ハイスクールD×D ~正義の味方を目指す者~   作:satokun

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とりあえずどんな評価されるのかが気になってみたので投稿しました。
評価がよかったら続きを書くかもしれない・・・

詠唱を少し改訂しました。

2015/02/25 修正


第零章 はじまり・・・
プロローグ


 

 己という存在を捨てて、全てを救おうと、護ろうとした男がいた。

 

 誰かを助けたいという願いが綺麗だったから憧れ、正義の味方を目指した。

 

 誰よりも強く、誰よりも優しく、そして・・・・・・誰よりも孤独だった。

 

 自身の命より他者を優先する。

 

 まるで、己が初めから死んでいるかのように、簡単に自身を切り捨てる。

 

 だが、それでも救えない、護れない命が多くあった。

 

 何度も絶望した、何度も涙した。そう何度も・・・。

 

 救った者達から裏切られたこともあった。

 

 救っても誰も認めてくれない。誰も彼を理解しようともしない。

 

 でも彼は自分の理想―――正義の味方になることを諦めなかった。

 

 何故なら、彼にはそれしか残っていなかったからだ。

 

 やがて彼は多くを救うために世界と契約し絶大な力を得た。

 

 その代り死後、己が存在を売り渡し、世界の奴隷となることで・・・。

 

 だが、彼はそんな事を気にしなかった。それで人々を救えるなら構わないと・・・。

 

 彼の心は壊れていた。

 

 この身は誰かの為にならなければならないという強迫概念に突き動かされていた。

 

 それが苦痛だと思う事もなく、破綻していると気付く間もなく、ただ走り続けた・・・。

 

 故に自身にどんな結末が待っていようと、彼は笑っていられた、戦っていられた。

 

 それで人々が救われるなら構わないと・・・。

 ・

 ・

 ・

 ・

 

「やれやれ、まったく・・・」

 

一人の男がそう呟く。

男は黒いロングコートのような独特の着物を身に纏っており、背には白銀の大弓、腰の帯に鞘に納刀された刀を差していた。

その漆黒の瞳で正面を見据えながら呟く。

 

「これほどの量とはな・・・」

 

目の前には異形の軍団がいた。

下半身が獣のような体をしているもの、全身に棘のようなものが生えているもの、背中には翼が生えているもの、といった様々な種類の『化け物』と呼べる軍団が見渡す限りを埋め尽くしていた。

 

「ふっ、だからと言って退く理由にはならない。この後ろには多くの人々がいるんだ」

 

心に決意の炎を灯し、鷹のように鋭い眼で異形達を見据える。。

 

「―――終わりを始めよう」

 

静かに瞳を閉じる。

そして、浮かび上がる詩を紡ぐ。

 

―――我、望むは救う力 護る力

 

―――幾たびの戦場を越えて不敗

 

―――ただの一度も敗走はなく ただの一度も理解されない

 

―――彼の者は常に独り 果てなき想いを胸に刀を振るう

 

―――皆が望むなら、我は常世全ての善となろう

 

―――皆が望むなら、我は常世全ての悪となろう

 

―――故に、我が生涯に意味は要らず

 

―――その者は、きっと『永久に続く希望と絶望』の想いを抱き続けるだろう

 

男を中心に金色の光の輪が広がり、世界が塗り替えていく。

ただの荒野だった場所は、果てしなく続く金色に輝く平原に変わり、常闇が支配する綺麗な夜空が広がっていた。

 

すると、異形の存在達が一斉に男をギラギラとした目で睨む。

瞑っていた瞳を開くと、先程までの漆黒ではなく真紅に染まった瞳。

男は異形の存在を見据えながら、腰に帯刀していた刀を抜刀する。

鍔は無く、通常の日本刀より少し長い。そして、刀身は漆黒に染まっていた。

 

「最後まで付き合ってもらうぞ」

 

男は手に持つ刀に問いかける。

その問いに答えるかのように、刀身が輝く。刀に呼応するように背の弓も輝く。

それを見て、男は笑みを零すが、すぐに表情を引き締める。

 

「さぁ、終わりにしよう・・・・・・『終焉の化け物(アルカード)』」

 

そう言って、異形の存在達の奥に見える巨大な異形を見据えてから地を力強く蹴り駆け出す。

すると奥にいた『終焉の化け物(アルカード)』と呼ばれた存在が大きな咆哮を上げると、異形達も男に向かって一斉に襲いかかる。

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

途切れ途切れの息遣いがあたりに響く。

 

「終わったのか・・・」

 

漆黒の刀を地面に刺し、片膝をついている状態だ。すぐ横には白銀の弓が地面に無造作に置かれていた。

先程の真紅の瞳ではなく漆黒の瞳であたりを見渡す。

周りにはいくつもの異形達がいた。その全てが息絶えている。

先程まであった金色の平原も常闇のような夜空もまるで幻だったかのように存在していない。

 

男は生きている異形がもう存在しないことを確認すると、崩れるようにその場に倒れた。

仰向けに倒れ、空を眺める。

地上は戦いの後で酷く汚れているが、空は何処までも綺麗な夜空を浮かべており、輝く満月の青い光が青年を照らす。

 

「俺もここまでか・・・」

 

男の腹部には大きな風穴があいており、それ以外にも幾つも大きな傷が目立つ。

地面には男の血だと思われる赤い液体が今も体の至る所から流れている。

もう助からないことが窺えた。

自身が死ぬというのに、まるで他人事のような態度をしている。

天に右手を伸ばし、何かを掴もうとする仕草をする。

 

「・・・俺は『正義の味方』になれたのかな。・・・いや、俺は正義の味方なんかじゃない。

ただの殺戮者か・・・。でも、それでも・・・俺は―――」

 

伸ばしていた腕が力なく地面に落ち、男は瞳を閉じた。

そして、眠るようにその生涯を終えた。

 

―――だが、その者の体は光に包まれ、やがてその場から姿を消した。

共にあった刀と弓も姿を消していた。

男、御剣 翔はこの世界から姿を消した。

 

 

ハイスクールD×D ~正義の味方を目指す者~ 開幕

 

 

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