元ネタはイベント:危機契約#1の黄鉄の峡谷。
独自設定として場所は勝手ながら炎国となってます(
―――危機契約履行前日
―――P.M/23:18
「これより、炎国から発された危機契約についての話し合いを始めます」
私の声とともに張り詰める空気。現在この場にいるのはドーベルマン教官、ブレイズさん、Aceさん、ケルシー先生、Stormeyeさん、ススヒトさん、そしてオーキッドさんとヤトウさんの8人。…ドクターが座る席が空いているのを見ると、小さく心が痛んだ。
「初めに言いました通り、今回の危機契約は炎国より発されたものとなります。概要としては"感染者たちの組織だった行動によって住民が犠牲になっている"とのことです」
一息置く。
「これは私たちが掲げる"感染者問題の解決*1"に関わります。その為、現在レム・ビリトンへロドスを走らせてますが北上して炎国へと路線を変えようと思ってます。これについて何か意見はありますでしょうか?」
8人は特に意見はないらしい。
「無い、という事で大丈夫ですね?」
「少なくとも、己からは特にない」
ススヒトさんの一言に続く形で、それぞれが私の意志を尊重してくれる。それが何よりもの救いで、支え。
「有難うございます。続いて、手元の資料を見てください」
PRTS*2の端末を操作し、スクリーンにも手元の資料と同じ画像を映し出す。その画面に映るのは今回の作戦環境と、敵の編成。そして契約。
「左側が相手の本拠地で、右側が問題となる感染者たちの拠点外部迄の通路となります。本拠地と強奪の隊でそれぞれ隊長と思われる人物―――資料では暗殺者とクラッシャーが確認されているようです」
「暗殺者は…見た感じサルカズね。アーツによる通りは然程期待出来なさそう」
オーキッドさんからの呟きを聞き、PRTSを通じてメモを取る。術が聞きづらいとなると、物理的に相手を倒す必要が出てくる。或いはスワラチカさんのような、物理的な装甲もアーツへの耐性も無視して切り裂くか。
「ならレッドに暗殺を託そう。ケルシー、構わないか?」
「ああ。彼女には私から話を通しておこう」
「んー…見た感じ私が出るのは厳しそうかな。機動軽装兵が多い以上、アーツを併用した攻撃のない私よりも、スワラチカが適任に見えるよ。あの子、なんでも切り裂いちゃうし」
「私からも同感です。それに、スワラチカの昇進を見定める良い機会だと愚考しますが…」
「?どういう事かな、ヤトウ」
ブレイズさんの言葉に、ヤトウさんが返す。
「これを機会に
…確かにスワラチカさんは基本的に感染者の保護等は出来ず、大型感染生物への対処を始めとした"方針に沿わない戦闘"を業務としていた。エリートオペレーターの中で
「確かにそうだな。この危機契約を成功させれば、職員たちが向ける不満もある程度は解決できる。…十全に解決は難しいだろうが」
「そう、ですね。離れという環境も、職員からすれば特別なように見えるのでしょう。医療部門の人達は―――」
「残念ながら、感染者の中で命に関わらない発症というのもあって軽視されている。見た目は完全な感染者のそれにもかかわらずな」
「胸糞悪い話だな…」
Aceさんの溜息が、重く響く。スワラチカさんは、言うなればロドスにおける被差別対象にすら近い存在だった*3。ロスモンティスさんも似てはいるが、彼女は職員方からの信頼を自ら得ている為、寧ろ好意的に見られている。彼自身も信頼を得ようとしていたが…
「ヤトウは職員からスワラチカへの印象回復の為に参加する、ってことでいいのかしら?」
オーキッドさんの言葉にヤトウさんが頷く。ブレイズさんの発言―――機動装甲兵の対処も兼ねた印象回復は確かに良い案かもしれない。
「俺からも賛成だ。そうなると重装オペレーターとして配置コストを2人で食うわけにもいかねぇし、俺は留守番だな。」
「…そうなると私も出るわけにはいかないか」
「敵にドローンも居ねぇんじゃ、俺も仕事は出来なそうだな…むしろ契約の中に"火力減衰"迄ありやがる。CEO、今回はどの等級まで目指すんだ?」
少し考える。資金運営等も、実のところあまりよくない。その上でスワラチカの昇進の為に必要な素材―――彼の装備で重要なのは"鋭角を喪失しない事"。金属としての強度があればあるほど良い。
「なるべく上を目指すつもりです。資金運営とスワラチカさんの昇進の素材の確保の為にも」
結果として等級は18程度で落ち着く事となった。18もあればスワラチカの昇進及び資金運営も持ち直せると、アーミヤが言っていた。彼女の言葉を信じよう、もしもの時は■■■から引き下ろせばいい。
レッドに「明日の朝、ケテルとワルファリンへ出撃を頼む。レッドも明日の朝に出撃だ」と言伝をする。その際に「ススヒトも一緒だ」と言ってやると彼女の足取りは軽くなった。
続いてローズマリーの部屋へと向かう。ノックをした後、しばらくして中から彼女が出てきた。
「あ…ケルシー先生、だよね」
「あぁ。今時間は大丈夫か?」
「うん。大丈夫、少し記録とかで散らかっちゃってるけど…」
そこまで時間を取る事ではない為、首を横に振る。
「明日の朝8:00、発令された危機契約の参加メンバーにローズマリーも選ばれた」
「うん、わかっている。私がオペレーターのみんなを守るよ。絶対に」
「それは心強い。それと、カーナにも明日の朝声をかけてくれ。彼もメンバーで、この危機契約が成功すれば昇進する」
小さく見開いた後、自分の事のように喜ぶ彼女。…エリートオペレーターとなる前はあれほど毛嫌いしていたというのに、良くも悪くも変わった。何処か、彼に依存している節もあるのは…多分気のせいではないだろう。
「漸く、だね。これで、職員の皆にも認められるかな?」
「そうだな。…それと、スカジが依頼を速めに終わらせてたな。宿舎が空いてないから、カーナの離れに向かうと言ってたが」
それを聞いた途端、何処か不満そうに「…とーへんぼく」とローズマリーが呟く。…そんな彼女に老婆心ながらも助言をしてみる。
「スカジが離れで一晩過ごしたとなれば、それを種にローズマリーも離れで過ごせるかもな」
「…でも、それはずるい気がするよ」
「するかしないかは、ローズマリーに任せる。良い夢を」
「うん、ありがとう。ケルシー先生も、おやすみ」
現状存在するのは行動予備隊A6、行動隊A4。
エリートオペレーターとしてAce、Stormeye、Sharp、Scout、Pith、Touch、ブレイズ、ロスモンティス、スワラチカ。
古参としてススヒト、ワルファリン、レッド、ケルシー。
人材発掘でケテル、フィリオプシス、グレースロート、スカジ。