トレーナーじゃない学生の話   作:白玉善哉

16 / 23
おとうとのおるすばん

 

にいちゃんがトイレでたおれた。びょーいんにつれてゆかれた。きゅうきゅうしゃのひときて、すごかった。

おくちからしゃぼんだまがでて、ゼニガメみたいだった。びょーいん、ちゅうしゃかな?

 

はやくげんきになって、ダンデごっことかいっぱいしようね!!

 

 

※ ※ ※

 

 

私はポリゴン。人間との関係構築の為に製造されたバーチャル生物であり、主人はまだない。青年のパーソナルアシスタントに着任する確率が非常に高い。

 

高品質なボディと愛玩用のキュートな見た目で洗練されている。つまり、超エキサイティングなポケモンでああああああああある。

 

意思形成プログラムが乱れる感覚は好きになれない。外に派遣されて分かったのは、悪い磁場が外には多過ぎることで、私はとても困ってしまう。

 

ホームである球体からの放出を確認。原因は子供とホームを手にしている事から断定。青年のルームから連れて来られた模様。

 

彼は既に何処かに出掛けているようで姿が見えない。

私とホームを置いていくなんて…とても悪い、いけない青年だ!

 

 

「にいちゃんはーっ、バーッブルこーうせん、ふっふふふーん」

 

 

昨日、私にじゃれついていた子供の声を認識。音律を取っている事と紙に記入を行なっている様子から『遊ぶ』をしている模様。行動原理が予測できないため、クエに置き換え。成文解析の結果、兄がバブル光線、以降意味のない言葉。兄がポケモンである可能性。理解と処理が不能であるため思考停止。

 

人間の鳴き声は、意味があるものと無意味な物に分かれるため言語データだけでの処理がむむむむむむずかしい。

 

周囲の様子のスキャン続行。

ポケモンの鳴き声をキャッチ。

音声認識を開始します。

 

 

『ねえ、そっちに誰か!いるんでしょ!ご主人さまがずっと帰ってこないの!』

 

 

きつねポケモン、ロコン。音声認識の続行。

リージョン情報の結果、カントーを含め広く分布を確認される姿と断定。

ご主人さまの情報が不足。生体反応に乱れあり。バイタリティが下がっている模様。

 

ヘルプを子供に求めます。

 

 

「クエー!」

「ポリゴン、どうしたの?」

「クエクエクエッ!」

「めっ!かべつついたらおこられちゃうんだぞ!」

 

 

ヘルプ支援に失敗。

生体反応に乱れあり。生体反応に乱れあり。

 

 

『たすけて…ちょっとずつ食べてたけど、お皿にご飯もお水もないよ。お腹が空いたよ…』

「コラ!ポリゴン!!だめっ!!!!」

「クエーッ!!!!」

 

救援要請。救援要請。

生体反応に乱れあり。生体反応に乱れあり。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。