あに☆すた   作:タボ茶

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元々ストックなんてなく、プロットもなく勢いだけで書き始め、お仕事の休日も不定期なので不定期更新なんです。

最後の小話が思った以上に長く……


☆7

〈ジューンブライド(乙女の憧れ)〉

 

「お兄ちゃんお兄ちゃん見てこれ!」

「何々……? おっ、ついにゆいねーさんときーにーさんゴールインしたのか」

 

6月某日。朝からなにやらいずみが騒いでいると思ったら一通のハガキがきっかけのようで。

ハガキの内容を見てみると、そこには泉家親戚の結婚のご報告だった。

ゆいねーさんこと小早川ゆいさん──結婚するから成美ゆいになるのか──は、そうじろうさんの妹の娘さんということもあり、若瀬家とも親交があるのだ。

 

「今月結婚ってことはジューンブライドかぁ……いいなぁ」

「ジューンブライドなぁ」

 

目をキラキラさせているいずみがそう呟く。足元にはうちの愛犬も引き連れており、喜ばしいことがあったと理解しているのか、興奮気味にいずみや俺の足元をぐるぐる回っている。

 

「やっぱりいずみもジューンブライドに憧れがあったりする?」

「もちろん!」

 

とのこと。なるほど、いずみもジューンブライドに憧れがあるようだ。確かに結婚に関しては6月が幸せの代表みたいな風潮があるなぁ。この時期は女性向けファッション誌(いずみが買ってくる)の表紙も結婚式のものが多い。

 

「お兄ちゃんは憧れたりするの?」

「いや別に」

 

むしろなんでジメジメしたり雨が降って台無しになる可能性がある月が人気なのだろうかという疑問の方が先に来るんだよね。希少価値的な意味だと、梅雨なのに雨が降っておらず快晴の日に結婚式ができたってのはレア中のレアなんだなとは思うけど。

 

「なんかの調査で、男性もジューンブライドを意識してる人も多いって聞いたんだけどお兄ちゃんは違うんだ」

「俺にまともなそういう意識があるとでも?」

 

結婚できるか分かんないオタクでっせ?

ネトゲだとジューンブライドには結婚イベントとかゲーム内で結婚しているプレイヤーに記念アイテム配布とかあるけどさ。

 

「ってもうこんな時間じゃん。ほらいずみ、いつまでも騒いでないで学校行くぞ」

「えっ嘘もうこんな時間!?」

 

時計を見て驚くいずみ。……やっぱりうっかりしてるとこあるなぁ。そんなんで学校でオタク隠せてるのだろうか……ばれてないって言ってたけど、案外バレてんじゃないのかね。

 

~☆~

 

「え、何故6月の結婚は幸せの象徴になっているか……ですか?」

「こなちゃんとの会話で気になっちゃって……」

 

登校して朝礼後。先に来てたこなたとつかささんも似たような会話をしていたらしく、みゆきさんにジューンブライドについて聞いているようだ。

 

「一般的に6月、英語で言うとJuneですね。これはローマ神話のユノに由来していると言われていまして、このユノという女神はギリシャ神話でヘラといいます。ヘラは結婚や出産を司っていて、ヘラの月である6月に結婚した人は守護され祝福を得る、と言われているんですよ」

「へぇ~そうなんだ」

「しかしヘラ、ね。あのゼウスの妻の」

「そうですね、三美神の一柱です」

 

ヘラかぁ。そうかヘラなのか……。あんまりヘラにいい印象ないんだよなぁ。

色々と凄いことをやってるイメージがね。

 

「でもヘラって嫉妬深いイメージがあるよね……祝福どころか呪われそうな気もするけど。そのあたりどうなんだろうネ?」

「あ、あはは……」

「で、ですがヘラは純潔を大切にしてる女神なので、一途なら大丈夫かと……」

 

一途同士の夫婦には祝福を、浮気癖がある男女には呪いをって感じなのかな。

 

「コロコロ嫁が変わる俺やこなたみたいなオタク相手じゃ基本呪いを与えるのカナー?」

「オタク特攻型女神……」

 

向こうの宗教家に怒られそうな会話だなぁ。でも確かに重婚型オタク特攻はもってそう。

 

「一途であることは美徳ですしね」

「こなちゃんもゆうくんも、一途な方がいいんじゃない?」

 

やっべ。意識か無意識か、優しい二人に毒吐かれちゃったよ。

 

 

 

 

〈ドーム球場とオリンピック〉

 

「梅雨だし、やっぱり雨多いなぁ」

「いやだよね~」

 

今日も相変わらずの雨。ジメジメが続いて暗い気持ちにどんどんなってくな。

 

「昔は結構雨も好きだったんだけどね」

「へー、こなちゃん好きだったんだ」

 

こなたも俺と同じで特別感があってか好きだったんだろうか。でもこいつの場合そう簡単に思いつくような理由で好きだったのは違和感がある。

 

「私は濡れちゃうし、服は乾かないし、匂いも付いちゃうしで結構ニガテ……ゆうくんは?」

「俺も大体同じ理由で苦手だな」

 

前かがみさんにも嫌いな理由を言ったなぁ。つかささんも似たような理由で苦手なのね。

まあ雨が苦手な人は大体この理由に帰結するんだろうけど。

 

「こなちゃん、好きだった理由はどんなの?」

「雨だとスポーツ中継中止になって、テレビ放送がちゃんとした時間で放映されるからネ」

「こなちゃんらしいね」

「ホントにな」

「最近はドーム球場増えちゃったから少なくなったケド」

 

そう言ってため息をつくこなた。確かにここ最近各球団のホーム球場はドーム球場に改装されたり移動したりしているような……。

 

「スポーツ中継の話題で思い出したけど……」

 

いきなり話題をぶった切ったと思ったら、黙ってすごく不機嫌になった。エェ、なんだよ一体……。

 

「いきなりどうしたの? こなちゃんすごい不機嫌だけど」

「やっぱりスポーツ中継大っ嫌いだ──ー!」

 

そして不満を大爆発させるこなた。そういえば最近スポーツ中継や特番多いもんな。深夜アニメや深夜番組も結構潰れてる気もする。

 

「今年オリンピックだもんね。近くなってきたからスポーツ中継増えたし」

「バレーボールだのサッカーだのなんだの……」

 

あー……確かにそのあたりの中継は増えたもんなぁ。ただ、この特番ラッシュの中には俺にとっては嬉しいものもあるわけで。

 

「個人的には麻雀特番増えたから嬉しいんだけどネ」

「麻雀って前回から種目に追加されたんだっけ?」

 

そうそう、麻雀の競技人口が増えたことで入ったんよ。あの時は界隈も盛り上がったなぁって。俺も喜んで対戦麻雀のスコア更新しに行ったぜ。

 

「麻雀特番多いよねぇ」

「前回は小鍛治プロとかが大活躍してたからなぁ。銀メダルだし」

 

しかもあれ金メダルの選手が他家飛ばさなかったから一巡後役満上がってたからなぁ。

実質世界最強だよねとは今でもネットで激論が交わされてるのよね。

 

「ゆうやのトコはケーブルTV引けてるからいいじゃん……」

「それについてはアキラメロン」

 

ぬおー! とさらにショックを受けるこなた。本当に欲望の塊というか、欲望に忠実というか……。まあ録画DVDなら貸してやるから落ち着けって。

 

「こなちゃんとゆうくんって同じアニメ好きなのに、反応違うんだね」

「余裕とアニメ以外の趣味の有無だね」

 

多分こなたもケーブルTV引けてたらそこまでスポーツ中継を嫌うこともなかっただろうしネ。

その後、こなたはぶつぶつと呟きながら机に沈んでいった。

 

 

 

 

〈勉強〉

 

次の日。休日ということもあり、柊家で遊ぶことに。かがみさんつかささんのお父さんとの、彼氏なのかどうなのかというやり取りがあったものの、俺はこれを余裕で通過。

娘大好きな父親への対応はそうじろうさんで慣れているのだ。

なお、やり取りしている際にかがみさんとつかささんは赤くなっており、一緒に来たこなたはニヤニヤしていた模様。

 

「うーん」

「こなちゃんどうしたの?」

 

各自お菓子を食べたり漫画をやったりゲームをやったりと自由に過ごしていたら、こなたがいきなり悩み始めた。どうしたいきなり。

PS2移植の怒〇領蜂の協力プレイをやっていた俺とかがみさんもちょうど周回クリアしたとこだったので、二人してこなたのほうを向く。

 

「漫画だとさ、バカなキャラと頭がすっごい良いキャラが同じ中学とか高校に通ったりしてるじゃん?」

「そうだなぁ。バ〇テスなんかはもっともな例だよネ」

「よく考えると不思議だなぁって」

 

……うん? それはひょっとしてギャグで言っているのか!? それってうちの高校もな気がするんですがそれは。

 

「私もそれは同感だわ。とても、すごく」

「ごめん、それは俺もだわ……」

 

今回に限って言えば、かがみさんと同じことを思い浮かべてるって確信できたわ。かがみさんと見つめあって二人で同時にため息。

 

「しかしこなた、あんた良くこの高校合格できたわね」

「むぅ、かがみ。私だってやるときはやるんだよ」

 

確かにやるときはやるのがこなただ。たまにやる気になったら驚きの結果を残すこともあるしね。

 

「こなた一夜漬け得意よね。もしかして受験も一夜漬けだったりするの?」

 

イヒヒとちょっと意地の悪い笑いを浮かべるかがみさん。こういう笑いもかがみさんに似合ってて可愛いわ。

 

「──────ふっ」

「ま、まさか本当に一夜漬けなの……?」

「こ、こなちゃん?」

 

怪しい顔つきでニヤリとするこなた、それを見て驚愕する柊姉妹。……いやー、確かにこなたを知っててこの笑顔見ちゃうと本当にそうなのかって気になっちゃうよネ。

 

「流石に受験は一夜漬けなんてしないけどネ」

「俺も勉強見てたしな」

「「び、びっくりしたー……」」

 

安堵のため息を吐く柊姉妹。驚愕から安堵って結構心に負担が来るよね。たまに心臓バクバクするし。

 

「普段宿題写したり一夜漬けしたりするのに、良く受験勉強続けられたわね」

「お父さんとね、賭けをしたの」

「賭け?」

 

そして柊姉妹にそうじろうさんとした賭けの内容を話始めるこなた。要するに良い高校入れたら良いもの買ってあげるよってやつだ。

 

「あんたのお父さんもあんたの扱い方を心得てるわね……。というかなんでその集中力を他のことに活かせないのよ……」

 

そして話を聞いたかがみさんの反応がこちらになります。ちゃんと呆れと困惑の中間の表情を浮かべている。まあその気持ちは俺にも分かるわ。

 

「(ま、それだけじゃないんだけどネ)」

「趣味とかにパワーやエネルギー振り分けすぎなんだよなぁこなた」

 

ネトゲのスキラゲで似たような振り分けしたら極振りって言われても致し方なしな感じ。

極振りが特定状況下だと強いのは分かるんだけども。

 

「そんなことよりふと思ったんだけどさ」

「なんだよいきなり」

 

そう言って黙るこなた。そして視線をつかささんに向ける。……いや本当にどうした?

視線を向けられているつかささんも困惑と疑問の表情をしながら?マークを飛ばしている。

 

「いや、つかさが同じ学校にいる方が不思議だなって」

「そんな言いにくいことをはっきりと!? こなちゃんのクセに~」

「確かに良く受かったなとは思うわね」

 

こなたって本当に言いにくいことズバズバ言うよな。俺も中間テストのあれそれ見てるとよく受かったなとは思っちゃったけどさ。

 

 

 

 

〈ダイエット〉

 

こなたの発言によりちょっと不貞腐れたつかささんを皆で(主に俺とかがみさんで)宥め、ゲームや漫画は一旦中断しお菓子タイムに突入した。

ポテチをパーティー開けし、チョコ菓子やらクッキーやらが机の上に並んでいる。

 

「ポテチはやっぱりコンソメ一択」

「ゆうくん、コンソメ味が好きなんだね」

「お菓子は全体的に好きなんだけどな」

 

のり塩とかうすしおとかも食べるけど、やっぱり最後はコンソメ味に戻ってくるのだ。

好きなお菓子の味って個人の趣味嗜好が一番出てくるとこだと思うんだ。

 

「つかささんはお菓子好きなの?」

「うん! 食べるのも好きだけど、作るのも好き!」

 

なるほど料理上手なつかささんらしい回答だ。……というかお菓子作りもできるのか。料理とお菓子作りは別物だと小耳に挟んだことがあるが、どっちもできるって凄いな。

本当に家事スキル高いんだね。

 

「お菓子好きと言えば。かがみはいつも良くお菓子食べるのに、今日は全然食べてないね」

「たまたまよ。別に特に理由もないしね」

 

そう言ってポテチを摘まむかがみさん。そういえば確かに昼食後とかでも良くお菓子を摘まんでいるイメージがあるなぁ。で、今日はあんまり食べてないような……。

お菓子の減りも遅いな。ポテチ一袋がまだ半分も減ってない。

 

「んー? その反応、もしかして夏に向けてのダイエット?」

「……別にそんなんじゃないわよ」

 

ぴくっと反応したかがみさん。おっと、男にとっては反応しづらい話題になってきましたね。正直居辛い雰囲気になってまいりました。

 

「今年は水着を見せる相手もいるしネ。誰とは言わないけど」

「別にゆうや君に見せるわけじゃ……」

「ゆうやとは言ってないヨ?」

「おおい!?」

 

ちょっと積極的に巻き込みに来ないでもらえますか!?

俺に水着を見せることを想像したのであろうかがみさんも顔真っ赤にしないで!?

とりあえず話題を逸らすしかないか……こなためぇ……。

 

「ま、まあ誰に見せる見せないは置いておくとして、ダイエットならお菓子断ちとか食事の量を減らすとかよりもまず運動しなきゃ」

「やっぱりそうなの?」

 

元運動部の俺の言葉に興味を向けるかがみさん。……というかその発言だとダイエットしてるって認めてるようなものだけど、いいのだろうか。

 

「むしろ食事の量は普段通りで、ランニングとかある程度の筋トレが必須になってくるかな」

「へぇ、普段通りでいいんだ」

 

よく食事の量を減らしてダイエット成功しましたってのを見かけるけど、むしろリバウンドとかの元になっちゃうから良くないんだよね。一時的に痩せるのならいいけどさ。

 

「食事で調整するのなら主食……お米とかパンだね。これをお米のみにして多めにゆっくり食べるのがいいかな。あとは脂肪分少な目でタンパク質多めのおかずを取る。もちろん野菜もきちんと食べる」

「ほうほう」

 

まあこれは運動をきちんと行い規則正しい生活を送ってることが最低条件なんだけど。若いから無理は効くんだけどさ。

 

「俺らまだ十代で代謝も良いからね、間食は食べても大丈夫かなぁ」

「お菓子とかも食べて大丈夫なもんなの?」

「食べ過ぎなきゃ大丈夫」

 

むしろ今まで食べてたお菓子を断つことでメンタル面への影響も大きいだろうしそれは辞めといた方がいいかな。

 

「後はとにかくできるだけ規則正しい生活を送ること。適度な運動も必須です」

「運動、やっぱり必要なのね……」

「むしろ痩せようと思ってるのに運動しないのはただの怠慢だぞ」

 

運動せずに痩せようと思ったら身体面へのダメージがデカすぎるからきちんと動きましょうね?

 

「別に激しい運動は必ずしも必要じゃないしね。というかいきなり激しい運動し始めると体壊す可能性高いからおススメしません。あくまでも適度なのがいいんです」

「適度な運動って良く聞くけど、どのくらいなの?」

「んー、最初はジョギング5kmぐらいと体幹トレーニングぐらいで十分だと思うぞ?」

 

ダイエットじゃなくて体作りだったらもうちょっと筋トレとかいれるんだけどさ。

 

「まあメニュー知りたいのなら教えるよ」

「後で詳しく聞かせてもらうわ……ちなみにだけど、ゆうや君って毎日どれぐらい運動してるの?」

「ランニングを朝夕に分けて合計15㎞、体幹トレーニングに基礎の筋トレ一式かな。バイトの時は朝のランニングだけだけど」

「「じゅっ……!?」」

 

やっぱり15㎞は多いのだろうか。テニスって持久力が必要なスポーツだからランニングは毎日してたし。その習慣が今も残ってる感じだ。

 

「ゆきちゃんのこと完璧超人ってよく言ってるけど、ゆうくんも十分ハイスペックなような……」

「確かに、文武両道を体現してるわね……」

「これが私の幼馴染なのだよ!」

「なんでこなたが誇るのよ?」

 

いや、俺もこなたがなんか凄いことしたら周りに誇るんだけどな。これが俺の幼馴染だぞって。こなたを自慢したいのよね。

 




今はコロナ禍で室内にいることが多いからこそ、適度な運動が必要な気もします。
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