あに☆すた   作:タボ茶

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投稿遅れて申し訳ございません!(全力の五体投地)

仕事の応援に行ったり、豪雨の関係でドタバタしてたりと執筆時間が取れなかったですよ……


☆15

 

〈通知表〉

 

明日から夏休みという今日。終業式も無事終わり、残るはHRのみとなりました。

ということは? そう、通知表の返却である。

いや、通知表ってなんだかんだで微妙な気分にならない? 今までよりも良い成績だったら喜びはするんだけど、今まで通りとか下がってるとかだとさ。一部が上がってても他のが下がってたら喜ぶのとヤな気持ちが混じり合うし。

 

「う、うーむ。なんとも微妙な……」

 

で自分の結果はというと。今しがたつい口に出てしまったように、微妙な結果だ。

いや、一科目ずつだけ上がってるのと下がってるのがあってね。結局平均評定は変わらないのよな。評定変わってないからこれまで通りバイトも雀荘巡りも許可貰えるとは思うけど。

 

「ゆうや、どうだった?」

「こなたか。いや、いつも通りって感じだったな」

「ふーん。見せて?」

「あ、ゆうくん。私もいいかな?」

「いいぞ」

 

ほい、とこなたとつかささんに通知表を渡す。別に男子だし、身体測定の結果とか見られても気にしないから気軽に渡せる。え、逆にこの二人のは見ないのかって? 多分拒否られるんじゃないかなぁ。こなた曰く、BWH*1まで載ってるとのことだし。流石にそこまで載ってたなら見せてくれないと思うな。……いやまあ見せられても困るだけなんだが。

 

「お~、さすがゆうくん。私じゃ考えられない評価が並んでるよ……」

「副教科含めても平均で4以上評定貰ってるとか。ええい、陵桜学園のヒーローは化け物か!」

「誰がヒーローだ誰が」

 

こなたはたまに、本当にたまにではあるんだけど、俺のことを『ヒーロー』と呼ぶことがある。そのたびに否定するんだが……なんでこいつ俺ごときをヒーローなんて呼ぶんだろうね。もっとふさわしい奴がいるだろうに。

 

「そしてつかさ。私が注目したいのはこっちのスポーツテストの結果なんだよ」

「えっと……うわ、こっちの方もすごいや。全部得点10……」

「伊達に部活ガチ勢だったわけじゃないよネ」

「流石になぁ」

 

中学の部活の顧問がスポーツテストの結果についてはうるさくてさ。次第に部活内じゃレギュラーは得点10しか認めないみたいな風潮が出てきてね。それ以降、スポーツテストはずっと得点オール10だ。

 

「ゆうくんって本当になんでもできるんだね。勉強も運動も」

「必要に応じてできるようになった、というかできるように努力したが正しいのか」

 

勉強は趣味に時間を費やすことを許可してもらうため。運動はまあ見栄と義務感? そんな理由もあって努力した結果だ。

 

「結局のところ、趣味のためってのと幼馴染の見栄ってやつだよ」

「ゆうやって、割と見栄張るよね」

「男としてってのが大きいかなぁ。見栄を張るもんじゃん、男って」

 

元々素養があったらしく、別に勉強に関しても運動に関しても努力すること自体が苦じゃなかったってのもあるか。苦だったらここまでなれてなかっただろうし。

 

「じゃあゆうやのも見せてもらったわけだし、私のも見る?」

「こなちゃん、流石にそれは不味いんじゃ……? 身体測定の結果も載ってるし……」

「私は見られても構わないヨ?」

「いや俺が困るんだけど……それバストとかウエストも載ってるんでしょ」

 

流石に女子のそんな情報を載ってるのを見るわけにはいかないだろう。いや、気になるけどね? でも数値だけで興奮するような性癖は持ってないでございます。

で、こなたさん? なんで通知表を持ってこっちにジリジリと近づいてくるんですか?

 

「んー? いやほら見てよゆうや」

「疑問には答えないのなってなんでそこで押し付けてくるの。やめ、ヤメロー!」

 

 

 

 

〈先生のありがたーくない言葉〉

 

「というわけで、明日から高校で一番長ーい休みに入るわけやけど、学生という立場を忘れずに、節度を持って過ごすんやで。特に泉と若瀬」

「なんで名指しした!?」

 

通知表の返却も終わり、こなたとの通知表での攻防は黒井先生の話が始まるということで

いったん打ち切られた。このまま流れればいいんだけどなぁ。

そしてこの黒井先生の言葉である。なんでだとちょっと憤慨ものである。

 

「黒井先生! こなたはともかく、俺は節度を持って過ごしてますよ!」

「ちょっとゆうや! 私だって節度を、持っ……て……」

「お前心当りあるから最後濁したな」

「泉は自覚あるからまだマシやけど、若瀬……去年の夏休みのこともう忘れたんか?」

「去年の、夏休み?――あっ」

 

去年の夏休み。俺は登校日、職員室に呼び出されて説教されるなんてことがあったんだよね。割とガチ目に。次やったら停学なんて言われてさ。まあ全面的に俺が悪かったんだけども。

 

「思い出したようやな。なあ、深夜遅くまで雀荘で麻雀打ってた若瀬クン?」

「やめて……反省してるんでやめてください黒井先生……俺が悪かったから、皆の前で言うのだけは……」

 

あれはなぁ。その日は結構運気も良い感じだし、一緒に卓を囲んだ人たちは良い人たちだったしと、夢中で打ってて気が付いたら閉店まで居てしまったのだ。で、外出た所を先生に見つかり、と。

次の日登校日だったこともあってなぁ。

それ以降は深夜になりそうな時はネトマを多用するようになった。

 

「ま、反省しているのならかまへんわ。その気持ちで問題おこさへんようにな」

「「はーい」」

「問題起こしたらセンセの休みも消えるからなー。泉に若瀬だけじゃなくて皆も頼むでー!」

「「「「「それが本音か!?」」」」」

 

そしてクラスの大半から飛び出すツッコミ。……こういう所で感じるよなぁ、このクラスの良さって。

 

「それと、登校日もあるから忘れんようになー。風邪ひいて休むってのも認めへんでー」

「見抜かれてる!?」

 

 

 

 

〈夏休みでの同級生との遭遇率は高いのか低いのか〉

 

「しかしあれだな、ようやく長期休暇だな」

「そうよね、やーっとって感じで開放感すごいわね」

 

終業式もHRも終わり、帰り道。俺とこなた、かがみさんとつかささんという面子で帰宅している。

全員明日から夏休みということもあって、テンションが高い。学生にとっての夏休みって至福の時間だからね、仕方ないね。

 

「夏休みに入ることだし、あんたの顔を毎日見なくてすむと思うと気が楽だわ~」

「むぅ……」

 

かがみさんがイジワルそうな顔つきでニヒヒと笑いながらそんなことを呟く。かがみさんとこなたはボケてツッコんでのやり取りが多いからな。かがみさん曰く、なんだかんだでツッコみは体力を使うそうなので、そういう意味でも気楽なのだろう。

む、でも唸ってたこなたが仕返ししたろみたいな顔でかがみさん見てる。

 

「でも~、かがみんは夏休みに入ってゆうやに会えなくなるから寂しいんだよネ?」

「確かに寂しいわね。でも夏休みだし仕方な……ってこなたぁ! 何言わせてるのよ!」

「誘導したのは確かだけど、見事に自爆したのかがみじゃん……」

 

というか俺が普通にいるのに、そのやりとりはどうなんですかね。普通に俺も恥ずかしいんですけども。……いや、まあ。会えなくて寂しいと思われるのは嬉しいんですけどね。

 

「ねえ、ゆうくん。ゆうくんもお姉ちゃんと会えなくて寂しかったりするの?」

「なんでこの状況で俺にも聞いてくるのつかささん……。いや、まあそりゃ寂しいけどさ」

「さ、さびっ!?」

「……むぅ」

 

かがみさんも照れないで!? そしてこなたもなんで不機嫌になってるんですかね?

 

「……私が振っておいてあれだけど、収集付かなそうだからこの話止めない?」

「本当にな」

「こなちゃん、嫉妬してるんだね」

「ん? こなたの不機嫌な理由は嫉妬?」

「あー、つかさの言ってることは聞き流してくれて大丈夫よ。で、こなた。話題を変えるって言うけど、なんか話題でもあるの?」

 

こなたが嫉妬……? こいつが嫉妬するなんて、正直俺には考えられないんだけども。でも、かがみさんが聞き流していいって言ってるし、深く考えずに聞き流すか……?

まあいいや。とりあえずこの件については後で考えるとして、新しい話題に集中しようか。

 

「いやー、ね。かがみとかつかさとは夏休み中遊ぶ時ぐらいしか会わないけど、ゆうやや黒井先生とはほぼ毎日会うことになるなぁって」

「ゆうや君とは幼馴染で家も近いらしいし分かるけど。黒井先生は何でよ、補習でもあるの?」

「ゆうやも黒井先生もネトゲでパーティ組んでるしねぇ。パーティ補正もあるから。休み期間中って二人ともほぼ毎日来るもんね」

「それはそれでどーなのよ」

 

だって休みということはわりかし夜更かしできるからさ……日課である朝のランニングのために起きる時間もだいぶ遅くなるしね。それでもちゃんと午前中には起きるようにしているんだけど。

ネトゲとかネトマに熱中してて気が付いたら朝とかよくあるんだよな。次の日が出校日とかだと体内時計の調整ががが。

 

「むしろ休み期間って、ゆうやとはリアルでもよく会うけどネトゲのほうが会う頻度多いしネ」

「会うのって基本一緒にご飯食べたり買い物行く時ぐらいだよな。後は遊ぶ時とかか」

「リアルで会うのって大体三日に一日ぐらいだしね。ほぼ毎日会うネトゲに比べたら……」

「休み期間中でもそれだけ会ってるなら十分じゃない」

 

まあ、休み期間でもうちの両親はほとんど休みないからね。そのせいか泉家でいずみ共々ご飯食べることが多くて多くて。ありがたいですね。

なお、ご飯食べ終わったら大体皆で格ゲーとかやってる模様。かなたさん除いて基本ゲーマーだしね、泉家+若瀬家って。

 

「ただ今年から夏休み期間中、皆と会う頻度も少なくなるかな。ちゃんと夏祭りとか海とかは日程開けとくけど」

「どうしてよ。ネトゲとかネトマとかでずっと家にいるんじゃないの? 前そう言ってたじゃない」

 

そういやテスト期間中、かがみさんと勉強してる時にそんなこと言ったっけか。でも実はあれからちょっと事情が変わりましてね。具体的には期末テストの点数発表後。点数が過去一で良かったから、とある許可を両親からなんとかもらえたんだよね。

 

「期末テストの点数良かったから、関東以外への雀荘巡りやってもいいよって言われてさ。埼玉に隣接してる中部の県には行ったことあるけど、それ以外はなくて。旅行先でチラッと寄ったことがあるぐらいでさ」

「意外でしょ? 割と麻雀バカな気があるゆうやにしてはって」

「確かにそうね。バイクも持ってるし、色々と行ってるって思ってたわ。割と近辺ばかり行ってたのね」

「東京だけでも雀荘めちゃくちゃ多いんだよね。東京の雀荘だけでもまだ回り切れてなくて」

 

しかも結構頻繁に潰れたり新しく出店してたりと、入れ替わりが激しいんだよね都心部の雀荘って。しかも今の俺じゃ行けない、もしくは行かないほうがいい雀荘なんてのもあるし。前者は深夜営業が主な所で、後者はヤの付く人たちが運営しているような所のことである。

いやね、一回ね。ヤーさんの代打ちとやったことがあってさ、普通の雀荘で。後ろに佇むヤーさんの殺気が怖かった覚えがある。

 

「で? そんなゆうやは夏休みの雀荘破りはどこに行くの?」

「またそんな道場破りみたいな……」

「普通の雀荘巡りだっての。とりあえず今年は大阪かなぁ。強い人が集う雀荘が結構あるって話だから楽しみだったり。後長野か」

 

大阪にいる友人に強い人が集まるような雀荘は聞いてるので、それを元に雀荘巡りを行う予定だ。それに元々大阪は新世界を中心に、将棋・囲碁・麻雀とテーブル競技が盛んだった地域。そこらのおっちゃんが有段者クラスなんてこともあるらしい。かなり楽しみである。

 

「あれ。長野ってことは、お盆以外で行くの?」

「あーいや、京太郎に事前調整頼まれてさ。ついでに爺ちゃん婆ちゃんの家の手伝いしてくる」

 

インハイまでに、一回強いデジタル相手に戦っておきたいとのこと。京太郎の知り合いで強いデジタル打ちって大体インハイ出るから、練習試合とかプライベートでも打つことはできないんだよね。というのもあって、インハイに出ないしそもそも部活に入ってなくて、バイクという移動手段がある俺に白羽の矢が立ったのである。

 

「ゆうや君もやること沢山あって大変そうね」

「まあ全部好きなことだし、いいんだけどね。今年の夏休みは色々な意味で充実したものになりそうだわ」

 

だって、夏祭りとか海にも行くし、趣味に存分に打ち込めるしと。しかも夏祭りと海に至っては美少女四人と行くんだ、これで喜ばないわけないよね。

さて、明日から夏休みだ。思いっきり楽しむか。

 

*1
バスト・ウエスト・ヒップ




【速報】ゆうや君鈍感疑惑【リア充爆発しろ】

次話はかがみさんの小話の予定。

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