あに☆すた   作:タボ茶

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☆3

〈GW一日目〉

 

GW一日目。まずは近場でということで近所の雀荘を巡り、全卓で一位を搔っ攫ってきた帰り。そういえばと思い立っていつもやっているネトゲにログインしてみる。

とりあえずフレンドリストのオンラインの場所をサッと斜め読みすると……まあ居ますよね。konakonaの文字が青く輝いている。

認識すると同時に個人メッセでこなたから連絡が来た。

 

konakona:やほー。GWということもあって凄く接続率いいよー

you:おっすおっす。FL見たけど大体皆おるしな

konakona:クラメンのみんなといつもの狩場にいるから来てねー

you:りょ

 

あ、FLはフレンドリスト、クラメンはクランメンバーの略です。あと、youってのが自分のハンドルネームだ。konakonaは勿論こなたのハンドルネームです。

 

you:しかし、一昨日見た時からレベル結構上がってるけど、いつからインしてるん?

konakona:昨日の夜から

you:ずっと?

konakona:ずっと

you:マジかお前

 

そりゃそんだけ狩場籠ってたらレベルも否が応でも上がるわ。てかずっとってかなたさんに怒られないのかいこなたさん。そうじろうさんにそういうことは期待できないしね、同じ穴の狢だしさ。

 

konakona:さっきまで先生がいたんだけどさ

you:あ、すれ違いだったのか

 

この先生とは我らが2年E組の担任である黒井ななこ先生のことである。まあオタ趣味持ちの先生で気さくな方であるため、人気のある先生だ。

で、黒井先生がどうしたって?

 

konakona:GW初日だっていうのに勉強もちゃんとしろって言われた;;

you:お前相手じゃ正しい対応な気もするが

konakona:ひどい!

you:で、勉強するご予定は?

konakona:……

konakona:バーチャルの世界でリアルの話題はやめない?

 

逃げおった。こりゃする気ない……というか写す気マンマンですな。まあ倫理に反しない限り、バーチャルの世界にリアルの話を持ち込まないのは俺も賛成だけど。

なら話題を変えるか……あ、そういえばこなたに手伝って欲しいことがあったわ。

 

you:じゃあ欲しい武器あるから手伝って欲しいわ

konakona:前々から欲しいって言ってたあれのこと?

you:それ

konakona:おkおk

 

こういう時、本当にこなたは頼りになる。レベルやレア武器はもちろんのこと、膨大な時間を掛けて培われたプレイヤースキルが非常に高いので、狩りの安定感が違うのだ。

俺もそれなりにプレイヤースキルはあるつもりだけど、こなたにはかなわないのよね。

 

konakona:お礼は宿題で!

you:構わないけど、少しは自分でやっとけよ

konakona:善処します

 

それしないやつだろ!

 

 

 

 

〈GW四日目・前〉

 

こなたとネトゲやったり雀荘巡ったり、バイトしたり勉強したりと色々やってたらもう明日がGW最終日になってしまった。

遊び足りないよなぁ。五日間って思った以上に短いよネ……。

 

「お兄ちゃん。この漫画とゲーム借りてくね~」

「おーう……いや待ていずみ」

 

いつもの調子で漫画とゲームを借りていこうとする我が妹こといずみ。

暗い灰色の艶のある長髪と明るい朱色の眼が綺麗で、我が妹ながら美人さんである。

 

「何お兄ちゃん」

「いずみさん、この四日間毎日漫画かゲーム借りてってるけど、ちゃんと勉強していますか?」

「……な、なんのことやら」

 

冷や汗を流しながら眼を横に向けるいずみ。こういうとこはこなたに影響されたのか…? ごまかし方がそっくりですネ。

俺やこなたと同じ中学だし、GWにはちゃんと宿題あるはずだもんな。ということはこいつ、やってないな? 最終日にまとめて片づけるつもりか。

 

「まあ母さんに言われてるだろうし、うるさくは言わんけどさ。今年受験だろ」

「うっ」

「陵桜志望だよな? 陵桜レベル高いからちゃんと勉強してないと危ないぞ?」

 

別にいずみは成績悪いわけじゃないんだけどね。仮にも偏差値が高い陵桜を志望しても教師から反対されない程度には高めの成績ですし。

 

「やろうとは思ってるんだよ…?」

「机に向かってもすぐ集中力切れて息抜きで漫画見たりして気づいたら時間が経ってたってところか」

「まるで見てたかのように!?」

 

勉強が苦手なオタクの生態なんてそんなもんだしな。俺も気が乗らない時は同じ行動取るし。こなたも同じような行動を取りがちだしな。

ふむ、こなたと同じような行動を取り、こなたに影響されている、ということは…?

 

「なら何か賭けるか」

「賭けるって?」

「いずみのテストの点で。達成したらなんか買ってあげる」

 

こなたが陵桜の受験の際にそうじろうさんが取った手だ。高校をランク付けして、進学した高校のランクに応じて入学祝いを贈るという手法。

確か陵桜はSランクで、プレゼントはPS2とパソコンだったかな。

それまでに使ってたパソコンはそうじろうさんのおさがりのだったってさ。

 

「お兄ちゃんにしては太っ腹だね」

「バイトしててお金はあるからなぁ。とりあえず次の期末テストで全教科85点以上だったらDS本体となんかソフト一本プレゼント」

「本当!?」

「おう」

 

これならやる気も上がるだろう。期末テストにしたのは流石に中間テストだと勉強の時間が足りないだろうというのと、出たばかりでDSが品薄だから手に入れられるように期間を空けたいというのが主な理由だ。

 

「お兄ちゃん、私頑張る!」

「体が物欲に支配されている……」

 

まあうまくいくだろうな。なにせ俺、何かを賭けたときに自分が思い描くようにならなかったことが殆どないしネ。

じゃあいずみの勉強でも見てこようかな。

 

 

 

 

〈GW四日目・後〉

 

「ということがあってだね」

『みーちゃんってやっぱり単純だネ』

「お前が言うな」

 

いずみとのやり取りの後、こなたから電話がかかってきて電話中である。で、さきほどのやり取りと賭けについて話したところ今のような反応が返ってきた。

というか参考にしたのこなたとそうじろうさんのやり取りなんだが。だからこそのお前が言うなである。

 

『でもDSって大きく出たねー。好きな漫画5000円分までとかでも良かったんじゃない?』

「いずみって目の前にぶら下げられたエサが大きければ大きいほど頑張るタイプだからな」

『後は兄の威厳みたいなの入ってたり?』

「……やっぱ分かる?」

 

長い付き合いだからなぁ。俺がこなたのこと分かるように、こなたも俺のこと分かるのな。

いやー、兄として妹にいいところ見せたいってのは当然の感情じゃないかな。

 

『じゃあゆうや、次の期末テストで私が全部85点以上取ったらさ、夏コミのファンネルになってくれない?』

「いいけど……てか俺、次の夏コミ多分サークルチケット組だから大手か企業ブース回ろうか?」

『いいの!?』

「俺といずみの分のついでだし」

『ありがとー!』

 

それに別に賭けとかしなくてもファンネルぐらいするぞ? 割と欲しい同人誌や好きなジャンルが被ってるもんな俺とこなた。

 

『というかゆうや、サークルチケット組ってどゆこと!?』

「ネット麻雀で知り合った人が大手サークルの人でな。麻雀描写の監修と売り子することになったのよ。あと個人的に麻雀教えてる」

『麻雀系の同人で大手…あのサークルか! ゆうやって変なところで凄いつながりあるよネ』

「たまたまが重なっただけなんだけどなー?」

 

そのサークルの人曰く、どうやら俺ってばネット麻雀ではそれなりに有名な存在らしい。流石にのどっちほど有名ではないとのこと。

でもそういうこなたもネトゲで大手サークルさんと知り合ったって言ってなかったっけ?

 

『あ、そうだ。かがみとさ、明日宿題の掃除もかねて勉強会しようってことになったんだけど、ゆうやも来ない?』

「こなたの場合写すだけでは?」

『むー、ちょっとは自分でやったってば』

 

ネトゲのログイン履歴見る限り、かがみさんつかささんと遊びに行ってるとき以外は大体ログインしてたっぽいんだよね。流石にかなたさんに怒られたのか、今日はログインしてなかったっぽいけど。その時にちょっとやったのかな。

 

「行きたいのは山々だけど…いずみの宿題の面倒見なきゃいけないから行けないわ」

『残念だネ』

「勉強会はまた今度だな」

 

行きたかったなー。勉強会って楽しいし。

 

『じゃあ会うのは連休明けだね』

「おう」

 

そんな感じでこなたとの通話は終了。と、同時にもう一度かかってくる電話。

こなたか? 何か伝え忘れたことでもあったのかな。

 

「はいもしもし、若瀬です」

『あ、ゆうや君? かがみだけど、今大丈夫?』

「あれかがみさん。大丈夫だけど、どうしたの?」

 

かけてきた相手はかがみさんだったか。どうしたんだろうか。……先のこなたとの会話から察するに、勉強会のお誘いかしら。

 

『明日宿題の掃除もかねて勉強会をウチでするんだけど、ゆうや君も来ない? こなたとみゆきも来るわよ』

「あー、さっきこなたから聞いたわ。行きたいんだけど用事があってな」

『そうなの…残念だわ』

「妹の勉強をみないといけなくてな…」

 

やっぱり勉強会のお誘いだった。かがみさんから誘われるってのはまた別種の嬉しさがあるな。まだ一か月の付き合いとはいえ、だいぶ仲良くなれた感が大きいネ。

 

『ああ、妹さんがいるんだったわね』

「そうそう。陵桜志望で今年受験だからさ、家庭教師代わりみたいな感じで」

『へぇー。そういえばこなたの従妹も陵桜志望で今年受験するらしいわよ。私たちの周りって陵桜志望の子が多いのかしら』

 

こなたの従妹……となるとゆーちゃんだろうか。というかゆーちゃんだろうな。てかゆーちゃん陵桜志望だったのね。

いずみがゆーちゃんと受験について連絡を取り合っててなんだろうとは思ってたが、志望校一緒だからか。対策とか傾向とか教えあっていたのかな。

 

「埼玉どころか関東でも有数の高校だしなぁ。一定以上の学力があったら目指すんじゃない? 俺も進学実績で選んだトコあるし」

『ゆうや君も進学実績で選んだのね。私もよ』

「で、周りのやつが同じトコを選ぶと」

『こなたもそんな感じで高校選んだのね……つかさもよ』

「やっぱり?」

 

つかささんとこなたは似たもの同士だと改めて思う。ついでに俺とかがみさんもか。……勉強にしたって、かがみさんも姉の威厳で頑張ってたところがあるだろうしなぁ。俺も勉強頑張ったのは幼馴染の男としての威厳ってのがあるし。

いや、自分の場合は威厳というよりも見栄のほうが正しいのかもしれんが。

 

『ゆうや君はちゃんと宿題やってるわよね?』

「二日目には全部終わらせたぞ」

『……早いわね。ゆうや君は毎日定期的にやって終わらせるタイプだと思ってたわ』

「早めにやったら後はずっと遊べるしね」

『理由がなんともらしいわね…』

 

二日目だけ予定がバイトだけだったから、全部やっちゃおうとは思ってたのだ。まあ四分の一くらいはGW入る前日の放課後に終わらせたんだけど。

 

『じゃあまた連休明けに会いましょ』

「おう。勉強会の誘いうれしかったぞ。また機会があったらしような」

『……ええ、じゃあね』

 

そうして切れる電話。

……かがみさん、誘ってくれて本当にありがとうね。

 

 

 

 

〈連休明け〉

 

「うーす、皆GWは楽しく過ごしたかナー?」

 

というわけでGWも明け、本日から学校である。……なんで連休明けの初日の学校ってこんなにだるいんだろうね。

あ、黒井せんせー。自分は楽しく過ごせましたよ?

 

「ま、休み明けは中間テストが近いし、宿題もあったからずっと楽しかったってわけにもいかんやろうけどなー。悪いけどセンセは気にせずずっと楽しい思いしてたわ」

「先生」

 

お、こなた。朝のHRから発言するなんて珍しいですね。宿題は全部片づけられたって言ってたし、少しは気が楽なのだろうか。

 

「私もまっっっったく気にせず遊びました」

「オイ」

 

こなたサン!? 連休明け一発目の発言がそれでいいんデスカ!?

本当に怖いものなしなんだねこなた……俺もあまり気にせず楽しんではいたけども、この空気の中それを発言する勇気はないわ……。

 

「泉ィ……お前ホンマに変わらんなぁ…」

「変わらないのも美点だと思ってます」

 

ピキーンと目を光らせながら先生に返答するこなた。変わらないのも美点か。まあ変わりゆく世の中で変わらないものはあってもいいと思うけどさ。

でも勉強関係は良いほうに変わらないとダメじゃないかなぁ。ボクら来年受験ですよこなたさん。

 

「ちゃんと宿題はやったんやろな?」

「モチのロンですよ先生!」

 

でもそれ大半写したやつですよね?

確かに少しはやったやつではあるんだろうけども。

 

「それならええんやけど、少しは気にせぇよ?」

「はーい」

 

その返事は気にしないやつですね分かります。

って、流石こなただ。連休明け一発目のHRの時間だけでこんなにもたくさんのツッコミポイントを作るとは……。

 

ま、学校での楽しい日々の再開だ。ゆるーく頑張っていきましょうか。

 

 

 

 




ゆうや君、18歳未満で普通に雀荘巡りとかしてるし麻雀喫茶で働いていますが、この世界線では法改正で麻雀関係は風営法から外れています。
現実では18歳未満が雀荘に入ったりすることはできませんのでご注意ください。
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