、一枚の紙を指さす。
「えーとなになに、、、」
それはまさに狂気だった、そのB5用紙ほどの紙の一面に[麻婆豆腐]とびっしりと羅列してあったのだ。
麻婆豆腐の辛さでは無く、シンプルな狂気からくる大量の冷や汗を感じすぐに出ようとすると。
ドンっっっ、、
そこには炎の様に赤くグツグツと煮えたぎる、マグマの様な麻婆豆腐が二人前置いてあった。
心の中で(あっ、逃げられない、、、)と感じ取っていると。セイバーさんが店主に質問していた。
「店主、これがマーボードウフか?」
すると、店主は嬉しそうに、説明する。
「あぁ、それが麻婆豆腐だ。この私の空っぽな心を唯一埋めてくれた存在だ、是非食ってくれ」
「ほんじゃあ、頂きます。」
セイバーさんは中華用のスプーンを手に取り、マグマの様な麻婆豆腐を口へと運ぶ。
「ま、待って!セイバーさん!」
止めようとするがすでに遅い、その地獄で作られた様な麻婆豆腐はセイバーさんの口へと入っていった。
すると、セイバーさんはすごい顔をしながら口の中で噛み、飲み込んだ。少し下を向いて黙っていると突然顔を上げ叫ぶ。
「うまーい!何と!こいつはすごいぞマスター!噛んだ時に辛さはあるがそれに負けぬ程の旨みが口を包む!こいつはすごいぞ!」
俺がポカーンとしていると、セイバーさんは麻婆豆腐を次々に口へと運んでいく。
「どうした?食わんのか?」
後ろで手を組んだ店主が、進めてくる。
まぁセイバーさんが食べられたから大丈夫だろうという、謎の考えで、その熱して、溶かしたドロドロの鉄の様な麻婆豆腐を口に入れた。
その口に入れた瞬間に、考えられないほどの絡みが舌を襲う。
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」
言葉にならないほどの叫び声を上げ、その場気絶する。
△
ちょうど出された、麻婆豆腐を食べ終わったあたりで、真矢がとんでもない叫び声を上げ、その場に倒れる。ハッと、その場を数メートル離れて刀を構える。
「貴様!何者だ!」
すると裏から店主が後ろで手を構えながらゆっくり歩いてくる。
「悪いが、私は君の様な
唐突に飛び出たセリフ、驚き斬りつけようと構えると、後ろから麻婆豆腐を口にメジャーのピッチャーの様に放り投げて来た、それは間違いなくわしの食った麻婆豆腐の味だった。
「それはこの失神している男に食べさせた物だ、どうだ?」
「美味い、」
よくよく考えてみれば、マスターを殺すのが目的だとしたら即死さてるはずだ。
気になるところは有るが、今は家へと帰ろう。
マスターを担ぎ上げ、帰ろうと金を出す、しかし
「悪いが、代金はいらない。ギンガメッシュもランサーも食えなかったものを君は簡単に完食してくれたお礼だ。」
そうして帰る時、せめて名前だけでも聞いて置こうと聞いてみる。
「お前さん、名は?」
「
「本当は名乗っちゃいけないのだがな、まぁ他のマスターに言うなよ。」
「ふっ 、もうサーヴァント相手に喧嘩を売るのはごめんだ」
「島津、
そう言うと、俺はマスターの家へと進んでいった。
△
朝飛び起きる。確か変な屋台で、、、何故だろう?記憶が飛んでる。
「おう!起きたか!」
座布団に座りながら、テレビを見ているセイバーさんが声をかけてくる。
「あの、昨日って夜に外に出ましたよね?」
セイバーさんに質問してみるも、
「いや?、出てないぞ?ただ変な夢は見ていた様でうなされてはいたが。」
それだけ言うと目線を俺からテレビへと戻してしまった。
俺は口にわずかに残る、絡みを感じながら、冷蔵庫の方へと向かった。
ランサーの話は次回書きます。
あと前回を言いましたがお気に入り登録してくれた方ありがとうございます!