オリオペ短編集   作:神仙神楽

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今回登場した原作組から見たオリオペ組との簡単な関係性

ワルファリン
→ススヒト:不老同士、最も長く一緒に居る。
→ケテル:被験体にして治療対象。精神汚染の方法に心当たりがある。
→スワラチカ:治療の必要が無い治療対象。優先度がかなり低い為さほど関心が無い。
レッド
→ススヒト:「オバアサン」と同じぐらいに大事な「狩人」。
→ケテル:「赤」を背負う鳥。
→スワラチカ:「刃」に呑まれた虎。
ロスモンティス
→ススヒト:ワルファリンと一緒に居る最古参の人。ロドスの戦闘顧問。
→ケテル:スワラチカとよく話す人。エリートオペレーターの皆とも仲が良い。
→スワラチカ:忘れたくない人。エリートオペレーターとなる前は嫌いだった。


危機契約モデル#1:中盤四重奏

「ただいまっす」

 

 オレから声をかけると仮拠点で待つ3人が此方を向く。そのうちの一人であるススヒトが声をかけてきた。

 

「よく戻った。スワラチカが戦闘を始めた頃合いか?」

 

「そうっすね。あの人の配置コストって結構高い筈っすけど…オレの自主撤退と討伐報告によって稼いだコスト*1で足りたのが救いでしたっす」

 

 それに対し、ワルファリンが首を横に振る。

 

「あのものにおいては、ロドスの医療を()()()()()()()()()でな…エリートぺレーターとしての給金を、補給物資としてロドスから送ってもらう事で初回に限って配置コストを大幅に下げておる」

 

「感染者なのに、受けていない…?それなら、普通は重傷なんじゃないっすか?」

 

「普通じゃない、そういう事だろう?ワルファリン」

 

 ススヒトの言葉にワルファリンが頷いた。そのままススヒトがロスモンティスへ眼を向ける。

 

「ロスモンティス」

 

「命令を出して、完璧にやってみせるから」

 

「スワラチカを高台から援護。その際、ロスモンティスの指揮権を己からスワラチカへ。スワラチカが撤退するようであれば、此方に連絡を」

 

 それにロスモンティスが頷き、戦術装備を背負って飛び出す。それと入れ替わるように、血濡れとなったナイフを持つレッドが仮拠点の上から飛び降りてきた。

 

「狩ってきた」

 

「お疲れ、レッド。次に備えてくると良い」

 

 ススヒトの言葉に、振られていたレッドの尻尾が力なく垂れる。…ワルファリンを見ると「この鈍感め」と呆れたようにつぶやいていた。レッドの様子*2にいたたまれなくなり、ススヒトに耳打ちする。

 

「(ありがとうと、一撫で位してあげてもいいんじゃないっすかね?幸い時間もあるし、ワルファリンとオレは帰ってきた敵本隊の先行迎撃準備でもしておくっすよ)」

 

「(…む、ならば頼もう)」

 

 ススヒトから許諾を得て、ワルファリンの手を掴む。

 

「む、なんだケテル?配置までの時間的余裕はあるはずだが―――」

 

「ススヒトからも許可を貰ってるっすから、速く行くっす」

 

 流石にススヒトも人が居るとレッドを甘やかしにくいだろう、仮拠点からワルファリンを強引に連れ出した。

 

「む、わかった。分かったから思い切り手を引くでない!」

 

「こっちの方で医療器具を持つのも手伝うっすから、ハリーアップっす!」

 


 

 患者であるケテルにより、妾も敵本隊が帰ってくる前段階で配備される。

 

「…全く、速すぎるではないか。転びそうになったぞ」

 

「それについては悪い事をしたと思ってるっすよ。でも、流石にレッドがいたたまれなくてつい」

 

 …ああ、妾を連れ出したのはススヒトとレッドへの配慮か。

 レッドと年齢が変わらぬにも関わらず、機微に敏い。精神干渉のアーツを保有する、という事からだろうか。

 

「あの鈍感に気遣った結果…か。ならばよい。妾とてススヒトの鈍感にはやきもきしていた」

 

「…?そうなんすか?」

 

「そう。レッドとて9年も片想いし続けているにも関わらず、ススヒトはとんと気付かない」

 

「…スワラチカとは逆っすねぇ…」

 

 首を傾げる。スワラチカについては正直分からない。

 何せ一般の鉱石病患者と違い命の危険性が無い感染者―――ロスモンティスと似たような存在である。妾が鉱石病を治療する医者である以上、このように時たま戦闘で同伴するぐらいしかない。

 

「妾から見るとススヒトとスワラチカは同じように見えるがな」

 

「まあ、傍から見ればそうっすね。ただススヒトは言う通り鈍感で、カーナ…いや、スワラチカは()()()()()()()()()()()()()()()()()()っすから」

 

「…スワラチカ、殊の外に質が悪いな?」

 

 思わずつぶやく。対してケテルは「そうっすね」と同意を返した。

 

「ただ、離れという物理的に距離を取る理由位はワルファリンも聞いてる筈っすよ。だからこそ―――」

 

 ―――足音。それも、かなり多い。ケテルは言葉を止めると同時に収納指輪からワイヤーを必要な長さ迄引っ張り出していた。

 

「っと、来てしまったっすね」

 

「そうだな。…まあ、使っても問題ないだろう」

 

 手元の輸血パックの封を口で千切り、飲み干す。ケテルはそれを気にすることなく合計10本のワイヤー線を構える。…戦士の面構え、と言う物だろう―――戦闘時におけるススヒトの面構えに、よく似ている。

 

「輸血準備!」

 

 相手からの攻撃を受けると同時、血を織り交ぜた医療アーツを彼に投与する。ワイヤーで斬りつけ、時には拘束したまま締め斬る。…何処か困惑しているのが伺えた。

 

「…どうした?」

 

「あぁ、いや。あんたのアーツの影響っすか?疲労が酷い代わりに妙に力が篭るというか」

 

 頷く。妾が不安定血漿と呼んでいるそれは投与者の運動能力を引き上げる*3。その感覚に慣れないと、確かに困惑を覚えるやもしれない。

 

「気になるなら、通常の医療に戻すが」

 

「正直助かるっす。今ならオレ以外が、間違えて同士討ちに巻き込まれることも無いっすしね」

 

 ケテルが包帯を外し、一人を睨む。

 直後その1人から始まる同士討ち―――その症状は、妾が()()()()()()()はずの一族が保有するアーツと同じだった。

 

「…気にするよりも、まずは目の前の戦場か」

 

「ワルファリン」

 

「わひゃっ!?」

 

 背後からの声に驚き、振り向く。そこにはレッドが首を傾げながらもそこにいた。

 

「…驚いたぞ…ススヒトからの言伝か?」

 

 頷き。

 

「スワラチカ・ロスモンティスが一度撤退。最終防衛ラインは、仮拠点前の2本通路」

 

「了解だ。レッドはどうする?」

 

「ケテルとワルファリンの撤退援護」

 


 

 大剣を後ろ手に、短剣を前に構えつつも3人を待つ。

 

『ススヒト、スワラチカから"2本通路の片方を封鎖する"だって』

 

「分かった。…敵防衛隊の動きは?」

 

『指揮系列が無いのか、混乱している』

 

 ケテルのアーツ発動後にレッドに指示を出し、敵陣営内部で指導者だけを討ち取って撤退してもらった影響だろう。烏合の衆ならばスワラチカが残る事を選択しても問題なく対処しきれるはずだ。

 

 他愛もない話を続ける。

 暫くすると、正面から2人*4が此方に来ているのが見える。

 その後ろには、小規模ながらも砂塵が舞い上がっていた。

 

「…敵本隊が来た」

 

『分かった。スワラチカは任せて』

 

 それを最後に通信が切れる。切れた直後に、先にワルファリンがすれ違いざまに此方に声をかけてきた。

 

「ススヒト、妾はケテルと共に準備を済ませてくる。レッドは既に潜伏済みで指示を待っている状態だ」

 

「分かった。それまでは持たせよう」

 

 ワルファリンが仮拠点へ走っていく。ケテルもそれに続き―――

 

「帰ったらレッドを誉めてあげるんすよ?結構頑張ってるっすから」

 

「…善処はしよう、速く準備して来い」

 

 その一言だけを残し、仮拠点へ走る。以降見えるのは見慣れない装備―――即ち敵だ。

 

 鉈の一撃を短剣で弾き、空いた胴に大剣を叩きつける。後ろから続くクロスボウの射撃を、刃の食い込んだ敵諸共大剣で弾き、大剣の死角より走り抜けようとしたステルス兵の首を短剣で掻っ切る。

 

 何れも基礎ですら完成していない粗暴な物でしかない*5。一撃で奪命し、屍を左右の山として行く。

 

 8人ほど斬り捨てた頃に、後ろから巨大な人型が迫ってくる。それが纏う甲冑を見る限り*6苦労させられそうだ。隊長でない*7のなら、スワラチカかケテルに投げてしまいたい*8ところだが…

 

「…た、隊長!アイツです!あいつが、仲間たちを―――」

 

「レッド」

 

「もう逃げ場、ない」

 

 足場が悪いにもかかわらず、隊長の下へ一瞬にして飛び込み甲冑の隙間の生身に黒いナイフが6本突き刺さった。敵隊長の苦悶の声に、周囲の兵士たちが固まる。

 だが、隊長はそれを気力でねじ伏せてレッドへハンマーを振り下ろす。

 ―――既にそこにレッドはいない。新たに6回、肉に鋭い何かが突き刺さる音と共に赤い影は戦線から消えた。

 

「隊長ぉ!?」

 

「っぐ、ま…だだッ!」

 

 巨大なハンマーを杖に、迫ってくる敵隊長。…流れていく血は徐々に減り、レッドの付き刺したナイフに黒い結晶*9が纏わりついていた。源石で止血し、止血した源石を介してアーツを発することで運動能力を強化したらしい。

 

「なぜ、ロドスは感染者なのに炎国に付く!あいつ等から始めた、迫害を!」

 

「炎国から発された危機契約*10履行の為」

 

「危機契約―――っは…結局のところ、ロドスは金の亡者か!感染者を助ける、そんな綺麗事の裏で脂ぎった紙幣を受け取ってる!俺達という感染者の犠牲を代価に!」

 

 屍の山に新しく肉塊を突っ込む。

 …反対側の通路からも悲鳴が響き始めた事に相手も気付いたのだろう。死兵となって此方へと迫ってくる。

 喚き散らす隊長と、それに同調する隊員。あまり聞いていて心地の良い物ではなかった。それは―――ケルシーから炎国に対する交渉の顛末を聞いているからだろう。

 

「ロドスはこれでも殲滅ではなく()()で済ませようとした。だが、炎国はそれを認めなかった。聞こう―――()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「…そ、…れは…」

 

 死兵となって迫る中、その一言で動きが鈍った者が数人いた。

 それらにおいては此方の勝手な判断で()()()()()()()()()()()()を負わせた後、屍の山に追いやる。

 

「あいつ等の民は、感染者を追いやった!なら俺らだってやり返す権利はあるはずだ!」

 

「成程、ならそこからさらにやり返されることも考慮済みなんすね」

 

「っひ、あい―――けてるけてるけてるけてるけてるけて―――」

 

「ケテル」

 

 軽い口調で、一切目の笑っていないケテルが隣に立つ。再度包帯を巻きなおしたために、その怒りが見えたのは一瞬だった。同士討ちによって始まる混乱に乗じ、己が生かした数人を回収してもらう。

 

「ワルファリン」

 

「此処にいる」

 

「屍の山の傍に気絶した奴らがいる。そいつらだけ、レッドと一緒に回収してくれ」

 

 2人が、動く。その間に―――躊躇わなかった奴らと、黒い結晶に覆われつつある隊長が迫ってくる。その眼には狂気とでもいうべき物が宿っていた。

 

*1
自己撤退した場合、コストの消耗を発生させない。この特性は武器の摩耗を抑える事に長けた先鋒オペレーター、或いはタフな先鋒オペレーターが保有している

*2
目に見えて落ち込んでいた

*3
運動する際の頻脈をアーツによって再現することで、疑似的に運動能力を向上させる原理。但し血漿投与者、即ち妾と対象にかかる肉体的負荷は大きくなる

*4
ワルファリンとケテルだ。ケテルはワルファリンの撤退援護をしているようだ。…レッドが見当たらないが…

*5
感染者の中に従軍経験のあるものは少なそうだ。数は脅威であるが、1人1人の力は確実に弱い

*6
物理的な攻撃は通りが悪いだろう

*7
隊長であればレッドの奇襲で弱らせた後手早く仕留める事で指揮を阻止したい

*8
スワラチカはアーツによって鉄の塊程度なら斬り捨てる事ができる。ケテルにおいてはそもそも精神干渉の為物理的な影響を受けない

*9
源石。随分とステージが上がっている感染者のようだ

*10
天災トランスポーター達によって結成された、危機的状況で救援を求める人へ救援可能な実力のある組織を仲介して、救援を求める人達の代行として相応の報酬を渡す非政府組織。




ススヒトのサルカズのモデルは不死人。
性能はこんな感じ。

コードネーム:ススヒト レアリティ:6 ロゴ:ヴィクトリア
性別:男 職業:前衛 募集タグ:生存/範囲攻撃
特性:ブロック中の敵全員を同時に攻撃
基礎ステータス(未昇進Lv50)
H P:2130(+350) 攻撃:395(+60) 防御:180 耐性:0
再配置:遅い(70s) 攻撃速度:普通(1.2s) コスト:24 ブロック:2+1
素質
対多数戦闘:ブロック数を常に+1する。その上で1人ブロックする毎に[攻撃]を[+5+2]%する(第一昇進/第二昇進強化)。
??:不明(第二昇進で開放)
スキル(特化Ⅲ)
残り火(自動回復[初期SP:15/必要SP:50]/手動発動[30秒])
自身の[H P]を[1秒]ごとに[最大H Pの10%]回復する。
その上で[ブロック数]を[+2]、素質による[攻撃上昇]を[+200%]する。
基地スキル
[保護者]
制御中枢配置時、宿舎配置オペレーターの回復効果を[2倍]にする。
コンセプト
[最多ブロック群攻前衛]
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