有咲が実は親友の娘でした!
以上!!
「うわ~時間がやばい!!」
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・アリスさん・・・私はもうダメです・・・」
目を覚ました後、私と有咲ちゃん改めあーちゃん(許可をもらった)は布団の中でダラダラ喋っていたのであるが、なんとそのままの流れで二人そろって2度寝。
目を覚ますころには家を出なければいけない時間が迫っていた。
全力で走り続ける私たちであるが、有咲ちゃんとの体力の差が響いていてどんどん私たちの距離は開けていく。
「あーちゃん!頑張って!!」
「そんなこと言われてもインドアなんで・・・というかアリスさんの体力が無尽蔵すぎるのでは・・・」
まあ私が体力お化けなのは否定しない。
軍隊にいた頃なんて今やっていることが準備運動にすらならないくらいの訓練してたしね。
「あーちゃん、ちょっと失礼」
「え・・・?ってちょまま!?」
私はあーちゃんをお姫様抱っこして全力疾走に切り替えた。
「急ぐよ~」
「恥ずかしい!?恥ずかしいです!!」
「我慢我慢」
走り続けているとちらほら花咲川の制服を着ている子たちの姿が見えてきた。
何とかいつも登校する時間くらいに間に合ったのであったようである。
「もう大丈夫ですからおろしてください!こんなところ知り合いに見られたら・・・」
「アリスちゃん・・・?有咲ちゃん・・・?」
「って花音先輩!?早速みられたぁ!」
「おはっよ~かのちゃん!今日も可愛いね!!」
「えっとおはよう・・・?」
「花音先輩困惑してるから!とりあえずおろしてください!!」
※
「歩いていたら有咲ちゃんを抱っこしてるアリスちゃんがいてびっくりしちゃった」
「ほんとすみません花音先輩・・・」
「でもどうして?」
「ふふふ・・・昨日はこの子とアツイ夜を過ごしたのさ」
「ふええええ!?それって・・・」
「アリスさん!?言い方言い方!確かに(抱き着かれて)暑い夜でしたけど!」
「ふえええええええ・・・・」
「花音さんがショートしてる!?!?」
「あっはっは」
あー楽しいなあ。
やっぱり日常はこうあるべきである。
「花音先輩・・・落ち着いてください。こういうことなんです!」
「な、なんだそういうことだったんだ・・・確かに昨夜の天気すごかったもんね」
「そうなんだよね。私は雨合羽でも借りて強行帰宅しようとしたけどあーちゃんに止められちゃって。お言葉に甘えたってわけ」
「・・・・あーちゃん?」
「あ、そっか。まあ心境の変化?ってやつかなあ。呼び方変えたんだ」
かつての親友の娘に親と同じあだ名をつける。これは、これからこの子を絶対に守るという私なりの決意だったりする。
「アリスさん、なんで急に変えるのか教えてくれなくて」
「まあ細かいことはいいじゃないのよ」
そんなことを話しているうちに昇降口についた。
ここからは学年が別れるためあーちゃんとはお別れだ。
「それじゃ、私コッチなんで」
「うん、あーちゃん。またね」
「有咲ちゃんまたね~」
「はーい」
あーちゃんと別れかのちゃんと自分たちのクラスの下駄箱へ向かう。
「でもいいなあ。成り行きとはいえアリスちゃんとお泊りかあ・・・」
「じゃあかのちゃんもお泊りする?どっか土曜日あたりでさ。私のうちでよかったら招待するよ」
「ほんと!?やったあ!」
「せっかくだしちーちゃんや彩ちゃんにも声かけて女子会でもする?」
「うんうん!いきなり一人は緊張しちゃうからよかった・・・」
「かのちゃん?」
「あ、ううん!なんでもないよ!千聖ちゃんと彩ちゃん、来られるといいなあ」
「二人とも忙しいからねえ」
その後、教室についたらちょうどちーちゃんと彩ちゃんが話していたのでお泊りの件を聞いてみた。
「月末の土曜日なら夕方まで仕事だけど次の日はオフだから大丈夫よ」
「私も~!うーん、楽しみだね!!」
無事ちーちゃんと彩ちゃんをゲットした。
その後は4人でお泊り会に向けて色々と計画を練るのであった。
※
学校帰り、仕事に向かうちーちゃんと彩ちゃん、バンド練習に向かうかのちゃん、生徒会に向かうあーちゃんとことごとく振られてしまった私は帰路についていた。
私が住むのは某タワーマンション。どうやらこの世界で私は住むところに関しては相当運が良いようだ。
自分に割り振られた設定を確認する。なるほど、両親を亡くしてその遺産がたんまりあるようだ。このタワーマンションは両親が買ったもので私が相続したらしい。
「あら?アリスじゃない」
「おや?ちゆちゃん?」
「久しぶりね」
そしてエントランスで同じマンションに住む住人、珠手ちゆちゃんに遭遇した。
この子は14歳であるが音楽のプロデューサーとして一人前に仕事をしているようだ。
バンドメンバーみんなとはしっかりと面識がある。それどころかドラムのますきとはサシで遊びに行く仲だったりする。
「今日は練習かな?」
「いえ、今日は練習はないわ。各々用事があるみたいでね」
「そっか。でもちゆちゃん、丸くなったね~昔のちゆちゃんだったらすべてを犠牲にしてRASに尽くしなさい!って言ってたのに」
「は、恥ずかしいから昔のことを掘り起こすのはやめてくれるかしら・・・」
「え~昔っていってもそんなにたってないじゃん」
「それでもよ!」
「今日はレオナちゃんは来ないのかな?」
「そうね」
「よし、じゃあお姉さんが晩御飯作ってあげよう!」
ちゆちゃん放っておくとビーフジャーキーとかクラッカーとかそんなものしか食べないからね。
お姉さんとしてはとても心配なのです。
「え!?べつにいいわよ」
「まあまあそういいなさんな~同じマンションに住む者のよしみじゃん」
「材料なんてないわよ?」
「よし、買い物に行こう!!」
「今帰ったばっかだけど!?」
※
「なんで私まで・・・」
「たまにはこうやって歩いて買い物して気分転換しなきゃ!こもりっぱなしだと気が滅入っちゃうよ?」
「あなたはいつも私のペースを乱してくるわね」
「いやだった?」
「いえ。気遣ってくれているはわかるから」
「もう~ちゆちゃんたら可愛いなあ~!」
「Wait!それ以上近づかないで!!」
「え~」
「公衆の面前で過度なスキンシップはダメよ」
「過度じゃなきゃいいの?」
「もう!パレオといいあなたといいなんでそんなに人にくっつきたがるのよ!?Why!?」
「そりゃあちゆちゃんが可愛いからに決まってるじゃないのよ~」
「あなた、それ誰にでも言ってるでしょ?」
「そりゃ女の子はみんな可愛いですから」
「ドヤ顔で言われても」
そんな他愛のない会話をしながらスーパーの中を歩く私たち。
何気ない、そして余計なことを考えずにこうやって人と触れ合えるのは嬉しいものだ。
「ちゆちゃん、ハンバーグでいい?」
「任せるわ」
「OK~」
ひき肉とつなぎに使う材料をかごに入れる。
うん、このスーパーは品ぞろえがいい。
※この作品では『』は外国語で話していることを表しています。
『なんてこった!もうこのひき肉はないの!?』
「えっと・・・ソーリー、アイドントスピークイングリッシュ」
外国人・・・おそらくアメリカ人だろうか?
女性が女の子に詰め寄って大きな声で問いただしている。
『じゃあ英語を話せる人を呼んでくれるかしら・・・?』
「えっと・・・どうしよう」
「あの、どうしたんですか?」
「この人が何かを言っているんですけどわからなくって・・・ってアリスさん?」
「あれ?ましろちゃん?」
そこにいたのは倉田ましろちゃんだった。
困惑するましろちゃんに困った顔をする女性。コミュ障を発動して借りてきた猫になるちゆちゃん。何だこの光景。
私は英語でその外国人の女性に話をかける。
『ソーリー、彼女に変わって私が話を聞くわ』
『まあ!なんて流暢な英語!えっとね、ひき肉を買いに来たんだけど棚になくて。最後の1つをそこの子が取ったからもうないのかを聞いたんだけど通じなくて』
『あ~確かに私がさっき見たときにもかなり在庫少なかったわ。・・・あ、今日特売日みたいね。それで売れ行きがいいみたいね』
『ええ!?どうしよう・・・息子にハンバーグを作ってあげる約束をしたのに・・・』
『よかったら私のやつ持ってく?』
『いいの?あなたも必要なんでしょう・・・?』
『構わないわ。息子さんに美味しいハンバーグを作ってあげてよ』
『ありがとう!この恩は忘れないわ!!』
そういって女性にひき肉を渡して女性はオーバーリアクションでお礼を言って去っていった。
「ありがとうございました!」
「いいのよ。ちゆちゃーん。もう出てきても大丈夫よ~」
「べ、別に隠れてないわよ」
私の背中に隠れていたちゆちゃんはぴょこっと顔を出す。
少し顔が赤い。
「あ、チュチュさん。こんにちは」
「あたなはマシロ・クラタ?奇遇ね」
「えへへ、アリスさんに助けて貰っちゃいました」
「みてたわよ。相変わらず流暢に喋るわね。私より英語上手いじゃない」
「帰国子女に褒められるなんて~」
「そんなに英語が上手くて嫌味かしら?」
「そんなことないよ~」
「えっとチュチュさん、そんなに怒らなくても」
ましろちゃんがどうしよ、仲裁しなきゃ・・・って顔で見ている。
「だいじょーぶよましろちゃん。ちゆちゃんチキンが発動したのが恥ずかしくて強がってるだけだし」
「誰がチキンよ!?」
「ハンバーグやめてローストチキンでもつくる?」
「あなたのそういうところ本当に掴みどころがないわ・・・」
「うふふふ」
ちゆちゃんは諦めたようだ。
「でもアリスさん、よかったんですか?ひき肉」
「ん~ああいいよいいよ。ってちゆちゃん、ハンバーグがダメになったからってそんな落ち込んだ顔しなくても」
「お、落ち込んでないわよ!?」
どうやらちゆちゃんはハンバーグのハラになっていたようだ。
そんな中で私がひき肉を譲ったのでちょっと落ち込んでいるのだろう。
こういう可愛いところはやっぱり14歳ね!
「だいじょーぶ♡ミンチ機使ってひき肉も自作するから♡超粗挽きの肉!って感じのハンバーグつくるね♡」
「前から思ってましたけどアリスさんってすごいですね・・・」
「・・・今さらだわ」
「コラー人を人外みたいにいわないの~!」
こうして私たちはひき肉用のお肉を買いなおし、スーパーを後にしたのであった。
今回は結構ゆるーい回です。次回に続きます。
引き続きよろしくお願いいたします!