魔法科高校の転生人   作:1万年と二千年前から哀・戦士

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前話が意外に見ていただいて驚いているので初投稿です。
おはこんばんにちは、見つけていただきありがとうございます。上記の通り意外に見てくれた人も多く、お気に入り数も多くてビックリしております。ありがとうございます、見ていただいて。ありがとうございます、お気に入り登録していただいて。

5月21日追記:誤字報告ありがとうございます。報告のあった箇所の修正をしました。

6月30日追記:一部内容の修正を行いました。


ep.1 玲乃 奈緒

 突然だが、魔法とは……と聞かれたらなんと答える? 

 空想上の物、神秘的な物、超能力……色々言えるかもしれない。

 まあ、どちらにせよ普通に生活していたなら『魔法』なんてものはゲームや物語の世界の話であって、憧れこそあっても実際に触れることは無い……そんなものだとは思う、いや、思っていた。

 

 

 この世界には『魔法』がある。

 しかもそれは『化学的』に証明された物であるというではないか。

 化学と魔法、決して相容れない物だと思っていた。現実と非現実の融合とも取れるかもしれない……いや、この世界にとってはどちらも『現実』ではあるね。

 ただこの世界の魔法は……うーん……説明が難しいな。『自身の魔力を使って氷を自身から生み出す』ということは出来なくて『自身の魔力を使って指定した範囲の水蒸気を凍らせる』って感じか? 

 

 

 え? A組なのに理論が出来ないのかって? 余計なお世話じゃい。ヤマはったんだよヤマ。

 昔から勉強は大っ嫌いだ〇ーカ!! (某総統閣下空耳風)

 

 

 閑話休題(バカ話は置いといて)

 

 

 この世界に魔法があると知ったのは小学1年になったばかりの時だった……というよりは『前世』を思い出した時に違和感として気付いたって言うべきだろうか。

 前世の俺はしがない社会人だった。年齢は20代半ばで死亡(多分)、結婚はしておらず彼女もいない。就職を機に都会へ出てみたものの社会の荒波に早くも揉まれる始末。

 まあ、俺の情報は良いや。

 そして俺は5歳になったばかりの時……その時期に『我が家』主催のとある実験の被検体として参加していた俺は、『それまでの記憶』が消えた代わりに『我が家』に置ける最高傑作になった。

 前世の記憶はその時のショックで思い出した。

 

 そんな前世の俺が学生の頃にアニメでやっていた『魔法科高校の劣等生』に当時はハマった……が、部活が忙しくてバイトも出来なかったので原作のラノベや漫画の『魔法科高校の劣等生』シリーズを買うことも出来ず、次第に記憶の中に消えていってしまった。

 まあハッキリ言って覚えてない! 『なんか学校がテロリストに攻撃される』とか『お兄様(司波達也)強すぎ』などなど、曖昧な記憶しか無い。

 あ、1番重要なのは『雫が可愛い』って事かな……冗談ダヨ、ホントダヨ。

 

 と、そんな記憶の中に消えかけていた世界に転生してしまったのだ。

 ホントならテロ等に対して何か対策を取りたい所だが「覚えてもない(いつ来るかもわからんし内容も曖昧)事件に対策とか取りようがなくね?」となり、結局はいつ戦闘になっても大丈夫なように実験で得た『我が家の祈願』を使いこなせる様に訓練を重ねるしかなかった。

 

 

 

 そんなこんなで月日は経ち第一高校への入学を果たしたが、そこにあるのは一科生と二科生の間での差別意識だった。

 また、A組にこそなったはいいが1年の中でこのA組は特に二科生への差別意識が強い様に感じた。別に全員が(表立って)差別をしてる訳では無いし、俺も差別をする気は無い。なんなら仲良くなる口実でも欲しいくらい……なんだが、食堂や魔法実習の授業見学などでA組の一部クラスメイトがE組の生徒数名に食ってかかっている馬鹿らしい場面が見受けられた。

 そして夕方、下校時間に起きたA組とE組の対立だった。

 まあ最終的に収まる所に収まった感はあるし、とりあえず『司波達也』との面識も出来たので良しとする。

 

 

「……よし、今日は解散にしよう」

 

 

 達也と握手を交わした後、未だに固まってるA組のクラスメイトに声をかけた。

 

 

「こんな所にこの人数で固まってれば先程の騒ぎを見てなかった人ですら何かあったと勘ぐって面白半分で突っついてくるぞ? 俺はゴメンだよ」

「……そ、そうだな」

「え、えぇ……今日は解散にしましょう」

 

 

 そうして散り散りになっていくA組の面々を見ていたらこちらをジッと見つめてくる目線とぶつかった。

『北山 雫』……『魔法科高校の劣等生』において1番好きなキャラクターだが、この現実において特に接点はまだ無いので、俺はすぐに目線を外す。

 俺が目線を外したのを見てか、雫は隣にいた『光井ほのか』と共に達也達の元へ向かう。

 彼女達はここから友好を結んでいくはずなので問題は無いだろう。

 

 さて、面倒事も終わったし帰ろうかとした時に声がかかった。

 

 

「玲乃、これから帰りか?」

 

 

 なんとビックリ、達也から声がかかったのだ。内心驚きつつも「そうだよ」と返すとその後の発言も驚いた。

 

 

「なら一緒に帰らないか? 人数が多くなったし男子の人数が少なくてな」

 

 

 見れば確かに男子の人数に対して女子の数が多くなっていた。

 

 

「それは嬉しいけど良いのかい?」

「何がだ?」

「これは所謂ハーレムとかいう奴では無いのかい? そこにもう1人むさ苦しい男が混じっても?」

 

 

 と言えば達也は意外にも苦笑をしてから「むしろ頼みたいくらいだ」と言った。

 達也ってこんな表情をするんだな、と思いつつその面々と共に帰ることにした。

 

 俺たちはそれぞれの自己紹介や呼び方が決まるまでの会話はスムーズに進んだが、それ以降は会話も少なくなり些か気まずい雰囲気が漂っていた。

 それを打破する目的があるのか、単純に気になったからなのかわからないが『千葉エリカ』ことエリカが俺に質問をしてきた。

 

 

「ねーねー奈緒君さ、聞いていい?」

「ん、答えられることなら」

「いやぁ、そんな難しい事じゃないんだけどね? ……ほんとに男?」

「……は?」

 

 

 まさかの性別詐称しているのでは? と疑われるとは思ってもおらず、素っ頓狂な返答を返してしまった。

 

 

「あー……確かにな」

「そうだな」

 

 

 と『西城レオンハルト』ことレオと達也も同意し、『柴田美月』こと美月や雫にほのかまで「ウンウン」と頷く始末。

 いや、達也は俺に誘う時「男子の人数がー」とか言ってた癖に!! 

 俺は味方がいないのか!? と深雪に助けを乞うような視線を送った。

 深雪は苦笑で済んでこそいるが、他のみんなと同様らしく気まずそうに俺から視線を外してしまった。全員が俺を『男』として見れてはいないらしい。

 

 

「深雪さん、その視線を外す行為が1番ダメージあるからね……」

 

 

 目に見えて落胆した俺を見て深雪は慌てふためいたように謝罪してきた。

 

 

「ご、ごめんなさい!」

「奈緒、深雪に悪気は無いんだ」

「わーってるよそんなの、さて、一応言っておくが俺は男だからな」

 

 

 俺……玲乃奈緒の容姿は確かに女子にも見えるだろう中性的。声も同様に中性的だ。髪も長いし、実験以降はほぼ白に近い金髪になってしまった。

 そんな外見のせいか、小中学校ではイジメの対象になったりもしたが『大人の対応』をしたことによって沈静化、普通に友人も出来た。

 

 

「へぇー女子にしか見えねーな、その髪は染めたのか?」

「いや、これは俺が覚えてる限り地毛だな」

 

 

 と俺の容姿に対する質問が一通り終わった後に達也が別の質問をしてきた。

 

 

「奈緒、聞きたいんだが森崎の起動式をどうやって破壊した?」

「「起動式の破壊!?」」

 

 

 達也の質問は森崎……魔法を撃とうとしてた生徒の魔法を止めた方法を聞いてきた。

 おや? と、少し違和感を感じたので俺は達也に失礼ながらも質問で返すことにした。

 

 

「達也は起動式を読めるんだろ? なら俺が何をしたかもわかってるんじゃないのか?」

「やったことは大方の予想は出来ている、サイオンの塊を起動式にぶつけたんだろう?」

「そうだ、わかってるじゃないか」

「だがその起動式が見えなかった。お前のCADも起動式を展開してる様子は無かった」

 

 

 なるほど、いつ起動したのかって事か。

 

 

「俺が……森崎家を超える早撃ちの名手だったら、とは考えないか?」

「その説もあるだろうな」

「……本当は何か見えてたんだろう?」

 

 

 俺は達也を睨む。

 魔法師に対して魔法の詮索、特にその家系が得意とする魔法の詮索はタブーとされている。

 各家は血塗れた歴史を持つのが大半であり、その努力を晒す事になるからだ。

 一触即発とまではいかないが、俺達の中に良くない空気が流れた。

 

 

「……場所を変えよう。近くに良い店がある、そこで話せる事は話す」

 

 

 折れたのは俺だった……『折れ』たのは『俺』……すみません黙ります。

 

 

「すまないな、本当はタブーだろうが……」

「別に構わないよ、その代わりオフレコで頼むのと支払いは達也が頼むわ!」

「……お手柔らかに頼むよ」

 

 

 そう言って一触即発から一転穏やかな雰囲気が流れだし、俺の先導の元移動する俺と達也、そしてそれを見てポカンとしてる面々。

 

 

「おーい、何をしてるんだ? 早く行こうぜ! 達也の奢りだからな!」

「……もしかして全員分か?」

「あったりまえだろぉ?」

「……そ、そうか」

 

 

 そう言ってやらかしたと言わんばかりの表情を見せる達也と、それを見て吹き出したように笑い出す俺だった。

 

 そして俺たちは少し歩いた所のあまり目立たない所で営業をしているカフェに辿り着く。

 このカフェは何故か個室があり、その個室はかなりの人数が入れる広さを持っていた。

 とりあえず俺たちはその個室に入り、それぞれの注文が済み、商品が届いてある程度飲み食いした所で雫が話題を振ってきた。

 

 

「それで奈緒お兄さんの魔法の秘密って?」

 

 

 その個室のテーブルは円卓になっており、雫は俺の隣に座っていた。

 雫はこの短期間でクールな印象を得ていたが、意外にも甘いもの好きでカフェのケーキ等の甘味に目を輝かせていた。

 そのケーキのクリームが口の端に着いていたのを俺が見つけてしまい、それを指摘、拭き取ってしまうという今考えれば大変恥ずかしい事をしてしまい、雫を除く深雪を初めとした女子陣にはニマニマとされてしまいレオも茶化してくる始末、挙句の果てにはバカップル顔負けの兄妹が拭き取る所を真似てイチャ付き始めてしまい、俺は普段飲まないブラックコーヒーで身体中を巡るような甘さを打ち消すのと、先程雫にしてしまった行為を忘れようと必死になっていた。

 そこからだ、何故か雫が俺を『奈緒くん』から『奈緒お兄さん』と呼ぶようになったのは。

 何故? と疑問に思ったが聞いてみたところ、兄弟は弟がいるだけでお姉ちゃんである雫は兄の様な存在が欲しかったとのことで都合よく俺がハマってしまったようだ。

 

 

 閑話休題

 

 

 俺の魔法の秘密、それは『我が家』の説明をしなきゃならないから少し長くなる。

 

 

「それに答える前に皆に質問だ……君たちは『天使』って知ってるかい?」

「……天使ってあれだろ?」

「あの天使……よね?」

「天使とはユダヤ教やキリスト教、イスラム教に登場する神の使いだな」

「そうだ、その天使だな」

 

 

 俺の質問に対してレオ、エリカ、達也の順で反応をしたので肯定しておく。

 

 

「では次の質問だ、天使はいると思うかい?」

 

 

 この質問に対してはレオがまたも1番早く反応した。

 

 

「いや、いないだろう?」

 

 

 それに続くようにエリカも美月も雫もほのかも頷いた。

 司波兄妹は達也の方は特に反応はしないが、深雪の方は考えてるように見えた。

 だが、この問に対して俺はこう答える。

 

 

「まあ、いないだろうな」

 

 

 だが、この世界には『魔法』が存在する。

 俺のいた世界の認識する魔法とは違うかもしれないが、ある物はある。

 そしてこの世界にも『魔法』があるならと考えている者たちがいた。

 

 

「魔法……それは一昔前では空想上の産物であり、また天使も聖書という『物語』の中に出てくる空想上の産物だ。だが、魔法は実在した。一昔前まであった魔法の認識とは別かもしれないが、確かに存在した。故に───」

「天使も存在するハズだ……と?」

「……そうだ」

 

 

 俺の言葉に重ねるように言ってきたのは雫であり、俺はそれに肯定をする。

 

 

「はーそんなヤツらがいるのか」

「んー、でもこれと奈緒さんの魔法と何が───」

「零乃」

 

 

 今度は俺がほのかの言葉に被せるように発言する。

『零乃』と聞いて反応するのは……深雪くらいだった。

 俺はそれに気付いたが、あえて触れずに話を進める。

 

 

「零乃とは……『数字付き』と同等の力を持つ『失われた数字(ロストナンバー)』とされる『零』を『数字付き』より賜った家系であり、先程言った『天使』の存在を信じている者たちだ。」

「ろすとなんばー……そんなのがいるのか」

 

 

そして俺は自分がどういう産まれなのかから話し始めることにした。




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