聖なる剣を束ねる英雄〜女神アストレアに誓う、僕は僕の【正義】を貫く!〜   作:クロウド、

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ステータス

「それじゃあ、ベル背中を向けて寝てね」

 

「はい」

 

【アストレア・ファミリア】のホーム、【星屑の庭】の主神室に設けられた大きなベッドにアストレア様に服を脱いで背中を向けてうつ伏せで寝る。

 

 ―――あのあと、ホームに帰ってきた僕はそれぞれの仕事から帰ってきた皆から結果はどうだったという質問攻めを受け、僕が勝ったというと「すごいじゃない!」「あの【剣姫】相手に勝つなんてね」「もうベル君にLvってあんまり意味ないんじゃない」と賞賛の言葉を受けた。

 

 何故か、僕よりもアリーゼさんが「当然よ、私のベルだもの!ふふん!」と胸を張っていたのは謎だったけど。

 

 そのあと、食事をしてお風呂に入ってアストレア様にステータスの更新をお願いして今こうしているというわけだ。僕が待っていると、つぷりという針を指にさす音とともに僕の背中にちょっと冷たいような生暖かいような液体が垂れてくる。

 

「この間みたいに可愛い声は出してくれないのね?」

 

「いじわるいわないでくださぃ……。」

 

「うふふ、ごめんなさいね?」

 

 僕が目覚めて久しぶりにダンジョンに潜ったあとに五年ぶりにステータスを更新したときにアストレア様の血が僕の背中にたれた感覚に、思わず「ひうっ」という情けない悲鳴を上げてしまったことを思い出し赤面する。

 

 アストレア様はそれを使って僕の背中の紋章に刻まれたステイタスを更新していく。そして、しばらくして用意してあった用紙にそれを写し終える。

 

「はい、もういいわよ」

 

 アストレア様の言葉に僕は起き上がり、アストレア様から僕のステイタスの写しを受け取る。

 

 

 

ベル・クラネル

Lv.4 

力:SS 1020 → SSS 1200 

耐久:SSS 1900 → SSS 2000

器用:SSS 1300 → SSS 1550

俊敏:SSS 1300 → SSS 1400

魔力:SSS 1500 → SSS 1800

幸運:C

全知全能:I

 

《スキル》

 

剣士の修練場(リベラシオン)

・意識が未覚醒のときに任意で発動。

・自身の意識を異世界の剣士の魂と接続する。

・意識が覚醒時、リベラシオンでの鍛錬が肉体に反映される。

 

正義剣士(カメンライダー)

・早熟する。

・己の正義を貫く限り効果向上。

・剣士たちへの憧景が続く限り持続する。

・【世界の敵】と対峙した際全てのステータス上昇。

 

《魔法》

 

全知全能の断片(オムニフォース)

・詠唱式【我が手に来たれ―――】

・聖剣を召喚、及び誘引できる。

・【火炎剣烈火】

・【水勢剣流水】

・【雷鳴剣黄雷】

・【土豪剣激土】

・【風双剣翠風】

・【音銃剣錫音】

・【闇黒剣月闇】

・【光剛剣最光】

・【煙叡剣狼煙】

・【時国剣界時】

 

■無詠唱でワンダーライドブックを召喚できる。

 

■追加詠唱

【覚悟を超えた先に希望はある】

・聖剣の力を【正義剣士】に呼応して上昇させる。

 

 

 

「また随分と上がったわね、やっぱり久しぶりにアイズちゃんと全力で戦ったのが良かったのかしら?」

 

 アストレア様の言葉に心のなかで同意する。確かに、アイズさんとの剣での対話は他の冒険とは違うものがある。あの最後の戦いで互いに肩を並べて戦ったというのが一番の理由かな。

 

「それにしてもベル、ホントにまだランクアップしなくていいの?」

 

「はい。ランクアップするのは体が完全にもとに戻ったらって決めてますから」

 

「相変わらず変なところでストイックねぇ……。」

 

 僕の言葉に困ったように笑うアストレア様。でも、これくらいできるようにならないと意味がない。師匠達は恩恵なんてない世界でメギドと戦って世界を救ったんだから。せめてそれくらいは強くなってからじゃないと。

 

 僕のスキル【剣士の修練場】はかつてここと違う世界を救った剣士たちの魂と夢の中で意識をつなげるスキルだ。だけど、これはスキルが発言する前から何故か使えて、恩恵をおもらって聖剣とライドブックを召喚できるようになったときはすごく嬉しかったのを覚えてる。

 

 嬉しさのあまり、アストレア様に抱きついたくらいだ。

 

 ただ、すぐ使えるようになったかと言われればそうではなく。ある女神様の策略でLv.1のときにミノタウロスと戦うことになったときにようやく使えるようになった。ついでにランクアップもした。

 

【正義剣士】もその修業やその人達の物語を見てきたから生まれたスキルだと思う。最初は【仮面剣士】だったけど、【アストレア・ファミリア】として自分の正義を見つけてからは正義って文字が入って少し変わった。

 

 そろそろ、部屋に戻ろうとベットから立ち上がろうとしたとき後ろからアストレア様に抱きとめられてしまった。

 

「あ、アストレア様!?」

 

「ふふふ、ベル。今日は私と一緒に寝ましょ?」

 

「え?えぇ!?」

 

「だって、アリーゼに輝夜、リューとも目覚めてから一緒に寝たんでしょ?たまには私とも寝てくれないと女神でも拗ねちゃうわよ?」

 

 そういって僕にウィンクをするアストレア様。あっ、かわいい……。アストレア様ってこういうお茶目な所あるんだよね。

 

「じゃなくてッ!そ、それって色々まずいんじゃ?」

 

「私が良いって言ったから良いの、ほらこっち向いて」

 

 アストレア様にくるりと回され向かい合うようになると、その胸元に抱きしめられて頭を撫でられる。僕は下手に抵抗するとアストレア様を傷つけてしまうからそのまま無抵抗で抱きしめられる。

 

「ベルは昔からこうされるとすぐに寝ちゃうのよね?」

 

「だって、気持ちいいから……。」

 

「そう」

 

 僕が顔を赤くして俯くとより優しい手付きで僕の頭を撫でるアストレア様。

 

 そこからしばらく黙って撫でられているとほんとに段々と瞼が重くなっていきいつの間にか僕の意識は途切れていった……。

 

 

 

 

「アストレア様、ベルの更新終わりましたか?」

 

 ベルが眠ってしまい、アストレアは抱き合う形から膝枕に体制を変えてベルの頭をなでていると扉のドアがノックされてドアの向こうからアリーゼの声が聞こえてきた。アストレアはベルが起きない程度の声量で「入っていいわよ」とドアの向こうのアリーゼに告げる。

 

「あれ?べル、寝ちゃいました?」

 

「ええ、今日は一緒に寝るつもりだったし別にいいんだけどね」

 

「えっ!?ずるいですよ、アストレア様ッ!?」

 

「何言ってるのよ、かわりばんこでベルを部屋に連れて行ってるくせに」

 

「うぅ……。」

 

 アリーゼはアストレアの正論に何も言えず、おとなしく諦めてアストレアの隣に座りベルの頭をなでているとベルのステイタスの写しが目に入った。

 

「お〜!やっぱり結構上りますねぇ。ランクアップは?」

 

「まだしないそうよ。もっと強くなって、師匠達みたいに全てを救える人になりたいからって」

 

「ベルの師匠かぁ、どんな人なんでしょうかね?」

 

「さぁ?ただ、ユーリを見た限りだと悪い人ではないでしょうね」

 

「確かにそうですね……空気読まないけど」

 

「そうね、空気読まないけど」

 

 ベルしか会うことの出来ない彼の師匠達のことを考える二人。きっとベルがここまで真っ直ぐでいられるのは彼らのお陰なのだろう。

 

「本当に立派になったわね……。」

 

「そうですね」

 

 アストレアの言葉にアリーゼは頷く。そして、同時に六年前()()()()と最悪な形で再会したときのベルのことを思い出す。

 

 

 

 

『僕を……家族を置いて出ていって、こんなところでなにしてんだよッ!?』

 

『『…………。』』

 

『なんで黙ってるんだよ……!?答えろよッ!!』

 

『今すぐ村に帰れ、お前を殺したいとは思わない』

 

『なんでだよっ!?なんでなんだよぉ!?』

 

 傷だらけで地面に倒れ伏して泣きながら拳で地面を叩くベルの姿をあの二人は感情を押し殺したように無表情で背を向けてその場を去った。

 

 あのときのベルにかける言葉をアリーゼ達は持ち合わせていなかった。

 

『アリーゼさん、正義って……何なんですか?』

 

『僕は正義が正しいものだって……沢山の人を助けられることだと思って……そのために強くなりたいって思ってた。そうすれば、いつかお義母さんたちを救えるくらい強くなれるって思ってたから……。』

 

『だが、今あの二人が行おうとしていることは悪以外の何物でもない。それを斬るのが正義の眷属であり、剣士であるお前の役目だ』

 

『そんなことはわかってるよッ!だけど、だけどッ!僕は……僕は家族と戦うために強くなりたかったわけじゃない!!』

 

『僕はアストレア様の眷属である前に一人の人間なんだよ……!』

 

 迷走し、ホームを飛び出した小さな背中。あのときのベルに余裕などなかっただろう。幼いながらに特異な力を持ち都市の守備に一役を担っていたベル。いつの間にあの子供を一人前だと思ってしまったのだろうか?あのときのベルはまだ齢六歳だったというのに。

 

 ただ、極東のことわざに男子三日会わざれば刮目して見よというものがあるが、帰ってきたベルは迷いを断ち切っていた。アリーゼ達が聞いたところ『魔王様が背中を押してくれた』と言っていたが意味が全くわからなかった。

 

『例え、それが偽善と呼ばれようとも僕は僕の正義を貫く!』

 

『僕にもう迷いはない!』

 

『物語の結末は僕が決める!!』

 

 師匠達の言葉を借りて先頭を走り、三体の竜の力をその身に纏い炎と光の剣を持ち戦う姿。リューの友人である英雄譚がすきな少女は『炎と雷の剣だったら完璧だったんだけどなぁ』と残念がっていたが、取り込まれていた神を引き離すためには光の剣の力が必要だったのでしかたないが。

 

 それをなしにしてもその姿は確かにあの二人が求めたもの【英雄】の姿だった。灯台下暗しとはよく言ったものだ。彼らが求めていたものはすぐ傍にあったのだから。

 

 それからはいくつかのファミリアと協力し二人を死んだことにして都市の外に逃がすなど事後処理が忙しかったが、そんな中でもこの子はよく頑張ってくれた。

 

 そんなこの子に日頃からのご褒美として久しぶりの里帰りの許可をして、帰ってくるまで少しでも仕事を減らそうとして焦ったのがあの悲劇の始まりだった。

 

『僕とともに闇に消えろぉ!!』

 

 闇の剣をつきたて、自分もろとも闇の中に引きずり込もうとする姿。なんとか助けることは出来たが、その力の反動でベルは深い眠りについてしまった。

 

 それから毎日のように見舞いに行って、二度とあんな悲劇が起きないように都市の秩序を守るために尽力した。しかし、五年の月日が流れ、心のどこかでもう目覚めないのかと思っていたときだった。

 

『お、ねぇ……ちゃ、ん?』

 

 かすれた声だった……。だけど、聞き間違えるはずのなかった声だった。

 

 病室の花瓶の花を入れ替えていたアリーゼはとっさに振り返りその勢いで花瓶を落として割ってしまったが、そんなことよりももっと早くその瞳が開いていることを確認したかった。

 

 そして、その目は確かに開いて自分のことを見ていた。

 

『お、は……よう』

 

 あの言葉を聞いたときの喜びは多分、今まで生きてきた中で一番の喜びだったことだろう。

 

 

 

 

 

「私、今でも怖い時があるんです。ベルがこうして眠っている姿を見ると、また目覚めなくなってしまうんじゃないかって……。」

 

「そうね……私もよ」

 

「だから、今は毎日が楽しいんです。いつも、朝起きたときにこの子の声が聞こえるのが」

 

 眠っているベルが起きないように優しい手付きでベルを撫でるアリーゼ。その横顔はいつもの大胆さが抜けて、どこかの絵画のように笑顔の後ろに僅かな哀愁を帯びていた。

 

「そろそろ寝ましょうか?アリーゼ、今日は貴女もここで寝る?」

 

「いいんですか!?」

 

 女神の提案に団長は喜んで承諾し、そのまま女神のベットでベルを中心に川の字で眠ることとなった。

 

 

 

 

「……どういう状況?」

 

 目が覚めると二人の美女に抱きまくらにされていたベルは第一声にこう呟き、そのまま理解ができず修行しようと夢の中の修練場に逃げた。




それにしても、ソロモンマジ強いっすよね!
え?なんで魔王様だしたって?そうすれば他のライダーの名言も使えるからに決まってるじゃない
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