あに☆すた   作:タボ茶

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お待たせしました。

転職したい。


☆14

〈オタクのサガ〉

 

「ゆうや、コンプ祭り評判いいみたいだよ」

「ほー。毎回評判いいし、継続して行ってほしいね」

 

こなたが性懲りもなく? 朝コンプ〇ィークを購入して学校に持ってきて放課後に読んでたところ、そんなことを呟いた。……一応うちの学校、漫画雑誌系は流石にアウトなんだがなぁ。隠し通せるこいつがすごいのか、見逃してしまったうちの教師陣があれなのか。

 

「私も欲しいのがなくても、花に吸い寄せられる蝶のように単行本をレジに持ってちゃうもんね。既に持ってるやつでも」

「俺は流石に漫画の単行本は重複して買わないからなぁ」

 

えっ、5月ぐらいに分厚い牌譜集を三つも買ってただろって? 自分の部屋に置いてあるのは一冊だけだから……。流石にあの分厚さの本を何冊も置いておけるスペースは自室にないですね。漫画もライトノベルも同人誌もあるんだし。

 

「ゆうやって漫画とか単行本とか同じの買わないもんね。もう一冊欲しいとかはよく言ってるけど」

「そりゃ名作は保存用や布教用として買っておきたいけど、物理的なスペースがなぁ」

 

父親の書斎の一部を自分やいずみ用に使わせてもらってはいるものの、年々スペースが足りなくなっている状態なのだ。レンタル倉庫とか借りようかな。いやでもなぁ、読みたくなった時にすぐ読めないのは困るしなぁ。

 

「ゆうやの家って本が多いもんね。おじさんおばさんの職業的に」

「こなたの家も大概じゃない? そうじろうさん作家だしさ」

 

まあうちの両親どっちも本を多く見る職業だからなぁ。書斎だけじゃなくて、本専用の物置があるくらいだし。ただ、そっちの物置は俺やいずみが使えない、というか両親専用のスペースになっているのだ。その分書斎を使わせてもらえてはいるんだけど。

こなたの家にもそうじろうさん専用の書斎(こなたの美少女ゲームとかもあるけど)だけじゃなくて、資料庫みたいなのもあるしね。

 

「こういう話聞いてると、日本人ってホントプレゼントとか限定品って言葉に弱いんだなって思うわね。あんたらもほどほどにしときなさいよ?」

「そうなんだよね~、私も布教用に保存用と、何冊も買っちゃうもんね。もう何冊も買ってても、こういう時があるとついついもう一冊買っちゃうし」

「俺も牌譜集は限定公開牌譜付きとかネトマのアイテム無料プレゼント付きとかあるとついつい買っちゃうんよなぁ。保存用、お店用と三冊ぐらい」

「マテ、あんたらのはどう考えても特殊なケースだろ! そんな奴らそうそういないわよ!」

 

そうかなぁ。ネトゲ仲間とかチャットとか掲示板とかだと当然みたいな感じなんだけど。まあ俺とかこなたの住んでる世界が特殊なだけなんだろうけどさ。いやでもオタクの中でも気に入った漫画を何冊も買うのってごく一部だけなのかな?

 

「あ、それともう一個同じのを買う理由あった」

「布教用とか以外に買う理由ある? なんかグッズがついてるとかもあるけどさ」

「いやほら、誰に貸したか忘れてもう一冊買いなおすことってない?」

「あー……確かに牌譜集も同じような理由で買いなおしたことあったような……」

 

そして実はたまに本棚から自分で買った覚えのない漫画とか出てくるんだよね。大体こなたが持ってきて忘れて帰ったものなんだけど、たまーにこなたから借りてて忘れてたのとかもあったり。ちゃんと見つけたら返すようにはしてるんだけど、その時には既に新しいのを買ってしまってるとかいうね。

申し訳ないからなんか別の漫画を買ったりするんだけど。

 

「……だからそういうのはあんたらだけだっての。何回ツッコませる気だ。というかまず布教用ってなによ」

「布教用は布教用だよ。なんか良い漫画とかあったら他の人に勧めたいからね」

「購入してもらうのは難易度が高いから、一冊だけ買っておいて貸すんだよ。ハマったら買ってもらえるわけで」

 

一巻無料でとかみたいなサービスが始まったらあんまり要らなくなる方法ではあるんだけど、大体高確率で沼に突き落せるんだよね。俺もこなたも互いに互いを沼に落としあってたりしてるし。

 

「……あんたらオタクの行動ってホントにわけわかんないことが多いわね」

「だから普通じゃないみたいなとこあるんだよね」

 

普通じゃない、まあつまりは少数派ってことだ。人間って多数派じゃないことは基本的に否定的だからなぁ。そりゃオタクってだけで嫌われることが多くなりますわ。

……オタクがマイノリティからマジョリティ……というか普通くらいになるのはいつ頃だろうか。

 

 

 

 

〈携帯電話〉

 

「見てみてー! 誕生日にプレゼントで携帯買ってもらったのー!」

「おおー、良かったじゃん」

 

朝。最近登校の時は俺とこなた、かがみさんとつかささんとで糟日部駅に集合してから行くことが多い。というわけで駅に着いたらニッコニコ笑顔のつかささんと微笑ましいと言わんばかりの表情をしたかがみさんがいたわけで。

まだ時間に余裕は結構あるということで事情を聴きながらゆっくり通学路を歩く。

 

「しかし今日び携帯ぐらいでそこまで喜ぶのね」

「えへへ」

 

こりゃお父さんやお母さんも報われるわねとかがみさん。確かに喜びすぎな気がするな。……新しいおもちゃをもらった犬を想像してしまった、ごめんつかささん。

なお俺は(バイクを買う前から)雀荘巡りとかで遠征まですることが多いため、それの影響から割と早めに持たされてました。何かあったら掛けてきなさいよって感じで。

 

「あ、そうだつかさ。携帯買ったんだったら番号教えてよ。私のも教えるから」

「うん!」

「こなた、あんた携帯持ってたのね。見たことないんだけど」

 

こなたの携帯はマジでレアだからなぁ。漫画遊戯王のレッドアイズくらいのレア度。こなたが五月病でずる休みしようとしたとき、繋がりにくいって言ったのもこのせいだ。持ち歩かないし充電もあんまりしないからなこなたって。

 

「持ってる、んだけど」

「けど?」

「大体家に忘れてくるんだよね。どうせ掛けてくるのお父さんかお母さんかゆうやぐらいだし。メールもパソコンで見ればいいしね」

「うわっ、それ携帯の意味ないじゃない。携帯の意味辞書で調べて来なさいよ。……いやまず持ち歩かないならなんで持ってるの」

 

本当にそれな。かがみさんの連続ツッコミが凄まじい。学校とか近場に行くときには持ってこないんだけど、コミケとか旅行とかの時はちゃんと持ってくるんだよね。たまに充電してない時あるけど。

 

「あ、つかさ。これ私の番号。つかさのも教えて」

「こなちゃんありがとう。……えっと、これどうやって表示するのかな?」

「ああ、初めて持った携帯だから使い方わかんないのか」

 

初めて使う機械って慣れるまで使い方おぼつかないことが多いよね。俺も最初の二、三日は操作がぎこちなかった覚えがある。

 

「えーと、つかささん、とりあえず電話帳開いて」

「うん。電話帳電話帳……あっ、これか……ゆうくん開けたよ」

「おしおし。この画面で左上のボタン押してみて」

 

この辺りの自分の番号を表示する機能って機種によっても違ったりするんだけど、運よくつかささんが買ってもらった機種は俺が一個前に使っていた機種の最新版だったから、操作方法などはほとんど一緒だ。いやー、教えれてよかった。

 

「あっ、表示できたよ!」

「よっしゃ、そこに表示されている番号をこなたに見せてみて」

「ゆうくんありがとう!」

「どういたしまして」

 

本当だったら赤外線交換で一発なんだけど、こなたの機種非対応だからなぁ。何年前の機種だよって感じだ。……着うたも待ち受けもそれじゃ意味ないのになぁ。

本人曰く使わないからいいってことだけど、友達全員持つようになったし、連絡取りあう用に使うだろうに。

 

「あ、そうだ。ゆうくんのも教えて?」

「いいぞ、はいこれ」

 

携帯を取り出し、番号を見せる。もう手慣れたもんだ。雀荘行って仲良くなった人と番号交換することも多くてね。そのせいか電話帳のリストがえげつないことに……。

リスト分けして見やすくはしてるんだけどさ。

 

「そういえばゆうやってかがみと番号交換してるの?」

「してるぞ?」

「割と知り合ってすぐにしたわよね」

 

ゴールデンウィーク入る前にはしてたなぁ。話の中で偶然することになってね?

みゆきさんともしてるし。

 

「ゆうや……手、早くない?」

「待て待て待てなに言ってんだこなた」

 

彼女いたことない童貞オタクになんてことを申すのかこのチビッ娘!

 

 

~☆~

 

 

そして放課後。途中授業中つかささんの携帯が鳴って没収されるなんてこともあったけど、初犯ということもあって、ちょっとした注意だけで解決した。放課後に返してくれるのは有情だよなぁ。

まあつかささんの日頃の態度が良くて、携帯に慣れていないってのが丸わかりっていうのもあるんだろうけど。

 

「まったく、お父さんも心配性よね」

「世の中の娘を持った父親ってそんなもんじゃないの?」

「……そうなのかしら?」

 

うちの父さんだって、いずみのことはわりかし気にかけるし。そうじろうさんだってそうだしね。

かがみさんとつかささんのお父さん。ただおさんというのだけど、ただおさんがかがみさんに帰りが遅いということで連絡を取り、その後つかささんにも連絡を取ったのだ。

そしてかがみさんのこの反応である。……娘の方はなんだかんだでウザく感じてるようで、それでも嬉しく思ってるもんなのかなぁ。言葉とは裏腹に表情は嬉しそう。

 

「そういえばこなた今日携帯は?」

「もちろん持ってきてないよ!」

「それもちろんってつけることか?」

 

こなたのやつめ……。ん? こなたが携帯を持ってきてなくて、バイトもないのに放課後帰りが遅いということは。かかってくるだろうなぁ、あの人から。

 

ピロピロピロピロピロピロピロピロピロwwwwwwwwゴーウィwwwwwwwwゴーウィwwwwwwwwヒカリッヘーwwwwwwwゴーウィwwwwwwwwゴーウィwwwwwwwwシンジッテーwwwwwwww

 

「TE勢だ! 電話にでろ!」

「こ、こなたさん?」

「いきなり何言ってるのよこなた……」

「出るから……みゆきさんびっくりしてるじゃん」

 

すぐさま反応してくれる……というか俺の携帯の着うたこれしかないし、毎回反応してくれるのよねこなたって。ありがたいことではあるんだけど、たまに周りに誰もいなかったら率直に『TE勢だ! 殺せ!』って言うからなこいつ……。

そして携帯を開いて、発信者の名前を見てみるとそこにはこなたの父親の名前が。やっぱり掛けてきたか。

 

「もしもし、そうじろうさん?」

『ああゆうや君。帰りが遅いけど、アニ〇イトとかに寄っているのかい?』

「まだ学校ですよ。友達と喋ってます」

『なら良かった。あと一つ伝言なんだけど、帰りに醤油と卵買ってきてもらえるかい? それと今日はうちでご飯を食べていってくれってさつきさんから』

「父さんと母さん、今日も仕事遅いのか……了解です。醤油はいつものでいいですよね?」

『大丈夫だよ』

 

そして切れる電話。……こういう時こなたって携帯持ってないから基本俺に連絡来るんだよね。だから携帯が手放せなくてなぁ。

あ、ちなみにさつきってのはうちの母親の名前だ。

 

「ゆうやー、お父さんなんだって?」

「醤油と卵買って来いって。あと晩御飯こなたの家で食べることになったわ」

「おじさんとおばさん、今日も帰り遅いんだネ」

 

仕事柄仕方がないっちゃ仕方がないんだけどね。

しかし、あれだよな。こなたへの要件、大体なぜか俺が受け取るから、俺がこなたの携帯みたいになってるような……いや別にいいんだけど。

 

 

 

 

〈メールアドレス〉

 

「最近迷惑メールが多くてさ、困ってるのよ。メアド変えた方がいいのかしら」

「あー、なんか最近増えたよなぁ。PCの方のメアドだと倍くらいになったような気がする」

 

しかるべきところにツッコんでることもあってか、元々迷惑メール多いんだけど。それでも最近増えたように感じる。まあ基本パソコンで使用するメアドはフリーの奴で、しかもネトゲとかでどのメアドを登録してるか忘れないように、単純なメアドにしてるのもあるんだけどね。複垢おっけーなネトマとかだと4つぐらいアカウントあるし。

 

「そういうのは分かりづらいものに変えた方が来づらくなるよ。私も変えてるしネ」

「俺も携帯のメアドとか連絡取る用のは分かりづらいのに変えてるな。そういうのが迷惑メールで埋まるの面倒くさいし」

「分かりづらいの……ちなみにだけど、こなたやゆうや君のはどんな感じのメアドにしてるの?」

 

こなたと俺のメアドか。こなたのも俺のも趣味に走ってるからなぁ。同じ趣味の他の人と被らないようにはしてるんだけど。

 

「私はローマ字で『メガネっ子激LOVE』だよ。本当はメイドとか巫女とかが良かったんだけど、使用率高いんだよね」

「!??」

 

声にならない驚きの声ってこんな感じだろうかって様子のかがみさん。まあそりゃこんな周りに一般人が多い場所でメガネっ子だのメイドだの巫女だの割と大きな声で言ったらそうなるわな。

 

「待て待て待て分かった! 分かったから一般大衆の前でそんな単語を大声で喋るな!」

「ええ~」

 

残念そうなこなたに、憤っているかがみさん。ちなみに今いるところは通学路。割と人通りが多いとこです。……まあかがみさんの言うことももっともだぞこなた。

 

「いつも通りのこなたは横に置いておいて、ゆうや君はどうなのよ。……まさかゆうや君もこなたと一緒な感じじゃないでしょうね」

「かがみん、今日ひどくない?」

「ひどくないわよ。自分の言動振り返りなさい」

 

妥当なのが悲しいなぁ。でもなんだかんだそんなこなたを見捨てずにずっと一緒にいるかがみさん優しいよなぁ。こなたがいつも通りの言動して直さないのってそんなかがみさんに甘えているからってのもあるのかね。割と寂しがりやだしな、こなたって。

で、俺のメアドだっけか。

 

「ゆうやのメアドは長いし同じ数字とかが続くしで難しいんだよねぇ」

「とりあえずそっち系ではないのね」

「最初はしてたんだけど、一般の人ともメアド交換することが多くて変えたんだよ。まあ趣味のであることは変わんないんだけどさ」

 

一番最初のメアドは確かに巫女とかだったんだけどね。雀荘通いしてるうちに一般の人とのメアド交換も多くなりましてね……。色々とツッコまれることが多くて。

 

「俺のメアドは『1m1m1m1p1p1p1s1s9p9p_9m9m9m_1s』って感じ」

「確かに長いし同じ数字続くしで難しいわね。というかこれ元ネタは何なのよ」

「これ俺が初めて上がった役満の手牌なんだよね。麻雀牌を数字とローマ字で書く書き方あって良かったと思ったよ」

 

麻雀牌で表すと{一一一①①①11⑨⑨} {横九九九} {1}だ。前に話したと思うけど、清老頭なんだよね。感慨深くてついメアドにもしちゃったよ。今でもあの局の牌譜書き起こせるぐらいには印象に残ってる局だったなぁ。……なんだったらあの半荘だけで役満3回出てるっていうね。とんでもない卓だったよ本当に。

 

「結局こなたもゆうや君も趣味に走ってるのね……」

「でも趣味に走るとメアドも自然と複雑になるから、迷惑メール対策にはなるんだよね」

「なんか釈然としないわ」

 

ガックリとしたかがみさんに一応フォローの言葉は投げかけるけど……効果は薄そうだなぁこりゃ。

その後、意気消沈としたかがみさんを励ましながら帰宅しました。

原因の一人が言うことかって感じなんだけどネ?

 




メアドって迷惑メール対策で複雑にしません? で、変えた結果忘れるまでがワンセット。
あとゆうやのメアドは現実でも使用可能なメアドです。30文字制限もクリアしてたり。

作中時間は2008年を想定しているのになんで2012年のTEがあるのかは、作中時間がすごい勢いで流れることにでもしてください……原作も似たような感じだし……
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