史上最強の女子高生   作:光の甘酒

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後編です。




第5話 ネコなあの子とか?-後編-

「私までよかったんですか・・・?」

「いいのいいのせっかくだから」

 

 

スーパーの帰り、買ったものを自宅に届けたましろちゃんと合流した私達。

ちゆちゃんに私の食材を持ち帰ってもらい先にマンションで待っているの。

あそこで会ったのも何かの縁せっかくなので3人で食卓を囲おうという魂胆である。

 

 

「ふふ、アリスさんの手料理食べたってみんなに自慢できちゃう」

「え~そんな大したものじゃないでしょ~?」

「アリスさん月ノ森でもすっごく有名なんですよ?花咲川にすっごく綺麗な人がいるって。性格もよくて何でもできてファンクラブまであって・・・」

「ストップストップ。え、なにそれは・・・(困惑)」

 

 

目をキラキラさせながら饒舌になるましろちゃんを制止して聞き返す。

なんかものすごーく美化されている気がするよ・・・

 

 

「実際知り合って話してみたら本当でしたし、とにかくアリスさんはすごいってことです」

「実感ないなあ」

「この前つくしちゃんと七深ちゃんがすっごく自慢してきたんですよ。一緒に映画見て甘いもの食べたんだよって」

 

 

はじめて会った印象はあまり自信なさげであまり自分から話すことはなかったましろちゃん。しかしこうやって素を見せてたくさん話してくれるのは嬉しいものだ。

 

 

「あ、すみません。わたしばっかり話して・・・」

「いいのよ~ましろちゃんの話はとっても面白いし」

 

 

そのまま退屈することなくマンションへの道を歩いた。

 

 

「お、おっきい・・・」

「私がすごいんじゃなくて遺してくれた親がすごいだけよ」

「七深ちゃんのアトリエもすごかったけどこっちはタワーマンション・・・すごい・・・」

「ほら~いくよ~?」

「あ、はい!」

 

 

未だ目をキラキラさせているましろちゃんを呼び、私たちはエントランスの方へ向かうのであった。

 

 

 

 

「超粗挽きにしちゃおう」

「おお・・・」

「なんで女子高生の家にミンチ機が置いてあるのよ・・・」

 

 

ミンチ機からにゅ~っと出る挽肉。

せっかくなので肉々しい触感がガッツリ堪能できる超粗挽きでの提供だ。

 

 

「ふつーじゃない?」

「それ、七深ちゃんに言わないでくださいね。アトリエにミンチ機が置かれそうなので・・・」

 

 

それはそれで楽しそうである。

 

 

「しばらくかかるからゆっくりしてよ。あ、冷蔵庫の飲み物とかは勝手に飲んでいいよ」

 

 

その後の私は料理に全集中し、ハンバーグ、付け合わせ、サラダ、スープを人数分作り上げたのであった。

 

 

「すごい・・・おうちごはんなのにハンバーグが鉄板に載ってる・・・!」

 

 

 

実はミンチ機やハンバーグ・ステーキ用の鉄板、その他調理器具を揃えることは私が新しい世界に来て一番最初にやることだったりする。

調理師だったこともあり暇だったら料理を作るし、こうやって友人に料理を振る舞うのも私の趣味なのだ。

 

 

「コラちゆちゃん、あからさまにサラダを避けようとしないの」

「うっ・・・」

 

 

そう、ちゆちゃんはサラダが苦手なのだ。

以前、レオナちゃんから聞いた話であるが、だからといって栄養バランスを考えると食べた方がいいので今回あえてメニューに入れた次第である。

もちろんどうしても無理なら強制するつもりはない。

 

 

「生野菜とか海藻とか食物繊維が多いものを最初に食べるとね、血糖値が上がりにくくなるんだから。それにこれはキャベツを使ってるから油のクッションにもなるの」

「へ~そうなんですね。私も今度から食べる順番考えなきゃ」

「うんうん。お米とか麺とかスイーツとか糖質が多いものを一番最初に食べると血糖値がグンって上がるからねえ。血糖値が上がると体に脂肪が付きやすくなるからこうやって緩やかに上げていくのがいいのよ」

「勉強になります」

 

 

ダイエット必須の知識を伝授したところで私はちゆちゃんに向き直る。

 

 

「さてちゆちゃん」

「うう~・・・・」

「あ、ドレッシング忘れてた!これかければ食べられるでしょ」

「す、少しは・・・」

 

 

私はドレッシングをかけてあげる。

それをちゆちゃんが恐る恐る食べるのであるが・・・

 

 

「これ本当にサラダ!?」

「どうかな?」

「驚くほどおいしいわ。このドレッシングのおかげ・・・?」

「あ、ほんとだ。美味しいですこのドレッシング」

「コレがあれば・・・これはどこで売ってるサラダなのかしら?」

「ん~自家製。気に入ったなら今度から多めに作って渡すね」

 

 

やった。これならちゆちゃんの絶望的な栄養バランス事情も少しは改善する。

あとでレオナちゃんに教えてあげなきゃ。

 

 

「アリスさんすごく嬉しそう」

「あら、顔に出てた?」

「ええ。私が見てもわかるくらいよ」

「私ってさ。友達はいっぱいいるけど両親いないからお家では一人でね。ごはんとかもやっぱ一人で食べることが多くて。だから今日みたいに複数人で食べてしかも私が作った料理をおいしそうに食べてもらえると嬉しいんだ」

 

 

昨日あーちゃんにご飯を食べてもらった時もそうだったけど、やっぱり自分が作ったものを美味しそうに食べてもらえるのは嬉しいな。

 

 

「私でよかったら・・・」

「え?」

「私でよかったらまた付き合ってあげるわ。暇だったら・・・だけど」

「本当!?じゃあ毎日作るね♡」

「毎日は流石に無理よ!!」

 

 

ああ、実に楽しい食卓だ。

私は心の底からそう思い、この時を楽しむことに全力を注ぐのであった。

 

 

 

 

「本当においしかったです。明日モニカのみんなに自慢しちゃいます」

「そんな大したものじゃないのに~」

「いえいえ。透子ちゃんなんてすごくうらやましがると思います」

「あ~確かに」

 

 

外が暗くなってきたのでましろちゃんを駅まで送るため一緒に歩く。

料理の感想やモニカでの出来事を楽しそうに話すましろちゃん。

 

 

「ましろちゃん、本当に楽しそうにお喋りしてくれるようになったよね」

「普段は全然自分から話せないんですけど・・・不思議とアリスさん相手ならそんなことないんです」

「おお~嬉しいことを言ってくれるね~」

 

 

他愛のない会話をしていると前方に影を見つけた。

ロングコートを着込んだ男性が道の隅にうずくまっているようだ。

 

 

「あの人・・・どうしたんでしょう」

「ん~ましろちゃん、ちょっと待っててね」

 

 

体調不良やアルコールの飲みすぎだったら助けなきゃなんだけどいかんせんああいう手合いは警戒が必要である。

なぜなら・・・

 

 

「どうかしましたか」

「ちょっと気分が悪くて・・・ああ暑い、ちょっとこれ脱ぎます」

「きゃあああ!?」

 

 

そういってロングコートを脱ぎ捨てた男性は・・・

下半身になにも身に着けていなかった。

それをみたましろちゃんは悲鳴を上げてしまう。

 

 

「ぐへへ、これ、どうです?ホレホレ」

 

 

こういう奴がいるからなんだよなあ・・・・

 

「・・・・」

「お、おい!お前もなんか言えよ!!」

「・・・早くその汚くて貧相なしめじをしまってください」

「し、しめじだとぉ!?」

 

 

私は汚物を見る目でそう言い放った。いや実際に汚物ですけどさ。

なんでお前TINTINをBINBINにしてんだよ・・・

 

 

「じょ、女子高生なら女子高生らしくそっちの子みたいに悲鳴でも上げろ!」

「だってぇ、悲鳴を上げるほどのものじゃないもん。あ、ましろちゃん、目が腐るからこれ以上見ちゃダメよ~両手で目を覆ってね~」

「は、はい」

 

 

しかし暖かくなってきたせいかやっぱ出るよな~こういう奴

露出狂はもはや春の風物詩である。

 

 

「バカにしやがってええええ!」

「危ないッ!」

 

 

危ないのはお主のTINTINだけどな!

 

 

 

「ぬごきぎああああああああ」

 

 

反射的に防御力0のソコに蹴りを入れてしまった。

突然襲ってきたから全然手加減できなかった・・・潰れてないといいなあ・・・

とりあえず悶え苦しむそいつを縛り上げ、私は警察に電話したのであった。

 

 

 

 

 

未成年ということもあり事情聴取は明日に持ち越しになり、男は警察に連れていかれた。

 

 

「本当に申し訳ございません、お子さんを危険な目に・・・」

「何をおっしゃいますか、ましろのこと守っていただいてありがとうございます」

 

 

ましろちゃんはご両親が迎えに来てくれてた。

 

 

「でもさっきのアリスさん、カッコよかったです。変態相手にも全然物怖じせずに立ち向かって・・・」

「ましろちゃん守らなきゃって必死だったからね」

 

 

まあ実際はそんなことはないのだがここはそういうことにしておいた方がよいでしょう。

 

 

「じゃあ私はこれにて。またごはん食べようね」

「はい!」

 

 

慌ただしい日であった。

きっと私はこうやってこの世界で生きていくのだろう。しかしこの世界は今までちと違うような気もするにで、これは色々と調べてみる必要がありそうだ。

さて、帰って寝て明日に備えようかな。願わくば常に平和であらんことを。

おはよう、私の愛す世界よ。

 

 




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