史上最強の女子高生   作:光の甘酒

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お久しぶりです。リサ回です。

前回はこころ回でしたね。


第9話 うおおおお!僕アルバイトオオオオ!

「リサ~、きたよー」

「アリスー!ごめんね急に」

 

 

私はコンビニでここの制服を着てスタッフルームにいる。

目の前にいるのは今井リサちゃん。羽丘の3年生で私の友達。そして紗夜ちゃんとりんりんちゃんのバンドメンバーでもある。

 

 

「いや~急に悪いね~」

「モカちゃんがああなっちゃ仕方ないよね」

 

 

そう、リサはこのコンビニでバイトをしているのであるが、相棒の青葉モカちゃんがインフルエンザになってしまい出勤停止に。

他のバイトの人もたまたまシフトの調整が合わず、このままではリサのワンオペになってしまうため、時間限定で私がバイトに入ることになった。

 

 

「一通りの業務はできると思うけどわからなかったら教えてね」

「即戦力助かる~~!」

 

 

そんなこんなで業務を人並みにこなしているわけである。

 

 

「いや~この手際の良さは人並みのレベル超えてるなあ~」

「人の心を読むのはマナー違反だぞ~?」

 

 

そこそこ忙しくわりと楽しく仕事をしているが、やはりコンビニ。老若男女色んなお客さんが来る。

しかしこのあたりは治安がいいのかマナーのいいお客さんがいいように思える。

 

 

「リサちゃ~ん、すまんけどまた教えてくれんかね?」

「はーい。これの操作難しいですよね~」

 

 

リサに至っては常連と完全に顔見知りとなっており、今日もコピー機を使いに来たおばあちゃんの相手をしている。

 

 

「はい、おつり300円です。ありがとうございました!」

「きゃあ~アリスお姉さまからおつり貰っちゃった!!」

「あはは~そりゃおつりですもの」

 

 

私がここでバイトしているとどこから話が広がったのか、同じ学校の子たちがこうやって来てくれることも増えた。

 

 

「あの・・・これ・・・」

 

 

何故か連絡先の書かれたメモを渡されることもある。

こちらに関しては後日謝る形になっているけど。

そんなこんなでバイトを始めてあっという間に1週間が過ぎて、インフルエンザの隔離から解放されたモカちゃんももうすぐ復帰するらしい。

 

 

「お会計1000円です」

「1万円でお願いします」

 

 

ホットスナックの在庫を整理しているとリサがあるお客さんの相手をている。

 

 

「9000円のお返しですありがとうございました!」

 

 

リサがそのお客さんを見送ると、その人は即座に戻ってきた。

 

 

「あのおつり9000円ですよね?」

 

 

そういってお客さんが見せてきたのは千円札が4枚。4000円しかなかった。

 

 

「え?アレ??」

 

 

リサが困惑する。

 

 

「いや困りますよ」

「しかし確かにお渡ししたかと・・・」

「そうはいっても実際手元に4000円しかないわけですよ。店外には出ていませんし目の前にあるのが事実では?」

 

 

なにやらもめている。

ちょうどホットスナック商品の整理が終わった私はレジに合流することにした。

 

 

「どうかしましたか?」

「さっきお会計して9000円のおつりを私つもりだったんだけど4000円しかないっておっしゃってまして・・・」

「そうですよ。受け取って店を出ることなくすぐ戻ってきたんです」

「なるほど」

 

 

ん~なーんか怪しいなあ

リサがそんな単純なミスをするはずないし。

しかしだからといってこの状況で判断するのは難しいところ。

 

 

「もういいです。貰った貰ってないを言い合っても仕方ないし、商品とおつりは返すので1万円を返金していただけますか?」

「そうですね~・・・」

 

 

リサは判断しかねるといった様子。

仕方ない、ここは私が出ますか。

 

 

「うーん。札数の確認はしたんですよね?」

「はい。でもお客様の前でしたわけじゃなくて」

「なるほど」

 

 

これは・・・多分クロ。

いくらなんでも札の枚数を間違えることはあっても5000円の抜けを見逃すわけない。

 

 

「お客様、申し訳ございません。一度レジ上に設置されている防犯カメラの映像を確認してもよろしいでしょうか?」

「なんだよ、疑うのかよ」

「お客様を一方的に疑っているというわけではありません。当店のスタッフがお札の枚数を数えている映像もあると思うので、お客様のおっしゃるように当店のミスでしたらその映像もあるはずなので・・・それを確認するためにも少しお時間をいただけないでしょうか?」

 

 

この手のクレーム対応の基本。

それはどちらかを一方的に悪いと決めつけるのではなく、あくまで「どちらが悪いのかわからない」「確認するのはお客様のためでもある」というスタンスを崩さないことだ。

 

 

「人を疑うということはそれなりの覚悟があるんだろうなあ?あ?」

 

 

とはいったもののこの客にはそんな配慮は無意味だったようだ。

声のトーンは完全に脅しにかかっている。こっちは女子高生2人。凄んでゴリ押しすればなんとかなると思っているのかもしれない。

 

 

「その結果当店のミスであった場合は誠心誠意謝罪いたします」

「謝罪だけで済むかね~」

 

 

なんて強がっているが明らかに焦っている雰囲気が伝わってくる。

 

 

「一応、上席に連絡の上確認を行います。少々お時間をいただきますね。今井さん、店長に電話してきていただけるかしら?」

「は、はい」

「あーもうめんどくさい。時間がないんだ。もういい。5000円は諦めるから俺は帰る!」

「お待ちください!」

 

 

私はカウンターの外に出て客に近づく。

 

 

「近寄るな!」

 

 

バシン!

 

 

反社的に男の手が動き、その手が私の頬に命中する。

 

 

「アリス!?」

 

 

リサが心配そうに声を上げる。

大丈夫だよリサ。命中“した”んじゃなくて命中“させた”んだから

 

 

「うおおおおお!僕アルバイトオオオオ!」

 

 

わりと余裕があったので少しネタに走ってみた。え?知らない?検索してみなされ。

 

 

「な、なんだよ!お前が勝手に近寄ってきたんだからな!ちくしょう、あんま調子に乗るとぶっ殺すぞ!本部と通っている高校にもクレーム入れてやるぞ!?」

「暴行と脅迫の現行犯です。逮捕します」

「何!?いでででででで!!!」

「リサ!警察に電話を。客が店員を殴って私人逮捕したって言えばいいから。その後店長にもお願い!」

「わかった!」

 

 

私はその男を締め上げ、制圧する。

 

 

「放せ!ガキがこんなことしていいと思っているのか!?」

「法律の則った行為ですよ」

 

 

逮捕と聞くと警察官が犯罪者を・・・というイメージが大きいが実は法律上、私人逮捕といって警察官以外の市民でも逮捕を行うことは可能だ。

ただしそれは現行犯に限られているし、身柄誘致(引渡し)できる警察官の役職にも決まりがある。通報したけど無資格の警察官が来ても困るので通報時に私人逮捕をしたと伝えるのはわりと重要なのだ。

 

 

「おおかた、女子高生相手だからと油断していたんでしょうけど、残念ですね」

「クソッ!クソッ!なんでだ!?ピクリとも動かない!!」

 

 

そして集まってきた野次馬や常連たちも加わり男は完全制圧。

そのまま警察に引き渡されていったのであった。

 

 

 

 

「アリス、頬っぺた大丈夫?」

「うん。ちょっと赤くなっただけだよ。リサこそお疲れさま。大変だったよね」

「いやいや、アタシあたふたしてただけだし」

 

 

警察に男の身柄が引き渡されたあと、私たちはスタッフ控室にいた。

ひとまず業務は一旦停止で私たちは警察の事情聴取のための待機である。

警察は駆け付けた店長と一緒に防犯カメラ映像の確認をしている。

 

 

「うう~事情聴取なんて初めてだから緊張するなあ~」

「そうたいしたもんじゃないよ。今回は被害者だしありのまま起こったことを話せばいいのよ」

「なんか慣れてるなあアリス」

「そんなことないよ」

 

 

まあ実際こちらは未成年の女子高生。被害者。さらに防犯カメラにばっちり証拠が収められているだろうから多分危惧することはない。私人逮捕も問題ないようにふるまったはずだ。

 

 

「お待たせしました。やはり今井さんは間違いなく9000円のおつりを渡していました」

 

 

カメラの確認を終えた店長が警察官とやってきてそう告げる。

 

 

「よかった~間違えてないつもりだったけどやっぱり不安だったあ~」

「よかったね、リサ」

「ご協力感謝いたします。ちなみに志賀さんへの暴行、脅迫の映像もバッチリ撮れていたので、このまま男は警察で引き取ります」

 

 

これであの男は詐欺未遂、暴行、脅迫の3連コンボか。こりゃあお先真っ暗だなあ。

警官の話を聞くところによると、どうやらおつりを受け取って振り返った瞬間5000円を懐に入れてすぐさま振り返って・・・という手口だったらしい。同様の手口が近隣でも多発していたらしいので、おそらく詐欺の既遂もいっぱい加わるだろうなあ

 

 

「しかし志賀さん、いくら何でも危険です。今度からは下手に前に出ないようにしてすぐ警察や私に連絡してくださいね」

「あはは、すみせん」

 

 

 

店長に怒られてしまった。

 

 

 

「それではこれから署で事情聴取を行いますので、店長さん、申し訳ありませんがお二人をお借りいたします」

 

 

あらら~店長ワンオペになっちゃうわね。

店長も仕方ないかさすがに・・・って顔をしている。

 

 

「じゃあリサ、一緒に行こうか」

「うん」

 

 

こうして警察署にパトカーで向かい、事情聴取が終わることには夜になっていた。

リサはお母さんが迎えに来ていて、私は迎えてくれる人なんていないので一人で帰ることにした。

 

 

「アリスは一人暮らしなんだっけ?」

「そうよ~」

「せっかくだし今日ウチこない?お母さんもお礼がしたいって」

「そうよ~アリスちゃん大活躍だったみたいね!せっかくだし晩御飯どうかしら?」

 

 

リサとリサママがキラキラの笑顔で提案してくる。

 

 

 

「そうですね~・・・うん、ではお言葉に甘えようかな。よろしくお願いします」

「せっかくだから友希那も呼ぼっか」

 

 

 

 

 

「うっ・・・うっ・・・リ、リサ・・・辛いよお・・・・」

「あ、アリス・・・アタシも・・・もう無理・・・」

「どういうことかしらこれは」

 

 

友希那がやってきて第一声がこれである。

なぜかって?私とリサが目から涙をボロボロ流しているからである。

 

 

「ゆ、友希那・・・・」

「な、なにかしら・・・?どこか痛いのかしら・・・?」

「タ マ ネ ギ 切 っ て た か ら く っ そ 目 が 染 み る ん よ」

「・・・・心配を返してちょうだい」

 

 

 

夕飯の支度を手伝うことになった私とリサはタマネギの皮むきとカットを担当していたからね、こうなるのも仕方ないね。と、いうわけでそのあとは楽しいお食事会であった。

しかしあれだなあ・・・なんか行く先々で友達がトラブルに巻き込まれるのってやっぱ"こういう世界"で私の役割だからなのかなあ・・・・

 

 

 

「やっと私の出番かと思ったらこれだけなんてあんまりじゃないかしら」

 

 

 

食事が終わり解散、というところで友希那がなんかメタ発言しているような気がしたけどきっと気のせいよね。

彼女にはまた舞台が用意されることだろう。

というわけでおはよう、私の愛す世界よ。




評価を頂いた方ありがとうございます!高評価でも低評価でもそれだけ読んでいただけているということなので嬉しいです!
ちなみに今回の話は実際に起きてニュースにもなった詐欺の手口を使用しています。皆さんもお気をつけください。
今後も不定期になりますが少しでも皆様に楽しんでいただけるよいうに頑張りますので引き続きよろしくお願いいたします!
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